最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
Manglehorn 刻み角 (2)(G) U クリーチャー・ビースト 2/2 〜が戦場に出たとき、対象のアーティファクトを破壊しても良い。 あなたの対戦相手のコントロールするアーティファクトはタップ状態で戦場に出る。 現在のスタンダード環境に鋭く突き刺さる逸品。Wizards社が何とか環境を動かそうとメタに刺さるカードを慌てて作ったみたいなイメージだよな。いや、製作時期を考えるとそんなことはないんだろうけど。緑の伝統である「ウークタビー・オランウータン(6ED)」「ヴィリジアンのシャーマン(10ED)」の流れでアーティファクト破壊力が純正強化され(破壊が任意になった)、更にアーティファクト版の「宿命(6ED)」まで内蔵。どんだけアーティファクトが憎いんだ、っていう素晴らしいポテンシャルだ。機体を破壊しながら前進出来ることはもちろん、こいつを先に展開出来ればサヒーリコンボも根絶出来るという、2つのメタを同時に解決するお手並み。製作チームは何とか禁止カードを出さずにスタンダードの現状を打開したいと考えているようだが、このビーストがその一助になるかどうか。一ヶ月後に注目だ。
Mouth 食餌 (2)(G) R ソーサリー 3/3で緑のカバ・クリーチャー・トークンを1体生成する。 ----------------- Feed 給餌 (3)(G) ソーサリー 余波 あなたがコントロールするパワー3以上のクリーチャー1体につき、カードを1枚引く。 「mouth to feed」で英語では「扶養家族」(養わなきゃいけない人)の意味になるらしい。まぁ、このカードの効果だけを見ると養ってもらってるのはプレイヤーの方だけども。上のモードは単純明快。単に3マナで3/3のバニラが出てくるので「獣群の呼び声(TSB)」と同じ使い心地。古の強レアと同じ使い心地ってんだからそれだけで充分である。何故象やビーストやでなくカバなのかは謎だが、これもエジプトっぽさを出すための一工夫なのだろう。調べて見たらカバってのは基本的にアフリカの生き物だが、かつてはナイル流域にも生息してらしく、水の中に過ごすカバは、エジプトの人々の信仰にも関わっていたとかなんとか。残念ながら墓地からフラッシュバックして2体目のカバが出てきたりはしないが、代わりにカバ分だけカードがもらえる。いや、もっともらえるかもしれない。いかにも緑らしいカードの引き方で、「ガラクの群れ率い(M15)」あたりと同じギミック。このカード単体で使うと6マナキャントリップの3/3クリーチャー。流石にあまり効率がいいとは言えないので、最初はカバカードとしてつかい、盤面を整えてからの余波ってことになるだろう。相手もこのカードが墓地にある場合には大きいクリーチャーは牽制してくるだろうから使いどころが難しい。あくまでおまけなのでそこまでがめつく得を取りに行くことにこだわらない方がいいだろう。 PR 分かってた、分かってたさ……最終回! いや、台無しにしてくるだろうってことは分かってたけど、まさかの開始数秒かよ! いくらなんでも潔すぎるだろ! いやー、でも逆の意味で意外じゃなかった? ちゃんと最終回らしいことはやったんだぜ。ほら、味方全員で力を合わせる必殺技とか、クライマックスに1期OPが流れるとか。あと、えーと、えーと……作中で野球をやるアニメは名作! あれ? でも結局野球だったのかどうかすらわからねぇな。実は十四松が暴れてたのは「正しく野球じゃなかったから」っていう伏線だったのでは?(絶対違う深読み) そんなわけで、先週の一切合切は無かったことになってのセンバツ編。相変わらず1つ1つ全部突っ込んでいったらとてもじゃないが追いつかない密度で、やりたい放題である。個人的に気に入ったところだけ触れていくと、一番笑ったのは野球の初戦の諸々かな。最初におそ松がマウンドに立ってチョロ松がマスク被った時点で「お前らポジション逆やろ」って思った人が日本中に数百人単位でいる(と思いたい)。今となってはおそ松(の中の人)は100%キャッチャーだし、その文脈だとチョロ松(の中の人)は投手なんだよ。他の4人は知らん。そして、野球というホームグラウンドがついに来たはずなのに、いつも以上に限界を超えている十四松。「実は一度も試合したことない」ってマジかよ……いや、普段出かけてるのは一日中河原で素振りとかしてるだけだと思えば別に不思議でもないが(だって十四松だし)、多分幼い頃のエピソード探せば1回くらい野球やってる回はあるんじゃねぇのかな。4−6−3のホームランを達成出来るほどのポンコツなのに、野球ギャグはスムーズに出てくるってどういうことだよ。そして安定のカラ松さん。あいつ、良い奴なのは間違いないんだが、今回の大炎上で「良い奴だけどやっぱり頼っちゃ駄目」ってことがよく分かった。基本的に、あらゆるパラメーターがオール最低なだけだわ。あ、あとグラウンドのシーンで妙にツボッたのが開始のサイレンのダヨーン。飛田さんの絶妙な音響が上手すぎる。 その後はコーチ松の一件なども挟みつつ決勝へ。ことごとく虐殺されていくメンバーの中にエスパーニャンコや神松がいるところまでは堪えたが、石油王で吹く。なんでお前いるんだよ。そしてクライマックスは無駄に揺れるトト子の乳。いいじゃないかトト子、脱いだらそれなりに見映えするぞ。罵詈雑言もセット販売だけど、その道ではご褒美です。実際六つ子はそれでエレクトしたしな。最終回のクライマックス。クソニートの六つ子が全員で力を合わせ、童貞卒業のために屹立した息子を全力で奮う、見事な糞アニメじゃないか! ド下ネタと野球という、女性ファンをドン引かせる方向で最終回を作ってくれるスタッフ、やっぱり有能や! 2期? えーと、まぁ、好きにしろ! ここから新シリーズ「第四銀河大附属高校さん」が始まっても俺は驚かないぞ。いつの日かあの校歌がカラオケで歌えるようになるといいな! ラストソングは、イヤミバージョンとトト子バージョンのエンディングをマッシュアップさせ、オールスター登場のスペシャルな仕上がり。こういうところで手を抜かないのもいいところよね。あ、劇中で流れた野球応援歌バージョンのオープニングも好き。もう、2期をやるなら野球アニメにしちゃいな! 「霊剣山 星屑たちの宴」 4→4 「分からん」アニメだった。「面白い」とか「つまらない」じゃなくて、「分からん」。そういう意味では、他では得られない貴重な体験ができるアニメだったのは間違いない。 昨今のアジア圏におけるアニメ技術の進歩というのはそれなりに注目されるトピックであり、外注先として有名な中国・韓国、はてはタイやベトナムに到るまで、日本はアニメ先進国として、近隣諸国に与えた影響がどのような結果をもたらしているかに興味を示してきた。その結果、最近では中韓にオリジナルアニメを製作する気運が高まっているようで、その映像は日本の一級作品に劣らないクオリティになっていることもある。ここで興味深いのは、こうして日本人の眼から見て「ええやん」と思えるアニメってのは、非常に「日本的」であること。例えばアメリカ、それにフランスといった諸外国におけるアニメの多くは、日本のアニメの影響を受けたと言ってもその国独自の路線を維持し、一目見て「これ、日本のアニメじゃないな」と分かるものなのだが、中韓のアニメの場合、日本のアニメと見紛うような方向性のものも発生しているのだ。こうして見ると、やはり地理的な近さ、民族としての近さ(そして文化の近さ)は、新しい創作物においても近接性をもたらすものなのだろうか。今後のアジアン・アニメの展開は引き続き興味深いものだ。 とまぁ、そんな話とこのアニメは直接関係ない。何しろ作ってるのは日本だからな。ディーンだからな。今期ヒット作を続けて出したディーンだが、今作はとてもじゃないが気合いが入っているように見えず、90年代もかくやというヘタレたアニメ映像になっている。これは単にリソースを割かなかった結果なのか、はたまたメインターゲット層である中国の視聴者がこういうアニメを好むからなのか、そのあたりは判然としない。ただ、判然としないだけに、「なんかショボい絵で駄目駄目だったな」と批判するのも憚られる。どれだけ自分の舌に合わずとも、他の国にはその国独自の味の文化があり、それを「質が低い」と批判するのは了見の狭さとも言えるのだ。いや、中国人が見ても駄目な画だった気はするけども。 そして、そんな画に対する不安感以上に、今作は話の方がどう触れていいのか分からない「独自性」にあふれている。ざっくりまとめれば「仙人の修行をする若者の成長譚」なのだが、あらゆる要素が、私の想像している「物語」のひな形から全てずれる。例えば主人公・王陸の造形。敢えてまとめるなら典型的な「俺ツエー」なのだが、日本の「俺ツエー」様は何かと自分を卑下し、ことあるごとに「無能力者」だの「劣等生」だの「最弱」だのとうさんくさいことを言い始めるものだが、王陸は最初から最後まで常に上から目線。持って生まれたチート能力を隠すことなく、「オレサマ出来るから」というので好き放題に暴れ回る。そこに「努力・根性」といったものは描かれない。いや、実際は努力してるんだろうが、このアニメ、そうした部分は全部ナレーションが「こうして一ヶ月が過ぎた」とか一言添えるだけで全てはしょってしまう。この辺りの作劇は、日本のアニメでは見られないものだ。また、王陸のまわりにいる師匠連中なんかも圧倒的俺ツエーだし、どこまで行ってもマジバトル展開が派生せず、常にまわりの連中を見下し、小馬鹿にしたような態度の連中の「俺ツエーのにお前ら何を無駄にあがいてんの?」みたいなお話が延々続く。なんかもう、ここまで来ると、ムカつくとか、つまらないとかじゃないだ。「あっちの人たちはこういうのが見たいの?」とカルチャーショックを受けるのだ。 また、舞台設定の「完全にゲーム的な処理」も、日本のラノベ作品などに近い文化のように見えてまったく違う。いや、多分根っこは同じなんだろうけど、あまりに淡々とそのあたりの設定を処理する姿勢が違う。日本の作品の場合、設定を作り、ゲーム的なものになってくると、必死に説明を付け加えようとするだろう。あまりにデジタルな処理になると「人間味がない」だの「ゲーム世代が」だのと言われ始めるし、それは「物語」ではないと思われる。だからこそそこにアナログな人間物語を介在させようとするし、ゲーム的な設定を生み出したいなら、そのままずばり、ゲームの中に入っている設定にしたり、徹底的に「メタ視点を持つ主人公なんですよ」ということをアピールする。「このすば」「グリムガル」などの異世界転生ものが、そうした「ゲーム的物語への情状酌量」の典型的な現れだ。しかし、今作はそうした「ゲーム的すぎる」ことに一切の躊躇がない。最初の試練では王陸も、まわりの連中も、そしてナレーションも、簡単に「フラグ」なんて言葉を使うし、「ゲーム的な解決があること」を誰もが疑問に思わない。神仙修行においても「プログラム」という言葉をガンガン使い、全ては報酬型ミッションとして処理され、そこに介在する意志はせいぜい仙界上位層の権力争いくらいなもので、試練を受けている人間たちはあくまでも上位者の意思を読み解くこと(つまりゲーム的な解法を探り出すこと)だけを考えてロジカルに動く。この潔さも、なかなか国内作品では見られない傾向だ。 こうして、何もかもが「違う」文法の物語を見せられて、正直困惑する以外になかった。面白いとかつまらないじゃなくて、「分からない」。知らない料理が出てきて、美味しいとか不味い以前に、どこを食べるべきなのかが分からない。そんなこんなであっという間の1クールだったんですよ。多分、食べ方が分かれば正当に評価することも出来るんだろうが……。まぁ、とりあえず現状は「画がしょぼい」ってんで特に良い印象は抱かず、こんなもんですよ。これ、2期目もあるんだよなぁ。次に来たときはもう少し受け止められるかなぁ。 「Dimension W」 5→4 ちゃうねん、ちゃうねん。なんでそんな晴れやかな顔で終わってんねん。そういう作品じゃないんだヨォォォォ! やぁ、原作大好きおじさんだよ! おかげでこのアニメについてはどういう風に処理していいか自分の中でも整理できてないよ! 一つだけ言えることは、アニメと原作は全く別物だということ。私の好きな岩代テイストの中核である、じっとりと嫌らしい、人間特有の粘っこさみたいなものがアニメでは完全に漂白されてしまっている。そして、あく抜きをしてさっぱり風味になったものを、亀井監督の画作りでもって「ちょっとやんちゃなキョーマさんがカワイイアンドロイド少女と送る冒険活劇」に仕立て上げている。俺が見たかったのはコレジャナイ! ……たださぁ、あく抜きした結果の作品として観ると、実はこれが案外成立したんだよ……完全に12話で完結したんだよ。しかも割と活劇ものとしての見応えはあるんだよ。……どうしてくれよう。これだけテンポが早いと次元Wを巡る怪しげな謎とか、シーマイヤーの持ってるイカれた才覚とか、そういうものの味はさっぱり伝わってこないけど、キョーマさんが串を投げて悪を滅するバトルアニメとしては成立してるんだよ。どうしたらいいかな。何よりも徹底的にフィーチャーされてたミラは可愛かったしな。そこはそれで大きな収穫ではあるんだが……。 いやぁ、でもさ、やっぱり違うわ。やっぱりスコア編をカットしたり、八十神編を大幅短縮したのは違うわ。八十神編みたいな理不尽かつミステリアスなテイストこそが真骨頂だろうに、なんでそこは流すのさ。もっとドロドロとミステリアス不気味に不穏に、たっぷり情感を持ってやってくれよ。悪い奴が本当に極悪なツラでにんまりしながらひどいことする様子をもっとクローズアップしてよ。イースター編にしても、各々のヒーローたちはもっと色々と胸に抱えてるものがあったんだよ。サルバとルワイの間にも複雑で面倒な兄弟の関係があったんだよ。ダグを含めたグレンデル内部のお話とか、もっと悲惨で泣ける話があったんだよ。ハルカ・シーマイヤーは、もっともっと下衆でイカれた野郎なんだよ。なんか、そういうもの全部が、軽い……薄い……。しょうがないよな! 1クールで収めるにはこれしかないもんな! 俺のやって欲しい通りにやってたら八十神編で1クールが終わっちゃうから多分間延びするしな! だからスタッフの采配が間違っていたとは言わない。そしてその判断の上で作られた作品自体、狙い通りによく出来ていた。でも、それは私の望んだアニメ化じゃない。原作厨と誹られようが、私はさめざめと泣くのです。再アニメ化はないだろうしなぁ……。「いばらの王」を! なんとか「いばらの王」をシリーズアニメにしてもらえませんかね! 「デュラララ×2結」 6→6 終わってしまいましたな……。今期の終了は単に「結」のエンディングというだけでなく、全部で5クールに及ぶ「デュラララ」という作品の集大成としてのエンディングでもあるので、なかなか単体で切り取っての評価というものは難しい。流石に第1期は遠すぎるので別にするとしても、「承」から「結」まではなかなか切り離せないだろう。 ぶっちゃけ、1期の頃に比べるとパワーダウンしていたのは事実だ。ダウンというのはシナリオ方面の話ではなくて、ブレインズベースから「朱夏」という独立スタジオに移ったことによる影響。特に中盤では映像面がメタメタになった回もあったし、最終盤でも残念ながら映像の盛り上がりは無かった。いちいち大森監督の目の覚めるような演出技法を見せつけてくれていた1期を楽しんだ身としては、非常に残念な結果ではある。 とはいえ、シナリオ面での無茶苦茶さは終盤シリーズになってさらに混迷を増し、作品の特性である「有象無象のぐちゃぐちゃ感」は際だったものになった。全ての要素が切れ切れに飛び交い、それらが何重にも層を成して池袋という1つの街を作りあげていくという無体なシナリオ設計。普通に考えたらこんなもんはまともに形になるはずがない。一本の小説として読むならまだしも、30分区切りで分割しなければいけないシリーズアニメでこの構造はあまりにも無謀だ。しかし、それでもこの作品は「なんとか」してしまった。脚本構成の髙木登氏と大森監督が二人三脚で、3分割3クールという訳の分からないシリーズをギリギリで走りきった。毎週きちんと見ていれば不思議と筋を追うことが可能で、どの局面でもそれぞれに盛り上がりを見つけることが出来る。ほぼ毎週がクライマックスみたいなノリなもんだから、気が休まる暇が無くて本当に大変だが、これを週ごとに構築していくスタッフはさらに大変だったことだろう。とにかく、「決着が付いた」というそれだけでも充分な偉業だ。 作品の構造上、まだまだ未解決な問題は残っているし、掘り下げる余地だらけの鉱脈みたいな作品である。個人的にはもっと色々な形でこの作品に関わる派生を見たいものだが……まぁ、一段落かなぁ。大森さんも「夏目友人帳」の制作が発表されちゃったしなー。ここ最近の大森さんはこの作品や「サムライフラメンコ」など作画が残念になる作品が多かったので、久しぶりに「夏目」が出来ると精神衛生上良いのではないかしら。 「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」 6→6 刺激の多い作品でした。こちらも秋から新シリーズだが、この先、どんな物語が待ってるんでしょうね。 相変わらず「日5の呪縛」が私を縛っている。生活リズムの問題なのか、どれだけ良い作品でもこの時間枠で放送されると、視聴のモチベーションが維持出来ないという問題だ。「マギ」や「青の祓魔師」、最近でも「アルスラーン戦記」などの決して悪くない作品が、この時間枠で放送されたというただ1点の理由だけで、私の視聴からことごとくずれてしまっていた。今回、「オルフェンズ」が始まったときにもこの懸念は当然残っており、実際、当初期待されたほどの没入度を得ることが出来なかった。本当になんでなんだろう。開始からしばらくは感想を書いてしっかり維持出来ていたのに、いつしか「感想書きたい……いや、でも、面倒だし今週はいいや」っていう流れになって、一度止まっちゃうと「今週もいいかな」になる。感想記事をあげるという行為は、そのためにしっかり観るという視聴モチベーションを上げる効果もあるので、一度手を止めると負のスパイラルが起こってしまうんだよなぁ。今作の場合は決して惰性で見ていたとは思わないのだけど、時間枠が違ったら毎週正座で見られたんじゃないかと思うんだ。そう考えると、やっぱり惜しい。 本作最大の売りは、思い切りの良さだろうか。夕方枠という設定を一切気にしていないかのようにガンガン人も死ぬし、エグいシチュエーションもたくさん出てくる。そもそも主人公がキリングマシーン三日月の時点で、BPOも黙っちゃいない。そんな中でも、「ドブネズミのような少年たちが必死に世界に抗いながら生きていく」というテーマを貫き、ときに仲間の命を踏み台にしながらも生きる目標を探し続ける徹底した命題設定は凄まじい執念を感じた。このあたりのシナリオを容赦無く組めるあたりは流石の岡田麿里だ。こうした目を覆いたくなるような「生きることの厳しさ」「殺すことの意味」を、ときにドラマティック、ときに呆れるほどに冷淡に書き綴っていく筆致もおそらく長井監督のディレクションの成せる業であり、息のあったコンビが、互いの目的意識をしっかり確認しながら作品作りをしてることがよく分かった。シリーズ構成も手慣れたもので、どうやって収拾をつけるのかと思っていた物語も最終回できちんとフィニッシュ出来たのだから大したものだ。これまでの全てのカルマを一身に背負って果てていったガエリオさんはマジで可哀相だったが……。基本的に「鉄華団が生きるための物語」なので、ギャラルホルン側のキャラには一切救いが用意されてないんだよな。アインも、カルタも。カルタさんはぽっと出の新キャラだったくせに、本当にいい人だったよ……。 ドラマの構成も手慣れたものだとは思うが、不満だった点が大きく2つ。1つは、ミカとオルガという二人三脚の主人公構成が、完全に成功していたとは言えないところ。ミカという狂犬が中心におり、リーダーと目されるオルガが実はミカに強迫されるかのように必死に虚勢を張っている、というのが鉄華団の構成で、オルガの「偉そうにしてるけど実は子供だし、本人もそのあたりの弱さを嫌と言うほど感じながら必死に抗っている」様子はとても良い。オルガの「小ささ」みたいなものは、むしろ魅力的に見えることが多い。しかし、そんなオルガを脅しつけながら、ほとんど考えることをせずに突き進むミカの方は、その生き様がキャラクターの魅力として現れにくかった。ぶっ壊れたヤツとして見ればそれはそれで楽しいのかもしれないが、単なるキリングマシーンは主人公というのとはちょっと違うだろう。オルガはミカを「原因」にしてしまい、ミカはオルガを「動機」にしている。このいびつな共依存において、オルガは必死に戦うが、ミカは全てをオルガに押しつけて平気な顔をしているだけ。そのあたりの関係性が、なんだか残念に思えた。まぁ、このあたりは2期に繋がってくる部分なので、まだ結論を出すのは早いだろう。姫様絡みでミカにも多少表情の変化はあらわれるようになったし、このぶっ壊れが人間になっていく物語が、第2幕で描かれるのかもしれない。 もう1つの難点は、その姫様だ。クーデリアさん、結局あんまり仕事しなかったね。最後の演説なんかは「姫も立派になって」っていうところを見せたいシーンなんだろうけど、結局あれも流れでやらされてるだけで、あんまり「自分で考え、自分で動いた」って感じではないんだよね。まぁ、元々世間知らずなお嬢様だったわけで、身の丈に合った仕事ぶりではあるのだが……鉄華団の連中が戦争という現実の中でみんな自分を保てなくなりながらも抗っているのに、姫様はそれを見ても何かを「失った」ように見えず、あくまで守ってもらうポジションは一緒だ。まぁ、そういう役回りなのだと言えばそうなんだけど。ガンダムヒロインとしてはもう一歩先の強さが見たいところだねぇ。ま、これも2期目に繋がるお話かな。 まだ物語は終わらないということで、現時点では「2クールものとしてしっかりまとまっていたし、独自の良さもあったので楽しかった」というくらいに留めておこう。鉄華団の物語が、今後どのようにガンダムの歴史に刻まれるか、引き続き注目だ。 「ヘヴィーオブジェクト」 5→3 むーーーー、駄目やな、やっぱり。基本的に、この作者のテイストは好かんねん。 好きじゃないとか言っておきながらご丁寧に2クール完走してはいるわけだが、途中からは本当に適当。流し見しかしてない状態ではあるんだけど、それでも「なんかおかしくない?」っていうのが分かるくらいにこの作品は適当なんだ。元々そういう「ナンチャッテ感」を楽しむのが本来の楽しみ方なんだろうね。「禁書目録」の方だって、理屈も感情も全て抜きで、とにかく思いついたことを片っ端から書き連ねていくスタイルであれだけの長期シリーズ(そして人気シリーズ)になったわけだし、今作も野暮で余計な突っ込みはいれず、「作者がそういってるんだからそうなんだろ」と受け入れてしまうのが楽になるための唯一の手段なのだと思う。……いやぁ、でもそれは違わねぇかなぁ。流石に小説の体を取るんだったら最低限の辻褄くらいは合わせてくれよ。「僕の考えた最強の世界」を「僕の考えた最強の世界を打ち破るもっと最強の設定」をいちいち付け足していくだけの話って、筋立ても何もあったもんじゃないやん。いや、そういう作風もそれで突き抜ければありだ。ジャンプ名物のインフレバトルはそういうデザインだからね。ちゃんと「現時点ではここが最強」→「でも、こういう理屈でさらにその上が生み出せます」という展開は(限度はあるが)可能な作劇だ。 でも、今作はそうじゃないんだよな。「最強に見えたでしょ? でも違うんだ。ここをこうやって、これをこうすると……ほら! オブジェクトを人間でも壊せるんです!」って、勝手に作った設定資料集と顔を突き合わせた結果ドヤ顔される。いや、それ全部あんたの都合ですやん。俺ら知りませんもん。まずもって「綺麗な戦争」が実現したこの世界自体が訳分からないんですもん。新番チェックの時点でその辺の懸念があって、「まぁ、おいおい説明はあるだろ」って思ったら、無かったんだもん。やっぱり「僕の考えた最強に主人公に都合のいい世界」でしかないんだよなぁ。そもそも序盤戦でちゃっちゃとオブジェクトをぶっ壊した実績が出来た時点で、その後の世界設定に意味が全く無いんだよな。 そして、こういうへろへろな世界設定のしんどさに拍車をかけるのが主人公達のいちいちイラッとくる台詞回しね。この部分は良い悪いじゃなくて好みの問題なのでひょっとしたら好きな人もいるのかもしれないけど、やっぱり僕は殴りたいとしか思わない。小粋なアメリカンジョーク風を意識してるんだろうけど、うすら寒い印象にしかならんのよね。いや、正直言うと、「寒い台詞を言うクウェンサー」にイラッとするんじゃなくて、「そういう台詞を言うキャラが格好良いだろう」という作者のセンスがイラッとするんだと思う。台詞回しがどのキャラも大体同じテンションだからキャラ特性になってないんだよね。あの言い回しまで全部含めて「世界設定」なんだ。それって作劇としてあんまり上手くないんじゃないのかねぇ。どのシーンでも同じような台詞回しで会話が続くからメリハリがないんだもん。どれだけシリアスにしようとしても「そういう世界」の動かしようがないんだもん。 まぁ、いいや、多分こういうのが好きな読者層が一定数いるんだろうから、もうこればかりは諦めるしかない……。一応フォローしておくと、フローレイティアさんの全力開けっぴろげエロは嫌いじゃないぜ! っていうか御前が好きだぜ! キャラ設定はグダグダだけど、とりあえずエロい台詞botとしての任務は果たした。そこだけを収穫にして強く生きていくことにします。 「ハイキュー!! セカンドシーズン」 6→7 いやー、良いアニメだった。やっぱりこれは夕方5時に放送するべきだったんじゃないですかね。手に汗握るし、ジャンプの正しい読者層である子供さんにも見てほしい。これを見て盛り上がれば、将来の日本のバレー人口も増えるかもしれないのに。 およそ期待した通りの要素が、期待通りに、期待以上に応えてくれた作品。原作は既読だし、そこまで大好きってほどでもないので毎週正座して見るというわけではなかったが、何となく「ながら見」していても目を引き、いつの間にか引きこまれるようなダイナミックな演出に溢れていた。ラス前の最終決戦がその集大成といえる出来だったが、それ以外のシーンでも要所要所に今作最大の特徴といえる360度大回転パノラマなカメラアングルが活躍し、いかにもアニメ的なけれん味あふれるスポ根を盛り立てた。I.G.の技術力に、満仲監督の確かな手腕があって実現出来るこの超絶難度の演出方向。本当に恵まれたスタッフが、恵まれた製作状況で作っていたことが分かる贅沢な一品。やっぱりジャンプアニメってのはそれだけで幸せなアニメ化が約束されているよな。「黒子のバスケ」に続いてのこれだから、今後ジャンプのスポ根漫画は全部I.G.に任せてしまえばいいのではなかろうか。 とにかく「凄かった」くらいしかかける言葉が見あたらない作品だが、敢えて詳しく切り込んでいくなら……なんで今作は女の子たちが可愛いんでしょうね。潔子さんの完璧な女神性は言わずもがなであるが、新しく参加した谷地さんも容赦無く可愛かった。そして、谷地さんはこれに加えて「これまでとは別視点からバレー部員を見て、新鮮さをもたらす」という第2シリーズでは非常に大切な役割も果たしていた。熱気ムンムンの野郎共でも見せてくれるアニメだが、ちゃんと僕らのために(?)女の子もキラキラしている……いい青春です。3期はいよいよ白鳥沢との対決かぁ。まだまだ盛り上がりそうですわ。 「少女たちは荒野を目指す」 6→5 まさかの子安オチワロタ。ちょっと中盤でだれた部分も多かったが、最終回は綺麗に青春ドリームな終わり方だったので可もなく不可もなしってことにしておきましょう。 本作は「お仕事もの」であり「学園青春もの」でもある。もちろん最大の売りである前者の要素の方が力点だったと思うのだが、どうしても高校生のお仕事ってことで現実感が乏しかったのが、中盤のいまいち説得力の無い修羅場展開の呼び水となってしまった。そりゃアニメなんだし、そこに現実感を求めるのは間違っているのだろうが、どうしたって「高校生のお遊び」だと思って見てしまうと「お仕事もの」とのかみ合わせは悪くなるよね。 「決して高校生のお遊びなんかじゃない、真面目にお仕事を取り扱った作品だよ」といわれれば、おそらく目指したものはそういう方向性だということは分かるのだが、残念ながら作中のエピソードがそういうデザインになってないんだ。大体各メンバーが各々1回ずつ問題を起こして、それが原因で仕事をするだの辞めるだのという騒ぎになるわけだが、その部分にプロフェッショナルな精神が介在してこないからね。意見が合わずにすぐいなくなるプログラマー、ペース配分が出来ず頑張りますと言っておいて仕事に穴をあけそうなグラフィッカー、自分のわがままでスケジュールが押しそうになり、まわりに不平をいう声優。そうした面子が集まってしまっているので、「どうせお遊びだろ」と言われてもしょうがない。そして、そんな面々が紆余曲折を経て最終的には一致団結、命を削る修羅場をくぐり抜けてゲームの完成に辿り付くわけだが、この修羅場の描写についても、なんだかよく分からない雰囲気だけの描写になってしまっている。主人公・文太の筆が進まなくなるスランプ、メインヒロインの演技をしようにも満足出来ない夕夏。各々の苦労について、非常にまっとうなテンプレートに乗っているおかげで理解は出来るのだが、それが実際にどういう症状なのかというところまでは真に迫らない。おかげで、ノルマのようにして問題発生→解決のルーティンを見せられているように感じてしまう部分が多かった。借金返済の話を聞かされ、一旦解散から再集結までの流れなんて、その間に何事もなくて、本当に「一旦ここで離散して、後は流れでお願いします」みたいなもんだったし。全体的に、シナリオの真実味が薄いのである。 でもまぁ、これはしょうがない部分ではあるとも思う。脚本家は本職なのだから、真に迫ってこの問題を描くことも出来ないわけではないだろう。しかし、アニメを観ている視聴者はそこで「リアルなもの」を見せられても、「知らんがな」で終わってしまう可能性が高い。偉そうなことを書いてはいるが、私だってエロゲー業界の悲喜こもごもなんてさっぱり知らんし、そこで微に入り細を穿ち詳述されても、全然視聴者に届かない自己満足に終わっていた可能性もあるだろう。短い尺の中でそんなことをするくらいなら、テンプレ的なお約束「トラブル」を通過儀礼として描き、後の部分はノリと勢い、「学園青春ドラマ」の一要素として飲み込んでしまった方が全体像は描きやすくなるのだ。実際、1クールの作品として俯瞰したとき、「まぁ、これはこうなるやろな」という予定調和な安心感はあるのだ。それは悪いことばかりではないはずだ。こうしてみると、問題の深いところまでかなりの密度で食い込んでいた「SHIROBAKO」ってやっぱり凄かったんだと思う。ま、1クールと2クールの差もあるからね。 あとはまぁ、青春アニメですので、色恋だのなんだのがちらほらあって、女性キャラには適宜萌え要素を分配。それがギャルゲーとして生み出されたこの作品の求められる最大のものだ。個人的にはそりゃトリちゃん一択になるところだが、まぁ、どのヒロインもそこまで没入度は高くないかなぁ。一番気に入ったのは、どこまでも外道だったライバル会社のプロデューサーだったり。だってサトリナボイスであそこまで下衆いキャラって初めてじゃない? 今期はサトリナが敵になるアニメが複数放送されるという希有なシーズンだったので、そこはとても満足です。 |
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HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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