最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
たたむたたむ風呂敷たたむ、最終話。まぁ、先週の時点で予想はついてたが、たたみ切れてない部分もそりゃたくさんありますがね。なんか、「色んなタイプのエピローグ大集合」みたいなエンディングだったな。 個々の結末に全て触れていってもきりがないし、まだまだ続いていくだろう要素もあるとは思うので印象に残った部分だけ。まずはどういう決着がつくのか一番気になっていた臨也VS静雄。流石にどれだけ策を巡らしてもあれだけの満身創痍では太刀打ち出来なかった臨也。敗北を受け入れ、最後の望みは憎き静雄に「怪物」であることをたたき込むことだけ。自分を殺すことで、静雄は完全に人間の範疇から脱却するのだ。たとえ死んでも、それが意趣返しになるということだろう。しかし、そこで乱入したのはまさかのヴァローナ。彼女も、そんな静雄の「人間の脱却」について考え、拒否した結果、自分がその手を汚すことで肩代わりしようと思ったわけだ。そして、そんなヴァローナについても静雄や露西亜寿司の面々は「あちら側」に行って欲しくないと思っている。結局、折原臨也という害悪は静雄とまわりの人々の和によって「殺される」という結末を拒否された形。まぁ、臨也からしたら生きてるだけで丸儲けなので良しとすべきところなのだろうが……流石に今回の一件は敗北感を叩きつけられたのだろう。自分が道具として使っていた人間に助けられるという屈辱も味わい、臨也はしばらく池袋からは距離をおくことになるのかな。 そんな露西亜寿司絡みのごたごたで訳が分からなくなっていた那須島先生。セルティが圧倒的パワーで群衆を鎮圧し、罪歌の有利を活かせなくなってしまった那須島はトチ狂って杏里を強襲。そのまま帝人に致命傷を与えるも、因果応報か2本の罪歌によって望みを絶たれ、燃える炎の渡草さんひき逃げアタックによりジエンド。ラストは贄川さんによる解体ショーエンド。いいね、贄川さんと末永くおしあわせに! 全ての動乱を鎮圧して責任を果たし、こっそり姿を消そうとしていたセルティ。圧倒的なパワーで強引に数多の問題を秒殺してみせたが、最大の難関である新羅だけはどうにもならず。「セルティにとても酷い事」をやらかした新羅、やっぱりこうしてみると池袋最強はこの男かもしれない。これまでで最も現実離れした静雄の人間大砲によってセルティを急襲し、彼女が心乱した隙に切り札の罪歌でもって再び首とずんばらり。セルティは元の状態へと戻り、すったもんだはありながらも、二人の関係は続いていく。「ひどいこと」とは言ったものの、セルティだってどこかでそれを望んでいた節はあるのでね。結局、どこまでいってもこの作品は二人の壮大なノロケ話でしかないのよね。ちなみに首の方はネブラも関わってアメリカへ輸送されたそう。誠二は相変わらず追いかけ続けるんだなぁ。だとしたら波江さんも渡米しなきゃいけないよね。お騒がせ姉弟の珍道中は新たな局面へ。 長いこと池袋を騒がせたカラーギャングのあれこれも、赤林さんがピンポイントで青葉に釘を刺したことで一段落かな。よく考えてみりゃ組長宅狙撃事件なんかはまだ解決してないんだから青崎さんはじっとしてない気もするのだが、前日にあれだけの大騒動があったことはヤクザの人たちも聞き及んでるわけで、「なんか危ないそっち系の事件が関わってた」と聞かされりゃ、魑魅魍魎の類を扱えない青崎さんは大人しくしてるしかないのかも。そういや泉井ってどこいったんだろうな。 そして、それら全ての事件の中心にいたのが、帝人・杏里・正臣という3人の「友達」。赤林さんとお話をして多少なりとも前に進み始めたことが分かった杏里。今回の一件で全てが水に流せる状態になった正臣は、きっと沙樹ちゃんと一緒に池袋に戻ってくるんじゃないかな。そしてお騒がせ大将、竜ヶ峯帝人。彼は救われたのかどうか。そのあたりが一番もやっとしている部分ではあるのだが、少なくとも、目の前に正臣と杏里の笑顔がある限りは、これ以上の悪さも出来ないだろう。池袋の街は何も変わらずそこにあるのだから、帝人だってすぐにまったく違う人間に変わったりはしない。それでも、新しい景色が見えた街の中で、三人は新しい関係を築いていけるんだ。そんな前向きな最終回。 締めはまさかの折原姉妹のチャットルームだったよ。まあお会いしましょう……かな? どうかな? PR 「ブブキ・ブランキ」 5→5 変な作品でした。いや、「でした」っつうかさっぱり終わってないんだけども。まさか続編が妹パートとは……確かに1話以来全く出てきてなかったもんな。そういう構成も面白いかもしれない。 良い部分も悪い部分も非常にとんがっていたのでなかなか評価の難しい作品。視点次第ではかなり意見が割れるだろうが、そういう意味で面白い作品なのは間違いない。個人的には「新しいチャレンジをしている」作品は好意的に受け入れる(受け入れたい)タイプの人間なので、本作については特に、良かった部分をフィーチャーしていきたい。 先んじて駄目だった部分をあげるなら、それはもう、シナリオ構成全般ですよ。そこが何がしたいのかがよく分からなかったからね。普通に考えたらアズマたち少年少女の成長物語が骨子になると思っていた作品だったのに、いざ蓋を開けてみたら主人公チームとは名ばかりで彼らの成長はなおざりな展開でしかないし、彼らのバックグラウンドを掘り下げるのかと思われた礼央子チームとのブブキ戦での回想は、むしろチーム炎帝の四天王のバックグラウンドばかりを掘り下げ、どんどん敵チームの方が魅力的に。シナリオが進むとさらに礼央子チームにばかりスポットが当たるし、終盤の格好良いシーンは全部大人たちが持っていってしまった。子供たちのチームは「はーい、お子様はお外で適当に遊んできてねー」みたいな感じでディテールも分からないまま放置だったし。世界の背景を描くためにはどうしたって礼央子の物語を描く必要があったので、そちらに筆を割く傾向になるのはしょうがないとしても、それだったらいっそこの第一シリーズは礼央子VS汀編に焦点を絞ってしまえば良かったと思うんだが。アズマたちが可哀相だったよ。挙げ句、ブブキ戦を終えた後にはアメリカチームとロシアチームまで乱入してますますアズマたちの影が薄くなるし、それぞれのキャラがどういう風に絡んでいるか分からないから勢いだけで筋を追わなきゃいけなくなるし……。いくらなんでももう少しのめり込みやすいシナリオの作り方はあったと思うよ。 ただ、それでも何となくパーツパーツが楽しそうだったのは事実。訳の分からん設定で割と早々に意味をなさなくなったブブキ戦の設定だっていかにも少年漫画らしいアツい設定だし、ブブキは全て性格が全然違うので、バトルシーンを面白く描こうと思えばいくらでも要素は盛り込めただろう。「全てのブランキを殺した女」汀の物語だって謎解きとしては気になるだろうし、礼央子と汀の物語も百合っ百合に盛り込めばかなり食い尽く層もあったはず。実際、四天王連中のヘンテコ物語は色々と突っ込みつつも面白かったのだし、途中参加のアメリカチームの訳のわからなさなんかも、それを単体で切り取れば強烈で楽しいものだった。ホント、「なんでこれとこれをここで繋げてしまったのか」っていう疑問ばかりなんだよな。 また、今作で最も見るべき点である映像面については純粋に楽しませてもらった。サンジゲンによるCGチャレンジは相変わらず尖っており、アルペジオのときとは違ってコミカルなテイストも全てCGに落とし込んだ画面は、他の作品では味わえないオリジナルなもの。以前感想も書いたが、アメリカチーム登場のときの完全に悪ふざけとしか思えない安っぽさのあるCG遊びは、ようやくこういうCGアニメが日本の「コミック」要素と融合を始めたことを示す1つの手掛かりになりうるものだ。右手ちゃんみたいなキモ可愛いギミックもこういう映像だからこその独特の存在感がある。小松田大全による画面作りはそうした「新しさ」をしっかりと意識して前面に押し出すものになっており、これがさらに前に進んだときにどんな姿が現れるのかと興味は尽きない。 トータルで見れば、「なんか雑だけどとにかく目新しさが楽しかった」という感想。出来れば四天王メインでのお話の続きがもう少し見てみたいんだけどね。次のシリーズが妹編になるってことは、今回の炎帝四天王は出てこないかなぁ。 「ラクエンロジック」 4→4 結局ロジックってなんやねん。ことある事に「ロジックが、ロジックが」って言ってたけど、ロジック=論理だとしたらおかしすぎるんだよ。いや、途中からは完全に「気」とか「念」みたいな意味だと割り切ってましたけど。「どちらのロジックが強いか、勝負だ!」っていう試合、もしもガチでディベート形式になったら面白かったのに。 基本的には「ディバインゲート」と同じ評価。ぶっちゃけるとどちらも同程度に適当な視聴体制なので、途中からごっちゃになって何がなんだか分からなくなりかけた。その上でこちらの方がやや観やすかったのは、多分冒頭にあるラクロジ宣伝アニメのおかげ……ではなく、まぁ、設定がシンプルだったからだろうね。大雑把にまとめちゃえば「なんか地球を脅かすやつら」VS「地球防衛機関」の戦いっていうだけなので、バトルすること自体には面倒臭い理屈が必要無い。その上で人間と女神の合体っていうシステムが加わるのでやたらと登場人物が多くなってしまうのは悩ましいところだが、割と色んなキャラにちゃんとお当番回が回ってきてキャラが掘り下げられていたので、有象無象の女の子たちにも一応は区別が付くようになった。個々のエピソードが面白かったかどうかはまた別問題だけどね。ケツァルカトルのところのコンビみたいに、ヘンテコなエピソードがあるのは嫌いじゃなくてよ。 気になるのは、これって一応カードゲームの販促(メディアミックス?)アニメなんだよな。このアニメからカードゲームやってみようっていう層はどれくらいいたんだろう……。いや、WIXOSSみたいな奇襲戦法が正解ってことはないんだろうけど、このアニメからカードゲームのことが全然イメージ出来ないんだよね。あくまで世界観を気に入ったプレイヤーが参入するってことなんだろうが、アニメで描いた世界観をカードゲームに落とし込むのって、すげぇ難しいんだよ。そのあたりの完成度はどうなっているのか気になるが……でもカードは買いたくない……(Magicだけで手一杯なんだよ)。今後もこういう形態のゲーム&アニメってのは深夜アニメで出てくるんでしょうかね。日本のアニメ文化だと結局ヴァンガードあたりが一番いい落としどころなんだろうなぁ。 「金田一少年の事件簿R(2期目)」 5→5 こともなく。無事に終わってくれましたよ。前番組が「電波教師」だったおかげで、なんか安心感もひとしお。裏番組の「境界のRINNE」も無くなり、ゆっくりこれ一本だけを観ることが出来ました。まぁ、土曜の夕方なので観ながら100%ピック表書いてましたけども。 本当に「いつも通りに」だし、原作も全部読んでいるものばかりなので一切新鮮さは無いのだが、それでもこうして夕方の時間帯に「金田一」が放送されるっていうのはちょっと嬉しかったり。こちとら直撃世代ですからね。気付けばライバル作品(?)のコナンにすっかり水をあけられてしまった感はあるが、時代が時代ならゴールデンでドラマにまでなっていた大看板なのだ。別にそこまで復権しろとは言わないので、今後も細々と続けていってほしい、伝統芸能である。まー、最近の作品ってそこまで面白味がないのだが……しょうがないよなぁ。犯人当てクイズが無い金田一なんてなぁ。全部このネット社会が悪いんや……。 今回のシリーズで注目すべきは、久しぶりに放送されたオリジナルエピソードだろう。怪盗紳士も久しぶりの登場。まー、同じ枠で怪盗キッドが散々活躍した後だったのでなんか被ってた気もするけども、単発のオリジナルとしては悪くなかった(トリックの無茶苦茶加減が)。今後ももうちょっと余裕が出てくればオリジナル含みでの新シリーズ製作とかあるのかしら。あと、何といっても今作の良いところは遠慮のないキャストのぶっ込み加減である。みゆきちが好き放題にやっていた「薔薇十字館」、男性キャストが賑やかすぎる「雪鬼伝説」、見事な締めくくりを見せた「狐火流し」。どれもこれも、「キャストだけで真犯人が分かっちゃう」というミステリアニメにありがちな偏りがでないよう、遠慮なくキャストを盛り込みまくり。こういう容赦無いところはやっぱり風格がありますわ。 さて、後番組は相変わらずミステリ色が衰えず、「逆転裁判」になりますね。果たして、どういう作品になるものか……。 「紅殻のパンドラ」 6→6 福音ちゃんとクラりんのコンビが可愛かったです。以上!
いや、でもまさにそれさえ伝えれば良いアニメだったんじゃないですかね。もう、本当にクラりんが可愛くて可愛くて。猫耳可愛いし、ぶっきらぼう可愛いし、照れると可愛いし、へちょ絵になると最高に可愛いし。それに合わせているときの福音ちゃんもぼんやりしてるけど何となく可愛い。今期随一の百合を堪能するアニメですた。もう、それだけでいいじゃない。 何ともぬるっとしたアニメで、一応「攻殻」の世界観に準拠しながらも、メイン2人のおかげで(というか大体福音ちゃんのせいで)シリアスモードはほぼ無し。クラりんなんか決戦中に腕もげたりしてるのに、あんまり緊張感が無い。電脳戦で割とダイナミックな危機にも陥ってるはずなのに、島のことも何となくで守っちゃう。ある意味では今作も捻りのないストレートな「俺ツエー」作品になってるってことだな。でも、福音ちゃんのテンションならしょうがない。 いぃや、駄目だや駄目だや! 拓美ちゃんが活躍出来ないアニメなんて駄目だや! そうやなぁ、拓美ちゃんも可愛かったしなぁ。毎度ひどい目に遭うバニー(仮)も可愛いし、ブリなんとかさんだって可愛いは可愛いしなぁ。ほら、気付いたら電脳とか義体とか、そんなことどうでも良くなってくるじゃないですか。女の子の萌え作品として見ればフォーマットは変身魔法少女のそれ。魔法少女ものなのに、ところどころで電脳が絡んできて、ぽやっとした福音ちゃんがそのギャップを広げて楽しませてくれるというのが基本コンセプト。ほら、やっぱり最終的には福音ちゃんの人となりに帰結するんだよ。だったら「百合イイネ!」「猫耳イイネ!」というのが正しい楽しみ方なんじゃないか。うちにもクラりんが一台ほしいです。駄目ならブエルでもいいです。太もも画像を共有しあいましょう。 名和監督はこれで「ろこどる」に続けて2つの作品で存在感をアピールすることに成功した。元々割と好きな監督だったんだけど、確か私の最初の印象は「おとぼく」(2006!)なんだよね。つまり、百合百合しい作品を今後ももっと作ってください、ということになるな。ぽやぽやしたエンディング映像みたいなのがもっと見たいですよ。 中の人については、当然福音ちゃんの中の人である新人の福沙奈恵とクラりん役の沼倉愛美が……と言いたいところだが、個人的にMVPは拓美ちゃん役の三宅麻理恵。台詞量が一番多かったのってひょっとしたら拓美ちゃんの方なんじゃないかな。ダヤダヤ言ってるのがとっても可愛くて、悪だくみして福音ちゃんに怒られるパターンが最高に好きでした。「ラスボス兼保護者」って立ち位置は希有だったな。さて、次はSecond GIGとかARISEとかで合うことが出来ますかね。 3月25日 ドラフト模様(OGW×2 BFZ) ピック順 【Thraxi】→【Alessi】→【Serra】→【Sangriter】→【Sea-chicken】→【Mei】→
残すところあと2回のゲートウォッチドラフト。さぁ、環境も終盤だ! ってんで盛り上がるはずだったのだが、どうにもこの環境、勝率がいつも以上に偏ってるもんで、負けこんでるプレイヤーの意気はなかなか上がらない。しょうがない、そういう環境は誰にでもあるもんでね。かくいう私も前の環境では毎週愚痴愚痴いってたし。さっさと終わってほしいと思っている人からすれば、後は頭を下げて災難が通り過ぎるのを待つしかありません。次回はいよいよ最終回。最後に笑うのは誰だ。まぁ、次の環境に行ったからって勝てるかどうかは知らんけどな!
不器用な連中ばっかりだよ……第12話。この作品のタイトルを見れば分かっちゃいたことではあるが、やはり辛い仕打ちだ。誰が悪いってこともないのになぁ。 今回も見せ場だらけのお話だが、AパートとBパートではっきりとその目的が分かれており、そのどちらにも目の覚めるような内容である。まずはAパート、二人会で演じられる菊さんと助六の一席。菊さんはあくまで前座の役割であり、わざわざ東京から持ってきた「八雲」の紋付きで上がらせた助六の高座が本番。ここで、満を持しての大ネタ「芝浜」。このネタを披露した意味は、Bパートのみよ吉との関係性が大きな役割を果たしているわけだが、それ以外にも、数年間のブランクを空け、本当に久しぶりに「やりたくねぇ」と言っていたはずの落語にも関わらず、こうして大ネタをぶち上げたあたりに彼の性分が窺えるだろう。流石に東京では真打ちを張っていた男。長年田舎の隠遁生活を続けていたものの、その腕は衰えず、これまで菊さんが見たこともないような新たな人情噺でさらに上のステージへと登っていた。「落語は人が作る」というのが彼の台詞であったが、まさに、稽古や日々の公演以外で培われた、「助六の人生」が集約された一席である。 そして、多少メタな視点になるが、この「芝浜」のシーンは非常に冒険的な演出でもって構成されている。実際に見ている分には何も特別なところが無いシーンなのだが、「芝浜」というのは本来ならば最低でも30分、ものによってはたっぷり一時間は使おうという大ネタである。普通に考えれば、アニメの中にこれを押し込めるには、ほぼぶつ切りのダイジェスト状態にするしかない。しかし、今回のアニメの中では、助六がこの「速回しの芝浜」を違和感なく演じているのだ。確かに物語の要点だけを追うダイジェスト版になっているものの、そのピックアップに過不足が無く、限られたAパートの枠内で、自然に成立するギリギリのバランスを維持している。今作の高座のシーンはアドリブではなく、きちんと台本が用意されているらしいが、この台本を組み上げるのは相当な難行だったことだろう。さらに、これを演じて自然な呼吸を生み出す山寺宏一の手腕。彼の台詞にきっちり画で追いかけるスタッフの尽力。この辺りが全て集約されて、わずか10分そこらの「芝浜」が生み出された。簡単に見えるかもしれないが、これが簡単に見えてしまうことがむしろ恐ろしいことなのだ。サゲのワンシーンの余韻の持たせ方まで含めて、全てがパーフェクトだ。 一転、そんな「落語」に心血を注ぎ込んだのがAパートであるなら、Bパートはタイトルから「心中」の要素を切り出したパートといえる。ラスボス的存在といえるみよ吉が満を持しての登場だ。それまで、菊さんと助六は和やかに講演会の余韻に浸っており、菊さんが「東京に来てみんなで一緒に住もう」と提案するなど、現時点で可能と思われる最大限の譲歩、雪解け案を提示している。昔とはすっかり変わった菊比古を見て、助六もまんざらでもない様子だった。しかし、そんな男2人の間にいるみよ吉はそんなに簡単ではない。菊比古を呼び出してしなだれかかる彼女には、これまでの波瀾万丈な人生で積もりに積もった澱のような「陰」が籠もっている。端的に言ってしまえば「今まで一緒にいた旦那を捨てて、昔惚れていた男に鞍替えしようとしている尻軽女」でしかないはずのみよ吉なのだが、彼女の依存性の性分は我々も、菊さんもよく知っている。彼女は決して悪女でもないし、ならず者でもない。本当に、「哀れな女」なのである。 一昔前の菊さんならば、彼女の要求に対して「正論」で応えていたであろう。「今となっては助六が亭主で、小夏が娘なのだから、自分とは関わっちゃいけない」と、みよ吉をたしなめたことだろう。しかし、助六との関係でも分かる通り、菊さんも師匠との死別や田舎での共同生活を経て、随分変わっている。人としての度量も大きくなったし、助六たちが抱えている問題の大きさを理解し、それを受け入れるための最善の手を取ろうとしている。おそらく、菊さんの中には、引き続きみよ吉に対する愛情といったものは無い。一度は一緒にいた女だが、切れてしまった繋がりを戻そうとは思わないし、彼女の性分を分かった上で、「自分以外の何かを頼りにしてもらわなければいけない」と思っているはず。しかし、現状ではその理屈が彼女に通じないことも分かっている。だからこそ菊さんは全てに対して謝罪し、みよ吉の責める一言一句を受け止めた。かつてとは違い、柔らかく全てを受け止めてしまった菊比古を見て、みよ吉はかえって困惑した。あの頃のように固く正しい正論で自分を罰してくれない菊さんを見て、みよ吉はどうしていいか分からず、ただ目に涙を溜める。そして、菊さんはそれすらも受け入れる。 パニックに陥ったみよ吉は、そんな菊さんの優しさを見ても、決してそれが自分の望んだ形でないことくらいは理解出来る。依存先を失う恐怖からか、「心中」を持ちかけるみよ吉。その様子は、かつてめったにいかなかった寄席に菊比古を見に行った際の「品川心中」を思い起こさせる。緊張感の走る2人の間に、唯一この問題を解決出来る人間、助六が割ってはいる。これまでずっといい加減に過ごしてきた助六だったが、菊比古が自分のことを思ってくれている気持ちを再確認し、自分がどれほど堕落し、情けない身の上だったかを痛感させられた。自分みたいなどうしようもない人間のことを、真剣に思い続けてくれている人たちの存在に気付いた。だからこそ、菊比古には申し訳ないことと思いつつ、そんな自分を支え、新たな落語を演じさせてくれた「恩人」であるみよ吉に、誠心誠意で頭を下げる。菊比古の望む落語家としての人生、みよ吉の望む落語のない人生。その二つから選べと言われたら、後者を選び、みよ吉についてきてほしいと。 「芝浜」ならば上手くもいった話だろう。しかし、みよ吉にはそんな急激な環境の変化に対応するだけの度量はなかった。元々自分を失ってしまった女である。「落語が嫌い」という言い分にしたって、彼女は菊比古との関係性でそんな憎まれ口が出てきただけのこと。落語をやるとかやらないとか、そんなことは彼女のとって大きな問題ではなかったのかもしれない。ただ少なくとも、助六にとってはそれが誠意の見せ方だったのだ。一度は落語という夢を見ることが出来た。しかし、残りの人生を夢にしちゃいけない。それが彼の最後の高座の意味。しかし、その決意も、彼を巻き込んだ動乱の流れに抗うことは出来ず。一人の男と、一人の女が、互いに抱きしめ合いながら、その末路をともにした。一部始終を見届けたのは、またも「捨てられて」しまったという、菊さん一人。 自分を心の底から必要としてくれる男が最後に現れて、みよ吉の人生は、救われたのだろうか。 「アクティブレイド -起動強襲室第八係-」 5→6 毎回ゆるゆると感想を書いてきた作品だが、それなりに楽しめる要素は多かった。拭い切れないB級感を漂わせつつも、ちゃんとアニメオリジナルでそれなりに発展が見込めそうなコンテンツが出てくるのは良いことだと思いますよ。 先に難点をあげてしまうと、どうしても散逸的なシナリオ構成は気になる部分。「B級感」という言葉が個人的には一番しっくり来るんだけど、例えばポーカー回とか鉄オタ回とか、そういう単発でまとめるシナリオの組み立てが、本当にやっつけ仕事っぽい。ユルさをひとつの売りにしている作品なので、どこまでがマジでどっからがおふざけなのかが分からない微妙な空気も楽しむべき要素の1つなのだろうが、それにしたって諸要素の配置が適当過ぎる。今時純正子供向け作品でももう少し納得できる形で収める努力をしているとは思うのだが。こうしたチープな毛色というのは受け付けない人はとことん駄目だろうし、その一点だけで「クソアニメ」と言われたら、まぁ、そうかもしれないと素直に認めるくらいには、駄目な部分だったとは思う。 しかしまぁ、やっぱりギャグってのはデリケートなものでね。こういうヘタレた感じを単純な欠点と見る向きもあれば、「これはこれで味がある」ということも出来るわけで。ポーカー回のブラッディマリーの設定とか、「どないやねん」しか出てこない部分なんだけどその無茶苦茶さが不条理ギャグになっているとも言える。ダイハチのお気楽な面々はそうした不条理さも何となく受け止めてヌルッと進行してしまうので突っ込み不在でもやもやしたものが残るのだが、「そういう理不尽な世界」だと思って見れば確かに面白いとも思えるわけで。そこに「世界平和を守ってるけどお役所だから書類がいっぱい必要」ギャグとかが絡んできて、この独特の空気を生み出している。「警察」「変身」「どこかシュール」という要素のかみ合わせとしては「デカレンジャー」に通じるものがあると思うんだけど、デカレンの場合は子供さん相手なので「こういう組織があるんだよ」という説得力を増す方向性にドラマを構築しているのに対し、今作は「こんな組織、あったら大変やろなぁ、他人事だけど」みたいなノリなので扱いがヘンテコになるのだ。最後の最後まであさみちゃんが監視者として外からの視点を貫いてくれていればある程度秩序も保てたのだろうが、彼女もチョロいからあっという間に転げて「愉快なダイハチの仲間達」になっちゃったしなぁ。 こういうヘンテコ組織が楽しい、と思える人には良い癒しになったと思います。時たまシリアスもあったけど、それを突き抜けるアットホームなユルさは、個人的には割と好きなものでしたよ。製作スタジオがアイムズということで当初は作画面での不安があったものの、そこはそれなりのクオリティで西田絵がキープ出来ていた部分は良い。その分ウェアのCGモーションなども含めてびっくりするような素晴らしい画にもならなかったけど身の丈に合った品質でシリーズを完走出来たのだから一安心だ。谷口監督の作品といえば「コードギアス」があるわけだが、今作はあんな風に大きなムーブメントを起こすことは絶対に無い、どこまでも「B級」な楽しさに終始してくれればいいと思う。2期目もしっかり頑張ってもらいましょうね。 「ディバインゲート」 4→3 オープニングだけやけに印象に残ってはいるんだけど……正直あんま真面目に観た作品じゃありません。 新番チェックの時点で書いていた懸念がある。そのまま抜き出すと「『艦これ』アニメと同じ方向性。……既存のファン以外の新規視聴者の放置と、背景世界が見えないままのキャラクターの独りよがりな展開という危険性」。基本的にこの文言だけで説明は片付くような気がする。溢れ出る大量のキャラクターと、バックグラウンドがぼんやりした世界観。幸い「艦これ」に比べるとまだ世界観についての言及はあったので「なんとなく」レベルで追いかけることは出来たのだが、肝心のキャラクターの心情面まで掘り下げられるほどに共感を覚えることは出来ずに終わった。真面目に観てればもう少し没入度が違ったのかもしれないが、序盤の数話での誘致要因が乏しくてなぁ。イラストレーションの面白さはあったと思うのだが、そこからさらにバトルシーンの魅力やキャラの描き分けといった部分にまで派生せず、結局は「ちょっとメリハリの強いキャラ作画」っていう程度で終わってしまったのは勿体ない。当初はこの絵が動いているだけでも割と新鮮だったのだが、すぐに慣れてしまったし、「それ以上」が出てこないことにはモチベーションを維持するが難しい。 気になるのは、これって原作ファンにとってはどうだったんだろう、っていうところですかね。例えば「ガンスリンガーストラトス」みたいに映像面でもメタメタだった場合には原作ファンでも辛い映像化になってしまったと思うのだが、今作の場合は映像に不備があったわけではなく、単にシナリオ面で惹かれるものがなかっただけ。原作からしっかり世界観を知り、余裕を持ってアニメの細部まで観られた視聴者にとっては面白かったのかどうか。いかんせんまわりにこのゲームをやっている人間はいないのでそのあたりの感想は分からないんだけど。もし、「ゲームを知ってれば面白いんだよ!」という意見があるのならば、それはそれでマーケティングとしては問題ないんだよな。これだけの数のアニメが大量に垂れ流される時代なのだから、私一人が「あんまおもんない」と感じてもしっかり受け取れるユーザーが一定数以上いるならそれはそれでいいんだし。まー、せっかくこれだけ賑やかなキャストがわんさか出てる作品なのにいまいち楽しめないのは勿体ないんだけど。かな恵ちゃんが頑張ってる作品なのでそこはいいと思いました。まる。 |
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HN:
Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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