最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「牙狼-GARO- 炎の刻印」 4 なんとも意外なところから現れた新作アニメ。まー、最近はCG技術の発達のために、アニメと特撮の境界も徐々に曖昧になってきてはいるのだけども。こうしてシームレスに繋がっちゃった作品ってのは、日本国内では珍しいのではなかろうか。 元々の特撮作品の方は未視聴である。好きな知り合いがカラオケでこれの歌をよく歌うもんだから映像は何度も見たことがあるし、それを見るたびに「うわぁ、すげぇな」とも思ったのだが、知った時には既にシリーズを重ねており、特撮は東映のせいで週に5本も10本も観なきゃいけない時期が続いていたので、結局スーパー戦隊シリーズどまりで、それ以上を開拓しようという意欲が湧かなかったのである。そのため、本作に触れるのがこのアニメーションで初めて、というなんだか不思議な出会いになった。 ぼんやりと映像イメージだけを知っている状態でアニメを観ると、やっぱりちょっと違うかな、という気はする。バトルシーンに入ってからのCGワークは確かに一緒なのだが、「実写に挟まれるCGバトル」と「アニメに挟まれるCGバトル」では、仮に全く同じ映像だったとしてもイメージは変わってくるだろう。今作はそのあたりの差分を減らすためにアニメのキャラクターデザインも多少等身は高くしてあるが、それでも「実写からの導入」との差ははっきりしている。もちろん、違うから悪いというわけではない。1話目を見る限り、やや癖のあるキャラクターデザインも意匠としては面白いし、決して見づらいということはない。むしろCGパートとの繋ぎという観点から見ればよく出来ている部類である。実写作品とはまた異なった形で、新たな「GARO」の世界を描くという目的自体には期待してもよいのではなかろうか。 ただ、そうした前提をおいた場合には期待する部分も少なくないのだが、これ単品のアニメ作品としてみた場合、そこまで強いセールスポイントがあるとも思われない。ぶっちゃけ、最近のアニメならそこまで珍しくないクオリティである。どうしてもこうした実写に繋がる作品というとマーベルのアニメ化作品(「スパイダーマン」とか、「ブレイド」とか)にイメージが近くなり、残念ながら今まであの手の作品で面白かった記憶が無いのである。海外作品だと「日本のアニメ」に慣れてしまっている身には違和感が先立ってしまうせいなのだろうが、「結局お話はいつものアメコミだろ」ってな事になってしまうのも、盛り上がりに欠ける理由であった。本作は純正国産作品なのだからそうした懸念は必要ないのだが、今のところ中心となる筋立てが「単なる特撮だろ」であり、「これからどうなるんだろ?!」という期待には繋がらない。単純な「正義のヒーロー」だけのお話では、これだけ「物語」で溢れかえっている昨今のアニメ業界において、抜きんでることが難しいのである。 とはいえ、あくまでこれは1話目を見た時点での雑感でしかない(いや、新番チェックは全部そうだけども)。脚本は小林靖子ということなので、何か一捻り、二捻りくらいした、新鮮なドラマを見られるかもしれないという期待もあるのだ。しばらくは黙って視聴して、新たなアニメヒーローの誕生に繋がるかどうかは見守っていきたい。なお、1話目の感想は「やっぱり賢雄さんは飄々としたキャラからのギャップが格好良すぎるよなぁ」である。あの声で口説かれちゃぁ、オチるしかないわなぁ。 PR ○「ガンダム Gのレコンギスタ」 6 文句無し、今期アニメの最注目作と言ってしまっていいだろう、ガンダムシリーズの新作である。そして、ついにあの禿が、あの男が立ち上がった。富野由悠季その人が送るテレビシリーズは「キングゲイナー」以来実に12年ぶり。干支がぐるりと一周する間テレビシリーズと無縁だった巨匠が、現代アニメ界に渇を入れるために舞い降りたのである。 いや、正直言って、わたしゃ富野御大についてはよく知らないのである。世代的にガンダムをリアルタイムで見られたはずもない。その後も一般教養として初代やZなどは見たし、ターンAだってそれなりに見たはずなのだが、やはりいかんせん「リアルタイム視聴にプラスαで」見なきゃいけないスケジュールがきつかったこともあり、そこまで強いこだわりを持ったわけではない(Vガンダムに至っては録画だけしてるけど見てすらいない)。つまり、「巨匠」だとか「鬼才」として富野由悠季を祭り上げる資格を持ち合わせておらず、そこまで盛り立てるつもりもないのである。よりによって本作は宇宙世紀の延長線上にあり、ターンAの時同様、全てのガンダムシリーズをフォローしてないと理解出来ない可能性もあるとなればなおさらである(石像になってもリックディアスのフォルムは素敵だと思います)。 しかし、しかしである。やっぱり、そんな数少ない視聴経験の中でも、やはりこの男が異質であることは理解出来る。映像作家としての富野由悠季、脚本家としての富野由悠季は、「素晴らしい」かどうかはおいといて、「すげぇ」し「替えが効かない」のは間違いないことだろう。富野作品で唯一ちゃんと視聴出来た作品「キングゲイナー」一本で、その恐ろしさは充分に堪能出来た。どれだけ現代アニメに毒を吐こうと、どれだけトンチキなものを作り上げようと、唯一無二のこの感性は、アニメ史に残るものであるのは間違いないだろう。そういうわけで、私からするとこの作品は「ようやく2本目の、真正面から受け止められる富野作品」という、実にありがたくもチャレンジングな一本なのである。 そしてこの1話目(2話目)である。もう、序盤からお腹いっぱい。溢れ出る富野コンテ、襲い来る富野節。止められないこのオリジナリティ。富野リスペクトで彼の真似をしたり、パロディとして彼の芸風を模倣する作品も数多いが、やはり「本物」は密度が違う。誰が描いたか一発で分かるコンテワークと脚本構成は、本当に1秒でも油断すればおいて行かれそうな画面の密度を持ち、アニメ的な押しつけ、視聴者優先の「作られた画面」を良しとせず、徹底して「現実としてのドラマ」を作り上げる。オフ気味で流れるところに容赦無く状況を説明する重要な台詞が紛れ込んできたり、キャラクターのアクションと台詞がてんでバラバラで、その両方を合わせて見ないと意味が分からなかったり。この「不親切さ」がたまらない。1話目から圧倒的理不尽さを伴う「富野節」全開の台詞回しは、本当に訳が分からなくてゾクゾクする。個人的に最高だったのは「ビームサーベルを使います」「えっ、なんだってー!(迫真)」のところと、「あんたは、ベルをひっぱたいた!」のところ。すげぇ適当に何となくビンタするのが富野流。そして、それをわざわざ丁寧に解説してくれるのも富野流。オレらが知りたいのはそこじゃねぇよ! 吉田健一によるキャラクターデザインも(1話目ということもあるだろうが)完全な映像で構築されており、1つ1つのモーションにも容赦無く「イズム」が溢れ出る。ロボット戦闘に関しても、現代アニメの主流など知ったことかと昔ながらの技法を駆使しつつも、そこかしこに「今、新しいガンダムを作る」ことへの野心のようなものもきちんと感じられ、まさに温故知新、新旧の不可思議な折衷っぷりが強烈なインパクトになっている。モビルスーツデザインなんかは本当にバタ臭くて昔ながらのものなのに、さりげなくコックピットの中はタッチパネルが採用されているところなんかが、どうにもおかしくて笑ってしまう。このドキドキ感がこれから毎週楽しめるかと思うと、この時代まで衰えずに荒ぶり続けているじいさんには本当に感謝である。すでに今年で73歳かよ。元気だなぁ。73歳がはっちゃけるとあのエンディングテーマの歌詞を書くわけですね。妖怪体操以上に流行らせなきゃ。みんなで踊ろう、Gのレコンギスタ。 富野といえば、いわゆる「声優」嫌いの文脈でも有名。「最近の声優の声は娼婦の声」と宣った宮崎駿と同様、彼の作品は舞台関係者などから本人のコネクションで引っ張ってくる場合が多い。しかし今作はメインを務めるのはほぼ「声優」であり、唯一主役を任された「石井マーク」なる謎の人物だけよく分からないが、一応スペースクラフト所属なので「新人声優」のカテゴライズと見て良いのだろう。全体的には安心して見られる配役になっている。まぁ、実際のところ、富野と宮崎で決定的に違うのは、後者が「別に嫌いなのは構わんけど、それならせめてまともに演技出来る人間連れてこいよ」と思ってしまうのに対し、富野の場合は純粋に「演技が出来る人間」だから声優枠以外から引っ張ってくるし、もし見込みがあると思えば、一からたたき上げて(本当に殴るように)、きちんと「一人前の声優」を育て上げてくれることだ。阪口大助の逸話もそうだし、朴璐美なんかも富野の文脈から登り詰めた人材だろう。彼は別に「声優嫌い」というわけではなく、あくまで「下手な奴が嫌い」「不自然な声が嫌い」なだけである。そういう意味では、今回キャスティングされた面々は実に貴重な経験を得る機会を持ったと言える。件の石井マーク然り、ヒロイン役の嶋村侑然り。個人的には、チアガールの中心人物に寿美奈子がいたことに注目したい。彼女は御大の前でどのような悪戦苦闘をしているのだろう。あと、何故かハロ(的な何か)に彩陽もキャスティングされており、チアガールの子も兼ね役で担当。スフィアからこの2人だけの参加作品って珍しいかも。まぁ、一言でいうなら「GJ!」である。他にも1話目でまさかの森川死亡など、相変わらず容赦無い展開で今後はキャスト面でも目が離せない。富野作品といえば? そう、子安はどこにいるかな! ○「テラフォーマーズ」 5 さぁ、まだ前期の感想も全部終わってないのに、10月になったから容赦無く新番組はやってくるぞ! 今期は一体どれくらいの数になるのか、オラすげぇワクワクすっけど勘弁して欲しいぞ! そんな不安な秋の幕開けを飾るのは、秋の夜長に相応しいゴキブリアニメである。……マジ勘弁して下さい。だから俺、虫ホントに駄目なんだってば。あんまり自宅でゴキブリとの遭遇は無いけど0ではないから、たとえアニメの映像でもアレが這い回ってる映像は見たくないんだってば。もー、悪趣味なアニメねー。原作はちょっとだけ既読。接し方としては「進撃の巨人」と全く同じで、おもろいと話題になってから、その時点で出ていた既刊分のコミックを知り合いに読ませてもらったのだが(確か3巻くらいだった気がする)、正直「つまらなくはないけど、俺は別に追いかけなくていいなぁ」と思ったのでそのままほったらかしになった。それが今やヤンジャンを代表する大ヒット漫画となり、今週なんてジャンプに出張してきたのだから分からないもんである。そんなに一般受けする内容だったっけか。 まぁ、そんなおかげで放送序盤はどういう展開になるか知ってる……はずだったけど、もう読んだのがだいぶ昔のことだからあんまり覚えてねぇな。こんなスタートだっけ? 虫関係無いな。いきなりの格闘イベントで「掲載誌つながりで東京喰種と被るな」とかいう印象から始まった。映像部分は可もなく不可もなく。ヒット作のアニメ化なのだからそれなりに気合いは入っているのだろうが、1話目で度肝を抜かれた「進撃の巨人」のような衝撃は一切無く、淡々と進む画面、特に押し出しのない構成に、「もう、売れ筋って分かってるから余裕で構えてるのかな」とちょっと不安がよぎる。わざわざ売るためのアピールを1話目から強くせず、原作を忠実にフォローすることだけを心がけてるのかな。初見の人間(私も似たようなもんだが)はそこまで引き込まれない気がするぞ。冒頭、地下闘技場の観客の表情を描く部分が、なんていう技術だか分からないけど「ダイショーグン」と同じぐにゃぐにゃ演出だったのでちょっとイラッとした。あれ、手抜きな上に画面の効果として違和感しか出てこないからあんまり好きじゃないんだよなぁ。そう言うところでリソース削るのはどうかと思う。製作会社の名前に覚えが無かったので確認したけど、なんや、ショートアニメ専門だったところやないか。看板となる長編アニメはほぼ初めて? 大丈夫なんかな……。 色々と不安を覚えるスタートにはなってるが、まー、火星についてからが本番なんで、とりあえずは様子見かな。中の人は割と充実しているので、しばらくは御前の罵詈雑言を聞いて心癒されてれば何とかなるのでは。メインで2人がしゃべってると連勝さんと野ばらさんのコンビだ。そのままデュエットどうぞ。 「M3〜ソノ黒キ鋼」 5→5 特に話題になることもなく、粛々と進行して閉幕した作品。2クールもあったのに、良いとも悪いとも噂は聞かず、なんだか勿体ない話である。 話題性には乏しかったが、終わってみればこれはこれでなかなかにすっきりした作品である。元々のテーマが、「最近ハートフルな作品ばっかり作っていたので刺激が欲しかったサトジュンが黒い話をやりたいので立ち上げた」というものであり、その目的だけで言えば、100%の出来で達成している。何しろ黒い。画面が黒い、人間がシバガネ化するのでとにかく黒い。もちろん、お話の方も存分に黒い。中盤の展開の「救いようのなさ」は、理想的な展開であったといえる。興味深いのは、どこまで「黒い」作品にしようとも、最終的に「人と人とのつながり」というテーマ性に帰結することになり、最終話だけを観れば、そこに横たわっているのはいつものサトジュンイズムであるというところ。終わってみれば案外すっきりした、というのはそのためである。結局メインのメンバーで取り返しのつかない「死亡」に至った人間はほとんどおらず、正式に死んだことが確認されたキャラクターで「正義」側ってアオシくらいなんじゃなかろうか。あ、ミメイさんもカウントには入るけど……まぁ、彼女のことは昔の話だし。夏入さんは「正義側」とはとても言えないのでノーカウントね。 面白いな、と思ったのは今作があの岡田麿里脚本であるということ。岡田麿里脚本でサテライト製作のロボットアニメといえば当然「アクエリオン」になるわけで、「この面子でロボットものなんか出来るのかいな」と訝しんでいたのが放送開始時だったわけだが、まぁ、ぶっちゃけ全然ロボットものではなかった。サンライズお手製なのでお馴染みのデザインとすら言ってしまえるロボットが動くには動くのだが、ロボがどう戦うかとか、ロボが格好いいか、っていう部分は作品の本質とは一切関係無く、脚本の中心となるのはどこまでも「人」でしかなかった。憎らしいのは、スタート地点では「無明領域」という圧倒的な「未知の外界」を打開することをテーマにしていると思わせておいて、シナリオが進めば進むほど、問題がどんどん内へ内へと入り込んでくるところ。「村? 何それ?!」から「ツグミ? 誰それ?」「ミナシさん、何してるんや!」と、どんどん身内の問題ばかりが大きくなり、最終的には敵も味方も全部身内の初期メンバーだけのお話。そしてそこには「孤独」と「共振」をテーマにした人と人とのつながりの形がある。そう、やっぱり脚本を取り出してみても「岡田麿里イズム」全開のお話なのである。「サトジュンらしいメインプロット」と、「岡田麿里らしいじっとりした脚本」という2つの基本線を、何となくサテライト風味なロボットの外箱でくるんだアニメが、このM3なのである。 それが分かってしまえば、サトジュンファンであり、岡田麿里ファンでもある私には非常に観やすい作品になった。1つ1つの心情はとても丁寧に読み解かれていくし、ドラマはどれも決して軽率に扱われておらず、ちゃんと納得出来る部分から収束に向かうようになっている。あらゆる部分がオカルトで、ファンタジーで、SFなのだが、あくまでその中心にいる「人」のドラマは分かるようにできているのである。設定優先で上っ面だけを突っ走るラノベ原作なんかではなかなか出来ない屋台骨の太さである。ただ、そうした全容が見えてくるのがかなり遅く、序盤の下拵えが長かったのは商業的にはマイナスだったんだろうなぁ……。なんだかよく分からない無明領域、なんだか分からない骸。伏線は張ってあるとはいえ、その全体像がすっきりと見えてくるまで、かなりの時間を必要とした。「これが収束するんだ」という確証を持っていない人間にとっては、ちょっと視聴継続のハードルの高かったかと思われる。サトジュンも「2クールは長かったかも」と漏らしており(多分作業がしんどかったんだろう)、そのあたりの問題意識はあったのかもしれない。でもなぁ、この内容をきちんとやろうとすると、1クールだとどうしても駆け足になるし、こんだけきっちりとシナリオが成立しない気がするんだよなぁ。悩ましい。 「黒いお話」で一切ギャグを挟まない硬派なシナリオなので、当然中の人目当ての視聴だとかなりおいしい思いが出来たのは純粋に良いところ。かなりヘヴィーな役回りが多かったおかげで、「実力派」カテゴリの面々がかなり濃密な時間を作ってくれました。個人的にはマアム役の福圓先生を推したいし、難しい役どころを見事にこなした小岩井ことりも素晴らしいと思ったが、実はそれを上回る文句無しのトップは夏入役の飛田展男だ。やっぱり飛田さんのキチガイはたまりませんわ。あの理不尽さ、そしてあの尊大さ、存在感。今作を視聴し続けられたのは、まず間違いなく「今週の夏入さん」を楽しむためでしたからね。 というわけで、個人的には「新世界より」に続く「最初はしんどかったけど、観といて良かったよ」作品です。まー、腰を据えて観られる作品が増えるのはむしろ良いことだと思うけどね。アニメの速度も、少しスローダウンさせようよ。 「六畳間の侵略者!?」 5→5 よろしかったんじゃないでしょうか。私の好きな「長屋もの」として、特に大きな失点もなく、1クールでつつがなくまとめてくれました。いや、住民たちの関係性としてはさっぱり解決されてない問題もあるんだけどね。一通り「お当番回」を回して、1つ目のゴールにはたどり着けたかな、と。 やっぱり一番イメージが近いのは「これはゾンビですか?」である。あそこまで設定が頓狂ではないが、メインとなるのは「住人の男の子主人公と、1人1人ゆっくりとフラグを立てていく様子」であり、ハーレムアニメのハーレム形成が、心情面よりも先に立地条件で整ってしまっている形。「恋愛感情なんて後からついてくりゃいいんじゃい」ってなもんでね(まぁ、それが普通であり、全員戦闘態勢で入居してくる「がをられ」の方がおかしかった)。こういうセッティングだと、イヤでもコミュニケーションとらなきゃいけないから気付けば自然に様々な交流関係が築けるのが良いね。まぁ、1話目の形成時点が一番無茶なわけだけども。 今作の特徴というと、1つ1つのフラグの立て方、感情形成が割と素直な「ラブ」であり、孝太郎が1人1人の住人相手に誠意でもって応えたために関係が更新されました、というのがすこぶる分かりやすいところ。本当にお当番回が「お当番」であり、幽霊・宇宙人・魔法少女・地底人に対し、じゅんぐり敵キャラが出てくるだけ、ってんだからそりゃ分かりやすいわ。おかげで展開としては非常にチープなものとなり、ぶっちゃけ、青騎士エピソードあたりでは飽きてきてた。多分一番真面目に観られなかったのがティア編なんだ。既に早苗編で「無茶苦茶な世界やねんなー」というのは分かった状態だったし、バトル展開自体はどうでもいいことは分かっていたので、せっかくの妹さん(クラン)のてこ入れも、そこまでのインパクトは無かった。多分、あのあたりの視聴モチベーションが辛うじて維持出来ていたのはルースさんが頑張ってくれたおかげだろう。宇宙人チームは申し訳ないが「ティア&ルース」でようやく1ユニット分やね。 ただ、そこから先は割と不満もなく観ることができた。やっぱりゆりかの存在ってすげぇ不可思議な吸引力があるし、彼女のエピソードだけが圧倒的「未完」なのも、「どないやねん!」とは思いつつもこの後のゆりかの動きが気になってしまう。ラストのキリハ編は完全におまけみたいなもんだが、「回りのヒロイン勢が既にゴールしている」という大トリのうまみが効いており、みんなしてイチャイチャデートを追いかけてるだけでも賑々しくなってしまうのである。こうして最終的に4者(5者?)4様にお話がまとまり、それぞれの魅力がアピール出来たのだから、「萌えもの」としては及第点と考えてよいのではなかろうか。 個人的には、最初に良い仕事をしたし、設定がずるすぎるのでやっぱり早苗ちゃん推しではある。幽霊という立場を利用したスキンシップ、そしてスキンすら越えてしまう「融合」シップと、孝太郎とは密接すぎる関係性を作り上げてしまい、お当番終了後は一切隠し立てしないストレートなラブっぷりも健気である。真っ直ぐなヒロインが可愛らしいというのは良いことです。まぁ、回りの人間からすると「孝太郎は桜庭先輩に惚れてるから」という認識なんだろうが……これ、最終的に誰エンドになるんでしょうね。 ただ、そんな早苗ちゃんの優位は認めつつも、今作で最も異質だったのはキリハさんだった気もする。あの人、ヒロインとしては完璧過ぎるのだ。心技体を伴った完全無欠の女性なのだ。最終的に「孝太郎の大親友」というポジションに落ち着いていたようなのだが、男女の友情について懐疑的な私なんかから見ると、「いやぁ、どう考えてもその人が一番の優良物件だろ……」とか下衆なことを考えてしまう。途中までは「侵略者」ってことでギリギリ一線を引いていたが、最終的には気立ての良さまで証明してしまったわけで……キリハさんさえいれば全てが解決してしまう気が。何とも不思議な世界である。 あ、あとキリハさんと一緒になれば、もれなくハニワが2体ついてくるってのも魅力だ。っつうか、そっちがメインで魅力だ。やっぱり、最終的にこのアニメはハニワのために観ていたんじゃないか、っていう疑惑がぬぐえないホ。そんなことないホ? 「恋はみるくてぃ」のPV考えた責任者は誰だホ? 頭おかしいホ。 「精霊使いの剣舞」 3→3 OK! 何もかもが予定通りだ。こうも予定通りに物事が進行すると、逆に不安になるな! みんな! 時間は有限なんだから無駄遣いしちゃ駄目だぞ! 若い時は特にだ! というわけで、視聴開始時の印象が何一つ変わることなくゴールを迎える、ラノベ原作の(悪い)お手本のような作品。いや−、最近はこういう方向性って逆に最近では珍しいレベルなんじゃないか、って思ったけど、前クールで「星刻の竜騎士」、去年は「機巧少女は傷つかない」と、何故か脈々と受け継がれ続ける系譜ではあるんだ。どういうニーズなのかしらねぇ。アニメも原作も。どうせアニメにするなら、「この機会に原作のショボさなんかに負けない立派なアニメにしてやる!」っていう意気込みがあればいいんだろうけど、アニメもまたショボいときている。もう、こういうのの製作に回す予算は他につぎ込んで人材と資源を集中させようよ。あ、でも粗製濫造にも良い部分はある。それは、作品数を増やさないとどうあがいても需要が増えない声優業に仕事が回ることだ。今作も新人たちが必死に頑張ってましたからね。まぁ、内容がどうでもよかったせいであんまり頭に入ってこなかったから意味ないんだけど……。最終的にあやねるがなんか偉そうなボスキャラになってたことだけは覚えている。佐倉さんのくせにお姉さまだったり巨大ボスだったり、ちょっと業界の新陳代謝が速すぎやしませんかね。 あとは木戸ちゃん、それに加隈ちゃんあたりがお馴染みの顔ぶれでは注目のキャストかな。特にエストはこんだけのラインナップの中でも特に阿漕で目立つキャラだったので、「加隈ちゃんは相変わらずいい役もぎ取ってるよなー」と感心したり。そういう意味では木戸ちゃんの活躍も相変わらずなのだが、今作のクレアは流石にキャラとしてどうかと思った。炎属性、ツンデレ設定、どれをとってもシャナの劣化版なんだよなぁ。「駄犬」とか「淫獣」って言葉はこういう文脈でしか聞かない言葉なのにすっかりテンプレ化してしまっている。罵倒する語彙にも何か新しい風が吹いて、世の中のマゾ豚野郎を満足させてくれる新星が現れないものだろうか。 あ、エンディングは割と好きでした。 「人生」 5→5 突然私事で恐縮なんですが、割とアニメをよく見る先輩がいるんですよ。普段からバリバリ仕事が出来る大変有能な人で、「この人、アニメなんか観てる時間あるのかな」って心配になるような、私とは真逆の人間なんですが、過去に「そふてには正義」という意見が一致し、固い握手を交わした事がある。その先輩は現在ごちうさ難民になっており、仕事の愚痴の合間に「あぁ〜、ぴょんぴょん出来ないんじゃ〜〜」と嗚咽を漏らしながらも日々を生きているのです。かくいう私はごちうさにピンと来なかった人間なので、「まぁ、好みが合わないこともあるわな」と思っていたのですが、そんな先輩が今期勧めてくれたのが、この「人生」だったんです。うん、正直「またおかしなこと言うとる」と思いましたよね。よりによってそこかよ、と。あまりに仕事が忙しくてヤキが回ったかな、とちょっと心配にもなりました。先輩曰く、「いや、あれは癖になるんだよ」とのこと。そんなことを言われても、大したことやってるアニメでもないし……。 (……1ヶ月後)うん、割と癖になるな。気付けば評価は上がり気味。アホなアニメなのは間違いないし、くだらないといえばどこまでもくだらないのだが、不思議と一本芯は通っている気がする。いわゆる「学園ギャグ」なので無理矢理近い所を探せば「生徒会の一存」とか「えびてん」あたりが類似項になると思うのだが、そういう作品よりもはるかに観やすいし、1クール分のシナリオラインは不思議とすっきりしている。キャラ配置が観やすかったおかげなのか、ギャグ・エロ・シリアスのまぜ具合に無理がなくて、ボーッと観ているとだんだん女の子たちの味わいが癖になってくるのは分かるような気がした。 始まった当初は、「理系文系体育会系」というあまりに安易なキャラ分けに「こんなんネタとして続くわけない、すぐ飽きるやん」と思っていたのだが、それぞれに「系統別萌えキャラ属性」というのを付与し、いちいち頭のおかしなラブストーリーを匂わせることで、単なる「系統別あるある」からは少し離れて、「変な価値観を持つ連中とのドタバタラブコメ」として成立。理系のツンデレ設定があまりに阿漕であるとか、文系は最終的に影薄いやん、とかいう問題はあるものの、途中で参戦した芸術系がいいアクセントになったし、常に中心となった体育会系のエネルギーはギャグの回し役として充分。気付けば「よく分からん退屈なラノベ」から「割とおもろい、どうでも良い作品」まで評価が上がっていた。不思議なものである。 シナリオ部分では、「人生相談ラノベ」という無茶苦茶なカテゴライズをうまくスカして普通のシナリオ展開に持って行けた部分が良かったのだろう。ず〜〜〜っと三者三様で人生相談に答えていくだけでは当然お話が成立するわけないので、そこは当たり前の流れだったけども。ただ、そうして初期の流れを逸脱しながらも、最後までちゃんと「人生相談」成分は残していたのが好ましい。普通、初期設定って必要なくなると脇にうっちゃられてしまい、「これ、別に最初の設定なんでもええやんけ」ってオチになりがちだが、本作の場合は一応土俵際ギリギリで「今作らしさ」を維持することが出来たのである。その他、映像面に関しては充分に阿漕な画面が出来ており、このあたりは流石の川口敬一郎。ギャグをやらせると絶妙な安定感があり、どんな作品でも決して大ハズレにはさせず、何か1つくらいは「ここが気になる!」っていうポイントが作れるのは貴重な才能だと思う。 最後は中の人だが、出てくる女の子は満遍なく可愛かったし、若手オンリーのキャスティングが想像以上に上手くいっていた。中でも注目したいのは体育会系担当の諏訪彩花と、芸術系担当の大西沙織かな。諏訪はこれまでも何作か声を聞いてきたが、今回が一番かっ飛んでいて楽しかった。ちゃんとこういう仕事も出来るんだよね。大西は最近飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍だが、今作でも良い具合にどっか抜けてる感じがナイス。典型的な「良い声質」だと思うよ。まぁ、個人的にはそんなん言いながらも前田玲奈が一番好きなんだけどね。 「東京ESP」 5→4 なんか、すごく普通のアニメだった。いや、もう昨今の怒濤のアニメラッシュの中では何が「普通」なのかもよく分からないんだけども……、観てる最中も「あぁ、うん」くらいだし、終わってみても「お、おう」くらいだし……。でも特に大きな悪感情も抱かないっていう。こういうのが一番評価に困るんだよなぁ。 漫画原作だし、未完ということでアニメで片をつけるわけにもいかないので終わり方がいくらかもやっとするのはしょうがないところだろう。もやっとするとは言っても、この世界であんな事件が起こったのなら、終わり方はこれくらいしかないと思うし、実は割と現実的で冷静なエンディングである。超能力者が平和に暮らせるようになるには傷跡が大きすぎたし、かといって全滅エンドにするわけにもいかないし、「これからも色々大変やで」というくらいならば、一応2期目も望める無難な終わり方。ただ、教授の犯行動機とその解消についてはややご都合主義のきらいが強い。あれだけのテロを起こしておきながら教授が被害者であるかのように幕引きされるのは釈然としないものがある。彼の犯行動機には「超能力者差別」は関係無いんだよな。それと現時点での「差別」が結びついて事件になってしまっているせいで全体像が見えにくかったのかもしれない。 また、今作で一番微妙だったのは主人公チームのモチベーションが釈然としないこと、そしてチームの戦力が釈然としないこと。リンカたちは、大雑把に言えば「一般人と超能力者の融和」を目指して戦ったことになる。教授たちの暴動に端を発するテロ活動にも対立するし、その一方で超能力者差別の方向に動いた社会の動向にも抗っている。一般人殲滅に動いたテロチームに荷担せずに「正義の味方」を貫き続けたのは、ひたすらに「正義感」から。まぁ、それはそれで主人公として正しい振る舞いではあるのだけど、あそこまでされて貫けるほどのメンタリティってのはなかなか形成しにくいものでね。言ってしまえばリンカって「普通の女子高生」なわけで、正義馬鹿の京太郎に影響されなければ、超能力に目覚めた後もひたすら「普通の」生活を続けることは可能だったはず。家族ぐるみでヒーローデビューしちゃったのって、「ノリと勢い」以外はないんだよな。そして、そんな連中がテロ集団と渡り会えるくらいに強くなってしまった。パンダの修行とかのおかげもあるわけだが、リンカは能力自体大したことないので、並み居る強敵相手にあそこまで渡り合っちゃうのも違和感があるよね。「強さ」の尺度が凄く分かりにくい世界で、紫ちゃんだって、言ってしまえば能力をフルに活かしても「すごく強い一般人」どまりだしねぇ。まー、敵側の超能力者も、別に百戦錬磨の戦闘集団ってわけでもないので、これはこれで良かったのか。 細かい難点はあるものの、シナリオは普通の能力バトル漫画である。これでもう少し作画クオリティが高ければ「普通のアニメ」として楽しめたのだろうが、中盤割と崩れたんだよな。特に「今作独自のセールスポイント」があるわけではなく、1話で登場した「喰霊」集団の皆さんも(当然のことながら)本作には関係無いし。取り立てて推すポイントが無かったので、結局低空飛行のまま終わってしまった感じかなぁ。「頭蓋ふんサイキック」って言いたいだけやん、感。 中の人的には、木戸ちゃんが頑張ってるし、ころあずも相変わらずいいポジションで仕事してくれていたので、じわじわとホリプロ勢が勢力を拡大させていることを感じられる作品になっている。あと、「喰霊」の黄泉・神楽コンビが、何故か今作ではペンギンとペリカンというダブル鳥類なのがなんか笑えた。毎週次回予告でペンギン語を聞くのがやたらと楽しみでした。 「少年ハリウッド」 4→6 この手の作品でまさかラストまで感想を書くはめになるとは思っても見なかった。予想外の方向に突出した、何とも不思議な衝撃を残した作品。 いや、多分普段こういう作品の対象じゃない層に見せても7割以上は「やっぱり無理」っていうんだと思う。そもそもキャラクターデザインのクドさの時点でハードル高いし、メインシナリオだけを見てあらすじ書いたら、別に面白くなさそうである。それにも関わらず、たまたま私の琴線に触れることになったのは一体何故だったのか。2話目の時点で既に気にしているわけで、「エアボーイズ」や「ときめきミュージックルーム」のようなネジの外れた構成に度肝を抜かれたことだけが原因ではない。やはり、今まで見たこともないような目的意識ゆえなのだろうか。「アイドルアニメ」ならぬ「アイドル始めますアニメ」。あれ、でもそれって【ろこどる】も同じだけどな。あっちは「アイドル活動を続けるうちに、楽しいし充実してるから自覚が芽生える」お話、こっちは「アイドル活動がろくに始まってないし、途中でイヤになってる気がするけど、それぞれに患っちゃうことで何故かアイドル観を育んでしまう」お話。うーむ、やっぱり異質ではある。 そして、そうした「今まであまり見たことのないもの」を、普通のスポ根や部活ものの切り口以外からもあの手この手で見せてくるのが何ともむずむずする大切なポイント。上記の「1話まるまる〜〜〜」シリーズは最たる事例だが、その他にも突発ミュージカル回とか、颯が音痴回とか、微妙に「アイド……ル?」みたいなところが、かえってアイドルの輝きみたいなものを際だたせる働きをしている。きちんと「育成する側」の信念があり、「学ぶ側」にも各々の信念(これを病気とも言う)を抱えている。そうした「不可思議な青臭さと、夢を語る胡散臭さのぶつかりあい」が面白かったのだ。 こういう異質さで勝負してくれる作品がポッと出てくるあたり、このアニメ乱立の大量消費時代にも油断は出来ない。癖になるヘンテコアニメの鉱脈は、まだまだ色んなところに眠っているのだ。 |
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HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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