忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[889] [890] [891] [892] [893] [894] [895] [896] [897] [898] [899]

「マケン姫っ!通」 5→5

 そうか、10話しか無いから、毎期必ず最初に終わる作品が角川アニメになるんだ(前クールは「脳コメ」だった)。この微妙な話数設定の差って何に起因してるんだろうね。「ブラッドラッド」みたいにもうちょっと見たい作品が10話だと残念よね。

 この作品が10話で終わったことが残念だったかと言われるとそうでもないのだが、少なくとも「10話もやりやがって!」という作品ではない。どっちかというと、「よく10話もやれたなwww」の方が正しいかもしれない。たとえるなら、適当なコミックスにつくOVAみたいな話を延々10本やっただけのアニメシリーズ。1期と打ってかわって全力で「エロバカ」の方に振り切ったデザインはナンボでも替えの効くもののはずなのだが、やっぱり1期に一本くらいこういうのがあった方が落ち着く気もする。金子ひらく・高見明男・そしてジーベック。そのためだけに集められたメンバーが、懇切丁寧にエロバカを作っていく。余計な縛りが無くなった作品構成は自由度が増し、いかにも2期らしく個々のキャラを掘りさげながら突発的に馬鹿なことだけをやっていく。誰も傷つかず、誰も不幸にならない素晴らしい紳士アニメではないか。個人的には、コスプレイベント回(4話)の時の「角川が自社アニメだけでラインナップを回すとこういう状況になるのか……」っていうのが分かって面白かった。あとルドル回(7話)かな。男装エピソード(9話)も好き。あれ、割と気に入ってるお話多いじゃないですか! しょせん私は高見明男フリークなのさ。未だに「れでぃばと」の続編とかをこっそり待ってる気がするのである。

 あとはエース勢が継続キャストとして活躍したために、1期との比較でスキルアップが確認出来たのも良いポイント。やっぱり僕はエース勢だと富樫美鈴・美名推し。あと、こっそり鶴岡聡のはっちゃけキャラが楽しめるのも良い点だったかも。

拍手

PR

 この期に及んでこの盛り上がりである、第23話。「盛り上がり」っつってもここのところは割と義務的というか、パターンに則った「盛り上がり」だった気がするんだけど、今回はケタが違った。小松田大全のコンテ演出回ですわ。ブラボー。

 最終決戦の前段階だが、次でこれを越える展開は無いんじゃないかと不安になるくらいに、全弾撃ち尽くし、やれることは全部やりきった感。お約束の「昨日の敵もみんな集まってアクシズ押すよ」展開まであり、そりゃもう大満足ですわよ。こうして今まで培ってきた全てを再確認していくと、やっぱりこのアニメって四天王のためにあったものなんだなー、って気がする。

 今回、番組開始の第一声は蟇郡さんの「満艦飾!」である。前回叫べなかったので今回は続けて2回のコール。喧嘩部部長・満艦飾マコが復活し、戦闘力は桁違いに跳ね上がった(なお、おつむは伊織の手をもってしてもどうしようもなかった模様)。奮戦するマコに続き、更に四天王も極制服が完成、それぞれにイカした名前の「最終形態」を次々に披露し、オリジナル技あり、コンビネーションありで、千切っては投げ、千切っては投げ。四天王1人1人の活躍を描いた動画や止め絵が本当に素晴らしく、個々のキャラクター性を前面に押し出しながら、不思議と4人が喧嘩しないで同じ画面に共存して高めあっていく感覚が絶妙。

 蛇崩さんのコスなんて痴女以外の何ものでもないけど、よく見ると鮮血・純潔に似てる気がするのが面白い。蟇郡さんは縛の装から解放されて表に出てきちゃったけど、大丈夫なんでしょうかね(倫理的に)。犬牟田さんは……いつも通りだった。最終的に四天王がこぞって皐月の下に駆けつけ、それぞれ羅暁の一言送るっていうシーンがあるわけだが、犬牟田さんだけ特にコメントが無くて「はい皐月様、縛斬です」みたいな運搬役になってたのは笑った。そして、これまでなかなか良い仕事が出来ずに悩ましげだった猿投山さんも、最後に羅暁に一太刀浴びせる事に成功、いつの間にやらその目は見えていたんですよ。いや、「目を潰して強くなった」奴が今更目を復活させたからどうやねん、という気もするんだけども。いいじゃない、全員どこか「強くなった感」があるんだから。まぁ、実は一番強かったのって伊織だったじゃないか、って気もするんだけどね。あと、地味にたくましいのが揃さん。美木杉の「無い袖は振れないけど!」みたいな台詞に対して「もうどうでもいいや」みたいなテンションで「ごもっともで」って言ってたのが無闇におかしかった。流子側が満艦飾コロッケ、皐月側が揃のお茶、っていう風に回復アイテム、「帰るべき場所」がはっきり分かるのってなんか良いよね。

 そして、羅暁との直接対決でコンビネーションを見せつけた流子・皐月姉妹。流子は相変わらず主人公という名の単なる飛び道具なのでどうでもいいのだが、それを有効利用するために頑張る皐月様の甲斐甲斐しさが良い。本当にどこまでも高潔な人で、目的がはっきりした今なら、流子のための囮になることも厭わないという。彼女の立ち位置って、ロボアニメ、戦隊シリーズなんかでいうところの「1号ロボ」なんだよね。プロトタイプだから明らかに主人公機(新型機)よりも弱いはずなのに、意志の強さや経験で上手くサポートして渋く活躍するっていう。今回も見事な犠牲で道を拓いたわけだけど、願わくは、彼女もちゃんと純潔を「着こなす」活躍が見たい。最後の最後に純潔が人衣一体になって羅暁を打倒する、っていう図が一番綺麗な気がするんだよな。

 ちなみに、対戦相手となる羅暁さんは、いつも通りのドヤ顔のはずだったのに、割とあっさり原初生命戦維が落とされるという、この作品にお約束の「前まであんなに強そうだったのに」状態に。でもまぁ、これだけ主人公パーティーが盛り上がっちゃうと、たった1人で戦い続けるボス側は不憫な状態になるかな。豊満な乳をもみしだきながら悦にいる様子は相変わらず悩ましげでよろしい。最終的にどういう扱いになるのかとドキドキしていたが、ちゃんと決戦兵器を完成させた針目との関係性も継続するみたい。てっきり「お前は用済みだ」とか言われて吸収されるかと心配してたんだけど、吸収されたのはまさかの鳳凰丸だった。結局最後まで彼女のスタンスはよく分からんままだったな。原初生命戦維の意志を代弁する折衝役とかなのかな。針目は前回ボコボコになったことで面子を潰されてしまったわけだが、今回は掟破りのエンディングジャックなど、悪辣な様を存分に見せて汚名返上。やっぱり一番活き活きしてて楽しい悪役は針目だなー。中の人のハイスペックさも思う存分堪能出来る良いキャラであった。

 そして、最後の最後までやっぱり中心に居座っちゃった我らがマコさん。初っぱなに登場して暴れ回ると、途中で一回負傷退場、脳内流子との会話に勤しんで「脳内にお友達を作り出すのは中の人だけにしてくれ!」と不安にさせるも、コロッケパワーで無事に復活し、最後は流子との合体技で原初生命戦維をぶっ壊すという大金星。まぁ、一応ヌーディストビーチの兵器があったおかげではあるのだけど。無茶しまくりのネーミングセンスに苦笑続きの本作だが、「マッパダガー」は正直笑った。センスが「生徒会役員共」のラジオ番組と同レベルやね。

 ラストバトルは羅暁・針目コンビとの総力戦。最後の最後に戦う舞台が、一番最初の到達目標だった本能字学園っていうのも心憎い。ドラクエ3で巡り巡って竜王の城に戻ってくるみたいなカタルシスがあるよ。はてさて、どんな驚きが残っていますやら。

拍手

 第1試合、決着、第24話。長きに渡るこの作品であったが、ようやく1つ目の結論が出た。1つ目の結び目がほどければ、後は芋づる式に解決を待つばかりだ。

 この作品の見事なところは、舞台背景がメインテーマとがっちり噛み合って、何が起こっても、どこにあっても、必ずそこには「海と地上」「隔たった時間」が関わってくるということ。1つ1つの恋愛模様は単に男と女の間の話に見えるが、その根底には、この作品でしか起こりえない独自の心的要因が働いているのである。今回、1つ目の決着の皮切りとなったのは、前回大きく動いたちさき・紡間の関係である。汐鹿生にたどり着いた紡は、結果的には(この時代の中では)5人の中で一番はじめに「動いた」ことになる。はっきりとちさきに向けて自分の気持ちを打ち明けると同時に、それに対する答えを要求した。「ちさきの気持ちは自分に向いていたと思うんだけど、違う?」ってのもどんだけ自信のある告白シーンだよ、とは思ったが、愚直で考えてることをそのまま口に出す紡らしい切り出し方ではあると思う。この台詞から分かることは、「紡はちさきが気になった」「ちさきも多分自分のことを思っていると推察出来た」という2つの要因が揃っていたが、その時点では紡が実際には動かなかったということ。じいちゃんのこととか、世界が緩やかにヤバくなったことなんかも行動を見送った理由にはなるかもしれないが、やはり、ちさきの心情を慮った結果、自分だけが動いてしまうのは早計だと配慮したのだろう。今回このタイミングで切り出したのは、まなかの件で「動かなければ」という義務感に駆られたこと、そして要のことを考えた時に、自分が黙して動かないことが卑怯であると考えたことなどが理由だったのではないだろうか。

 紡の告白の結果は、何とちさきの拒否で一旦決着する。しかし、この告白の目的は「合意」ではなく「陽動」と言った方がしっくり来るようなものであり、紡にはっきりと答えを迫られたことで、ちさきは自己に内在するどうしようもない束縛と向き合わなければならなくなった。紡が言うように「気持ちが彼に向いている」ことは、誰が見たって事実なのだ。ちさきもそれを理解しているが、最後の最後で認めきれずにいる。それが、今回彼女が要に向かって吐露した「歪んだ義務感」である。正直、何ともいびつで、滑稽な義務感ではあると思う。お船引が行われる直前の校舎で、光がまなかに告白し、そのどさくさでちさきが光に告白。その直後に、あの事件があって5人の時間がズレたまま止まってしまった。「四人衆」の中で一人だけ時間を進めてしまったことが彼女の中で大きな負い目となっていたことはここ数話で何度も描かれたことであり、どれだけ仲間達に「変わっていない」と太鼓判を押されたとしても、彼女はずっと「変わってはいけない」「変わってなどいない」と自分の言い聞かせ続けていたのである。その端的な表れが、「光を好きだという気持ちを維持し続けなければならない」という自縄自縛である。

 本来ならば、自分の本音と相容れない気持ち(正確には、光を好きなのも事実だろうから「優先度が下がった気持ち」というべきか)を持ち続ける義理など無い。確かに1人だけ時間を進めてしまい「変わってしまったこと」は悲しいのかもしれないが、それを非難するような仲間でもあるまい。しかし厄介なのは、まなかが「好きという気持ち」を喪失したこと。おそらくだが、ちさきの中では、「まなかと2人で光を取り合ってしまった」という呵責を解決しないことには、時代が進まなかったのだ。あの時代に自分が持っていた気持ちは最大限の「罪」として認識されており、3人が時を止めたことで、その「罪」は解消されず、むしろ凝り固まって動かせなくなった。挙げ句、今回の事件でライバルだったはずのまなかの「好き」が凍結され、どうあがいても解決出来ないという八方ふさがりの状態になったのだ。ずっと仲間達だけを見て、自分の気持ちを後回しにし続けていたちさきは、そのような状態で、「光を好きだった気持ち」だけを放棄して「先に行く」ことなど出来ないのである。

 この「ちさきの望まざる思考停止」を動かすために、2人の男がそれぞれに立ち上がる。まず、紡はなんとか「ちさきの回りの時間」を動かすために、積極的にまなか問題の解決に乗り出す。海中で感じたかすかな感覚「デトリタス」を手がかりに、新時代のお船引きを企画立案する。5年前のお船引が「光が立案した、世界のためにイベント」だったのに対し、今回は「紡が立案した、まなかだけのためのイベント」であるのは興味深い。海神様のうろこであるはずのうろこ様の前で「海神を勘違いさせられれば……」とか言っちゃうのはどうなんだろ、と思うけど、海神自身の意志がうろこ様も与り知らぬものであることは事前に本人が言ってたしな。急ピッチで進められる新たなお船引は、光たちが「外へ出て行った者たち」との旧交を温めて新しい時間を刻むのにも一役買ったし、「あのとき」を追体験し、刺激を与えることで、ただ1点だけ止まってしまったちさきの時間を動かす効果も期待出来る。やはり、積極的に動いているときの紡は本当に強い。未だに、彼が「間違った行動」を取ったことって一度もないんだよなぁ。

 そして、もう1人が今回の主役、「永遠の蚊帳の外」こと要さんである。消沈したちさきを見て「紡のこと?」とド直球で攻め、更に「僕で良かったら聞くよ」というサンドバッグ状態。一応「僕の気持ちなんて気にしなくて良いから」という、どう考えても「気にしてよアピール」にしか聞こえないようなフォローもしているのだが、悲しいかな、ちさきにとっての要は本当に恋愛ごとでは「蚊帳の外」。要に対して残酷な事だと分かってはいるのだろうが、彼女は「昔からの友人」に対して本心をボロボロとこぼし続ける。暗がりに座り込むちさきと、夕日を浴びながらも、背を向けているせいでずっと顔が暗い要の対比が痛々しい。そして、ちさきの「義務感」を全て受け止めて、いくらかでも彼女のためになったことで、要は少しだけ満足するのだ。

 結局、今回要がちさきと接触できたのはこのシーンだけである。どこまで言っても「蚊帳の外」。ちさきの気持ちは現在(紡)と過去(光)で苛まれているのであって、そのどこにも要の居場所がない。完全な「やられ損」のスタンスであるが、持って生まれた性分なのだろう、常にポーズを維持し続ける痛々しい男に、ようやく救いの手がさしのべられた。前回「告白する」とはっきり決心したさゆちゃんは、持ち前の強さでもって、こわれかけの要の外面をついに打ち砕くことに成功した。踏切越しの告白は、5年の時を経た「車越しの再会」と重なる、2人の距離感を表すシーン。思いの丈を全てぶつけて要を叩き、鼓舞するさゆ。二人の間を走り去った電車は、これまで2人が抱えてきた悔しさや、外面の良さ、それ故の悲しさを全て持ち去るイメージだろうか。要の本心はもう隠す必要も無くなり、一人だけ拠り所が無かったこと、帰ってきたのに「自分がどこにもいなかった」ことへの寂しさが吐露された。そして、さゆにはそれを全て受け止める準備があった。OK、ここがゴールだ。さゆちゃんの真っ直ぐな告白は、これまでの頑張りが全て報われるだけの価値がある素晴らしいものだったし、要も、ようやくここで救いを得てもいいだろう、と思えるくらいには男前だったのである。きっと彼のことだし、ちさきを前にしてもいつも通りの軽さで「もう大丈夫」ということが出来るだろう。長きに渡る戦いの「1つ目のゴール」に幸あれ。

 さて、残るマッチは主に3つ。次に解決されるべきは「紡・ちさき」だろうか。そして最後の大一番「光・まなか」「光・美海」。これまでの美海の献身は凄まじく、今回はそれが報われるのではないか、と思わせるようなシーンまで挟まれた。最後まで予断を許さない状態だ。だが、光の想いはやはりまなかにあり、まなかの献身も、それを負うだけの価値があるものだった。どっちに片付いても切なくなりそうで辛いなぁ。ちなみに、本作の失恋第1号は実はまなかにフラれてふくれ面になった晃君だったんじゃないかって気もする。残念ながら晃君だけは今のところもらい手がないなぁ……晃のアキラは、諦めないのアキラだよ! ……お母さん、それ「諦めるのアキラ」でもいいんじゃないですかね。

拍手

 いもしない幻獣退治がゴールだったとか、廻栖野さんの課題かな? 第11話。暗炎龍が長く伸びるフォルムがどっかで見たことあるなー、って思ってたら、多分「龍のトルク」だ(違うかも)。

 放送は次回で終わるのかしら、実質的に今回が2期エピソード全体の「決着」と見てしまっていいだろう。前回燃え上がった七宮の恋愛のちょっと苦い幕引きと、それに煽られる形で無闇に燃え上がった六花たちの関係性。結局「戀」になってからのこの作品は「中二病でも恋がしたい」っていうより「中二病な恋がしたい」だったような気がしますな。

 勇太はいわゆる「難聴系」主人公とは違うので、前回あれだけの「戦争」を繰り広げた七宮の真意を冒頭から理解していた。しかし、そこは残念ながら経験不足の男子高校生、あっちからも好かれ、こっちからも好かれても、それをどうやって処理していいものか分からない。また、難聴でこそないが馬鹿がつくくらいに素直な性格でもあるので、気丈に振る舞う七宮に全幅の信頼をおいて勝手に満足してしまうのも問題だ。そこに噛み付いて方向修正するのがお節介ババアこと森サマの役目だったわけだが、今回の森サマは色々面倒臭かった。まぁ、実際に自分にも経験がないっていうのは勇太たちに対して負い目になってるのは間違いないんだろうが……それなのに一枚噛んでこようとするあたりがアカン娘やな。いや、十花さんに言われたから義務感から監督業務に従事しているのかもしれないけども。「分からない」と言うばかりで頼りない勇太にイライラする森サマ、イライラするばかりで具体的なアドバイスを送ってくれない森サマにこれまたイライラしちゃう勇太。ここら辺は打つ手無しの関係性なので諦めるしかありません。

 ただ、今作の上手いところはきちんとそれぞれのキャラに「役立ちポイント」を用意してくれているところで、そんな森サマの心情をくみん先輩が綺麗に代弁してくれた。そうなんだよね、森サマが好きなのって、結局凸守魔術結社全体なんだよね(そうじゃないと、「あの子ずっと富樫君ばっかり見てたわよ」のとこで「お前も見とるやないか!」ってなって、森サマが勇太に惚れてることになってしまう)。元々世話焼きな性格のところに問題児ばかりを押しつけられたもんだから、自分では力になれないと思いながらも無理矢理割り込んでくる。森サマちゃんも困った子だよ。今回は勇太に送るアドバイスが分からず、苦肉の策で七宮の方にアドバイスを送って事態の進展に一役買うことが出来た。2期に入ってからの諸々の騒動のせいで、森サマも昔のキャラに戻るのに抵抗なくなってきてるよな。中学の制服がコスプレ風味で無駄にむちむちですね。いいですね。あと、六花のまねして下段攻撃加えたのに慣れてないせいでいまいちヒットしないシーンが面白かった。最終的に勇太はコケてたけど、六花や凸守みたいにキレのある下段が打てないから小足程度のダメージしか出ないっていうね。まぁ,日常生活であんまり下段攻撃ってしませんからね。下段ガードする人いないのに何でだろうね。

 さておき、そんな森サマの支援を受けて、更なる決戦の地へと赴いた七宮。彼女はAパートではボートで漂流することでリフレッシュを試みていたようだが、森サマがいうには「やせ我慢」程度の効果しかなかった様子。あれは一体何をしてたんでしょうね。結局、直接勇太と向き合う以外に自分の気持ちに整理はつかない、と決心して青き月夜に勝負を挑むも、六花の暴走により対決は先送り。その間に、想像を絶するほどのいちゃいちゃぶりを見せつけられることで、無事に憑き物が堕ちて魔法魔王少女・改(略)は完成をみたようだ。彼女の憑き物落としに必要だったのは、「自分と比べることが出来る六花の存在」だったのだよね。これまでの生活でも充分「六花と勇太の関係性」は見てきたはずだが、それだけで「六花も自分も勇太が好き」でしかなかった。今回の事件では、六花がウルド探索に身体を張っており、ダークフレイムマスターに向ける想いが並々ならぬものであることを見せつけられた(六花も七宮に煽られる形で暴走したのだけども)。つまり「六花は自分以上に勇太が好き」を確認出来たわけである。それに加えて「勇太もどうしようもないくらいに六花が大事」も確認出来たわけだし、流石にここに割って入るのはいかに魔王とて不可能である。ここまでやられてようやく、彼女の初恋が終わったのだ。それなりに綺麗なけじめの付け方になったかなー、とは思って見ていたのだが、最後の「バイバイ」はやっぱり心臓に来るわ。明日はもっと幸せな恋を掴むんだぞ……。

 そして、今回意外だったのは、七宮の迷いを断ち切ることになった六花の行動である。これまでのシナリオの中でも地味に伏線が張られていた「暗炎龍復活」の儀式。ただ、彼女や凸守の戯言は本当にアドリブでガンガン出てくるものだと思っていたのであまり重要視していなかった。というか、六花が重要視しているとは思っていなかった。実際、彼女の中二病ワードってその場しのぎで逃げたかったりする場合のアドリブが多いから、その中に「本当の願い」が入っているとは思わないわなぁ。一度は中二病脱却まで行ったはずの六花が、病身にむち打ってまで「儀式」の遂行に邁進するほど入れ込んでいたのはちょっと違和感もあるのだけども……それだけ、勇太に喜んで欲しかったってことなんだろうなぁ。普段の勇太を見てると、それが最善のことではないっていうのが分かりそうなもんなんだけど、勇太も過保護で甘いもんだから、そうして頑張ってる六花を見るとほだされちゃう。ま、いいカップルよね。クライマックスの抱き合うシーンとか見ると、やっぱり六花は可愛いんだわ。掛け値無しで保護欲をかき立てられる生き物なんだわ。そりゃ誰だってギューってするわ。

 なお、同様に保護欲をかき立てることで有名な生き物、凸守は今回あんまり活躍しませんでした。ただ、七宮と森サマが抱き合ってるシーンを見て「偽森サマーまでたぶらかすのDEATHか!」と嫉妬してたのはすげぇ萌えたけどね。もー、自分以外といちゃついてるとすぐ怒るんだからー。

拍手

 なんと今回は一気に2キャラの新キャラが追加された。まぁ、事ここに及んで2人程度増えても全キャラコンプはほど遠いわけだが、やっぱり賑やかになる方が見ていてたのしい。しかし、キャスト的にはどエラいサプライズだよなぁ……これがOKなら他の県もエラい事になりませんかね? それとも、愛媛県出身声優って世界に1人しか存在してないとか?(なお、割と普通にいる模様)

 

○第28話 「ねむた祭り」

登場犬:兵庫・青森(木戸衣吹)

 新キャラ青森犬は、東北三大祭りの1つであり、その中でも一際勇壮なねぶた祭りの山車である。いや、実物観たことはないからどのくらいすごいかは定かじゃないけども。でも、一番派手なのは間違いない。そもそもあのでっかい山車のことを「ねぶた」というのかどうかもよく分からないが、何となくそういうニュアンスであってるよね。青森に住んだことがある友人は「ねぶたは本当にすごいから!」と力説してたので、いっぺんくらい観てみたい気もするんだけどね。ちなみに中の人は現役女子高生声優木戸衣吹。木戸ちゃんって青森出身なのね。あの若さで青森から出てきて活動してるのか……すげぇ子やで。ちょっと前に「WUG」の記事でも書いたけど、最近は三上枝織、山本希望など、青森声優も割と元気ですよ。

 さて、一応「ねぶた」モデルではあるものの、そもそも「ねぶた」自体が何かを模して作られるものなのだから、青森犬の造形はレギュラー陣なんかと比べるとかなり犬に近い。おかげで、個体としての特徴はあんまりないので、ひたすら祭り推しキャラということになる。何も無い真っ白な画面の真ん中で兵庫が大きくあくびをしながら「ふぁ〜、ねむた」とぼやくと、どこからともなく威勢の良い「ラッセラー!ラッセラー!」のかけ声とともに青森登場。「わのこと、呼んだ?!」と元気よく尋ねてくる(「わ」は青森名物の一人称。旧作の青森犬(りんご)も自分のことを「わぁが」と言っていた)。「別に呼んでないけど……」と答えると「なんだー、そうだがー」と元気よく答えて、賑々しく去っていく。「なんやねんアイツ……ふわぁ、それにしてもねむた」と漏らすと、再びのラッセラー。「呼んだ?!」「だから、何でもないて!」「あっ!そう!」、で、ラッセラー。「もうなんやねん!……ふぁー、しっかしねむた」。

 何回も繰り返すあたりは笑いを心得た兵庫らしい行動であるが、3回目となると天丼も厳しい。流石に遠慮したのか、青森は山車を乗せて運行する時に使う台車にのって、コロコロと静かに歩いて来る。「今度は静かやな」と訝しむ兵庫に、「だって、眠いんでしょ」と当たり前の返事をする青森。「なんや、しってんのかいな」。安心する兵庫だったが、青森は小声で「ラッセラー」を口ずさみながら、台車でコロコロと兵庫の回りを回る。「それはそれで寝られへんわ!」。青森、割と可愛いオチ。

 なんか、割と仲よさげだな、こいつら。まぁ、兵庫もだんじりとかあるみたいだし、山車が賑やかなものどうしで相性はいいのかもしれない。また、「ねぶた」のWikiを調べると興味深いことが分かる。なんと、「ねぶた」の語源は「眠たし(ねぶたし)」かもしれない、と書かれているではないか! あれ、案外正解だったんじゃねぇの? お勉強になるアニメ、47都道府犬。

 

○第29話 「それ、やめてくれる?」

登場犬:茨城・兵庫・愛媛(水樹奈々)

 シナリオとか新キャラとかじゃなくて、とにかくCVが衝撃。何と、2代目愛媛犬も引き続き水樹奈々が担当。何故?! いや、別にいいけども! よりによってギャラ高そうなところだけ継続って謎だな! ちなみに調べてみたら(当然Wikiで)、辻あゆみとか白石稔とか福島潤とか、それなりに知名度の高い愛媛県出身者はいるんだけどね。まぁ、とにかく「新たな愛媛犬」も水樹奈々だ。

 しかし、当然新しいキャラなのでマイナーチェンジはしている。まず、旧作は「みかん」の化身であったが、今回は「伊予柑」である。……微妙。ちなみに作中で「伊予柑である」ことは言及されていないが、登場第一声が「何か今日はいい予感がするわ〜」なので、そういうことだろうさ。更に、旧作での語尾は「ぞなもし」であったが、今回は「じゃけぇ」など多少バリエーションが増えており、ミラクル天然キャラだった旧作と比べて、いくらか台詞も増えて年齢も上がっているように見える。言動を見る限りでは相変わらず夢見る乙女ではあるようだが。「いい予感」の台詞も口癖らしく、兵庫に「アンタず〜っとそれ言ってんなぁ」と突っ込まれると、「愛媛の女はおおらかじゃけぇ、細かいことは気にせんのんよ」と答えている。そして、彼女が喜んだり、恥ずかしがったりするときにキュッと耳を丸める可愛らしい仕草が、今回の主題となる。

 伊予柑が、前触れ無く皮の部分を「キュッ」とやるとどうなるかというと……回りに果汁が飛ぶのである。そして、何故か両隣にいる兵庫と茨城の目をピンポイントで襲うのである。多分、結構な量の果汁が飛んでいるのだろう。最初はあまりのことに何が起こっているのか理解出来なかった2人だが、話し込んで何度か被害を受ける内に、「こいつの耳から果汁が!」ということに気付く。「いい予感はいいんだけど、その耳折るのはやめっべ」とたしなめる茨城だったが、事態を把握していない愛媛は「え? 何?」と言いながら、また「キュッ」。もう、2人はトラウマもんのダメージを喰らい続けるのである。うーむ、やっぱり今回の愛媛も天然キャラだったか……。ちなみに、「タコに柑橘系果汁」は割とそのままでも美味しそう。「栗に柑橘系果汁」は割と凝ったスイーツの予感。どちらも美味そうで何よりである。

 

○第30話 「にらめっこしましょ」

登場犬:群馬・茨城・兵庫

 なにげに今週は兵庫が出ずっぱりやな。何故か突然にらめっこをやっている3人。今回のマッチメイクは「茨城と群馬のライバル対決や!」とのこと。何故にらめっこなんだろう、と思ったが、2人が歌い始めたところで合点がいった。そう、「だるまさん、だるまさん、にらめっこしましょ」である。そう言えば1話ではこいつら「だるまさんが転んだ」やってたよな。案外日本の昔からの遊びってだるまさんに出番が多いのかもしれない(まぁ、今の子供がやってるかどうかは知らないけどね……)。

 にらめっこ自体は非常に真っ当な勝負であった。揃って変顔を披露する茨城ど群馬。個人的には顔のパーツが濃い群馬の変顔の方が笑えたようにも見えるが、群馬は割とゲラのようで、茨城の変顔がツボにはまってしまい、見事に笑い転げる。そう、まさに「転げる」。だるまさんだから転げやすいのである。ひとしきり笑い続ける群馬を見て「群馬壊れてへん?」と困惑する2人。どうしたものかと困っていると、転げていた群馬が見事に茨城のイガに突き刺さる。激痛に今度はむせび泣く群馬。「今度は泣くんかいな! 一人で忙しいなぁ」ともてあます兵庫。茨城に「なんとかしぃや」と迫り、再びのにらめっこで笑わせることに。今一度の変顔に、やっぱり笑い転げちゃう群馬。兵庫さんの「笑ったり泣いたり忙しいやっちゃな!」との締め。ポーカーフェイスの代名詞でもあるだるまのくせに、何かと表情豊かな群馬であった。

 今回唯一のゲスト無しエピソードなのでオチも取り立てて刺激はないのだが、やたらアップで群馬や茨城の表情が見られたのが嬉しい。やっぱりこのCGのキャラクターデザインはなめらかに動くしよく出来てるんだよなぁ。群馬がコロコロと表情を変えるのは可愛いしね。この調子で今後も独自のセールスポイントに磨きがかかれば良いのだが。

拍手

 まさかのこれまでで一番鬱展開、第20話。今まで冗談で済んでいた部分が、だんだん洒落じゃなくなる怖さ。いや、今までも充分洒落になってなかったけども。ギロチンゴリラとどっちが酷いか。

 「最後の悪」を名乗る澤田灰司という謎の存在。それは「いつか見た少年」には違いないのだが、どうやら直接的に「中学生」がラスボスというわけではないようだ。その存在自体は1年前に消滅してしまっているようだし、実際の活動内容を見る限り、単なる中学生であるはずがなく、もっと言えばおそらく人間ですらない。原塚の言葉を借りれば「四次元人」かもしれないし、最後の羽佐間の言葉を借りれば「妄想が勝手に作り出した幻影」である。つまり、「非実在の悪」である。

 これまで様々な「悪」がサムライフラメンコと対峙してきた歴史があり、その全てがサムメンコのために用意されたものである。「大宇宙さん」の言葉によれば、サムメンコが戦い続けたければエンドレスで「悪」を送り出すことも可能だったはずなのだが、その悪の無限連鎖については、羽佐間が大宇宙さんに申請して終了した。この世には大小あらゆる意味で「悪」が無くなったはずなのだ。しかし、唯一「悪」が残っていたとするならば、その存在自体が世界を構築し、外界を改変し続けた羽佐間正義そのものである。「悪」が無くなったことは間違いなかろうが、羽佐間の中に「悪を求める心」はいくらかでも残ってしまい、それが「外界に極力影響を及ぼさない範囲で」現れることで、事態は最悪の物となったのではなかろうか。つまり、「世間には悪にあらず、羽佐間にとって最大の悪」となるのが、今回の澤田灰司だ。彼の存在は他者には認識出来ず、極力羽佐間に悪い影響をあたえる行為だけを行っていく。おそらく、ブルーの家を荒らしたのも、ブラックの祖父を殴打したのも、グリーンの六法全書を千切って子供と接触したのもの、ピンクの髪を切ったのも、原塚を押したのも、要を轢いたのも、全て「澤田」という存在ではない。画面には見えてこないが、おそらく原塚を押したのは施設内の誰かであるし、ピンクの髪を切ったのは通りすがりの誰かだ。これまで存在しなかったはずの「悪」が羽佐間に関係するフィールドに限定して、同時多発的に発生することになってしまったのである。

 澤田は何度かキングトーチャーの名前を挙げて、自分の存在と比較していた。確かに、過去にサムメンコが対決してきた存在の中で、純粋に悪を名乗ったのはトーチャーさんだけだった。フロムビヨンドは「もう1つの正義の可能性」だったし、奥崎総理も「歪んだ大義」、フラメンコ星人も「相対化された意志」であり、積極的に「悪」ではなかったのだから、「悪」を名乗る澤田が自分と比べられるのはトーチャーだけである。トーチャーの場合、悪を目指した動機は純粋存在への憧れであった。羽佐間が妄信的に正義に憧れたことの対極に、トーチャーがいるという位置づけだった。しかし、実はこの場合の「悪」も、真逆というわけではなく、「正義」と共通する部分がある。それは、1つの信念のもとで世界を統一的に管理するという目的意識だ。極論ではあるが、羽佐間が全てを成し遂げた後の「悪のない世界」と、トーチャーが実現したかもしれない「完全独裁の統一的征服世界」は、1つの法の下で平等化されるという点においては同じ理念である。それはそうだ。トーチャーの憧れた純粋悪とは、正義と競い合い、高めあう存在だったのだから。

 しかし、澤田のそれは決して「正義」と志を同じにしない。何故なら、その目的が純粋に「羽佐間のみ」に向けられている「悪」だからだ。これまでの「悪」の中では最も小さいスコープではあるのだが、だからこそ純粋であり、厄介である。その「悪」には終わりがなく、羽佐間自身の存在が消滅でもしない限り、永遠に悪は活動を続けられる。羽佐間が正義を振りかざせば振りかざすほどに、この「内面的悪」は輝きを増し、純度を高めていくのだ。よく「己の敵は己」なんてことをいうものだが、羽佐間の場合、正義志向をこじらせすぎて、最も面倒な敵を産みだしてしまったことになるわけだ。ビヨンドフラメンコも「もう1つのフラメンコ」ではあったが、それはあくまで外界であり、それ故に羽佐間にも干渉が可能だった。しかし、今回はそうもいかない。「悪が存在しないはずの世界に残された最後の悪は、正義の裏側に潜んでいた」。ふむ、まぁ、こういう衒学的な方向で落ち着くよなぁ。

 この禅問答のような敵の図式も、それだけが立ち現れれば「ま〜たやってるよ」と苦笑い1つで受け止められるナンデヤネン設定で済んだのだが、この脚本のいやらしいところは、澤田の登場前に、わざわざ1話使って後藤さんの悲劇に切り込んでいるところである。「非存在」は、それが「悪」に還元されるだけならば「羽佐間がしっかりせぇよ」と言われておしまいなのであるが、後藤の彼女というもう1つの「非存在」が存在しているせいで(ややこしい)、「無いものを否定することが救いを奪うことにもなる」という両面性を持たせてしまっているのだ。これにより、羽佐間は自己に内在する悪の可能性に気づき、恐れながらも、後藤の姿を見ているおかげで否定しきれずにいるのである。もちろん、一度「非存在」の切実さを見せつけられたせいで、視聴者側も「なんやねんそれ」と無下に言いづらい空気が作られている。いや、「なんやねんそれ」には違いないんだけどね。そもそも大宇宙さんが「なんやねんそれ」の極みだったもんでね。結局、「否定」は後藤との軋轢を生み、羽佐間が何よりも求めていた友情を失ってしまうという悲劇を引き起こしてしまったのである。

 さて、結局澤田は実在するのかしないのか。そして、どうすればこの「悪」を駆逐出来るのか。最後に迎えた鬱々とした山場を、僕らのなんちゃってヒーロー・サムメンコは打開することが出来るのだろうか。そして、ブラックのおじいちゃんは大丈夫だったんだろうか。人的被害が出てるブラック・要の2件だけ極端に凶悪性が高いのが酷い。まぁ、一番実質的被害が少なかったグリーンのところも、事実上強迫されてるようなもんだし、恐怖感はより一層強いとは思うんだけども。どうせだったらミネミラのとこにも行って何かエロいことしてくれれば良かったのに。まりちゃんたち、まだ温泉で飲んだくれてんのかなぁ。

 ちなみに、今回ゲストキャラとして澤田の元クラスメイトが「中学生A・B・C」と3名登場しているのだが、何故かキャストが石川界人、花江夏樹、村瀬歩と無闇にしっかりしている。微妙に贅沢やな(ちなみにグリーンのところの幼女は井澤詩織である)。

拍手

 すげぇちゃんとしてた、第10話。これまでもちょいちょい「ちゃんとした話」をして意表を突いてきた今作だったが、今回のメッセージ性はこれまでの「農業の苦労話」よりももっと強く、第一次産業の問題について、かなり核心を突くものになっている気がする。岐阜の農協さん、今ですよ、今これを見るんです!

 まぁ、Aパートはいいだろう。ベッキーが暴れてる時点でナニなわけだし、校長がCV杉田だし。「杉田さん、味皇やりません?」ってオファーが来たのかな。完全にまんまだったわけだが……まぁ、元々そういうアニメだから別にいいか。杉田は低音なのでジジイをやっても案外違和感がないのがずるいよな。とにかく分かりやすい「ナスの違い」を表現することで、序盤は終了。ここで大切なのは、継が徹頭徹尾山岡士郎のキャラをトレスしているということである。「〜〜にまたここに来て下さい、本当の○○を食べさせてやりますよ」は初期山岡のテンプレートだ。そして、継の持っているイデオロギーが完全に「山岡イズム」なのである。

 作品カテゴリが「農業」に限定されている関係上、残念ながら父親は海原雄山のトレスではなくフツーにやり手のビジネスマン風になっているが、CVが力ちゃんなので迫力充分。この「大きすぎる父親」に立ち向かう継の姿は完全に山岡である。「無農薬最高! 大量生産死すべし!」と錦の御旗を振り上げて、目先の勝ちのみを追い続けてドヤ顔を披露。ちなみに、母親を農薬にころされたという設定は流石に酷いと思うが、これも山岡リスペクトの1つといえる。まぁ、継が親父に刃向かうための分かりやすい設定といえばそれまでだが、山岡は大量生産肯定派との論争時に「農薬は農業に従事している農家の人たちの健康を真っ先に脅かしているんですよ」と(議論とは全く関係無い)論調を持ち出したこともある男である。しかし、その頑張りも空しく横綱相撲の父親に完敗してしまう。レイプ眼で倒れ伏す「究極のメニューホント弱いな」エンドである。ここからの父親の演説が圧巻だ。ここで書き起こす気は無いが、一言で言うなら「ぐう正論」。まさに「井の中の蛙」であった継が完膚無きまでに叩きのめされることで、「山岡イズム」の終焉が確認出来る。

 誤解を避けるために断っておくが、わたしゃ何も継の思想が全て間違っていると思っているわけではない。地産地消で昔ながらの伝統を守る大切さというのは絶対にあるはずで、金儲けのためなら何をやってもいいとは思わない。ただし、現時点において継の親父の展開している事業は、(彼のいうことが全て本当ならば)非の打ち所がないというだけである。世間の農家の人たちに「農薬は身体に悪いから年がら年中虫がつかないように管理し続けろよ」なんていう権利は誰にも無いわけだし、そんなことばかりを訴え続けていては、日夜より良い農薬を作ろうと努力している技術者の人たちにも失礼だろう。要は「せっかく積み重ねてきた農業のいろはがあるなら、それを上手く使って最善手を見つけるのが正しい」ということである。それこそが農業高校の理念でもあるわけだしね。

 ま、私みたいな素人がやいのやいの言っても何にもなりゃしないが……少なくとも、今回のお話は私みたいな外野でも真面目に考えるきっかけとしては非常に良い素材だったのではないかと、そういうことです。別に、ハネムーンを提案された時の良田さんがすげぇ可愛かったからそれだけで満足したとか、そんなんじゃないですよ。良田さんオリジナルエンドで幸せになれて良かったとか、そういうことじゃないですよ。あの曲はどこに収録されるんですかね……。

 しかし、今回の事件って林檎のアイデンティティにも影響与えかねないけど、大丈夫だったのかね。「世界一」と信じた仲間達が完敗して、まだまだ世間が狭いことを痛感させられたわけだしなぁ。元気にやってくれるといいんだけど。この学校は訳の分からない才媛も集まってるし、案外「世界一」も夢物語じゃない気がするんだけどね。マネー金上のあの地に足ついた実行力は一体なんなんだよ(なお、主人公は主に騒がし役だった模様)。

拍手

 オールスター過ぎワロタ、第23話。流石にネタが多すぎて突っ込みが追いつかない回。個人的に一番笑ったのはルワンさんのジト目でした。まぁ、みんなそうなる。

 準決勝から決勝まで一週間あるってどやねん、というのが一番の突っ込みどころだと思われるお話。確かに世界規模の大会には違いないのかもしれないが、そこで一週間空ける意味はねーだろ。共催イベントがたくさんあるからそこに客を誘致して1つのテーマパークとして興行するスタイルで金を稼ぐみたいだが、それって本戦と並行して展開するのが正しい商業戦略じゃないのか? 準決勝が終わるまではあんまりお祭りムードでもなかったし、こんだけスパンが空いちゃったら普通は準決勝まで見て帰る奴もいるだろ。そもそも決勝会場のキャパだって限界があるし、そもそもそもそもガンプラバトルって生で見る意味があんまり無さそうな競技だし。社会人の皆さんは一週間もこんなところに入り浸って大丈夫なんですかね……一応ガンプラで世界が変えられそうなくらいに無茶な次元だから、ガンプラのためなら休暇くらい余裕で取れる気もするけども……何がすごいって、ここまでの規模の一大コンテンツになるまで、現PPSE会長が大して時間をかけてないっていう事実なんだよな。わずか数十年でこんだけの資産規模って、マジで麻薬でも入ってんじゃないのか、プラフスキー粒子。そりゃベイカーさんだって黒い顔になるわな。

 そんな麻薬に引き寄せられるようにして、ガンダム世界の「そっくりさんたち」(?)が多数集まるのもこの会場の謎の一つ。あれは「ガンダム世界の人々の幸せな生まれ変わり」なのか、単にガンダム好きでコスプレしてる人が会場に集まっているだけなのか……いやぁ、でもガンプラ好きだからってカイのコスプレはしないだろうし、自分の子供にキッカとかウッソの恰好はさせないよなぁ……あの世界でも普通に「機動戦士ガンダム」は昭和のアニメとして放送されているのは間違いないわけで、たまたまそっくりさんが集まってしまったのだとすると、この世界の富野ってノストラダムスみたいな存在ってことになってしまうのではなかろうか。何ソレ怖い。でも、自分の彼女にララァの恰好はちょっとやってもらいたい気もする(自分の彼氏にキャスバルの恰好させたいかは知らん)。

 ま、そんなこの世界の謎は置いとくとして、とにかく賑やかさを前面に押し出したお祭り展開。これまで登場したサブキャラが贅沢に登場しており、中でも無視出来ないのはなんと言ってもサザキ君の再登場だろう。彼のギャン愛はついに世界的にも知れ渡ることになり、どう考えても宇宙用はないはずのギャンを無理矢理飛ばし、ターンXの月光蝶を破るという快挙を見せた(まぁ、月光蝶もどういう仕組みだか分からないのでパチモンの可能性が高いのだが)。あそこで空気を読まないフェリーニが乱入しなければ、きっとサザキ君だってセイたちに近いいい所まで行けたに違いない(願望)。その他、久しぶりにMSに搭乗したキララちゃんや、紆余曲折を経てミサキちゃんと仲直りできたっぽいマオ、そしてその師匠とラルさんの夢のジジイ対決(片や35歳)など、幸せムードは最高潮である。普通ならもっと尺を使ってやるべきイオリ家の集合シーンなんかをサイレントで一気に流してしまったのは本当に驚き。現時点での今作のかっ飛ばし具合を考えるなら、それぞれのファクターでダラダラ1話使ったって成立してしまいそうなレベルなのに。個人的には「アイラちゃん、初めての自作ガンプラバトル」とか「キララちゃんライブ昼夜2回まわし」とか、「久しぶりの再開で息子を放っておいて燃え上がるイオリ夫妻の夫婦生活」とかもサブエピソードでたっぷり見たかった。まー、もう最終回近いからな。あと、バトルしないと怒られるアニメだからな。

 そんなこんなで幸せのバーゲンセールが行われるなか、久しぶりに戦闘装束を脱いだユウキ先輩がセイたちの前に現れて、お互いの志を確かめ合うという温かいシーンも見ることが出来た。折しもセイのお父ちゃんが会場に到着したところであり、ユウキ先輩はかつての恩師と再会し、その息子との熱戦を約束し、自分の目標が間違っていなかったことを確信したに違いない。これでさわやかバトルで決勝はゆるゆると幕引きかー、と思っていたら……どうしてこうなった。まぁ、ニルス夫妻が不穏な空気に突っ込んじゃった時点で穏当な終わり方はしないだろうことは分かっていたわけだが……名人カワグチ、まさかの悪堕ち。その背後には当然ベイカーさん率いるPPSEの陰謀が蠢いているが、手を貸したのは何とフラナ機関である。アイラを悲しみのどん底にたたき落とした魔の兵器が、どうやらここで先輩に牙を剥いたようだ。一体どんな顛末でブラックカワグチが完成してしまったのかは想像するしかないが……大人って怖いな、ってことですよねぇ。しかし、名人が登場した時の会場、静まりかえり過ぎやろ。遠目に見たらちょっと黒多めの衣装にイメチェンしただけやぞ。ケンプファーアメイジングだってよっぽど黒かったんだし、そんなに驚かなくても……って、遠目から分かるくらいに異質な存在になってしまっているのかなぁ。ガンプラ怖いなぁ。

拍手

 なまはげ強い、第10話。確かにあんなんがステージに出てきたら興味は湧くし、多分俺なら地元アイドルとして全国にチャレンジさせるために全力で投票するわ……まぁ、お面の下の素顔がどの程度認知されてるのか、っていうのも大事な要素だと思うけど。普通に可愛い子っぽくなかった?

 登竜門という割には、案外あっさりクリアしたな、というお話。まぁ、前回までで鬱憤のたまる話は大体終わったのだから、この辺りで多少すっきりするエピソードがあってもいいでしょう(最後は相変わらずだったけど)。「10組の選抜アイドルが東北の代表を決める」という、大きいんだか小さいんだかよく分からない規模の勝負ではあったが、なんとかWUGが勝利して次へ繋ぐことが出来た。考えてみりゃ、下野オタ野郎が頑張らずとも、ワイドショーでレギュラー枠持ってるレベルの地元アイドルなんだからそこそこファンはついてるってことだよな。実際、今回「WUGらしさ」を教えてもらっていた実波や夏夜ちゃんは割とファンがつきやすそうな性格してるし、やっぱり真夢の固定ファンが潜在的にも多く残っているだろうから有利には違いない。あとはなまはげが覆せるかどうかの勝負だったんじゃなかろうか。得票数はどれくらいの差があったんだろうなぁ。ちなみに、ナマハゲーズの3人は、判読困難レベルの津軽弁からも分かる通り、中の人はきちんと青森出身の人間で固められている。実は最近青森出身声優って地味に数が増えてきてるんだよね。新青森犬を担当した木戸衣吹がそうだし、みかしーとかのぞふぃすとか。一昔前は探すのにも一苦労だったんだけどね。

 そんななまはげが今回のアニメの中で果たした役割は正直よく分からないのだが、一応「コンテストなので、一応それっぽく戦った雰囲気を出すためのライバル」と言ったところだろうか。ああいうヘンテコながらも客がついているようなグループが出てくると、確かにWUG以外にもちゃんとグループが存在していて、それぞれ別個にファンをつけているんだぞ、という雰囲気は出てくる。WUGの単独ライブでは小さなスタジオもろくに埋まらないレベルの客しか来ないが、「祭典」の方は大盛り上がりでホールが埋まっていたのだから、たとえ10組の地方アイドルだけでもそれぞれに白熱した応援合戦があったのである。他のグループも実波ちゃんのお婆ちゃんみたいなお年寄り応援団はいたのかしら。もしそうだとしたら、なかなかほっこりする催し物である。ただ、お婆ちゃんたちは東京で行われるであろう本戦にでかけるのは大変そうだなぁ。

 WUGにとっては1つのクライマックスであり、新曲お披露目の晴れ舞台となるはずの今回の「祭典」だが、残念ながら相変わらず作画はしょぼんな状態が続いている。これまで、オープニングも含めてライブシーンだけはなんとかそれなりのものを提供してくれていたのだが、今回のライブシーンはお世辞にも綺麗とは言えないクオリティ。うーむ、そこに力を入れてもらわないといわゆる「アイドルアニメ」としてはのっぺらぼうみたいな状態になってしまうのだが……これってBDでは修正します、とかいう代物なのかなぁ。割と前から企画は進んでいた番組のはずなのに、製作スケジュールがかつかつなのは残念である。この後にもう1回くらい本番となるライブシーンがあって、そっちに注力してくれてるっていうならしょうがないけど。いや、良くないけど。

 とりあえず、今回のエピソードで重要なのは勝つとか負けるとかいう展開ではなく、真夢が母親と和解したというその一点に尽きるのではないか。メンバー同士のいざこざが解消されたが、真夢はI−1脱退も含めて完全に過去を清算出来たわけではない。そんなわだかまりの象徴が母親だったわけだが、流石にこれだけ継続して頑張っている娘を見たら認めないわけにもいかないだろう。前回、I−1脱退の顛末を見て「母親失格やないか」と不満たらたらだったわけだが、今回の非常に分かりやすい和解劇を見て、多少は溜飲も下がりましたよ。やっぱり母娘は仲良くしてなあかんな。

 その他のメンバーでは、菜々美が開き直って「完璧主義の小姑」キャラとしてポジションを見つけ、藍里を中心に結束は固めつつある。夏夜も真夢の心情の変化をみて実の姉のように優しい顔を見せているし、佳乃も随分落ち着いた。ここまで見てきてようやく7人全員のパーソナリティを認識することが出来るようになったわけだが、人間的に一番好きなのは夏夜ちゃんかな。時点で実波。やっぱり分かりやすい長所がある子がいいよね。

 さて、次回は早坂の仕込んだトラップが発動してどないしょ、みたいなお話。でもまぁ、早坂はあの通りの性格なので、わざわざI−1とWUGに同じ曲を提供して直接ぶつける魂胆なのだろうね。振り付けも同じだろうし、同じように練習し、どちらが上に行けるかを競わせるという分かりやすい策略。これでWUGの連中も「振り付けが難しすぎる」なんて言い訳は出来なくなったし、嫌でもI−1と比べられることになるので逃げ道は無い。どうしようもないピンチだが、「努力次第で打ち破れるピンチ」だったりするあたりが早坂のいやらしいところやね。しかし、残りの話数でI−1と同じステージに立つまでの余裕があるのかしらねぇ。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[03/07 とみしの]
[02/28 とみしの]
[02/18 な]
[02/17 とみしの]
[02/16 NONAME]
バーコード