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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 まったく! エナのバーゲンセールだぜ! 第23話。まぁ、紡も美海同様に血統的には権利があるわけだけども。

 予想外の方向に波紋が広がっていく展開。前回明かされたまなかの真実、「愛するという気持ちが失われた」。これによって、光たちとの関係がどうなり、この世界がどうなってしまうものかと思ったが、確かに言われてみれば、「だからなんだ」ってなもんである。しばらく誰も気付かなかったことからも分かる通り、まなかの生活に変化があったわけでもないし、まなかがそれで特別不自由を感じているようにも見えない。いくらか記憶を失いはしたが、それだって冬眠の影響の1つと考えれば、「エナが無くなった」に比べれば大した問題にも見えないだろう。要の言う「本人次第」というのも1つの見方であるのだ。そう考えてしまえば、世はことも無し、まなかの回りの諸問題もひとまずオールグリーンという解釈も出来る。

 しかし、この作品において、そう簡単にことを収めるわけにはいかない。まなかは光にとって一番大切な存在。それが変調をきたし、少なくとも「幸せでは無さそうに見える」ことだけでも許し難い状況であるし、何より、光の憧れたまなかに最も重要な要素が失われてしまっているのだ。「好き」が無くなってしまったまなかは、既にまなかではないのである。躍起になって解決の糸口を探す光に対し、「チーム大人」は案外冷淡。要は自分なりの正論を振りかざすし、ちさきもなんだか心ここにあらずといった感じで、「好きって気持ちがなければ安心出来るかもしれない」と光が期待したのとは真逆の意見を漏らす。こうした大人たちの「当たり障りのない意見」に腹を立て、さゆは要を非難し、光も席を立ってしまった。

 この「大人チームと子供チームの対立」は、実際に要が言ったような事実確認の問題を孕みつつも、たまたま大人チームが面倒な状況にあるという悪条件が重なった結果だった。何しろ、惚れたの腫れたのでちさきの回りは一触即発の状態になっており、ちさきも「いっそ何も考えなければ楽だったのに」とふさぎ込んでしまうのも無理はない。間違いなく紡に惹かれている部分があるはずなのに、自分の恋心は光に向いていると認識しているし、要からはずっと告白されて逃げ回っている状態。こんな面倒なことになるなら、いっそ気持ちごと切り取られた方が楽、と思うのも仕方ない。同様の気持ちは、要や紡にもあったのだろう。要の「冷静に現状を見るべきだ」という一見お利口そうな意見も、自分が恋愛感情に揉まれて右往左往しているために漏れ出てしまった逃げの一手でしかないのである。

 その点、子供チームは、真っ直ぐだし、他人思いである。さゆは大好きな要の態度に激昂し、彼の間違った性根をただそうと決意する。「好きって気持ちは何よりも大切」という理念を振りかざし、要相手に告白をぶつけてしまおうと画策中だ。さゆの場合は小細工なんて向いていないので、このまま要にはっきりとした爆弾を投げつけてしまうべきだろう。そして、同様に素直に「好きという感情」の大切さを理解している美海。ただ、彼女の場合には状況が複雑で、まなかが現在の状態のままならば、光を巡るライバルが減ったままである、という事実が後ろ髪を引く。まなかには元に戻って欲しいし、それを光が望むのならば、何を差し置いても協力したい。しかし、その協力は自分の恋心を苦しめる結果にしかならない……。葛藤する美海の気持ちを後押ししたのは、やはり光だった。彼はまなかのためなら何でもするといい、「好きだった相手、紡に頼めばどうにかなるかもしれない」と提案する。彼の現状も美海にとてもよく似ており、好きな人のために尽くせば尽くすほど、自分の気持ちを裏切る結果しかまっていない(と思ってる)。それでも光は一切迷いを持たず、「まなかの幸せのためならば、紡と気持ちを共有させることも厭わない」という変わらぬ姿勢を貫いている。そんな光を見てしまったら、美海は諦めるしかないではないか。自分が大切なのは誰でも同じ。しかし、やっぱりまなかが幸せになれないでいるのは我慢出来ない。自分の気持ちのためにまなかを放っておくなんて、出来るわけがないのである。未だ自分の状態を認識しきれていないまなかを見てボロボロと涙を流したが、それは悲しさからだったのか、自分の情けなさへの悔しさだったのか。

 現時点において、まなかを戻すための方法は想像すら出来ない。とにかくやれることを全てやるために、光は紡に協力を仰ぐのだが、紡はその見当外れのアイディアを一蹴し、拘り続ける光に容赦無い対応を見せる。「まなかは本当に紡が好きだったのか」という問いかけ、そして、自分が好きなのはちさきなのだ、という告白だ。前者については、「光も本当に鈍いよな」という呆れもあるが、内心、まなかの回復に助力できない自分の立ち位置への口惜しさもあるのかもしれない。そして、大人チームを揺さぶっていた全ての根幹である、ちさきへの恋心の暴露。これによってフェーズは大きく動くことになる。折悪しく(折良く?)告白をちさきに聞かれてしまったために、なし崩し的に舞台は海の中へ。本当ならば極寒の海の中で死を待つのみだったはずの紡だったが、「エナの音」を耳にすることで海神の何らかの感情を共有、更にエナを獲得してついに光やちさきと同じステージへ。彼がエナを手に入れられた理由は定かではないが、血統的な優位条件が1つ、そして、海神との接触でも重要な要素であると考えられる「他者への思慕」が非常に強い状態で飛び込んだことも大きく関与しているのではないだろうか。まなかはエナと共に「好きという気持ち」を失っているわけで、海中に散ったエナや海神の感情が、「好きという気持ち」に密接に繋がっており、紡に接続されたというのもあり得ない話ではないだろう。無事に自力でちさきに追いついた紡は、あとは持ち前の強さでちさきを説き伏せるだけだ。何ともポエミィな切り出し方ではあったが、彼が長年かけて培ってきたちさきへの気持ちは、ちゃんと本人に届くだろうか。

 今回の顛末でかなりはっきりと「ちさきと紡のゴール」が見えてきた感があるが、こうなると可哀想なのは要である。ただ、今回彼にも救いは見えており、持ち前の「背伸びした大人意識」に対しさゆが正面から反論し、本音で要とぶつかっていたことは、彼の生き方にも大きな影響をあたえそうに見えた。要にも新しい世界が見えるといいのだけれど。

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 辛いよう、心臓がギチギチするよう、第10話。七宮は何であんなに良い娘なんだろう……。

 すっかり七宮が中心のお話になっている。それもそのはず、このお話は既に六花と勇太が相思相愛に結ばれた時点で終わっており、何かが進むとしたら他の部分に変化を求めるしかないのである。登場時は「六花の背中を押す触媒」として機能していた七宮だったが、六花が反応を終えて順風満帆の幸せな状態になったことで、残された「触媒」の七宮自身もついに変化を余儀なくされてしまった。分かっちゃいたことだが、本当に辛い。

 「中二病をこじらせた人間が自らの恋心と向き合う」というシチュエーションは1期の六花と同じはずなのだが、七宮が抱えている問題は難度が全く違っている。まず、六花の患っていた中二病の根幹は、父親の死からの逃避であった。彼女は外界全てにうちひしがれている時に勇太の中二病に出会い、それが救いとなったために勇太に憧れを抱き、恋心と中二病を切り離すことが出来ずに苦心した。しかし、自問自答を繰り返していけば、そこにははっきりとした区分は存在しており、家族との関係性という根幹にメスが入れば、六花の気持ちは矛盾を解消し、前に進めるものになったのである。多少時間はかかってしまったが、六花の持つ「勇太への憧れ」は中二病と同じ方向を向いており、同時に進行することに抵抗はないものなのだ。

 しかし、七宮の場合にはこれが真逆である。彼女の場合はまず真っ先に「勇太への恋心」があり、それを否定し、自己肯定を産みだすために中二病を全うすることを決意したのである。既に恋を捨てて魔法魔王少女として生きることを誓った彼女には、自分を肯定しながら勇太への思いを成立させる術が無い。勇太への気持ちを形にするためには、一度大規模な自己否定を伴わなければならないのである。その葛藤が、今回雨宿りのシーンで描かれた彼女なりの「戦い」ということになる。まぁ、あんな物理的に響くようなダメージがあるのかどうかは分からないが、少なくとも現時点においては「恋愛を否定する魔法魔王少女」主体で彼女の意志が動いており、襲い来る「恋心」という外敵を撃退している。

 しかし、残念ながら自制でどうにもならないのが恋心というもので。本当に空気が読めない、とんでもないことをしでかした勇太の不意打ちのせいで、彼女は完全に打ちのめされてしまった。一番心が弱り切り、油断していたタイミングで突きつけられた「事実」に、彼女の魔法はキャパを越えてしまったのだ。雨の中で抑えきれず吹き出した涙と、彼女を魔王たらしめている歪んだ笑顔、そして、全てが無に帰したことを如実に表して剥がれ落ちてしまう頬のシール。痛い痛い痛い。何故彼女がこうも苦しまなければならないのか。

 そう、七宮の恋が六花と違うもう1つの側面は、「六花がいる」という事実そのものである。既に勇者には相思相愛の相手がおり、これまでの七宮はそれを推し進めてきたという事実がある限り、彼女の勇太への思いはどうあがいても正当化されない。それは彼女自身が一番強く戒めている部分であり、誰が自由恋愛を謳おうとも、本人が許せないのだから仕方ない。退くにしろ進むにしろ、彼女を待ち構えているのは茨の道のみである。この世界には「善人」しかいないのだが、そんな中でもここまで苦しめられてしまうことになるという、何とも皮肉なお話であった。

 七宮の恋は正直どうにもならないと思うが、この世界は六花の身の上も温かく包み込んだ「優しい世界」である。十花さんがいち早く七宮の存在に気付いていたことも、救いの可能性ではある。世話焼きババアの森サマなんかの助力も得て、どうにか丸く収まる道を模索してほしい。いっそ開き直った七宮が猛アタックをはじめて両手に花の俺たちの翼エンドとかでも構わないんだけども……勇太はそういうのを絶対許さないタイプだからなぁ……後はもう……NTRしかない。嗚呼、どっちに転んでも不幸しかないけど、これはこれでたまらんシチュエーションでもあるのよ。

 今週の凸守・チューブトップのJKのくせに、エロさは欠片もありませんでした。七宮がいい感じでエロいので差が際だちます。

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 また新キャラ無し。エピソードも既存のものの焼き直しが多くて今ひとつの回。いや、レギュラー陣は可愛いからいいんだけどね。

 

○第25話 「やさしいね」

登場犬:茨城・兵庫・福島

 暇だから何をするか相談する3人。「おしくらまんじゅうでもすっべぇ」と茨城。自分の身体のことを一切理解していない恐怖の発言に兵庫は戦々恐々。「あんたそれ本気で言ってるん? あんた自分の身体見たことないんかいな?! あんたと一緒にそんなんやったら、ウチらの身体穴だらけになるわ!」ともっともな突っ込み。「福島もそう思うやろ?」と振るも、福島は一切返事をしない。「いつもと違って全然頷かないな」と2人がいぶかしがると、なんと福島の鼻先には一頭の蝶が止まっていた。どうやら、福島はその蝶々が驚かないよう、動けずにいるよう。なるほど、確かに優しい。旧作の山梨を彷彿させる。しかし、折悪しくたんぽぽの綿毛が鼻の穴を直撃。くしゃみが止まらなくなり、結局蝶々は逃げてしまった。止まらないくしゃみに、いつにも増して福島の首はかくんかくんと揺れ動くのであった。

 ……目を引くのは茨城のマジキチ発言くらいかな……でも、あのイガはキャストオフ出来るんだから、おしくらまんじゅうがやりたいなら脱げばいいだけ、って意見もある。ただ、たんぽぽの花が咲いているような穏やかな季節に押しくらまんじゅうってのがそもそもどうかと思う。あと、兵庫はどんどん口調が中の人寄りになってきてる気がする。

 

○第26話 「ナンバースリーがやってくる?」

登場犬:群馬・茨城・栃木・埼玉

 相変わらずの3人組の会議。慌てて飛び込んできた群馬は「埼玉が来る! あのおじさん、何か企んでるみたいなんさ」との情報を持ち込む。「このままだと、関東ナンバー3の座は埼玉になっちゃう!」と心配顔。いや、何をしたらナンバー3が確定するのかはよく分からないけども。「仲間割れしてる場合じゃないんさ」と共闘を訴える群馬に、残り2人も合意。紳士協定を結び団結して埼玉を打倒することに。しかし、相変わらずの茨城が余計な提案を持ち出す。「まずは埼玉を倒すためのリーダーを決めっべ」。……後はお察しの通りに。ブチ切れた茨城の「この田舎もんが!」っていう台詞に喧々囂々ですが、まぁ、どんぐりの背比べな気も……遠くから見ていた埼玉も、「もう、東京呼んでくっか」とあきれ顔である。

 でもなぁ、東京ってあのアナゴだろ? あれを呼んできてもあんまり影響力は無いような気も……。

 

 

○第27話 「ホントに赤が大好き」

登場犬:兵庫・福島

 9話のネタの続編。2人で雑談しながら歩いている兵庫と福島(何故か兵庫はぴょんぴょん飛びながらの移動)。ちなみに話の中身は「沖縄犬について」で、兵庫が「沖縄といるとペース狂うわ」と愚痴ると、福島が「でも癒されるよ」とフォローし、兵庫も「確かにな」とまんざらでもない感じ。流石の沖縄、登場してない回でもその評判は上々である。

 と、2人の前に突然道路が現れ、向こう側へ行くための横断歩道、そして歩行者用信号まで用意されている。この世界に自動車があるのか? とか、そのたった一本の舗装道路に何の意味があるのか? とか、突然のセッティングに嵐のような疑問が去来する。なかなかこういう現代的な(?)背景って出てこない作品なので、違和感が半端無い。一応栃木が工事現場の鉄板に張り付いた話とかもあったけども……どこかで自動車が登場するチャンスがあるのだろうか。

 さておき、そんな存在意義の分からない道路でも、ちゃんと交通法規は守らないといけない。信号は丁度赤に変わったところで(歩行者マークが人ではなくて犬になっているこの世界の特別仕様信号機だ)、いらちの兵庫は「タイミング悪いわぁ」と不満げ。それでもきちんと止まって信号を待つつもりだったのだが……「赤」を見た福島が途端にヒートアップ。以前同様に「もう我慢出来ないモォ〜〜!」と理性を失い、突撃を試みる。

 友人の豹変に慌てる兵庫だったが、「飛び出したら轢かれてまうで!」と身体を張って必死に福島を止める。しかし牛の力は強く、彼女にも限界がある。そこで一計を案じた兵庫は、思い切り力を込めると、「ぶしゅぅぅぅぅ!」の声とともに大量のタコスミを信号機に向けて噴出。信号が真っ黒になったことで、福島は平静を取り戻す。「ボクは何してたんだべ」と戸惑う福島だったが、とりあえず落ち着いたのを見て一安心。「何してたやないで、もぅ」とため息をつく兵庫だったが、スミをはき出すために思い切り気合いを入れてしまったために、その顔は真っ赤なゆでだこのごとく。新たなターゲットを見つけた福島は再び理性を消し飛ばし、兵庫を追いかけ回すのであった。

 この世界に「信号機」と「道路」があったことが驚きである。旧作では一応「自転車」はあったわけだが……普段どういう生活してるんでしょうね。あ、でも兵庫が一日で有馬温泉と甲子園とかを行き来してたわけで、公共交通機関はあるって事なのかな……。更に、兵庫がスミを噴出出来るという新たな能力も判明。身体の体積に比してかなりダイナミックなバーストでしたよ。色々と話題性に事欠かないキャラである。

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 この期に及んでシリーズ最大のサプライズを連打、第19話。話数から考えて流石にこれが最後の一捻りだと思うのだが、世界は一体どこへ向かうのやら。

 前回「宇宙の意志」が伝えた世界のゴールは、夢オチでも何でもない紛れもない事実。しかも、羽佐間だけがその終わりを認識したのではなく、世界中が「サムライフラメンコによる終焉」を認識しているという。この世界に起こった全ての出来事は事実であり、この世界はたった1人のヒーローによって救われた後の世界だったのである。「悪」と呼ばれる存在が無くなり、英雄となったサムライフラメンコも事実上のお役ご免。そこには理想化された素晴らしい世界が待ち受けており、おばちゃんはちゃんと朝になってからゴミを出すし、羽佐間を見れば誰もがにこやかに声をかけてくれる。羽佐間が裸一貫の「正義」から成し遂げたがった世界がここにある。しかし、そんな理想郷を前にしても、羽佐間はなんだか「もやもやしたもの」を残していた。表面的には「正義の執行が出来ないことによる物足りなさ」がまりに近い感情として残っているのかとも思ったのだが、羽佐間はそうしたエゴイスティックな感情はあまり持たないタイプの人間。純粋に、この世界に違和感を残しているようである。

 そして、事態を動かすのはもう1人の主人公、後藤であった。世界が平和になり、ようやく激務と不思議空間から解放された後藤は長年の願いだった彼女とのデートにこぎ着けるが、そのことに反感を抱いたまりの強引なストーカー調査により、そのデートが後藤の抱えた最大の傷であることが明かされてしまう。これまで幾度となく作中に登場し、ターニングポイントで後藤を支えてきた「彼女」の存在は、何と後藤の自作自演による架空の存在であったという。もう、どうしていいか分からないサプライズだ。まさかの「独り相撲」オチはこれまでの後藤のキャラクター像からあまりにかけ離れた、絶望的な事実である。あれだけ常識人であり、あれだけの人情をもって真っ直ぐに羽佐間と対話してくれていた「世界の中心」であった後藤が、まさか一番「世界を見ていない」人間だったとは。彼の普段の言動は、たった1点での心の闇を臭わせることなど無かったために、この衝撃はかなりでかい。改めてシリーズ全部見直さないことには確認も出来ないが、あのときも、あのときも、あのときも、全て後藤は一人で悩み、一人で答えを出し、一人騙し、騙され続けていたのである。あまりにも悲しくて、あまりにもやるせない真実ではないか。

 結局、世界に「悪」は無くなったが、「悲劇」が無くなったわけではない。後藤の彼女が巻き込まれた神隠しの真相は明らかにされていないが、事故にせよ、事件にせよ、過去に起こってしまった不幸は今更取り返しがつかない。そして、過去に傷ついた人の心に対して、羽佐間は何も出来ない。これまでずっと自分を助けてくれた「親友」の一番の悲しみに何も出来ていなかったことを知り、世界を救った英雄はひどく傷つくのである。もちろん、どうしようもないことではあったのだろうが、結局単純な「ヒーロー」が振りかざす正義と、人々の幸せはイコールでは結ばれないことなのだ。そんな当たり前の事実を今更確認することで、これまで重ねてきた「正義」の多重構造は、あっさりと意味を失ってしまう。一体どこまでいけば、羽佐間は自分の求める「正義」にたどり着けることだろう。

 そして、最後にはもう1つのサプライズも用意されていた。意気消沈しながら帰途につく羽佐間の前に、1人の少年が現れる。握手を求められたので羽佐間が素直に接触すると、突如として少年は長口上を語りだす。そう、第1話でサムライフラメンコが立ち上がり、正義への道を駆け上がることになった全ての起点である、あの公園での説教の文言だ。一字一句違わずに「サムライフラメンコ始まりの言葉」をそらんじた少年は、「久しぶりだ」と語り、澤田という名を名乗る。彼はあの夜、確かに羽佐間が対峙した若者グループの中にいた1人であった。改めて1話のシーンを振り返ると、あからさまに素性の悪そうな若者集団の中に、微妙に浮いた雰囲気の澤田の姿が確認出来る。彼は羽佐間をボコボコにする若者たちとは微妙に距離があり、一切動かずに立ち尽くすだけの存在だったのだ。あの日は、最後に後藤が駆けつけた際に仲間に手を引かれて退場しているが、どうやらあの場でサムライフラメンコに対して「何か」を感じた存在なのは事実らしい。彼の自己紹介と時を同じくして、付近のビルが爆発する。「悪」が存在しないはずのこの世界で、何故またそのようなことが起こったのだろうか。

 「悪」でないならば、澤田と名乗った少年と、爆発の原因は「悪以外の何か」ということになる。「正義の対極」として真っ直ぐな悪を志したキングトーチャー、別軸のフラメンコとしてもう1つの可能性を提示していったビヨンドフラメンコ、国を守るために正義をねつ造した奥崎総理、個体を消し、同化を行うことで悪の相対的な消失を狙ったフラメンコ星人。たくさんの敵が現れては消えていったが、次なる「正義」は一体何なのか。もう、考えることに意味は無い。羽佐間正義の最後の戦いを、刮目して待つべし。

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 水着回なのに終始荒天という前代未聞の状態、第9話。まー、このアニメでサービス回とか言ってもあんまりありがたみないけども……一番のサービス要員は水着ですらない状態で頑張った良田さんなので、そこはOKとする。

 「はい、花澤さんこっからここまでずっと壊れてて下さいね〜」というディレクションがあったか無かったかは分からないが、とにかくみのりが壊れっぱなし。残念ヒロインなのは分かっていたが、最近は「ヒロインとして残念」以上に「もう何もかも残念」になっていてとても素敵だわ。花澤壊れキャラの歴代上位に食い込む躍進振り。やっぱり方言がいいアクセントになってるのかねぇ。あまりの壊れぶりは、レイプ目になっても楽しそうな状態を維持し続け、最終的には耕作たちを巻き込んで、史上初の「学校のグラウンドにおける海水浴」を実現させた。耕作がトチ狂うのはいいだろう。継も最初からぶっ壊れてるようなもんだから問題無い。しかし、あの流れで林檎までイカれてしまったのはどうかと思うぞ。前々回友情タッグが成立したおかげで、みのりの様子を見ていたたまれなくなってしまったのか、それとも純粋に耕作たちに染まりつつあるからなのか。ま、おかげで「泥まみれのスクール水着」再びですけどね。

 しかし、ぶっ壊れパートはAパート前半で終了。良田さんを集団レイプして盛り上がっているところに、どう見ても捨てキャラでしかないビーチバレー部を名乗る野郎2人が乱入し、「どうやって収拾つけんだコレ」と思っていたら、割と真っ当な理由で理性的ストップがかかった。「田んぼがヤバい」。いや、こないだトマトなんかで同じように慌ててたんだから、今回だって最初から田んぼの心配しとけよ。みのりにつられてぶっ壊れてる場合じゃなかっただろうに。この前半後半のテンションのギャップがすごい。そして、田んぼを守ったことによって訪れる謎の達成感。そりゃまぁ、ロープを張るところの手際なんて見事なものでしたけどね。ああいう緊急措置の方策ってのは実際にピンチに陥らないとなかなか身につかないものだが、耕作たちの対応は非常にスムースで、まるで何回も経験しているかのようだった。岐阜県ってひょっとしてものすごく大変な土地柄なのだろうか。そして、更にマイクロバスを運転するだけでお手軽に感動まで巻き起こす謎展開。「いや、そこは一旦バス停めてからワイパー探せよ」とか思うけど、突っ込んだら負け。「自動車を発車させ、停止させる」だけでこの達成感は一体何なのか。

 相変わらず「ちゃんと農業もやってますよアニメ」。今週もコシヒカリについての豆知識なんかを学ぶことが出来ました。あと海のない県の分布とか。農業関係無い? そうね。

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 アイラちゃんが単なる大飯喰らいに! 第22話。ママさん、流石に考え無しにペット飼いすぎだと思うんですが……セイ君は一つ屋根の下にナイスバディばっかりはべらせてるけど、今後の彼の性癖に悪影響が出ないかと心配です。

 これだけの激戦を繰り広げてきた世界選手権、準決勝に至ってまさかポッと出の新キャラが相手になるとは思わなかった。そもそも、こっそり準決勝まで勝ち上がっていたのが78歳のジジイという時点で驚きだ。何で今まで一切画面に出てこなかったんだよ。いや、ひょっとしたら出てきてたけど忘れてるだけかな。まぁ、とにかくそんなラルさんさえ一目置くようなベテラン戦士が戦う予定だったのだが、「どうせ名人とやったって勝てないし」というので才気溢れる自分の孫に土壇場のスイッチ。「登録者の変更がありました」って、そんなあっさり認められる大会規定も驚きだ。なんかもう、この大会は驚きだらけだ。

 しかし、ぽっと出とは言ってもそりゃどこぞの馬の骨とも分からないようなのが出てくるってわけじゃない。どうにも不穏な謎の教育機関「ガンプラ塾」の一期生筆頭という、すげぇんだかなんだかよく分からない肩書きを持つジュリアン・マッケンジー。かつて名人カワグチと対決してその戦績が7戦7勝というとんでもないヤツだ。この世界には色々と埋もれている才能があるのね。「7戦7勝」という数字だけでも充分「やべぇ」ということにはなるのだが、更にだめ押しとして、その辺をうろついてる一般人だと思ってカモろうとけしかけてきたマオきゅんを瞬殺するというパフォーマンスも披露している。もう、最近のマオ君は本当にいいとこなしだ。「本気で行きますよ!」と言っといての完敗ってことは、元々マオではこの大会は歯が立たなかったってことになってしまうの。可哀想な子。ミサキちゃん、慰めてあげてね。まぁ、とにかくあのF91は時代を超えた強さがあるってことはよく分かった。もう少し事前にシナリオで補強しとけよ、とは思うが、多分子供向け番組でそんな面倒な伏線を用意する必要も無いってことだろう。実際、今回の1話完結でも何となく実力に関しては丸め込まれた気もするので結果オーライである。

 そして、わざわざそんな新キャラを出してまで描いたのは、名人カワグチがいつも難しい顔で悩んでいたガンプラ哲学である。どうやら相当人間性に問題があったらしい「2代目名人」。実力は確かなようだが、カワグチからは「反面教師」と言われ、ジュリアンからは「勝利に拘る修羅」と言われている。そんな名人をトップに置いていたのだから、そりゃガンプラ塾とやらもなかなか歪んだスパルタ機関だったってことだろう。カワグチさんもアイラちゃんの苦境を笑って見てられない立場だったわけだ。しかし、そんな彼が名人を襲名した理由については周知の通り。気付けばなし崩し的に肩書きばかりが先行してしまったが、今回はライバルにイデオロギーを直接問わせることで、彼なりの「ガンプラ愛」を再確認することになった。これまでの試合は様々な私怨や謀略が渦巻くものだったが、決勝戦はに限っては、純粋な「ガンプラ馬鹿」対決を見せてくれるということだ。下拵えは整った。

 そして、相変わらず見せ場を作るのが上手い今作のバトルシーン。今回はF91対エクシアという、世代を超えた主人公機対決。F91は外面こそ地味な「ガンダム」であるが、ヴェスバーなどの持ち技のギミックがコンパクトにまとまっており、高速移動による残像分身効果など、「シンプルに強い」が分かりやすい。これまでのガンダム対ガンダムと違って技巧派どうしの戦いというイメージが印象づけられており、セイたちの試合とは一線を画すものになっている。対するエクシアの方はまだ8割の完成度ということだが、流石の強敵を相手には奥の手であるトランザムを隠したままではいられない。スピード対スピードの派手なエフェクト合戦を制し、見事なまでの「俺がガンダムだ」である。しかし、名人サイドは漆黒のケンプファーから突然のエクシアとか、決勝を控えてちゃんとイメージ戦略も心得てるなー。決勝戦はストライクとエクシアの21世紀ガンダム対決になるのか。現代っ子には嬉しいサービスだな、とか思ったけど、考えてみりゃストライクだって今のちっちゃい子は本来知らんよな(ちっちゃい子はそもそもガンダム知らない気もするけど)。

 今週は男臭い要素が多かったため、ヒロイン勢の活躍は控えめ。レイジとの関係性をいじられて真っ赤になるアイラちゃんが可愛かったくらい? タオル1枚の恰好で弁当をかっ喰らうアイラちゃんも画面に映して欲しかったもんだけどなぁ。

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 収まったんだ……丸く……第9話。こんだけ綺麗に収束するなら何で今まで揉めてたんや、って気もするんだが、そこがこのドラマの集大成だからねぇ。大丈夫、今期だったら流子と鮮血の方がわけ分からないくらい喧嘩してるから。

 事ここに及んではもう無いだろうと思っていたのだが、ちゃんと用意されていた夏夜ちゃんメイン回。これまで「何となくでかくてエロそうな子」というイメージしかなく、前回で「あれ、割と良い奴やん」と印象が変わってきたところだったのだが、そうか、彼女は被災者という側面もあったのか。震災の影響をもろに受けた気仙沼の出身で、被災した衝撃から抜け出すための1つの手段としてアイドル活動を行っていた彼女。そんな重たい夏夜の過去が、同じように「逃げた」と自己分析する真夢の心を解きほぐすのに一役買うことになった。明らかな「天災」である地震の影響と、確実な「人災」であるアイドルの失墜を同様に並べるのはいささか乱暴ではあるが、どちらにしても1人の少女の手に余る大きすぎる障壁という意味では、彼女たちの中では近いものがあるのかもしれない。

 現実に向き合うことを恐れていた夏夜だったが、WUGの活動を通して、少しずつ目を開けるようになってきた。今回、彼女が合宿を提案し、叔母の経営する旅館へ全員を招いたことは、彼女が震災という自分の過去と向き合い、改めて現実と戦うことの決意表明となった。彼女のオリジンを辿り、その重さを認識することで他のメンバーとも絆を深めるとともに、真夢に「自分一人だけじゃないんだ」という意識を持たせることになる。これまで頑なに過去を話すことが無かった真夢がついに心を開き、夏夜にだけは全てを語って聞かせたことで、ようやくWUGには最後のパーツが揃ったといえるだろう(どさくさに紛れてくっついてきた菜々美はおいとこう)。思い返せば、この作品は「震災復興」を1つの目標としており、そのために仙台に本拠地を置いたアイドルを描いているのであった。その彼女たちが、震災の爪痕と改めて向き合うことが直接的に前進するきっかけになるというのは、なかなか気の利いたシナリオである。ただ単に「悲劇だ」ということを繰り返すのではなく、結果として何が失われ、何を作り直すべきなのか、という部分を押しつけではなく提示することが出来ているのではなかろうか。

 そして、「絆」という復興のテーマを体現するのがWUGであるならば、その対極に位置するのがI−1ということになる。何度も繰り返し書いているが、I−1の理念自体は決して間違ったものではない。社長の打ち出すテーゼは「商品の生産者」としては至極真っ当なものであるし、「ニーズがあるからそれに応える」というのは商売人の鑑。「正しい」「間違っている」の判断を下すのは、売る側でも、売られる側でもなく、あくまでも消費する側。それならば絶対遵守の「戒律」だって、一つのモラルとして成立するのである。それにアイドル自身が反感を覚えるかどうかは別問題なのだ。真夢が語った彼女の脱退の真相についても、真夢と社長のどちらが正しいということではない。安易な表現を使えば「どちらも正しい」ということになるが、社会的に考えれば「雇い主に逆らうということはそれくらいの覚悟が」云々といった社長の言説の方が優位ではあるだろうか。恋愛禁止の戒律の下でアイドル活動を続けることはあくまで契約の一環であるわけで、そこに反感を抱き、変えていきたいなら、それ相応の手順が必要だった。残念ながら、真夢にはそこまでを成し遂げる力が無かったのである。

 もちろん、それは真夢が間違っていたということにはならない。彼女の持つ「人間的な」感情は至極もっともであるし、彼女の持つ「アイドル像」が社長とビジョンを異にするならば、それをぶつけて判断を仰ぐプロセスはあってしかるべきだ。その上で、「I−1ではいられない」ことになったのなら、それは彼女の「選択」でしかない。しいて今回の「悪役」をあげるならば、個人的には真夢の母親が一番の害悪だったんじゃないかとは思う。あの状況で実の娘の気持ちを応援してやれず、自分の身の上ばかりを嘆くというのは、はっきり言って母親失格である。真夢が挫けて心を閉ざしてしまった原因は、どちらかというと社長との確執ではなく、母親の不仲の方が大きいのではなかろうか。そこだけは純粋に不愉快な部分であったが、ある意味、今作では貴重な「悪役」ではある。

 こうして形成されてしまった真夢の「逃げ」に対し、同様の悩みを抱えた夏夜が手をさしのべ、その意志を受け取って、無事に佳乃も真夢を受け入れることが出来た。真夢が一度は挫けてしまった「理想のアイドル像」を目指して、改めて7人で頑張っていくことになるのだろう。流石の菜々美もここまで来てしまったら空気読むしかないんやな。一応、「真夢や佳乃たちの純粋な向上心を見て、光塚以上の価値を見いだしたため」と良いように書いておきましょうね。ビリビリに破った紙を放り投げた時には苦笑いしたが、その後律儀に回収してるのを見てやっぱり笑えた。「ヤマカンがアニメで被災地の環境を破壊した!」とか文句をいう連中を牽制する意味もあったのかもしれない、とか空しい考えも頭をよぎるのであった。

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エギ「ふぁんとむあーむおぶはいぺりおん!!」

ハイペ「勝手に人の名前使ってんじゃねぇよ」

 第94話。この期に及んでまさかの場外戦! 今更下級兵士の戦い! でも! 嫌いじゃない!

 どうやらサターン城とやらはかなり遠方にあるようなので、光牙たち御一行が到着するまでには一週間じゃ足りなかったらしい。サターン様とミラー・エウロパは一瞬で地上と行き来してたはずなので、機動力だけを考えるとサターン軍の圧勝なのだけれど、まぁ、数の上ではアテナ軍有利ですから。エウロパ・ミラー組はちゃんと待っててくれる礼儀正しさもあるしね。2人のクロノテクターは翼の部分が左右対称になっていて、いかにもサターン直属の侍従であることが分かってちょっと恰好いい。2人とも2級パラサイトとしてのクロノテクター(正確にはミラーさんは階級不明だけど)も持ってたが、タイタンたちは自分より格上の存在だって知らずにクロノテクターを貸与してたんだろうなぁ。

 そして、武器の貸与先と言えばなんと言ってもエーギルさんである。史上唯一、神・四天王以外で聖剣を操った男。「黄金聖闘士を打ち破った二級パラサイト」の登場で、下々の戦場は一大事だ。あれ、でも前回のサターン様の時間停止技で地上は静かになったはずでは……一応アテナ軍がまだ活動してたから対決構図にはなったけども、本来なら今更「サターン兵」とやらが出撃したってやること無いんとちゃうか。それにしても、鋼鉄聖闘士ごときでもまだ活動可能ってんだから、サターン様の時間停止も大したもんではなかった。「小宇宙さえろくに使えない」連中があれだけ平気で動いてたってことは、普通の人間でも、それなりに身体能力が高い人間は動けたってことなんだろうか。それとも、鋼鉄聖衣に特殊な防護機能があるとかかな。出来ればそっちの設定の方がイメージしやすいな。

 多分、鋼鉄聖闘士たちも今世界で何が起こっているのかは理解出来ているのだろう。天へと駆け上がる光牙たちの小宇宙を感じて「光牙たちも戦ってるし」と思ったということは、「次なる戦場がサターン城だ」っていうのは全員の共通認識なんだよね。なんで知ってるんだろ。普通に考えたら、突然飛び出した光牙たちを見たら「あいつらどこいくねん! パラスはまだそこにおるやん!」ってなるはずなんだけど。まぁ、あれだけド派手なサターン城が出てきたし、わざわざ「パラサイト兵じゃなくてサターン兵だよ!」と叫びながら出てきた雑魚もいたので、鋼鉄聖闘士たちも何となく空気が読めたんだ。それにしても、パラスもサターンも、あれだけ大量の雑魚兵士をどこにストックしてるんだろうな。あいつらくらいの実力なら別に兵卒の数なんていらんだろうに。

 さておきエーギルさんだ。一度はやられたと思われていた2級パラサイトだが、なんと砕けた聖剣の欠片を握り締めていたおかげで辛くも一命を取り留め、なおかつ劇的なパワーアップまで達成。武器に上司の名前をつけちゃうあたりが何かキモいが、ハイペリオンさんは人格者だったので、それくらいの厚い忠誠心があるってことなんだろう。普通の鋼鉄聖闘士は3級パラサイトにも勝てないレベルなので、当然エーギルさんは「強くてニューゲーム」みたいな状態。数多の「普通の人間」をいびり倒して悦に入っている。何故かその中に那智さんと蛮も混じってたけどね。あいつら、もう少し活躍しても良かった気がするんだけど、何故か必殺技も繰り出さずに鋼鉄聖闘士と一緒に拳からぴゅんぴゅんビーム飛ばすだけだったんだよね。やっぱり聖衣が無いとかつて聖闘士だった人間も辛いのかしらね。だったら檄先生とイチがなんとかしろ、とは思うが。

 そこで力を貸してくれるのが、オリジナル鋼鉄聖闘士3人衆。颯爽と後輩たちの前に現れ、一度はエーギルさんを葬りかけるところまで行ったが、「オリジナル鋼鉄は実はすげぇ負担がかかるんだよ!」という今更ながらの設定が影響してギリギリ力及ばず。エーギルさん、すごくホッとする。スチールハリケーンで負けてしまっていたら、流石に2級パラサイトの面汚しになるところだった。相手の切り札も無くなったと思って再び強気になるエーギルに、今度は「数の暴力」、通称「Ω」が襲い掛かる。小宇宙など使えずとも、とにかく信頼し合う人間が集まり義憤に燃えれば、それはΩとなるようだ。割と節操ない。せっかくハイペリオンさんや「天地崩滅」の名を頂いたファントムアームを炸裂させるも、まさかエマさんに破られてしまうことになるとは。メインヒロインクラスの扱いで奮い立ったエマさんは単体でエーギルの懐に飛び込むと、ゼロ距離からのスチールボルトアロー連打というかなりエグい攻撃に。流石、天下一の腹パンアニメと名高い本作だけに、腹への執拗な攻撃は容赦無い。エーギルさんのみぞおちはぼろぼろだ。

 しかし、なんとかこれすらも耐えることが出来たタフガイ・エーギル。ついに鋼鉄聖衣が限界を迎えたことを確認すると、そのでっかいファントムアームで女の子を鷲づかみにし、「一人一人握りつぶしてやる!」とわざわざ面倒臭い殺害方法を宣告。完全に悪役に酔っている状態になってしまったおかげで、最後には正義の使者の登場を許してしまうことになった。最終回間近でようやくの見せ場、男一匹ユニコーンの邪武の登場だ。たしか先週の顔見せ時点では聖衣を着ていたはずなのに、今回改めてテンガロンハットを被ったカウボーイスタイルに戻って登場。恰好よく変身を決めると、満身創痍のエーギルさんと正面からぶつかって堂々の立ち回り。しっかりと相手の技を打ち破り、シメは伝家の宝刀ユニコーン・ギャロップである(当然のように全弾を腹にぶち込んでいる)。もう、実はこの人が主人公だったんだよ、って言われても信じてしまうくらいに贅沢な活躍である。「邪武、お前今までボーッとしてただけやないか!」という視聴者の突っ込みも当然予想しており、「実は世界中でパラサイト兵を叩いて回っていたのさ!」という「パラサイト狩り」の隠し設定を披露。なるほど、じゃあ仕方ないな! でも、必死に一般人を守っていたはずなのに、周りの人間が突然時を止められて石になっちゃった件はどうしたらいいんでしょうね! すげぇびっくりしたろうな!

 邪武の登場、活躍という見事な「番外編なのによく分からないままテンションが上がる」劇場の締めは、邪武がかつて馬になっていたという黒歴史を思い出させてくれる、「アテナのことが心配か」という回りの気遣い。邪武さん、今でもまだ沙織お嬢さんのことを想っているのね……一途だわぁ。「遠くからでもアテナを感じられるから大丈夫」ってのはちょっとストーカー気質な気もするけど、多分彼は男女の仲とかでなく、最も純粋にアテナを崇拝できている模範的な聖闘士なんだろうね。かつて反目し合っていた星矢がすっかりアテナのパートナーとして定着してしまった現在も、アテナの幸せを思えば、きっと彼の中では満足出来る現状なのだろう。かつては馬、現在はカウボーイ、奇妙な邪武の人生に幸あれ。次回はそんな星矢が一人でサターンにぶつかるらしいぞ。邪武さんも応援してくれよな。……ところで↓

イチ「あれ? シャイナさん、結婚してくれるザンス?」

 サンダークローオチ。

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 うか様うか様うか様うか様うか様! 第8話。最高のサービス回ですよ。うか様が百面相を見せてくれるなんて! 中身がいなりだったとしても、声さえあのままなら文句なし!

 伏見稲荷から一転出雲へ、日本を代表する神社を動き回る純度の高い神社アニメである。出雲といえば「かみちゅ」でも神様がいっぱいいる亜空間に遊びに行ってたっけなぁ。そして、いかにも「日本の神様」らしい、愚にもつかない阿呆だらけの世界。ま、日本の神の神域なんてこんなもんよ。カメムシにすら神がいるんだからな。しかし、なんでお母ちゃんはよりによってあれだけ大挙する男神の中からカメムシと見合いさせることを選んでしまったのか……もう少しマシなのおるやろ。

 「いなりとの友情・それを繋ぎながらもうか様の存在自体を削る神通力」というアンビバレンツに苦しんでいるのが今作の最大のポイントではあるのだが、今回だけを見れば「見合いをするか、しないか」というところに焦点が当てられていた。見合いをすること(結婚すること)によって失われるのは、うか様の現在の自由奔放な身の上であり、見合いが成立してしまえば、どの道いなりとの友情が途絶えてしまう。そのためにも、まずは神通力云々はおいといて見合いの妨害。もちろん、燈日兄ちゃんはそれ以外にも胸の内に色々と抱えてますけどね。いきなりうか様にご褒美として裏拳とかもらってましたけどね。うらやましいわ。

 結局、「神にあるまじき」方法論で成り立っている強制見合いであるから、人間のちっちゃな女の子であっても、正論さえ振りかざす勇気があれば論破することは可能である。人と神という位の差については、突如現れたうか様の実父、スサノオの助力によって打ち破ることが出来てめでたしめでたし。しかし、あのケツアゴリーゼントがまさかスサノオだったなんて……オープニングにずっといたから「アイツ誰やねん」とは思ってたのだが、そんな重要な奴とはおもわなんだ。ノリは無駄に軽いけど、めちゃめちゃモテるのは神格が高いからなのかね。そりゃうか様は「いいとこのお嬢様」になるわけだ。上手いことうか様と結婚できれば一流だもんなぁ。でも、あのおっさんが義父になるというのがすごく抵抗はあるんだけども……。

 分かりやすくまとめると「燈日・いなり(あとたまにトシ様)によるお見合い妨害大作戦」なので、結果だけを見れば非常にシンプルなお話。しかし、その間にも魅力的なシチュエーションがてんこ盛り。まずはなんと言ってもいなりが無理矢理変身した偽うか様。既に上映会の時に仄めかされていた「桑島法子演じるいなり」の出番である。もう、声の出し方が完璧に大空直美テイストを踏襲しており、甲高く裏返った声のトーンなんていなりそのまんま。おそらく、トレスするためにかなり練習したのだろう。本当にお見事としかいいようがない。その後も、普段のうか様では絶対に言ってくれない台詞を京都弁絡みで連発してくれるのは本当にご褒美プレイ。ありがとういなこん。ありがとう桑島法子。世界は死亡フラグで出来ている!

 そして、そんなうか様がついに燈日に対してデレた。というか、本音を打ち明けることになった。「お見合いは嫌だ」と訴えるうか様。ずっと友達でいたいと駄々をこねるうか様。もう、とにかく可愛い。そりゃお兄ちゃんだってうっかり抱きしめてしまうのも無理はない。うか様の愛らしさにゴールはあるのだろうか。そしてもちろん、主人公・いなりちゃんだって負けてはいない。今回は大量の神様を前にして勇気を出して啖呵を切るという名シーンが用意されており、「ちっちゃくて何も出来ない中学生」の精一杯の頑張りが素直に胸を打つ。回りを取り囲む「神々の軍勢」は本当に最低の連中だが、それだけに素直な子供の意見も引き立つというものだ。そりゃスサノオさんだって力を貸してくれるさ。はっきりといなりが口に出して宣言出来たおかげで、いなり・うか様の絆はより一層強固なものになったに違いない。

 でもねぇ、それだけにラストの展開がねぇ。ここでまさかの天の岩戸である。天照様はあんまり厳しいことはしない人だと信じたいが、考えてみりゃ、うか様が消えてしまうのを黙って見ているってのもそれはそれで酷い話なわけで、神様側としては、多少荒っぽいことをしてでもうか様を守りたいという気持ちは分かるのである。はたして、燈日といなりはこの窮状をどうにかすることが出来るんだろうか。あ、でも考えてみたら燈日って神通力がなくてもうか様とは会話出来るんだよな。ってことは、もしいなりが神通力を返して「お別れ」することになっても、兄ちゃんのいちゃいちゃぶりだけはずっと続くってことになるのだが……それってどうなんだろうな。

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