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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<その他>

 

Blazing Hellhound 猛火のヘルハウンド (2)(B)(R) U

クリーチャー・エレメンタル、猟犬

4/3

(1)、他のクリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜は対象のクリーチャーかプレイヤーに1点のダメージを与える。

 今回、多色のカードは全てアンコモンであり、各色の組み合わせ、つまりギルド(今回は次元)ごとに1枚が用意されている。こうして多色のカードがしれっと基本セットに入っている時点で違和感があるが、多色カードでその色のアーキタイプを匂わせるのは一番簡単な提示法なので仕方あるまい。今回赤黒が担当しているのはチャンドラが始めていった次元、レガーサ。色テーマは「生け贄」であり、この犬は「オークの血塗り(CSP)」と同じ能力を持つレガーサの申し子。まぁ、「オークの血塗り」って言ってもマイナー過ぎてあんまり知ってる人いないだろうけども。1マナでサクリ連射出来るのでどっちかっていうと「溶口(ROE)」の方が近いのかもしれない。とにかくステータスは充分だし、そこに決して効率の悪くないティム機能までついてるんだから、そりゃ強くて便利に決まっている。トークンの大量生産が見込めればそのまま狙撃砲台として珍重するし、そうでなくても戦闘を絡めて「あと1点足りない!」ってな場面ならば色々な局面にちょっかいを出して相手プレイヤーに迷惑をかけることが出来る。実際にはサクらずとも、「好きな時にわずか1マナでダメージ飛ばせるで」と脅しをかけるだけでも充分な制圧力を持つはずである。構築だと4マナはちょい重いが、「ゴブリンの熟練煽動者」が出すトークンってのは無駄に死んでいくことも多いので、その横に並べておくとリソースの無駄が減らされて非常にエコロジー。疾駆クリーチャーを走らせてそのまま帰ってくる前にぶっ飛ばしたりも出来る。マルドゥ系のデッキでワンチャンないかね。

 

Blood-Cursed Knight 血に呪われた騎士 (1)(W)(B) U

クリーチャー・吸血鬼、騎士

3/2

あなたがエンチャントをコントロールしている限り、〜は+1/+1の修正を受けるとともに絆魂を持つ。

 白黒担当はリリアナさんの故郷であるドミナリア。そしてテーマは見ての通りにエンチャント支援。この騎士は別にエンチャントが無くても3マナ3/2なのだからそこそこ使えるが、1枚でも何か置いてやれば4/3絆魂で「アブザンの先達(KTK)」に迫る勢い。なるほどアンコモン。別にそこまでエンチャントに傾倒せずとも、1枚用意するくらいは何とかなるだろうし、案外適当に入れておいても活躍してくれる可能性は高い。もちろん、一番いいのはこいつ自身をオーラで強化してやること。+1程度でもゲームが終わりかねない。

 

Bounding Krasis 跳ねる混成体 (1)(G)(U) U

クリーチャー・魚、トカゲ

3/3 瞬速

〜が戦場に出たとき、対象のクリーチャーをタップまたはアンタップしても良い。

 青緑を担当する次元は、「混成体」という言葉が出てきていることからも分かる通りにラヴニカである。テーマは「テンポ」って、随分ざっくりした設定だが、とりあえずバウンスと肉があればいいんじゃないかな。ラヴニカに縁があるPWはジェイスだが、こいつはジェイスとあまり関係無いシミックの人たちの開発したクリーチャー。「魚・トカゲ」という訳の分からないクリーチャータイプからもそれはよく分かる。色々と突飛な発明品を見せてくれるシミックの技術は今回も健在で、このたびの新作は瞬速3/3。これだけでも戦闘に与える影響はかなり大きいが、更にタップ・アンタップ機能まで有しており、攻めに使うならば相手エンドに3/3を追加して1体タップすることで一気にクロックが押しあがるし、守りに使うなら相手アタックに対応することでブロッカーを2体増やすことが出来るようになる。どんな状況でも腐らない、保存食みたいなナイスな魚。まぁ、あんまり食べたいとは思わない見た目であるが。……魚要素薄くない?

 

Citadel Castellan 城塞の主 (1)(G)(W) U

クリーチャー・人間、騎士

2/3 警戒 高名2

 白緑を担当する次元はバント、そしてテーマはご存じの通りの「高名」である。そんなバントを代表して選出された多色カードは、攻防一体の高名クリーチャー。なかなか嫌らしいステータス設定になっており、先手3ターン目に出された場合、後攻の人間は2/2では止められない。最低でも3/2,あわよくば3/3で備えたいが、3ターン目縛りではなかなか難しいだろう。もし通してしまうと4/5警戒という手のつけられないステータスになるため、どうしたって2/2程度でチャンプせざるを得ないわけだ。警戒持ちなので適当なアタック宣言がしやすくなっており、コンバットトリックを構えておいて敵がどうしても通したくないという心理を利用するのもお約束。とにかく「通すわけにいかない」と思わせるだけでも圧倒的に相手の行動を制限出来るのが強みである。中盤以降、ある程度盤面が固まってから出した場合でも、「うっかり通すと後が面倒」度合いは変わらないため、案外戦線に影響を与えることも。この嫌らしさ、ホントにバント。

 

Iroas’s Champion イロアスの勇者 (1)(R)(W) U

クリーチャー・人間、兵士

2/2 二段攻撃

 白赤のテーマは公式記事によれば「並べる」らしいが、このクリーチャーは特にそんな性質とは関係無く、まるでモダマスから転がり出てきたかのような二段攻撃が特徴。ボロスカラーは確かに先制攻撃や二段攻撃が持ち味になっており、このカードも「炉火のホブゴブリン(EVE)」の亜種と見れば割とありきたりのカードである。まぁ、一応イロアスという名前でテーロス感は出ているのだけども。スペックの高さは言わずもがな。どちらかというと白に寄せてオーラなんかで強化してやる方が輝ける子。空を飛ばしたり相手をタップする方策もご検討を。

 

Possessed Skaab 取り憑かれたスカーブ (3)(U)(B) U

クリーチャー・ゾンビ

3/2

〜が戦場に出たとき、対象の、あなたの墓地にあるインスタントか、ソーサリーか、クリーチャーカードを手札に戻す。

〜が死亡した時、代わりにこれを追放する。

 青黒は見ての通り、リリアナさんが初めてプレインズウォークしたイニストラードが舞台の「墓地」コンセプト。「墓地」テーマでは今回「スカーブの大巨人」なんかが収録されていてなかなかど派手であるが、このクリーチャーはそこまで派手じゃない。「グレイブディガー」を1マナ重くしたらパワーもあがってソーサリーやインスタントも対象になりましたよ、という分かりやすいセッティングである。クリーチャーだけなら「グレイブディガー2体でグルグル」というお約束が楽しめる程度だったが、ここに他の呪文が混ざってくると無限ループの危険性が出てくる、ってんで、残念ながら墓地にいったらサヨナラしてしまう枷もつけられ、なんか全体的に地味である。まぁ、純然たるアドバンテージカードなのだから弱いわけではないだろうが……。

 

Reclusive Artificer 隠棲した工匠 (2)(U)(R) U

クリーチャー・人間、工匠

2/3 速攻

〜が戦場に出たとき、あなたは、〜が対象のクリーチャーにあなたのコントロールするアーティファクトの数に等しいダメージを与えることを選んでも良い。

 青赤はチャンドラさんの出身地であるカラディシュの担当であり、つまりアーティファクト万歳である。4マナ2/3速攻というだけだとなんだかはずれを掴まされたような気もするが、これに「火炎舌のカヴー(PLS)」のような187能力が加わったことで一気に一線級。確かに準備はいるし、流石にプレイヤーには打ち込めないように設定されているが、「場に出て火力」クリーチャーが弱かったためしはない。他の多色カードに比べて割と下準備が必要な方であるが、逆に言えばここからカラディシュに向かえば心も決まるし、後半出てきても本気でやろうとしている人間以外にはピックされにくく、遅めで回収出来る可能性もある。心してかかるべし。

 

Shaman of the Pack 群れのシャーマン (1)(B)(G) U

クリーチャー・エルフ、シャーマン

3/2

〜が戦場に出たとき、対象の対戦相手は、あなたのコントロールするエルフの数に等しい値のライフを失う。

 黒緑の担当はローウィン、そしてテーマはエルフ。緑白の高名ギミックが単体スペックで勝負するなら、緑黒のエルフは数で勝負。そこかしこからエルフトークンが出てきたところに、更なるプレッシャーとしてこいつが送り込まれてくる。1ターン目「エルフの神秘家」からのこいつならば2ライフルーズ程度で済むが、中盤以降に攻める可能性はかつての「アスフォデルの灰色商人(THS)」を考えるとイメージしやすいかも。流石にライフゲインまではこなせないが、トークン増やす→こいつで削る→あとはバンザイアタック、という流れなら攻め一辺倒で首尾一貫しているだろう。さて、どれくらいいけるもんですかね。

 

Thunderclap Wybern 雷鳴のワイヴァーン (2)(W)(U) U

クリーチャー・ドレイク

2/3 瞬速 飛行

あなたのコントロールする他の飛行を持つクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。

 ファンタジー世界のモンスターとしては割とメジャーな部類に入ると思われる「ワイバーン」だが、Magic世界には「小型のドラゴン」を表す言葉として「ドレイク」が存在しているため、「ワイバーン」の名称はほとんど登場しない。過去に登場したものを遡ると、歴史的に最も新しいものでも「剣歯ワイヴァーン(EXO)」であるから、既に十数年も前のことである。もちろん、これらのクリーチャーのタイプは全て「ドレイク」だ(元々「ワイヴァーン」だったものも、現在はオラクルで修正されている)。さておき、そんなワイヴァーンは白青の多色を担っており、白青はいつも通り、「飛行によるテンポ」がテーマなので、素直にそこを強化するクリーチャーとして援軍派遣されている。そして、この援軍の補強っぷりが尋常じゃない。なんと「順風(AVR)」内蔵とは。青ならばソプタートークンでフライヤーの数が稼げるし、そうでなくとも青白をやっていれば自然にみんな飛び始めるもの。そこにご丁寧に瞬速まで身につけたコイツが駆けつければ、その戦力は圧倒的。アンコモンとは思えないレベルでデッキを左右するキーカードだ。もし見かけたら除去必須。こいつが2体並んだりしたら目も当てられない。

 

Zendikar Incanate ゼンディカーの具現 (2)(R)(G) U

クリーチャー・エレメンタル

*/4

〜のパワーは、あなたのコントロールする土地の数に等しい。

 最後の1つ、赤緑の担当はゼンディカー。テーマは「ミッドレンジ・マナ加速」ということで、土地の数をパワーに変えるとして登場。土地の枚数をステータスに反映させるのは、当然緑が第1色であり、実は赤も少しだけやっている(まぁ、青や黒も同じくらいあるけど。白だけ少ないイメージ)。その最たるカードが「マローの魔術師、モリモ(INV)」であり、土地分のパワーとタフネス、それにトランプルのスタンドアローンパッケージであった。他にも緑にはタフネスを森の数で決める「ツリーフォークの若木(7ED)」や「罠根の神(BOK)」、森とステータスがリンクする「ダングローブの長老(M12)」などがおり、赤にも一応「大地の召使い(M11)」なんかがいるわけだ。このクリーチャーはそうした土地リンククリーチャーの最新版で、タフネスは固定値、パワーのみが変動する。4マナのクリーチャーってことは、普通に出せば4マナ4/4以上が約束されており、次のターンに土地を置けば5/4。マルチカラーであることを考えてもあの「ゴーア族の暴行者(GTC)」を上回るかなりの大安売り。特に何かフォローせずとも勝手に育っていくし勝手に強いので、どんなデッキに入れても使いやすいのはありがたい。リミテッドでは中核を成すカードになるはず。

 

Alchemist’s Vial 錬金術師の薬瓶 (2) C

アーティファクト

〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。

(1)(T)、〜を生け贄に捧げる:対象のクリーチャーは、このターン攻撃もブロックも出来ない。

 ほんのちょっとだけ相手を眠らせる薬。その効果は「雷楽のラッパ吹き(RAV)」がラッパを一吹きした程度のもので、普通ならあまりわざわざカード1枚使うような効果でもない。もちろん、そこにはキャントリップという魔法の言葉がかかれており、この時点で既に「恐慌の呪文爆弾(SOM)」より強そうに見えるのが凄い。そして、ハンドのロス無しにアーティファクトが展開出来るってのは、カラディシュ市民から見れば願ってもない効果である。タップして燃料にしてみたり、サクって何かを起動してみたり、その使い道は様々。チャンドラのご両親に会いに行く場合には、菓子折にそっとこの薬瓶を仕込んでご挨拶するのが嗜みというものだ。

 

Alhammarret’s Archive アルハマレットの書庫 (5) M

伝説のアーティファクト

あなたがライフを得る場合、代わりにあなたはその2倍のライフを得る。

あなたが、あなたのドローステップの最初の1枚以外にカードを引く場合、代わりにカードを2枚引く。

 Magic世界では知者の象徴として登場するスフィンクスだが、そんな賢いアルハマレットさんのご自宅の書庫がこちら。博学な彼の資料を読めば、その脳内には「加護の反射(SHM)」と「思考の反射(SHM)」の知識が得られるのである。流石スフィンクス、マジお利口。ただ、ドロー能力に関しては「思考の反射」と違って通常ドローはカウントしてくれないため、このカードを使うならば何らかのサポートが必須。とはいえそこまで難しいものでもなく、例えばルーターを使っても手札は増えていくし、青以外の色でも「苦しめる声」みたいな方法で何とかしてカードを引く方法はあるもんだ。ライフの方についても絆魂クリーチャーなどのサポートとして渋く活躍してくれる。残念ながら伝説なので重ね張りして4倍、8倍という地獄絵図は描けないが、そんなことをしたらライブラリが消し飛ぶのがオチなので、こうして慎みのあるドロー量が丁度良い。「思考の反射」と違ってどんな色でも採用出来るのが強み。まぁ、ぶっちゃけ単体では何もしないカードなのでリミテッドでは用無しだろうが、構築クラスで何かとんでもない悪さをするデッキが出てくるだろうか。……設置5マナはキツイかねぇ。ちなみに、ヴリンにいる頃のジェイス(クリーチャー)がまさしく求めているルーターなので、リミテッドでも師弟コンボは可能。ただ、プレインズウォーカーになった途端に一切絡まなくなるのはある意味史実通りであるし、そもそも神話と神話のコンボってなに、っていう。

 

Angel’s Tomb/天使の墳墓(AVR)」 U

 アーティファクトだとかフライヤーだとかいう話を抜きにして、どんなアーキタイプだろうと3/3フライヤーはほしいよな。

 

Bonded Construct 結束した構築物 (1) C

アーティファクトクリーチャー・構築物

2/1

〜は単独では攻撃出来ない。

 ジャッカルの使い魔(M10)」や「くすぶり獣(GTC)」など、赤によく見られる行動制限持ちの手軽なアーティファクト。ただ、先輩達と違って制限されているのは攻撃だけ、ブロックは単体でもこなせるので実は壁として置いておくだけでもそれなりである。1マナで出しても2ターン目に殴りにいくことは出来ないだろうが、相手の高名などの出鼻を挫く役に立つし、攻め気のデッキでも3ターン目に殴れるようなら充分及第点。いざとなったらこれを2体並べてしまうという手もあるわけで、リミテッドでかき集めるとけっこうなダメージが稼げそうな気もする。もちろん、カラディシュ民は早めに押さえておくと色々捗るぞ。

 

Brawler’s Plate 喧嘩屋の板金鎧 (3) U

アーティファクト・装備品

装備したクリーチャーは+2/+2の修正を受けるとともにトランプルを持つ。

装備(4)

 いっつも疑問だったのだが、「喧嘩屋」ってどんな商売なんだよ。確認のために英語の辞書を引くと「brawler」ってのは単に手の速い人、喧嘩っ早い人の意味であるらしいので、別に喧嘩を売って生計を立ててる人、ってわけではなく、あくまで個人の気質を表すもののようだ。そんな喧嘩屋さんがよく装備している鎧がこれ、ってことらしいが……喧嘩屋さん、マジで殺しに行く気じゃないかしら。とてもじゃないけと「ついカッとなって」揉める時の装備じゃないだろ。トランプルがつくので増強分も余すことなく堪能出来る設計は親切だが、しょせんは単なる喧嘩好きなので、装備にどれくらい手間がかかるかまで考えずに設計した模様。流石に重いかなぁ。

 

Chief of the Foundry 鋳造所の隊長 (3) U

アーティファクトクリーチャー・構築物

2/3

あなたのコントロールする他のアーティファクトクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。

 なんと、アンコでロードが登場。リミテッド、しかも基本セットドラフトでこんなん出てきていいんだろうか。素のステータスもそこそこ悪くないし、これが出てくれば全てのソプターが2/2フライヤー。関連カードの価値は爆上がりだ。確かにミラディンのようなアーティファクト専用環境ではないので、実際に使えるアーティファクトクリーチャーはあまりいないのだが……さて、どうなるリミテッド。

 

Gold-Forged Sentinel/黄金造りの歩哨(JOU)」 U

 基本セットのアーティファクトクリーチャーにしては割とインパクトあるな。

 

Guardian Automaton 護衛する自動機械 (4) C

アーティファクトクリーチャー・構築物

3/3

〜が死亡した時、あなたは3点のライフを得る。

 「平和の徘徊者(MBS)」をコモン風にデチューンしたもの。ただ、デチューンと言っても187能力から死亡誘発へ変更しただけなので、特にコンボやシナジーを狙わない限りはそこまで大きな差があるわけではない。肉としてもそこそこ、そこにそっと優しくライフのサポート。病後のおかゆのごとき温かいクリーチャー。地味なので普通のデッキがそこまで求める必要も無いだろうが、カラディシュ方面のデッキならば平均的な穴埋めパーツとして積極的に取りに行って良いかも。

 

Guardhians of Meletis/メレティスの守護者(THS)」 C

 ロードがいても殴れないクリーチャーではなぁ……とりあえずガッチリ。相手次第の時間稼ぎ用に。

 


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<緑>

 

Aerial Volly 空への斉射 (G) C

インスタント

〜は、最大3体までの対象の飛行を持つクリーチャーに、3点のダメージを割り振って与える。

 葉の矢(ROE)」の完全上位互換カード。「葉の矢」自体が大したことなかったとはいえ、飛行対策としては「垂直落下」に負けず劣らずの高性能。コモンレベルのフライヤーなら3点たたき込めば大体落ちるだろうし、1/1フライヤーがズラリ、とか1/1と2/2,なんていう状態では小さいながらもアドバンテージを稼ぐことも可能。今回は特にソプタートークンが伸び伸びと空を舞うことが予想されるため、そんな文明社会にきっちりとヘイトを叩きつけるためにも、この弓矢の一撃は意味のある1枚になるはずだ。逆にこれを警戒するなら、どれだけわらわら飛行機械が出せるからといって、調子に乗って並べすぎないようにコントロールする選択も必要になってくるかも。今回緑に用意された飛行対策はこれに加えてコモンとアンコに蜘蛛が1体ずつ、それに蜘蛛になれるオーラが1枚。上手く使い分けられればよいが。

 

Animist’s Awakening 精霊信者の覚醒 (X)(G) R

ソーサリー

あなたのライブラリを上からX枚公開する。その中から全ての土地カードをタップ状態で戦場に出し、残りを無作為の順番でライブラリの下に置く。

魔巧 - それらの土地をアンタップする。

 ダイナミック土地延ばし。Xマナ払っての土地ブーストといえば「未踏の開拓地(ODY)」があったが、あれは対戦相手も土地を伸ばしてしまうという難点があったので、今回のチャレンジはなかなかエポックメイキング。土地の含有率が4割程度だとすると、X=4で撃ってもめくれる土地はせいぜい2枚。マナ効率だけで考えるとそこまでびっくりするような効果でもなく、むしろ「爆発的植生」みたいなカードの方が安定感があるのだが、このスペルはそんな小さな枠の中で考えるもんじゃない。7マナから10マナ、10マナから14マナへステップアップするのである。魔巧がみたされればマナ効率は上がっていき、何か立て続けにミラクルを起こせるかもしれないではないか。そう、効果じゃなくて「夢」が大事なのだ。一応基本土地以外もおけるといううま味があるし、魔巧がみたされれば例えタップインランドでも関係無しに起きる。ほら、楽しそう。レガシー以下のLandsに差して……ないかなぁ。

 

Causitic Caterpillar 苛性イモムシ (G) C

クリーチャー・虫

1/1

(1)(G)、〜を生け贄に捧げる:対象のアーティファクトかエンチャントを破壊する。

 苛性イモムシってなんやねん、という疑問が真っ先に出てくるが、効果を見れば何となくイメージ出来るか。一応、チャンドラの親御さんからのメッセージも届いております。アーティファクト次元には大体アーティファクトを食べ物にする生物がいるもんなんだよ。まぁ、単純に「帰化」で良かったはずのところなのだが、今回は白もエンチャント破壊をクリーチャーに任せており、純正「帰化」系呪文はほとんど存在していない。まぁ、「帰化」はありとあらゆる次元に再録されてるし、今更入れる必要も無いという判断だろう。起動コストが「帰化」と全く同じなので、コスト面で得をするということもないし、設置義務があるので咄嗟にインスタントタイミングで対応出来ないなどの難点も多い、仕事が無いときには何となく殴れるチャンスもあるかもしれないのが一応の強み。それ以外には、特に。

 

Conclave Naturalists 議事会の自然主義者 (4)(G) U

クリーチャー・ドライアド

4/4

〜が戦場に出たとき、対象のアーティファクト1つかエンチャント1つを破壊してもよい。

 「踏み吠えインドリク(DIS)」の(ほぼ)種族変更再録。ビーストだったら何となく意味はあったのだが、残念ながらドライアドという一切意味を持たない種族になってしまった。まぁ、出た時に破壊するかどうかが任意になったので一応上位種といえるだろうか。「インドリク」同様にリミテッドでは無類の安心感を発揮する優良カード。名前や種族を見る限りではセレズニアの人のようだが、召集も居住もない「単なるセレズニア住民」ってちょっと寂しいわね。

 

Dwynen, Gilt-Leaf Daen 光り葉の将帥、ドゥイネン (2)(G)(G) R

伝説のクリーチャー・エルフ、戦士

3/4 到達

あなたのコントロールする他のエルフ・クリーチャーは+1/+1の修正を受ける。

〜が攻撃するたび、あなたは攻撃しているエルフ・クリーチャー1体につき、1点のライフを得る。

 新時代のエルフ・ロード。Magicにおける各種族の扱いってのは必ずしも平等ではなく、恵まれた種族とそうでもない種族ってのは差があるものだが、エルフ族は当然恵まれている側の種族だ。過去に作られたロードの数もトップレベルであり、「葉の王エラダムリー(TMP)」から数え始めて「エルフのチャンピオン(10ED)」「エルフの大ドルイド(M13)」「ジョラーガの戦呼び(WWK)」「背教の主導者、エズーリ(SOM)」などと続いていく。面倒なので確認しないが、他にもロードの多いゾンビやマーフォークと比べてもトップなのではなかろうか。そんな新しいロードだが、ぶっちゃけこれまでの連中に比べると指導力はやや低め。4マナと重量級になっている分本人のステータスは優れており、単体でも仕事ができる点は評価出来るが、基本的にロードってテーマデッキに入るものなので、そういう部分の評価はあまり関係無いんだよね。「エルフの大ドルイド」のように更に軍勢を展開出来る能力の方が評価は上がる。もう1つつけられた能力は「放浪者ライズ(MOR)」の亜流だが、他のエルフ連中も攻撃していないとライフゲインに直結せず、普通は「ロードに率いられた大量のエルフが殴りに行く」時点でゲームは決まっているので、あんまりライフゲインする意味が無い。まー、単体で出しても「殴るたびに1ゲイン」と考えれば、本当にスタンドアローンでいい気もしてくるけど。一応、今後のエルフデッキではチェックしておいてもいいが……4マナはなぁ。

 

Dwynen’s Elite ドゥイネンの精鋭 (1)(G) U

クリーチャー・エルフ、戦士

2/2

〜が戦場に出たとき、あなたが他のエルフをコントロールしているなら、1/1で緑の、エルフ・戦士・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 数の力を更に増す、エルフの代表的戦術の一端を担う手駒の1つ。思い返してみると、ローウィン当時のエルフたちってのは「とにかくトークンで横に広げる」っていうのが部族の特徴として与えられていたのだっけ。「エルフの行列(LRW)」なんてカードが大活躍し、「ごたごた(LRW)」であぼんするのもエルフのたしなみ。「傲慢な完全者(LRW)」の「お前どう考えてもアンコじゃないやろ」感は異常。そんな懐かしいローウィンの風土を感じさせてくれるのがこのクリーチャー。「2マナの熊を出す段階で他のエルフなんていねぇよ」というのが普通の反応だが、そこは何とかするのがエルフ。1マナからガンガン展開出来るのが強みであるのだから、3ターン目には3体のエルフが並んで攻撃にいける環境を是非揃えてやりたい。もし実現するならば2マナでは破格のスペックになるのである。まぁ、「従者つきの騎士(M13)」っていうもっと安定して強いコモンもいたりするんだけどね。

 

Elemental Bond 精霊の絆 (2)(G) U

エンチャント

パワー3以上のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、カードを1枚引いても良い。

 カヴーの巣(INV)」というカードをご存じだろうか。パワー4以上のクリーチャーが出た時にドロー出来るっていうエンチャントで、これと同じ3マナである。どう考えても新しいこちらの方がドロー枚数が増えることは一目瞭然だが、更に、「カヴーの巣」はプレイヤーを制限しないので、相手がクリーチャーを出すと相手が引きはじめるという謎サービスがあった。あげく、「カヴーの巣」はレアだったのである。時代ってのは変わるものだなぁ、としみじみしてしまいますね。これを置いておけば、緑デッキならば全てのクリーチャーをキャントリップにすることすら容易。お手軽な「始源の賢者(RAV)」状態。えらいこっちゃ。リミテッドなら結構なゲームエンドカード。構築だとこういう「置いた時点でスタート出来ない」カードは評価が下がるが、デッキ次第で充分ペイ出来る気がする。レッツファッティ。

 

Elvish Visionary/エルフの幻想家(M13)」 C

 カード引きたいんじゃー。それだけなんじゃー。

 

Evolutionary Leap 進化の飛躍 (1)(G) R

エンチャント

(G)、クリーチャーを1体生け贄に捧げる:あなたのライブラリを、クリーチャー・カードが公開されるまで公開し続ける。そのカードをあなたの手札に加え、残りを無作為の順番でライブラリの下に置く。

 一瞬「ドルイドの誓い(STH)」がよりヤバい形で帰ってきたのかと思ったが、手札に入るだけだった。ちょっとホッとする。しかし、これだけでもまだまだ充分に壊れ。何しろ除去やチャンプブロックなどで無駄に死に行く命が全て次の命の糧になる。別に事故死せずとも、気に入らない小兵をさっさとサクれば本命の精鋭部隊にアクセスし放題なのだ。一発で当たらない場合でもガンガンサクっていけばそのうちほしいカードに行き当たるだろう。手間暇を考えると「獣相のシャーマン(M11)」ほどの利便性はないかもしれないが、こちらはカードを消費せず、トークンをサクってもリソースが得られるという大きな強みがある。「軍族童の突発」を撃つと、次のターンにはそれが何らかのクリーチャーカード3枚に化けるのである。ナニソレ、イミワカンナイ。

 

Gaea’s Revenge/ガイアの復讐者(M11)」 R

 でかい、速い、安心の3拍子揃った緑の模範的ファッティ。ただ、なんでこんな半端に面倒な除去耐性が再録されたのかは謎。

 

Gather the Pack 群れの結集 (1)(G) U

ソーサリー

あなたのライブラリを上から5枚公開する。あなたはその中からクリーチャー・カードを1枚手札に加えても良い。残りをあなたの墓地に置く。

魔巧 - 1枚選ぶかわりに、最大2枚までのクリーチャー・カードを手札に加えても良い。

 緑が最近得意としている「めくって探す」方式の圧縮呪文。「神々との融和(THS)」も「サテュロスの道探し(M15)」も、探してくるカード云々もさることながら「墓地にカードがいっぱい落ちる」ところが人気の秘密であり、このカードも2マナで5枚という掘削能力はいつも通り。「神々との融和」と比べるとエンチャントが選べないのが弱くなった部分だが、その代わり魔巧でアドバンテージが取れるようになった。まぁ、普通のデッキならばこちらの方がお得度は高いだろう。1枚目のこれでさっさと魔巧を見たし、2枚目以降が2ドロー以上の効率で機能するようになる。構築では引き続き墓地を参照するスゥルタイ、ゴルガリタイプのデッキで人気を呼びそうだぞ。

 

Herald of the Pantheon 万神殿の伝令 (1)(G) R

クリーチャー・ケンタウルス、シャーマン

2/2

あなたの唱えるエンチャント呪文のコストは(1)少なくなる。

あなたがエンチャント呪文を唱えるたび、あなたは1点のライフを得る。

 「万神殿の兵士(THS)」のおかげで「多色呪文が大っ嫌いな人がいる施設」っていう認識しか無かった万神殿から、新しい人材が派遣されてきた。どうやら彼らは多色が嫌いだったわけではなく、人々に1ライフをばらまくのが好きなだけの集団だったようだ。応援するのはあくまで神々の象徴たるエンチャント。コスト低減はエンチャントを主軸においたデッキならば2マナにも3マナにも匹敵する効果であり、もしも「トリトンの財宝狩り(THS)」に延々キャントリップオーラを張るようなデッキを組んだなら、ものすごい回転効率をはじき出すことになる(まぁ、そのデッキがどうやって勝つのかは知らないが)。エンチャントならなんでもいいので「苦悶の神、ファリカ(JOU)」がついに2マナで出てきちゃうし、「開花の幻霊(JOU)」が3ターン目に置ければそこからフィーバータイムに突入する。勝手にライフがすくすく伸びるのも馬鹿にならないだろうし、「クルフィックスの狩猟者」とタッグを組んだときのミラクルゲインチームはなかなか見ものだ。さぁ、デッキを作ってみよう。

 

Hitchclaw Recluse 絡み爪のイトグモ (2)(G) C

クリーチャー・蜘蛛

1/4 到達

 あばら蜘蛛(PCY)」の完全同型再版。何故名前が変わったのかは謎。前の名前でもまったく問題無いと思うのだが。史上最弱セットと噂されるプロフェシーの黒い記憶を払拭したかったんだろうか。この蜘蛛については決して史上最弱などではなく、タフネス4はコモンのフライヤーのほぼ全てを受け止められる信頼の証。「垂直落下」系の除去があるならそっちの方が話ははやいが、メインで使うならとりあえず蜘蛛から。

 

Honored Hierarch 名誉ある教主 (G) R

クリーチャー・人間、ドルイド

1/1 高名1

〜が高名である限り、それは警戒と「(T):あなたのマナ・プールに好きな色のマナを1点くわえる」を持つ。

 高名になると突如「極楽鳥(M12)」へと覚醒する謎の教主。「教主」と呼ばれるドルイドがマナを出せるっていう適当なイメージがあるが、それって「貴族の教主(CON)」だけなので別におきまりってわけじゃないんだよな。とりあえず、1ターン目に出せる高名クリーチャーってことは、(出せれば)殴って通る可能性は高い。上手く殴れればその後か2/2のバーパラになるわけで、そりゃ強いのは間違いないだろう。ただ、この「通れば」が他の高名クリーチャーよりも重くのしかかる。わずかでも出すのが遅れたら1/2程度にすら止められてしまう、という貧弱さももちろんだが、「殴らなきゃマナがでない」ということは、1マナのマナエルフに求められる「2ターン目に3マナ」が絶対に出せないのである。「3ターン目に4マナ」なら可能だが、その仕事なら「荒野の囁く者」だって出来るわけだし。色マナがたくさん欲しい多色デッキでの運用といっても、そういうデッキは「1ターン目の緑マナ」を出すのが難しく、不安定なマナベースであるこいつをどこまで信用していいものか。それなら確実にマナが出せる「極楽鳥」や「エルフの神秘家」の方がよほど信頼出来るってなもんだろう。なんだかどっちつかずなので、同型のカードの中では今ひとつピリッとしない。

 

Joraga Invocation ジョラーガの祈祷 (4)(G)(G) U

ソーサリー

ターン終了時まで、あなたのコントロールするクリーチャーは+3/+3の修正を受ける。このターン、それらのクリーチャーはそれぞれ可能ならブロックされなければならない。

 いわゆる一つのオーバーラン系呪文だが、コストがやや重たい分、かなり嫌らしい効果に仕上がっている。「ブロックされなければならない」なので、もし相手とこちらが同じ数のクリーチャーをコントロールしていた場合、それらは確実にタイマンを挑まなければならないことになる。大体の場合においては一方的な虐殺劇が繰り広げられることになるだろう。トランプルがつかない分「このターンのフィニッシュ力」では同型呪文に劣るが、その分、相手クリーチャーをまとめてなぎ払い「次ターンでのフィニッシュ力」は群を抜いている。リミテッドのシメの1枚にどうぞ。

 

Leaf Gilder/葉光らせ(LRW)」 C

 2マナかー。それでも強いけどなー。「エルフの神秘家(M15)」がスタン落ちしたらけっこう色んなデッキに影響出るよなー。

 

Llanowar Empath/ラノワールの共感者(FUT)」 C

 「エルフで占術かぁ、とりあえず入っとけ」みたいな感じで突っ込まれた感。そこそこ重宝。

 

Mana-Glutton Hydra マナ喰らいのハイドラ (2)(G) R

クリーチャー・ハイドラ

1/1 トランプル

プレイヤーが呪文を唱えるたび、〜の上に+1/+1カウンターを1つ置く。

 こりゃすげぇな。かつて「ミラクルグロウ」の中心カードとして名を馳せたクリーチャーが「クウィーリオンのドライアド(M13)」。奴は2マナで出せるという強みこそあったが、反応するのは緑以外の色の呪文。もちろん相手の呪文なんかに反応する余裕はない。それでもあのクリーチャーは強かったのだ。このハイドラは出だしこそ1ターン遅れるが、そこからは何を唱えようが、誰が唱えようが、とにかく成長する。しかもトランプルを最初から手にしつつである。その成長速度は「三日会わざれば」ってレベルじゃない。2,3ターン会わざればポルクラノスも上回る出世頭。鯉の滝登り。ハイドラのマナ喰らい。白と合わせて「アブザンの鷹匠」とか「アブザンの戦僧侶」で大きくしていくと超おしゃれ。

 

Mantle of Webs 蜘蛛の網のマントル (1)(G) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーは+1/+3の修正を受けるとともに到達を持つ。

 蜘蛛の巣(9ED)」のちょっとだけ強化版オーラ。もとが地味なのでこれもすこぶる地味。一応パワーが上昇するので、守り一辺倒だった「蜘蛛の巣」よりはメインから使いやすく、何となくはって殴る選択肢もありといえばあり。タフネス3修正は馬鹿に出来ないので、「包囲戦法」のウザさを考えると案外使いやすいカードなのかも。

 

Might of the Masses/大群の力(ROE)」 C

 今回は落とし子がいないので、主にエルフが強引に数を増やしながら突っ込んできます。

 


拍手

Nyxborn Rollicker ニクス生まれのお調子者 (R) C

クリーチャー、エンチャント・サテュロス

1/1 授与(1)(R)

エンチャントされたクリーチャーは+1/+1の修正を受ける。

 軽〜〜い! 説明不要! 授与ですら2マナというのは奇跡的な軽さ。こういう方向でも特徴の出し方ってあるものなのだね。流石軽さでは人後に落ちないお調子者。で、実際にこれが使えるかどうかだが、素出しする意味は欠片もないわけで、後はデッキのヒロイック次第、肉の質次第。たかだか+1とはいうものの、たとえば「国境地帯のミノタウルス」が5/4になったら意外に対処は難しいだろうし、4ターン目に「ネシアンの狩猟者」が4/4も割とヤバい。一応相手の「苛まれし英雄」あたりのブン回りを妨げるプランもありつつの選択肢ならば、これはこれでありなんじゃないか。優先して引くようなカードじゃないだろうけど、邪険にするのは使ってこいつのチャラさを体験してからでも遅くはないんじゃ。

 

 

Orcle of Bones 骨の神託者 (2)(R)(R) R

クリーチャー・ミノタウルス、シャーマン

3/1 速攻 貢納2

〜が戦場に出たとき、貢納が支払われていないなら、あなたは手札にあるインスタントかソーサリー・カードを、コストを支払うことなく唱えても良い。

 これは悩ましい。貢納したとしてもタフネス3なので、案外止められなくもない。4マナの基準値は3/3速攻だが、5/3だからといってそこまで特大のプレッシャーではないだろう。しかし、だからって貢納ONが正解とも言えない。これをキャストしたところで、手札にインスタントやソーサリーがあるかどうかも分からないのだから。あったとしても、別にそのタイミングで「タイタンの力」を使われたからってどうってことないし、「航海の終わり」を使ってくれるならそれはそれで。問題となるのは、たとえば相手が企みを持ってこのカードを使っており、手札に「落岩」をうっかり抱えたりしてた場合。万が一を考えてセーフティーを優先するなら、5/3を甘んじて受けるのも慎重で賢いプレイといえる。他の貢納クリーチャーでは味わえない絶妙な悩ましさである。構築の場合には「無限への突入」を手札に抱えて出してみたりすると何か起こるかもしれないし、起きないかもしれない。そもそもこれが構築レベルで貢納を拒否られることってあるかな。

 

 

Pinnacle of Rage 憤怒の頂点 (4)(R)(R) U

ソーサリー

クリーチャーやプレイヤーを2つ対象とする。〜はそれぞれに3点のダメージを与える。

 俺の怒りが有頂天。and/orのテキストが面倒で、必死に日本語訳を考えたのに、答えは上のようになった。「や」って。私は独自に旧スタイルのテキストで書いてるから、良い訳が作れなかったのよね。さておき、そんな有頂天火力であるが、6マナで合計6点とダメージ効率はそこそこ。ただ、ソーサリーな上に小回りが利かず、タフネス4にはどう頑張っても届かないのがあかんところ。上手くいけば1対2交換だが、それが出来ないとどうしても効率の悪い火力にしかならないのである。リミテッドなら「落岩」なんかよりはよっぽど使いやすいだろうが、そこまで慌てるようなカードではない。

 

 

Reckless Revler 無謀な歓楽者 (1)(R) C

クリーチャー・サテュロス

2/1

(R)、〜を生け贄に捧げる:対象のアーティファクト1つを破壊する。

 使わないようで意外と出番が多いのがこの世界のアーティファクト破壊。神器サイクルを叩くことが出来るし、今回もやっかいな装備品がアンコモンに2枚登場しているので、入れておけばいざというときにも安心。このカードは「かまどの神(CHK)」の上位互換である「松明の悪鬼(M13)」の種族変更再録。アーティファクト破壊カードとしてはかなりの性能なので、とりあえず突っ込むのには最適。「野蛮な祝賀者」とどっちをとるかはマナカーブ次第。ちなみにイラストで燃やされているのは「アクロスの木馬」。こうしてみるとやっぱりでかいな。

 

 

Rise to the Challenge 難題への挑戦 (1)(R) C

インスタント

対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+2/+0の修正を受けるとともに先制攻撃を得る。

 英語テキストを読んでいると痛感することなのだが、「Challenge」という単語は日本語だと「挑戦」みたいなポジティブな語感なのだが、実際は「難題、困難」というネガティブなイメージの方が強い。多分進研ゼミのせいで微妙なズレが生まれてるに違いない(勝手な決めつけ)。このカードの和名の「挑戦」はRiseの方で「難題」がChallengeである。そして、なんでこんなどうでもいい英単語トークからはじめたかというと、このカードがどう見ても「雷の一撃」でしかないのでいじりようが無いからである。えーと、便利だよね。

 

 

Satyr Firedancer サテュロスの火踊り (1)(R) R

クリーチャー、エンチャント・サテュロス

1/1

あなたのコントロールするインスタントかソーサリー呪文が対戦相手にダメージを与えるたび、〜はそれに等しい値のダメージを、対象の、そのプレイヤーのコントロールするクリーチャーに与える。

 バーンデッキというのは、数あるデッキタイプの中でも特別に計算が難しいアーキタイプだと言われる。火力を使うにしても、ブロッカーを排除するために相手クリーチャーに打ち込む方がいいのか、戦闘はもう無視して本体に狙いを絞った方がいいのか。長い歴史を赤単は生き残ってきたわけだが、その歴史の陰には、常に火力を握りながら葛藤し続けたプレイヤーたちの血と汗と涙があるのだ。そして、そんな葛藤とおさらばするために現れたのがこのサテュロスだ。どっちに撃ったらいいか分からないなら、効果を倍にしてどちらにも撃てるようにしてあげましょう。これでもう、相手のボディも丸焦げですよ。「溶岩の斧」で「そらよっ」ですよ。まぁ、「対象本体!」っていったのにスタックして除去られたときの喪失感はどうしようもないですけど。この世界の火力って大体本体も狙えるから、リミテッドでもけっこう使えそうなのが良いね。

 

 

Scouring Sands 洗い流す砂 (1)(R) C

ソーサリー

〜はあなたの対戦相手がコントロールする各クリーチャーに1点のダメージを与える。占術1を行う。

 地味なスペルながらも、確実にカードの質が上がっていることが分かる良い火力。基本形は「微震(8ED)」で、バリエーションが作られる場合には大体「飛行に届くかどうか」「本体にもいくかどうか」などで差別化が図られていた。このカードはついに、自軍クリーチャーを巻き込まず、飛行にも届くように調整され、更にそこに占術までもがプラスされた。これで自軍の構成を気にせずに投入できるようになったし、空に届くので効果も大きい。コンバット後に使うことで収穫を増やす選択もしやすいだろう。今回はタフネス1が割と多いので、とりあえずおさえておけばひょっとしたらメインスタートでも無駄にならないかも。

 

 

Stormcaller of Keranos ケラノスの嵐呼び (2)(R) U

クリーチャー・人間、シャーマン

2/2 速攻

(1)(U):占術1を行う。

 場末のストリッパーみたいな見た目だが、身体を張って実行する占いの力は割と本物。「魔女の目」はなんだかんだ言って結局デッキに入れにくいもどかしい装備品どまりだが、一応2/2速攻のボディがあるのだから、余りマナを注ぐ先としてはそれなりのものじゃなかろうか。やろうと思えば1ターンに連打してガンガン掘り進むことも出来るし、きっちりイゼットカラーで組めればかなりおいしい。マナを注ぐ先は「はじけるトリトン」じゃなかったんだよ。今度こそ!

 

 

Thunder Brute 雷の粗暴者 (4)(R)(R) U

クリーチャー・サイクロプス

5/5 トランプル 貢納3

〜が戦場に出たとき、貢納が支払われていないなら、〜はターン終了時まで速攻を得る。

 サイクロプスですね。大丈夫、6マナ5/5トランプルは間違い無く本物だ。更に高確率で速攻を持って現れるため、ダメージ効率は同マナ域でもトップクラス。ほとんどの除去が届かないし、速攻のおかげでこの世界で最も警戒すべきバウンス呪文への耐性もそれなりにある。マナカーブを締めるファッティとしては魅力的な選択肢。相手が黒くないことを祈ろう。

 

 

Thunderous Might 雷撃の威力 (1)(R) U

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

エンチャントされたクリーチャーが攻撃するたび、それはターン終了時まで+X/+0の修正を受ける。Xはあなたの赤への信心である。

 赤いクリーチャーにつければ、最低でも攻撃時は+2の修正。そこからの伸び率はデッキ次第だが、これを入れるくらいだったらそれなりに自信がある場合だろう。一番の相方は「双頭のケルベロス」で、最低でも+3の修正が約束され、上がったパワーを存分に味わうことが出来る。さっさと攻められるなら上にいる「性急な太陽追い」での燃え尽きプレイも乙なもの。新たな世界の「向こう見ずな技術」のポジションを得られるかどうか。

 

 

Whims of the Fates 運命の気まぐれ (5)(R) R

ソーサリー

あなたからはじめて、各プレイヤーは自分のコントロールするパーマネントを3つの山に分ける。その後、各プレイヤーは1つの山を無作為に選び、それらを生け贄に捧げる。

 赤が思い出したようにやる、盤面カオス化カードの最新作。全てのプレイヤーのパーマネントがランダムに1/3削られていくというのは、パーマネントの多いプレイヤーほどダメージがでかい。クリーチャーを並べたがるデッキに対してはアドバンテージがでかいが、その手のデッキって1つ1つのパーマネントの価値は薄いのが悩み。ちなみに、3つの山に分けるときに山を0にすることは出来ないが、数を不均等にすることは可能。一か八かで1:1:9とかで割り振ればいい運試しになるかも。まぁ、パーマネントって、言うほど並ばないから平均したら2枚くらい無くなるだけなんだけどな。ネタカードとしても使いにくいわ。あ、イラストに煙羅煙羅がいます。       

 

 

Aspect of Hydra ハイドラの血 (G) U

インスタント

対象のクリーチャーは、ターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xはあなたの緑への信心である。

 Magicの5色には、それぞれその色を代表する巨大クリーチャー枠というのがある。ご存じの通り、白は天使、黒はデーモン、赤はドラゴン。これは古くから決まっていたものだ。微妙だったのが青と緑で、青はジンやリヴァイアサンあたりをしばらく彷徨っていたが、最終的には、知性と巨体を兼ね備えたスフィンクスという存在を見いだし,今に至る。意外にも最後まで難航したのが緑。何しろ大体のクリーチャーはでかいので、特徴を出しにくい。ビーストがいいんじゃないか? という案には、ビーストはありふれていて特別感がない、と言われ、ワームはどうだろう? という案にも、ワームは他の色と比べると神聖さや崇高さが無いと言われた。そして、最終的にたどり着いたのが、赤から譲り受けたハイドラという存在だったのである。今では必ず基本セットにはハイドラ枠があり、無事に緑の巨大クリーチャーとして定着した。めでたしめでたし。このカードは、そんなハイドラの力を借りて何となく大きくなったり、すげぇ大きくなったりするスペル。最軽量からの瞬殺モードもありなので、デッキ次第ではヤバいことも。

 

 

Charging Badger 突進するアナグマ (G) C

クリーチャー・アナグマ

1/1 トランプル

 アナグマくんといえば、「ぼのぼの」ではかなり初期から登場していたキャラクターで、作品序盤ではとにかくでんぐり返ることにしか興味が無いという、非常にストイックなキャラだった、でんぐり返る以外にやることといえば、シマリスくんをいぢめるのが関の山。そんなアナグマくんだが、しばらくぶりに登場したら、えらく達観した考えをするエキセントリックなキャラに変貌していた。元々表情の変化は乏しいヤツだったが、あの狂信的なでんぐり返りの裏にこんな闇を抱えていたのかと思うと驚きであった。そんなアナグマくんが突進してくるんだから怖いに違いない。……「果敢なエルフ(LGN)」の種族変更再版です。ヒントとしては、「森林守りのエルフ(LGN)」がいたあの環境ですら、「果敢なエルフ」は出番が無かった。つまり、そういうことだ。

 

 

Courser of Kruphix クルフィックスの狩猟者 (1)(G)(G) R

クリーチャー、エンチャント・ケンタウルス

2/4

あなたはライブラリの一番上を公開した状態でプレイする。

あなたは、それが土地カードであるなら、ライブラリの一番上のカードをプレイしても良い。

土地があなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは1点のライフを得る。

 新たな姿を手に入れた「ムル・ダヤの巫女(ZEN)」。土地追加プレイの能力が無くなったので当時のように「原始のタイタン(M12)」なんかと組んでうひょー、ってなことは出来なくなったが、代わりに1マナ軽くなり、ステータスも上がってかなり生存率が上がっている。ライブラリ上から土地がプレイ出来ればアドバンテージにも繋がるし、その土地がライフになるのでどれだけ野放図にマナが伸びても全て無駄ということもない。トップが見えている状態なので、無駄な占術1を使わずに温存する役割を担うことも出来るだろう。難点といえば相手に手札が全部ばれてしまうことだが、これだけの恩恵があるならば安いもの。充分1引けるレアである。

 

 

Culling Mark 選別の印 (2)(G) C

ソーサリー

対象のクリーチャーは、このターン可能ならブロックする。

 いわゆる挑発能力を一部だけ切り出したもの。最近だとこれを更に突き詰めて用途を広げた「死相(GTC)」が赤に与えられていたが、今回はコモンだし、緑なので、シンプルにブロック強制だけを盛り込んだ。緑ならば充分除去として機能するわけだが、格闘させた方が話が早いのだから、何故これが「食餌の時間」と同じコストなのかはちょっと理解に苦しむ。ブロック先を指定するわけではないので「寄せ餌(M12)」のような使い方も出来ないし、タップしたら逃げられるし、合体ブロックを邪魔するわけじゃないのでアタッカーが死ぬことも多いし……どこかこのカードだけの利点があればいいのだが、ほとんど思いつかない。味方クリーチャーが先制攻撃や二段攻撃を持っていれば一応格闘よりも強い可能性はあるが、それって緑の領分じゃないしなぁ。

 

 

Graverobber Spider 墓荒らし蜘蛛 (3)(G) U

クリーチャー・蜘蛛

2/4 到達

(3)(B):〜はターン終了時まで+X/+Xの修正を受ける。Xは、あなたの墓地にあるクリーチャー・カードの数である。この能力は1ターンに1度だけ起動出来る。

 敵対色起動サイクルの緑。色の関係が逆だった「毒々しいカトブレパス」は正直使えないカードだったが、こちらは素のステータスだけでも「大蜘蛛」なので文句なし。「蒸気の精」も「先見のキマイラ」もピタリと止められるし、すぐに上を飛び越えていきそうな「天馬の乗り手」ですら、能力が起動出来ればガッチリ止められる。終盤にはアタッカーとしても大迫力のダメージをたたき出せるだろう。これを見ると、確かにゴルガリカラーは相変わらず墓地戦術を応援しているようには見えるのだが、どうしても戦術が線として繋がらずに点で終わってる気がするんだよね。勿体ない話だ。「神々との融和」をもっとうまく使いこなさないと駄目なのかなぁ。

 

 

Hunter’s Prowess 狩人の勇気 (4)(G) R

ソーサリー

ターン終了時まで、対象のクリーチャーは+3/+3の修正を受けるとともに、トランプルと「このクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、その値に等しい数のカードを引く」を得る。

 イラストが伝説の戸松ジャンプを彷彿させる。いい反り方。コレを見ると、緑というのはドローの第2色なんだよな、ということが思い出される(黒は痛みを伴うので別枠ね)。そういえばテーロスでも「戦士の教訓」なんて手軽なアドバンテージカードがあったが、とにかくクリーチャーを介してドローするのが緑の矜恃。とはいえ、これはちょっとやり過ぎな感もある。「信条の戦士」からこれ、7点トランプラーなんて止められるわけないし、突き抜けたダメージがあれば、1枚じゃなくて点数分ドロー。キレていいところだ。無闇にタッチしやすい設定にもなっているので、3ターン目「天馬の乗り手」から、4ターン目「残忍な発動」、5ターン目これ。えーと、9点トランプル飛行。多分9枚引く。投了していいところだ。そこまで上手くいかずとも、回避能力持ちに打てれば最低4枚は引けるわけで、確実に相手はやる気を無くすだろう。やっぱり戸松はすげぇや。

 

 

Karametra’s Favor ケイラメトラの好意 (1)(G) C

エンチャント・オーラ

エンチャント(クリーチャー)

〜が戦場に出たとき、カードを1枚引く。

エンチャントされたクリーチャーは「(T):あなたのマナ・プールに好きな色のマナを1点加える」を持つ。

 今回はサイクルっぽいようなそうでもないようなものが入り交じっていて色々分かりにくいのだが、このカードは「タップ能力付与」オーラのサイクルであり、キャントリップオーラのサイクルでもある。いや、キャントリップは多分サイクルじゃねぇな。とにかくそういう色んなものが集まったカード。今回アーティファクトに「バネ葉の太鼓」が与えられているがあちらは残念ながらアンコモン。人生の全てをマナ創出に賭けているケイラメトラ様がそんな状態に満足するはずもなく、「楽園のマントル(5DN)」的なオーラを作ってくれた。どんなクリーチャーでも「極楽鳥」になれる素敵オーラ。これまでなら「バーパラはバーパラが1ターン目に出るから意味があるのであって、カード2枚使ってやる仕事じゃない」と文句を言っていたところだが、今回はキャントリップだから大丈夫。「ナイレアの存在」や「豊かな成長(AVR)」と違ってちゃんとマナ加速にもなる。なるほど流石のケイラメトラ印である。今後多色に広げたいなら引き続き緑にいくべきであるし、「乳白色の一角獣」も減るので、マナ加速したいならなんとか確保したい。

 


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「ドキドキ!プリキュア」 5→5

 とにかく1年間お疲れ様。まずはそこだ。特に今作の場合、主演のナバが色々と思いをかけながら頑張っていたこともあって、まず真っ先に彼女の1年間にお疲れ様を言いたい。いや、これまでの歴代戦士たちも頑張ってたわけですけどね。

 今作の最大の特徴といえば、なんと言っても主役であるマナの扱いである。プリキュアといえば、初代が「2人は」と題されていたことからも分かる通り、「たった1人の主人公」の作品ではない。私がしっかり見られたのはここ数作であるが、去年のスマプリは本当に5人が等しく「主役」であるところをキュアハッピーが締める、というポジショニングだったし、「スイート」はメロディの比重が比較的高いが、後から追加されたビート、ミューズには、それぞれメイジャーランドでの過去を巡っての物語が別軸として用意され、「2人+2人」の構成という印象だった。その前のハトプリはえりかの存在感のおかげでやはり「2人」だ。

 しかし、今作は本当に「マナのための」プリキュアであり、「マナによる」プリキュアという絶対的な位置取りが特徴的であった。一応サブを務めるのは六花ということになるのだろうが、彼女のマナへの思いと、脇を固めるありす、真琴の愛情に大きな差があるというわけではない。メンバー全員が、等しく「マナのため」を思い、献身に献身を重ねたプリキュアだった。追加された亜久里とレジーナも、最終的に「プリキュアの正義」ではなく「マナの正義」に引き込まれることになったことからもそれは分かるだろう。ここまで「1人」を軸にしたプリキュアというのは、改めて見ると本当に新機軸だったのではあるまいか。ちょうど、去年の「スマプリ」がゴレンジャーだとするなら、テーマ的にも、「ジャッカー電撃隊」におけるビッグワンみたいなもんである(まぁ、マナはハートだからポジションは違うんだけど)。ってことは、来週から始まる「ハピネスチャージ」はバトルフィーバーになるってことか?(ならない)

 そんな「1人のためのプリキュア」という構図は、1年という長丁場を考えると、良い点も悪い点もあったと思われる。まず、良い点としては、物語の構造が非常にシンプルにまとまり、適正な対象である小さい子供に見やすかったであろう、ということ。絶対正義、涙を見せないマナという存在は、明確にヒーローとして憧れるのに最適な存在であり、「正義のストーリー」として非常に骨子がはっきりしている。悪の組織にしても、マナたちの存在のおかげで最後まで「悪」を貫き通した存在はほとんどおらず、ジコチューもあくまで人間の一側面でしかなく、それぞれの思いによって良くも悪くもあるのだ、という結末も、マナの誇示する「博愛」を無難にまとめた結果と見える。単なる「押しつけの正義」ではなく、「意志を持って自分と回りの世界に思いを巡らせて、初めて正義も悪も現れるのだ」という論説は、情操教育としても含蓄に富んだものであろう。まぁ、そのせいで多少マナの「正義」は強すぎるものにもなってしまったが……それくらい分かりやすい方がいいからね。

 もちろん、その結果現れる難点としては、マナに依存しすぎるがために、他の部分がおろそかになりやすいということである。終盤になるとジョナサンの出番がほとんど無くなり、結局トランプ王国の未来が大丈夫なのかどうかがよく分からなくなっていったし、徹底的にサポートに回されたため、六花、ありすあたりの物語はちょいと弱め。5人全員に平等に活躍してもらう必要は必ずしもないだろうが、出来ることなら「マナを介して」ではない2人の物語ももう少し見てみたかったかもしれない。

 でもまぁ、個人的には「見やすさ」の方が勝っていたんじゃないかな、というのが最終的な評価である。レジーナを巡る問答無用の「愛」なんて強引極まりないのに無理矢理ねじ伏せられてしまったし、作中で一度たりとも迷いを持ったことが無いというマナのその強さは、これまでにない、独特なプリキュア像を作り上げたんじゃないかと思う。他のキャラのサイドストーリーがやや弱いとは言っても、「マナとの関係性」においてはみんなががっつりと描かれていたわけだし、「女の子の友情物語」としてはかなりの高密度である。アイドルに憧れるのと同じように、憧れられるプリキュア像としては、1つの完成形じゃなかろうか。まー、大きなお友達の目から見たら誰が一番人気なのかは分かりませんが。今作はねぇ、個人的にはなかなか優劣がつけられないんだよね。マナを別にしたとしても、ちょっとクレイジーなレベルでマナを愛する六花の姿も素晴らしかったし、静かな狂気を臭わせるありすの存在感も馬鹿に出来ない(最終話の巨大ランスとか凄かった)。最初は中の人のおかげでちょっとビハインドがあったまこぴーも、あまりに阿漕な天然キャラで確実にポイントアップしてたし……あ、亜久里は小学生なので別枠とする(良くも悪くも)。誰か1人選べと言われたら……ダビィかなぁ……。

 というわけで中の人ですが、個人的には最近どっぷりはまっているせいでダビィ&DBの中の人、内山夕実の声が毎週聞けるのが楽しみでした。裏番組である「ダイヤのA」は毎週出るわけじゃないから。あと、ジコチュー側の3人のやりとりも好き。すげぇ贅沢なキャストだったしね。回を重ねるごとにどんどんお茶目になっていくベールが良い。海賊王と少佐とケロン人が力を合わせた敵軍とか、よく倒せたもんやで。

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 あさぬママがツイッターでどこがアドリブなのか教えてくれてるので、それを参考にするとより楽しめる(かも)、第3話。くぁwせdrftgyふじこを音読してるのって初めて聞いたかもしれん。

 今週もとばしてんなー、監督コンテ回かなー、とか思ってたら、なんと今週は大地丙太郎コンテ! 2話のナベシンに続いて大地さんとか! なにこのギャグ軍団そろい踏み。確かに、そう言われてみるとギャグタッチのときの落書きっぽくなるタイミングとか、カクカク揺らす動きとかは大地監督っぽいかもしれない。いや、ごめん、見てる時は気付かなかったわ。多分大地さんと大沼さんって相性いいな。しかも演出澤井孝次さんだし。ほんと無駄に気合いはいってんなー。

 そんなわけで、相変わらずテンションMAXのまま走り抜けるお話。やってることは本当に馬鹿だし、いかにもラノベっぽい展開しかないのだが、流石にここまでの手数を加えられると笑うしかない(ところにより苦笑い)。このアニメって、主人公の耕作が突っ込むしかないんだけど、その耕作もまともでは無いんだよな。浅沼ボイスのおかげで辛うじてこちら側に留まっているように見せてるけど、割と諸悪の根源があいつ、っていうパターンも多いし。この学校は本当に大丈夫なのかと不安になる。一応今回はそこそこ農業っぽいことはやってたけど……鶏舎怖い。もっと真面目に農業感を味わいたい人は大人しく「銀の匙」を観ましょうね。

 そして今回は「大戦」ということで、みのりと林檎の直接対決の模様が描かれているわけだが、まー、みのりの最低なこと。「幼なじみヒロイン」ってのは、もう少し親しさの陰に隠した切なさとか、もどかしさがあるもんなんだが、コイツに限っては一切そうした哀愁は感じられない。耕作に心を寄せているのははっきりしているし、それなりにアプローチもかけているのだが、そのくせに2人の関係性がこんな状態ってのは、よっぽどみのりに魅力が無いのか、それとも耕作がみのりのツンデレのツンの部分を素直に受け止めてしまうくらいにピュアな存在なのか。いや、多分林檎熱が強すぎるせいなんだろうけど。そんな中途半端な状態で現れた林檎を、みのりが一心不乱に叩く叩く。普通の作品の場合、あたしゃ不思議なバイアスがかかって幼なじみを応援する方が多いんですよ。田村さんちの麻奈実さんなんかはその代表例。今作の場合も、先週まではそりゃみのりに頑張ってもらいたいなー、と思って見てたんだけど……これはちょっと……いや、このアニメで応援もクソもないと思うけどもさ。正ヒロインとかねぇし。未だに林檎ちゃんがご執心な理由も分からんし。あ、でも身体だけで言ったら相変わらずみのりちゃんに分があるのか……あと、好き放題やってる謎方言花澤ボイスっていう武器もある。花澤は壊れてる方が楽しい、が持論。放送中に「囮物語」のCM挟むの勘弁して下さい。

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 ジャッジメント、デリート許可! 第16話。国際ガンプラ審判員っていう仕事があるんですね。しかも身内にすらその正体を明かせないような大変な仕事。……ガンプラ関係の仕事って日本国外にもいっぱいあるのかな……ご丁寧に運転してる車のナンバープレートが5931(こくさい)だったのが妙におかしかった。

 今回はキャラが全体的に可愛いぞ! 先週をピークにして、ここまで割とハードな展開が多かったので、久しぶりに完全脱力系のお話でとても素敵だった。冒頭のセイの夢パート、本当にセイきゅんが可愛らしく描かれててね、「この子母親似だなぁ」ってしみじみ思ったわ(まぁ、その後で父親似にもなるんだけど)。このままじゃセイがヒロインになってしまうんじゃないかって思ったら、残りのヒロイン勢が一気に巻き返す活躍を各人でやってくれたのは圧巻。中学生ふぜいがいちゃいちゃしやがってよう。あ、ママンはそのままの自由さでいて下さいね。なんであんなに可愛いのよ、あの人妻。

 ママン、キララちゃん、そして委員長。それぞれに可愛らしさは違ってみんな良いものであるが、流石に今回はアイラちゃん一択。レイジとの絡みも格段に深みが増し、実に見事な夫婦漫才を披露してくれている。冒頭、ソフトクリームを前に幸せそうなアイラちゃんがまず可愛い。あんなに美味しそうにものを食べてくれるヒロインは、ひょっとしたらステーキを前にした春風どれみちゃん以来かもしれない。ずっと日本にいてくれていいのよ。おじちゃんがソフトクリーム買ってあげようね。そして、レイジに絡んできたのがただのひげ面のおっさんなのに、物陰からちょっと悔しそうに見てるところも可愛い。隙あらば出ていってレイジに絡もうと思っていたのかしら。その後の、2人してガンプラ指導を受けているところも可愛い。もう、初期のクールな面影なんて一切ない。ついに笑顔でガンプラを駆るシーンもあって、すごく自然に彼女の中で何かが変わってきていることが分かる。最後に勝利して手を握りあう流れ。あれだけやられてシカトなレイジは不能者なのか。ちょっとした発言で真っ赤になっちゃうセイを見習え(そしてラルさん頑張れ)。

 アイラちゃんの可愛らしさもさることながら、この世界の住人は本当にみんな可愛い。なんてったって、「ガンプラマフィア」なんて厳めしい(?)肩書きのおっちゃんですら、「バトルで負けたのが悔しい」ってんでわざわざ危険を冒してまでして復讐しにくるのだから。秘書のおねーさんは「表沙汰になることはやめて!」と叫んでいたが、まぁ、ありゃ表沙汰にはならねぇよな。単に腹いせでデートの邪魔しに来たようにしか見えないし……任務とか関係無しに、ガンプラバトルで勝ったっていう事実さえ得られれば良かったのかしら。でも、相手は初めて素組みしただけのガンプラやぞ。勝ってもあんまり自慢にならんと思うのだが。しかも負けてるし。

 今回のバトルは、相手側がジオングっていうだけでもなんか得した気分である。以前の触手ジオングはちょっと元の性能からかけ離れていたが、今回は有線サイコミュ機動のオールレンジ攻撃、更に大量のメガ粒子砲乱射と、おそらく史上もっとも暴れ回ったジオングである(ジオング史がどれくらいあるか定かじゃないが)。脚部にクローを装着っていう魔改造なパーフェクトっぷりも面白く、デザインだけでもガンプラマフィアの面目躍如だ。そして、今作のすげぇところは、そんなマジもんのガンプラとSDが同じ軸線上で戦っているのに、一切の違和感無しにこれらの対決が溶け込むこと。ナイトガンダムの時と違って相手も共闘機もリアル設定なのに、SDが滑稽に見えないのってすげぇと思う。

 結論・こんなにストレートにガンプラが作りたくなる正しい宣伝アニメ、すごい。

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 残念なニュースが続きます。この度、「サザエさん」の波平役などでお馴染みの、永井一郎氏が永眠されました。先日の加藤精三氏の訃報からわずかな期間で、「日本の親父」を代表する声が次々と失われていくことが、残念でなりません。

 永井さんといえばやっぱり波平、と言いたいところなんですが、実は私の第一印象は違ったりします。もちろん幼少の頃はサザエさんを見ていたはずなんですが、「その声」という入力があまり無かった。彼の声の第一印象は、「悪魔くん」のファウスト博士なんです。大好きなアニメだったので、その中でも最も重要な役であり、ナレーションも兼任していたために、随分声の印象が強かった記憶があります。加えて、同時期に放映された映画「ドラえもん・のび太の日本誕生」で、大ボスのギガゾンビを演っていて、片や正義の味方の元締め、かたや悪の親玉という両極端な配役に、声優ファンなら誰しもきっかけになったであろう、「これとこれが同じ声!」の原体験があった気がします。未だにギガゾンビの唱えていた不気味な呪文はそらんじることが出来るくらいに印象的だったんですよ。正面からドラえもんと向き合って完璧に倒した敵キャラって、実は凄く珍しいので。

 先日の加藤精三氏の訃報に際して、仲間内で「ジジイの声の声優がどんどんいなくなる」なんて話をしていました。当然そこで永井氏の名前も挙がったんですが、「あの人はあの歳でワイドショーのナレーションまでバリバリやってるんだ、まだまだ現役だよな」なんてことを言っていたんですが、その矢先の報せにショックを隠せません。ニュースによれば仕事先での不幸だったとのことで、本当に「生涯現役」を貫き通したことになります。まだまだ業界の規範として、決して替えの聞かないその仕事をもっともっと聞いていたかったです。つい最近、宇宙ラーメン店の親父として出てきてくれたばかりだったのに。まだまだ激獣拳は武の高みに届いていないのに……。

 

 改めて、ご冥福をお祈りします。

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 新オープニング、良いのではないでしょうか。第3話。ようやく個人にスポットが当てられる段階まで来たので、そろそろ個々の名前を覚える段階だろうか。しかし、各人に色の割り当てがあるのは分かるのだが、全員に動物モチーフがあるのは一体……ガオレンジャーか何か?

 2話までで「立志編」が終わり、3話目はいよいよ「実践編」といったところ。まさかの健康センタードサ回りから、一応テレビ出演が叶い、そこからじわじわと知名度あげる段階に入った。こういう行程って「アイマス」だとあんまり無かったし、「ラブライブ」だと次元が違うのであんまり関係無かったから、ちゃんと描かれるなら割と面白そう。まずライブに来るのが身内だけ、ってのはお約束のバランスだよね。まぁ、「ラブライブ」はファーストライブが衝撃的だったので、アレと比べると穏当だけども。

 お話云々の前に、どうも巷で騒がれている通りに作画状態があまりよろしくないのは残念な部分。正直、前評判で漏れ聞こえていたほどには気にならなかったのだが、どうしてもそういう目で見てしまうと粗は目立つ。ただでさえデフォルメなんかでごまかしが聞かないデザインになっているので、一度崩れてしまうと本当に拠り所がなくなって大変なことになる。そうでなくともヤマカンの芸風で敵を作ってしまっている作品なのだから、余計な雑音を気にしたくない身としては、なるべく傷は見せないでほしいものだが……スケジュール大変なんだろうなぁ。あ、でもオープニング映像は良かったよね。ダンスのバリエーションは増やしてほしいので、そろそろ社長とプロデューサーは「持ち歌一曲だけなんですよね……」って苦笑いするだけじゃなくて、新曲を提供してあげてほしいもんである。

 今回は実波(ミナミ)ちゃんという子にスポットを当てた個別回になっている。天真爛漫、グループ内でも天然の愛されポジション。色々と難しいアイドルの是非に揺らいでいる現段階においても、単に楽しいという理由だけで動いてくれるので、1番目のピックアップキャラとしては非常に使いやすい。アイマスならやよい、ラブライブなら凜の立ち位置か。「アイドルは楽しんでいる様子をお客に見てもらうのが一番」という理想的なテーゼを体現しており、彼女の頑張り(というか楽しみ)のおかげでテレビ放送もなんとか軌道にのり、グループとしてのスタートダッシュも嘘くさくないレベルで成功している。相変わらず容赦無く苦難が押し寄せてくる世界なので、グルメコメントに窮してるところなんかでハラハラしてしまうのだが、その逆境からむしろキャラを立てる方向に進められたり、突然のお婆ちゃんダウンからアイドルとしての責任や自覚を問われる展開になってしまうのかと思ったら、案外お婆ちゃん元気ですぐに現場復帰できたり。これまでの暗澹たる雰囲気に比べると随分さっぱりしていて見やすいお話だった。最初駄目駄目だと思ってたけど、社長は割と話の分かる人だよね。

 ドロドロを描くアニメとはいっても、やっぱりどこかですっきりした「いい事」もないと、彼女らもストレスで死んでしまう。今回みたいに希望がある話をちゃんと挟んでもらえれば、また次へのモチベーションも維持出来るってもんです。まぁ、最後にまた暗雲は出てきたみたいだけども……。とりあえず今回のお話で実波ちゃんの名前は覚えられたので、それで良しとしましょう(あと6話あれば全部覚えられるってことだ!)。

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 すげぇ話やりやがったな、第3話。なんかもう、途中から話と全然関係無いとこでドキドキしてたわ。これ、どこかの業界にすげぇ喧嘩売ってるけど大丈夫なんかな。

 天下無敵のズヴィズダーにも苦手なものがあった。それが煙草。クルクルたちは煙草の煙で弱ってしまうし、ロボ子に至っては煙にまみれると行動不能。他の面々があれだけ怒っているところを見ると、おそらく似たり寄ったりで苦手なものなのだろう(過去に喫煙者だった将軍を除く)。……という設定は建前として……これ、単にやりたかっただけだろ。世間的にも常に議論の的になる喫煙の是非である。個人的にははっきりと嫌煙側の人間なので、今回のお話も苦笑い半分で見られたが、これ、愛煙家にとってはどういう風に映るんだろう。もちろんギャグとして収めてもいるし、あくまでもなんちゃって世界征服の話の中なので、冗談で終わればいいのであるが、最後にどっかでフォローするかと思ったら、一切フォロー無しで終わったもんな。よっぽど煙草嫌いな人間の仕業なんだろうなぁ。フォローに回るはずの明日汰ですら「確かにあいつらは最低な奴らですけど、辛うじて人間です」だもんな。一切の遠慮がない。これだと、流石に最近の分煙ブームでどんどん肩身が狭くなって、必死に気を使いながら吸ってる人には可哀想だった気がする。まー、そうじゃない人間がたくさんいるからこそこういう話も生まれるんだろうけど。最低限、飲食店内は全面禁煙がいいのは事実だよな。今回の中華屋みたいに「一服いいですか」って聞いてくれるような人ってなかなかいないだろうけど、もしいたとしても、「嫌だからやめて」ってなかなか言えないもんなぁ。

 結局、そういう「割と揉めるテーマ」を扱って、単に大規模なズヴィズダーの抗争を描きたかったお話なのだろう。やろうと思えば酒でも麻雀でも出来た話ではあるし。一応、その中で少しだけ将軍とヤスの過去について描かれていたのも注意すべきポイントだろうか。ズヴィズダーに参加する以前から二人の繋がりはあり、更に、将軍はケイトちゃんと以前から面識があった。「俺が死ぬとしたら殺すのは星宮ケイトだ」って、恐ろし過ぎる幼女だ。そして、将軍がスイーツを貪るようになったのは、禁煙した結果であるということも分かった。「いつまでも子供じゃいられねぇ」っていいながらお菓子を取り出す姿はなかなか滑稽である。あれだけばくばく食ってたら、糖分も煙草に負けず劣らず危ないと思うんですがね……。

 あぶなっかしいテーマを除くと、今回も相変わらず可愛らしさ、綺麗さが際だつ作画面に惚れ惚れする仕上がり。町中で喫煙者と嫌煙家を分ける描き込みのタッチの差も面白く、可愛いものはとことんまるっこく可愛らしく、そうでないものは醜悪に描くあたりにたっぷりと悪意が込められていて笑ってしまう。ケイトちゃんがはき出す名言至言の数々は、あの声で声高に叫ばれるからこその中毒性がある。そして、愛煙家を叩くための下準備というか、免罪符というか、ケイトちゃん自身は非常に清廉な存在に見えるようになっているのである。形はどうあれ、家族全員での外食、楽しそうにテーブルを囲み、みんなで丁寧にいただきますをいう光景は、実に微笑ましく、清々しい。ご飯の前にはちゃんと手を合わせていただきます。当たり前のことだが、そういうところから征服は始まっていくのだなぁ。

 今回のお話、キャストの中には喫煙者はいたんでしょうか。個人的に勝手な思い込みから、声優ってあんまり煙草吸わないもんだと思ってる。「美味しんぼ」で悪魔の産物であるかのように描かれていたのと同じように、喉を使う仕事で煙草なんて自己管理を放棄してるようなもんだと。普段女性声優のラジオしか聞かないから男性声優がどの程度喫煙してるのかしらんのだが、どうなんだろうね。「ビーストウォーズ」のアフレコ現場の休憩室はけっこう吸ってたなぁ。自分のイチモツに灰を落として火傷した伝説を持つヤツもおるしな。

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