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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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COPPELION」 5→5

 終わってみれば至ってフツーのアニメではあった。世間への気遣いとか、スタイリッシュ説教エンディングとか、本筋とは違うところでの話題や刺激の多い作品だったのだが、そこ以外はあんまり目立っていなかったというか。

 決して悪い作品ではない。GoHandsの画作りは非常に独特なのだが、おそらく原作絵の持ち味は割とそのまま活かされていたのではないかと思うし(原作知らないから単なる憶測だけども)、割とあっさり目のキャラクターデザインなのに、込み入った廃墟の中で動いたり、いかにもな多脚兵器とバトルを繰り広げても決して浮き上がることなく、きちんと1枚の世界に落とし込まれている。この辺りの制御の仕方は、このスタジオの持ち味と言っていいだろう。画面全体の色味が「青白い」のは好みの分かれるところだろうが、決してそれが足を引っ張っているということはないはずだ。アニメスタジオも群雄割拠のこの時代、多少冒険をしてでも、スタジオ独自の色合いを押し出していくのは大事なことだろう。原作絵を尊重しながらのプラスαならば、原作ファンにも怒られることはないだろうしね。

 難点をあげるならば、やはり第一印象からずっと同じように、「描けない故のもどかしさ」がついて回ったことが残念であった。そりゃこのご時世にあんなことやこんなことを真正面から描くわけにはいかないことは重々承知しているが、そのために世界全体が何となくもやっとしたままで進行し、明らかに台詞回しが不自然になってしまうのは、どうしたってすっきりしない。おそらく何の枷もない状態ならばもっと食い込んだ描写が出来て命のやりとりについてももう少し迫力が出ただろうし、ひょっとしたら世相を皮肉ったキツいネタなんかも入れられたかもしれない。そうした刺激物を全て除去して、「お話のピンぼけした像」を見ているのだと思うと、どうにも勿体ない。いや、ひょっとしたら全部描いてもそう変わらないのかもしれないけれども……どうだったんでしょうね。原作をちょっと読んでみようかしら。

 バトルものやヒューマンドラマとしては非常にベーシックな作りなので、そうした「根底の事情」がはっきり見えてこない部分は純粋にマイナス。スタッフも苦心していたのだろうが、こればかりはどうしようもない。ただ、すっきりしないながらもちゃんとキャラが動いている部分もあって、個人的には中盤以降を支えた小津姉妹は割とお気に入り。終わった後に振り返ってみると単なる気まぐれ馬鹿なのだが、その場その場で一番盛り上がる「敵役」を演じてくれており、バトル展開だけを見れば割と盛り上げてくれたんじゃなかろうか。CVが堀江由衣・坂本真綾と、およそこういう役回りには縁がなさそうな2人を採用しているのも面白くて、特に妹の方のちょっとネジが飛んでる感じが実に良かった。戸松・花澤といった若手で一番ノっている連中を、そろそろ落ち着いた先輩方が叩く構図である。一方その頃、能登麻美子は脇で必死に出産していた。なんかもう、麻美子の出産に立ち会えただけで満足出来た感もあるな。しかし、真綾・鈴村夫妻は競演すると何かと命懸けなことが多いよな……

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 普通のエンディングだー! 最終話。いや、このアニメに普通以外のものを特に期待してはいなかったけども。ちゃんとエピローグがあるアニメは良いアニメ。いや、Cパートの貴弘大暴走ではなくてね。

 ジョスト大会決勝戦。ここがどのような幕引きになるのか、というのは、正直どうでも良い話ではあるのだが、やっぱり気になるといえば気になった部分。決勝のマッチメイクは鉄板の美桜VSスィーリア会長。どっちが勝ってもおかしくない展開だ。最後の最後まで引っ張った結末だったが、どうやら、試合直前に貴弘が美桜のベグライターを申し出たことが逆フラグになってしまったようである。「私は孤独なのだな」と、副会長の顔を一切見ないで漏らした非道な会長に対し、貴弘たち全員が「そんなことないよ!」と太鼓判。そして、この絆を深め、新たな一歩を踏み出す展開とするために、見事にスィーリアは三連覇を成し遂げたのである。残念ながら私の先週の予想ははずれてしまったわけだが、ラストがフェザーズフライ、っていうところだけ何とか当たった。あれだけの熱戦を繰り広げておきながら、最後の最後にフェザーズフライってどうなんだろうね。会長がよほどの奇策に出たってことなのかなぁ。

 決勝戦がどのように描かれるのかは気になっていたわけだが、なんと、オープニングテーマを流しながらのまさかのサイレント・ダイジェスト形式。「大事な部分なのにはしょるのかよ!」と一瞬は思ったのだが、凄かったのは、ダイジェスト風味でも、ちゃんと試合中に何が起こったのかが分かったということ。美桜が「持ち味である動体視力」でポイントを稼ぐと、会長がすぐさま茜の二段好きをコピーして打ち返す、なんてシーンも、実際の戦闘と各キャラの反応できちんとドラマとして繋がる。考えてみれば、ジョストで実際ぶつかり合ってるシーンって、丁寧に描いても割と地味だったりするので(そうでなくても流石に飽きてきているので)、時間をかけずにズバッと本筋だけを抜き書きした今回の演出ってのは理にかなっていたのかもしれない。まぁ、貴弘が授けた「策」とやらはさっぱり分かりませんでしたが。ちなみに、今回のコンテは例の風車回と同じ、吉田泰三氏という方。ええ仕事しますな。

 結局、付け焼き刃の美桜が勝ち残れるのはこれが限度であり、最終的には回りの協力で「仲間」も手に入れた会長が頂点に立つという、とても「腑に落ちる」結末だった。美桜エンドとは言っていたものの、シリーズ全体を通してみれば、最後に貴弘が店外に逃げ出したことからも分かる通りに「みんなが俺の翼だ」エンドである。これが「貴弘の優柔不断さ」に起因するものであるのは間違いないのだが、今作の面白いところは、「全員が不幸になるハーレム」ではなく、各々のキャラにハッピーエンドを用意しながらのハーレムエンドなのだ。美桜は最後にベグライターをやってもらったおかげで面子は保ち、何よりも貴弘の騎士復帰が一番嬉しかったのは美桜であるから、一応メインヒロインらしい立ち位置に収まったはず。茜は元々会長萌えなので問題無いし(「会長、ヌいてもいいですか!」っていう台詞がすげぇ怪しかったよな……)、リサは友情を、ノエルは家族を取り戻してきちんと「結末」をもらっている。唯一残っていた会長についても、今回「仲間」を手に入れるという素敵なご褒美があり、言ってしまえば全員が「貴弘がいなくても別に構わない」状態なのである。こういうさじ加減でのハーレムエンドって、なかなか気が利いてるじゃありませんか。まぁ、もやっとする人はいるかもしれないけどね。

 今週のベルティーユ先輩→ジュースで悪酔い。一応こいつらって未成年だったな……ベルティーユ様に至ってはまだ2年生だそうな。……見えねぇなぁ……。

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 まさかのサムライ戦隊2代目! 第11話。もう笑うしかない展開だよ。いや、しばらく前からそうだったけども。今回だけで一体何人の命が奪われたのだろうか。ギロチンゴリラなんて可愛いもんやで。

 随分前からだが、もうこのアニメを見るときのみんなの気持ちは「この夢はいつ覚めるのかなぁ」だと思う。夢オチだったらどれだけホッとするだろうか、ギャグにギャグを重ねてもう止めることが出来ないところまで来ている。一応起こっている現象としては「インフレ」なんだけど、もうそんな言葉では言い表せない状態だよな。だって、羽佐間って最初はその辺のチンピラにもボコられてたんだぜ。一応原塚さんの武器とかあったけど、フラメンコスーツは単なるコスプレ。それでキングトーチャーを倒したのだから、格段に身体能力が上がっているはずなのである。そして、今回はいよいよそのトーチャーに技術提供していた黒幕が姿を現したという。その名はフロムビヨンド。何か事を起こす時には、わざわざ電波ジャックしてハリウッド映画っぽいPVを流してくれる親切極まりない宇宙生命体だ。あの手作り感溢れるPVが真実なら、その母体は宇宙から来たスライム状の生命体ってことになるか。まぁ、ひょっとしたらそういう「モノ」が飛来することもあるかもしれませんね。

 しかし、問題はそんな敵組織の方じゃない。あの要丈治が、地球を守るために秘密裏に結成されていた秘密組織の司令官として現れたのだ。どうやら前回原塚さんを救出してくれたのもレッドアックスに扮した彼だったということになるのだが……いや、おかしいだろ。このへんで夢オチの限界だろ。いくら何でもこれまでの師匠の言動と、今回の設定はかみ合わせがおかしすぎる。あのおっさんがそんな複雑な腹芸を使いこなせるとも思えないし、そもそもこれまで何も活動をしていなかったはずのフロムビヨンドに対して、政府が万全の対策を打っているのがおかしい。いや、ひょっとしたら羽佐間たち民間人が知らなかっただけで、水面下では政府と敵組織の骨肉の争いが繰り広げられていたのか? いやぁ、でも「トーチャーの事件を期に動き出した」って言ってたしなぁ……どういうことだよ。そして、そんな重要組織に「単なるヒーローオタク」でしかない羽佐間が召集されるのもどういうことだよ。全てが師匠のノリで展開するギャグ世界になってしまっており、前回「ニューナンブで敵怪人を殺す」という何とも現実的な解決をみたトーチャーの事件から、また一段メタレベルが上がった、どうしようもない世界になってしまった。

 まぁ、この作品に対して「どうなってんねん!」と突っ込みを入れるのは完全に思うつぼなんだろうなぁ。もう、何もかも諦めて楽しむしかないんだろう。何もかもを諦めれば、こんなに綺麗な戦隊もの第1話もなかなか無い。唯一おかしいのは羽佐間が既にレッドとして活動していた下地があることくらいで、回りのセッティングは、何度も何度もスーパー戦隊シリーズで見てきた「第1話」そのものである。せっかくなので、秘密基地に集った様々なファクターを確認していこう。

 まず、全員がレッドになるために集められたという仲間達。最後まで羽佐間とレッドの座を争ったのが青島蒼一(CV森久保祥太郎)。もう、名前からしてブルーになるしかない男で、「レッドに対する反感」というサブリーダーの素質を持っている。割と熱血漢タイプだし、確かにレッドっぽいキャラだ。要丈治の付き人として10年のキャリアを持つ立派な「ヒーローマニア」であるが、28歳というとゴーバスターズのリュウさんと同じで、現代の戦隊ではややロートル気味。まぁ、リュウさんもブルーだったからちょうどいい設定かも。搭乗するマシンはフラメンホークで、フラメンロボの背部ウィングおよび腕となる。

 続いて、マスクに「Ⅲ」が刻まれているのはフラメンピンク。中の人は紅一点の桃井桜(CV田村ゆかり)。女だてらにレッドになりたがった強者で、どうやら要丈治の情婦あたりか、もうちょっと穏当にいってこっちも付き人的な立ち位置かと思われる。何故か常に縫い物をしており、必殺技にも特技の裁縫を活かしたものが確認出来る。性格はクール系だが、割と毒舌。搭乗するマシンはフラメンエレファント、ロボの胴体部分となる。

 マスクナンバーⅣはフラメングリーン。中の人は緑川碧(CV豊永利行)で、何故か六法全書を手放さない法律マニア。スーツ姿でも常に眼鏡をズリあげる仕草を続けて知性キャラアピールを欠かさず、どうやらチームではここが参謀ポジションのようである。マシンはフラメンファルコン、ロボの脚部となる。

 そして最後にマスクナンバーⅤはフラメンブラック。中の人は黒木闇児(CV:KENN)。これ、名前なんて読むんだ。常に支給された武器を手放さない武器マニアで、自分で改造しているような描写も見られたのだが、その後実際にぶっ放した時は「どういう仕組みだ?」といぶかしがっていたよく分からない奴。基本的に武器が使えればいいようなので、あんまりレッドに対するこだわりは無いみたい。マシンはフラメンスネーク、合体時は足首部分になる。ちなみにフラメンロボの必殺技はシンプルなソードだ。こうして全員を並べると、チームカラーは赤・青・黒・緑・ピンクで、現役戦隊キョウリュウジャーと同じ色配分になっている。「よくある配分」と思われるかもしれないが、イエロー不在で黒・緑・ピンクなのは、戦隊史上キョウリュウジャーが初である。

 ついでに敵組織であるフラムビヨンドも見ておくと、多数の局員を殺戮しながらも、割とあっさりフラメンジャーに敗北した第一の刺客は「毒毒毒(ぶすどくポイズン)」。なんと、単なる一兵卒かと思ったら「四天王」(そして当然一番の小物)だった。残りの四天王は何か燃えてる「ヒートノイド」(CV堀川りょう)、剣豪キャラらしい「MMM34(みやもとむさし、と読む)」(CV梁田清之)、デザインがぐちゃってる「キリング・ジョーク」(CV上田燿司)の3名。んーーー、弱そうだったな……この時点で四天王ってことは、その奥にいるラスボスを仮定してもフロムビヨンド打倒まで2,3週で足りるような気も……。あ、でも最低限追加戦士くらいはあるかなぁ。

 何がひどいって、こんな完全ギャグ展開なのに加えて、作画も限界を越えてぐだぐだなこと。途中で乗り込んでいた巨大ヘリのデザインとか、移動時の地下坑道とか、本当にネタとしてやっていると思わないとキツ過ぎるレベル。もう、本当にソードマスターヤマトをやってたギャグ漫画日和と同じじゃないかな。この本当に情けない作画までもがギャグだとしたら、流石に罪作り過ぎる。ある意味、キルラキルよりも命賭けてる作品かもしれんぞ。

 しかし、フラメンコガールとは何だったのか…………。

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「ガリレイドンナ」 5→3

 今期最大のがっかり作品。まさかここまでのものになるとは思っていなかったが……本当に「何もない」作品だった。

 たとえるなら、企画会議の冒頭で提出される企画書が、そのままアニメになったような作品。「三姉妹が活躍します」「ガリレオの子孫です」「月のスケッチを探して世界各国を飛び回ります」「空賊や、世界的エネルギー企業の暗部と対決します」。なるほど、面白そうなアニメだ。プロモーションの時にはさぞかし盛り上がることだろう。で、肉付けは誰がやるの?

 先日知人と話していて、今作のがっかり感に関して「セイクリッドセブンに通じるものがある」と言われたのだが、言い得て妙である。あの作品も、様々な設定がばらまかれ、アイディアが出てきて、「なるほど、面白そう」と思ったが、結局その「思いつき」をばらまくだけで何もせずに去っていった。あのときは「え? これ1クールかい!!」と仰天したものである。本作についても全く同じで、どうやら風の噂では、企画段階で2クールだったものを、無理矢理1クールにねじ込むように指示が出たらしい。確かに、この企画で2クールなら何となくイメージはしやすそうだ。しかし、実際放送されたのはわずかに10話のみ。この中では、ガリレオの遺産の謎が描けるはずもないし、複雑に絡んだ人間模様も無理。あげく、3姉妹それぞれの活躍すらも描かれず、全話を通して「ヘイ! ほっちび恰好いい!」と賛美するだけのお話になってしまった。まー、星月が可愛いのは事実なので、それだけでいいと言えばいいのだが……いくらなんでも回りをぶん投げすぎである。

 「2クールものの残滓」として見れば、きっと途中で星月との交流も空しくミサイルに倒れた幼子カップルにも、きっともっと大切な物語があったのだろう。わざわざタイムスリップしてまで出向いた元祖ガリレオとの触れ合いも、多少なりとも自然なもので、もっと星月のメンタリティに影響をあたえる大きなイベントだったのかもしれない。しかし、全ては悲しきダイジェスト放送。これじゃドラマなんて描けるはずがない。誰1人として幸せになれない「お話の脱け殻」が残されただけだ。このような結果になったことについては、作り手側も様々な懊悩があったものと推察されるが、残念ながらノイタミナ枠にしては珍しく「駄作」と断じざるをえない。

 唯一救われる部分があったとすれば、それはやはりクリアに描かれた映像面である。別段特徴的なものというわけではないが、女の子が可愛く描けていたのは事実だし、豪華なキャストに彩られて、三姉妹の短い日常生活もそれなりに華やかではあった。日高里菜・大久保瑠美・真藤圭の安定感のある仕事ぶりは評価しても問題ないだろう。あと、金魚役の久野美咲。今期は「ログホライズン」でも活躍しているが、着実に脳髄を揺さぶる声質である。まだ役者としてのスキルを安定させるには時間がかかりそうだが、確実にニーズがある人材なのは間違いなさそうだ。ぎょぽーん。

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「アウトブレイクカンパニー」 5→5

 じわじわくる枠。「オタク要素+ファンタジー」というラノベ界隈ではすっかりお馴染みとなった組み合わせだが、ここまで開き直ってその要素だけをぶっ込まれると、なるほどこれはこれで新鮮であった。

 基本的にラノベってのはオタクの理想をどれだけハッピーにかなえてやるか、というところに勝負がかかっており、中二病要素が強いファンタジーやハーレムものが人気になるのは、多くの消費者がそれを求めているからだ。そんな中で新たな1つの狙い目として、「オタク文化が日の目を見る」という展開がある。普通ならばこれは「冴えないオタクがファンタジー世界で特別な力がもらえる」という形で表示され、たとえば「イクシオンサーガDT」なんかは分かりやすいサンプルだっただろう。オタクに都合の良い世界を作り、「俺たちだってきっと何かやれるんだ」という儚い夢を、ある意味とても残酷な形で叶えてくれる。

 この作品は、その路線を更に突き詰めたものである。異世界にいき、オタク文化に造詣が深いだけである意味「勇者」になれるのである。それだけでも何らかの欲求を満たしてくれていることになる。また、「オタク文化が他国を侵略するための武器になる」というのも、そうした文化が表に出ることを望んでいる人間からしたらご褒美になるわけで、「理想の個人」を越えて、「理想の世界」を体現するまでに至った設定の潔さは、ありそうで無かった、実に良い着眼点だった。もちろんそれだけではシナリオラインの説得力は万全とはいかないので、ある程度ギャグのベールで覆い隠す必要はあったが、そのくらいの「なんちゃって世界進出」の方が、肩の力を抜ける分だけ見やすかっただろう。まぁ、そのためにラストのシリアス展開がなあなあになってしまう温床にもなったのだが。ある程度「締め」のエピソードは欲しかったところだが、どうせだったらもっと日本政府を悪辣にして、派手な見せ場を1つ作って欲しかったもんだけどね。結局テンプレ以上の「お役所」で無かったのは描写力の限界か。

 結局、ダラダラと進行する物語なのでなかなか鮮烈な印象には残りにくいのだが、度を超えたパロディ要素の連打はこの作品の特権的なものであり、そこに力を入れた脚本構成はなかなか面白かった。個人的興味はやっぱり中の人いじりに向いており、メインキャストたちの代表作って一体何がカウントされるんだろうな、なんてのをニヤニヤしながら見守っていた。うん、やっぱり渕上舞はキュアロゼッタを使うしかないよな。そして、面白かったのは内田真礼の執拗な「ガッチャ!」推し。真礼ならもっと色々あるはずなんだけどね、使いやすいのがそのあたりになるのかな。他にも花江君、三森といった面々が作品の垣根を越えた(?!)コラボレーションで引き笑いみたいな妙な笑いを提供してくれていたのは、メタ要素で笑いを取りに来る無難な構成だったと思う。本多真梨子の代表作で「ゆるしてヒヤシンス」だったのは……いや、あってるのか? 流石に、監督が自作品(みなみけ)で自虐ネタをやったのはどうかと思ったが……確かにこの人って監督作品これしかないんだな。別に自虐するほど悪い作品でもなかったろうに。

 その他、流石に萌えをメインにしているだけにヒロイン勢の設定や描写は堂に入っている。世間的にはペトラルカ・ミシェルの2強ということになるだろうが、個人的にはみのりさん、エルビアの中二病コンビが気に入ってた。エルビアは純粋に犬っ子可愛い。そしてみのりさんの物怖じしない腐女子エナジーや、ナイスバディの無駄遣いがロリ度数高めの世界では際だっている。まれいは本当にどんな役でもきっちりはまってこなすことが出来るので素晴らしい。

 でもまぁ、早晩この国って崩壊するよな…………。

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「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」 5→6

 くそっ、俺はチョロいな。楽しかったですよ。当初予想していたのとは全然別方向ではあったのだけども。

 「艦隊もの」「潜水艦もの」というのは、実はアニメでは割と地雷だった気がする。ヤマトみたいに宇宙まで行ってしまえば問題無いのかもしれないが(いや、どこぞのスペースオペラガラスアニメは置いておくとして)、実際海にいる「艦」というと、今の若い子は知らないタイトルも多いだろうが、「タクティカルロア」「タイドラインブルー」「絢爛舞踏祭」と、どれもこれもパッとしない印象しかなく、個人的には「潜水艦アニメ」というだけで身構えてしまったものである。何故「艦」が地雷になるかといえば、それはやはり、アニメとしての華が無いから。動きや色味がこれほど見せにくい設定もなく、本気で潜水艦の中を描くのだったら、「BLACK LAGOON」のエピソードのように、艦の中に亡骸が転がってじっとりしていた方がよほど真実味があるだろう。今作は3Dデザインの先駆的存在となったサンジゲンの手による作画が注目されていたわけだが、どれだけ精巧に、どれだけシャープに描いたとしても、どうせ限界はあるだろうと思っていた。

 実際、その予想は当たっていたと言っていい。確かに今作のCGワークは素晴らしく、最終戦まで使われた大艦巨砲主義の権化のような艦隊戦は見事なものだ。しかし、この程度のものは、昨今ならば他の作品でもよく見かける。「大砲を発射すると恰好いい」だけでは売りにならないのである。いくら迫力を出しても、しょせん潜水艦の中では広がりに限度があるのだ。

 しかししかし、この作品の本質はそこではなかった。なんと、当初は絶望的にあわないと思っていた「3DCGによる女の子」が、可愛かったのである! なんだこれ? 動きはまだ不自然なのに! なんかもっさり動いてるはずなのに! 可愛い! 畜生……まさか艦隊ものだと思ってたらハーレムものだったなんて………………うむ、良い仕事だ。OK、私はこの作品に屈した。「戦艦を女の子にしよう」なんて安易な考えに丸め込まれた。仕方ない、それだけきっちり女の子たちが頑張ってくれる作品だったのだから。欲を言えば、メンタルモデルの陰に完全に隠れてしまっていたイオナクルーたちにももう少し活躍して欲しかったのだが(割とキャラ濃いのにね)、まぁ、そこはヒロインズが輝きすぎたせいだと思って諦めよう。

 既に何回か記事をあげているが、まずはタカオだ。ちょろい。真っ直ぐにツンデレ、そして一途。男の欲望がそのまま形になったようなヒロインだ。CVはぬーさんだ。ずるい。ハルナだって負けてはいない。CMで何度も「しゃきーん」を繰り返されるのは反則だ。幼女と接触することで殺戮兵器が幼女に成り下がるというのは素晴らしい発想だ。コート装着フォームの得も言われぬ愛らしさも、本当にナイスデザインである。そして、今作を見事に着地させた立役者となったコンゴウさん。なんとも見事なゆかなヒロイン。最終話だけを見れば彼女も結局単なるヤンデレだったわけだが、あの高貴な顔がぐしゃぐしゃになり、身も世もなく暴れ回って堕ちていく様を見ているだけでも悶絶もの。人形のような無表情も今作の特色であるモデリングにマッチしており、本当に透明感のある美しさが際だつ。独特の色味のおかげで紫色のナイトドレスも優雅に見え、無骨な戦艦とのギャップもひとしお。彼女のキャラが完成しただけでも、今作は意義があったといえるだろう。

 しかし、これらのヒロインたちを押しのけて……やっぱり僕はキリシマちゃん!! っていうかキリクマちゃん!! あー、ヨタロウ可愛いわ〜〜あれだけシリアスだった最終話ですらもエンドレスで可愛かったわ〜〜テーブルから降りようとして足が届かないところとかたまらないわ〜〜。ほんと、今作は途中からキリシマさんとハルナを見るためだけに見てたな(途中からコンゴウさんもたまらなくなったけども)。ビバ、内山夕実!

 というわけで、戦艦バトルアニメの皮を被った、熊を愛でるためのアニメであった(俺の中ではね)。続編希望。もしくは「キリシマさんの一日」みたいなサイドストーリー希望。「ピカチュウの夏休み」的なね。カーーーーーニバルダヨッ!

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 命懸けでもこのユルさ、第12話。このとぼけた雰囲気は、この作品ならではの味。そして、毎回コロコロ変わるキャラデザの妙もこの作品の味。今回はこのちょっとまるいデザインがしっかり似合っていた。次回予告を見るだけで来週は来週で凄まじいことが分かって期待だ。

 襲い来るヤンデレズ妹さん。憧れの手品を磨きに磨いて愛しい姉に接近し、めでたく布団を共にすることに成功。隣には余計な茶々を入れる部外者もいるが、箱に押し込めちゃったから多分大丈夫。これで姉も喜んでくれるだろ、と思っていたのに、なんか反応が薄いので目の前で色々と暴れて見せた。宙に浮く規格外のでかさのソードを見て、事務所の面々もそれぞれに集まってきて世紀のマジックショーを観劇。その中にはついでにやってきたざくろちゃんの姿も確認出来る。半妖軍団・妖怪軍団がよってたかっていなしにかかるも、話が分からないままで姉妹は空へ。ぼちぼち本気でヒメを排除しにかかったりらさんだったが、元老院のあんちゃんの手にかかって戦意喪失。最終的には、岡目八目で姉妹のいざこざを見ていたヒメの一喝により、姉の方がこれまでのわだかまりを吐露して全てすっきり。めでたしめでたしとなるかと思ったが、当然最後に出てくるのは円神である。我らが秋名も現場に駆けつけ、いよいよ次週は最終決戦となる。

 うむ、あらすじだけまとめてみると、確かにユルくなるのも仕方ないかもしれない。中心になっているのは単に「お姉ちゃんスキスキ」といってるヤンデレズであり、回りの人間も、命を守りながらも「仲良くすりゃいいのに」と思っているだけだもの。そのついでにダイナミックなマジックまで見せてもらえたし、そんなに目くじら立てるような出来事でもなかったのかも。まぁ、半妖ですらなかったりらさんがあんな特大魔術を披露できた理由はよくわからんのだが……その辺の説明は次週なされるのでしょう。何でもありのフィールドを駆け回る愉快な仲間達が、いつも以上に愉快な絵で描かれていたので、なんだか無闇にポップな感じだった。ことはとざくろさんが出てくるとギャグっぽさが強めになるのだけど、半妖って基本的に脳天気なんだろうかね。ことはは、見えそうな時には微妙にパンツを見せない構図になるくせに、荒事になると遠慮なくモロ見せになるのである。

 その他、マジックショーで見せる特大ソードを映す構図でその巨大さが度肝を抜くものであることが分かりやすかったし、1つ1つの芝居も実に丁寧で、ラストシーンで大見得を切る秋名も実に恰好良かった。こういう芝居がしれっと出てくるのがこの作品の一番の見どころなのかもしれない。もう、バトルとかいいからずっとこの連中ののんびりした日常をこのクオリティで見ていたかったなぁ。

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「ぎんぎつね」 5→6

 良いアニメ化だった。今期は「のんびり田舎アニメ」を銘打った作品に「のんのんびより」があるわけだが、あちらはキャラにエキセントリックなのが多いし、実はファンタジー田舎なのであまり現実味がないので、実際「のんびり田舎アニメ」としての完成度が高いのはこちらの方だったのではなかろうか。まぁ、その分あっちはキャラが濃いのでギャグとしてのポテンシャルが高いけど。

 原作は読んでいないが、おそらく堅実に、確実に原作をアニメ化したのだろう、ということが感じられる作品。筋立てが素直なのでドラマが観やすいのに加えて、各々のキャラの心情もあせらずにゆっくりと見せてくれるおかげで非常に共感を得やすい設定。大きな事件などが無い分、些細な悩み事や決心などが焦点となっており、ある意味では「日常もの」と言ってしまっても良いカテゴリになっている。そして、そんな日常の延長線上にサラッと「神使」を置いており、銀太郎たちの存在感までもが自然に日常の一部に溶け込むような感覚が得られる。こういう何気ないアニメってのは、やっぱり癒し効果が高いです。ディオメディアの作風も最近ではすっかり安定しており、今作の作画は原作絵の良さをきちんと維持しつつ、持ち味である色のメリハリが風景から浮き上がらずにきちんとアニメらしい華やかさにも繋がる絶妙なライン。派手さはないものの、原作ファンにも「アニメ化して良かったな」と思ってもらえるだけの品質になっていたのではなかろうか。まだまだ原作ストックはあるだろうから、是非とも2期目を実現させてこの世界の広がりを見せて欲しいものである。

 そして、こうしてゆっくり見られる作品のセールスポイントとして、中の人たちの芝居もしっかり聞けるというのがある。今作の冴木神社は、実はものすごい割合で本能字学園関係者とリンクしているという謎の符合があり、最終回で集まった面子の中には、鮮血と流子をはじめ、美木杉先生、満艦飾弟までが顔を連ねている。比較対象があると声優の本領が楽しめるのでホント素敵。やっぱり僕は関さんが大好きです。この空気はかけがえの無いものだ。もちろん、そんな素敵なお父さんに支えられたまことも実に可愛らしく、ひーちゃんボイスの魔性を改めて確認出来る。どこか胡散臭さが抜けきれないミキシン銀太郎も、懐のでかさが感じられてナイスだ(ただ、やっぱり「恋物語」の直後には見ない方がいいかもしれない)。真面目くさったときの小清水も味わい深いし、「ぎんぎつね赤﨑」もいい存在感。そして、個人的なMVPは、ハル役の藤村歩。もう、ハルちゃんが可愛すぎて登場後は心奪われっぱなしだった。モフモフ小動物はたまりませんな。きゅんきゅんする。やっぱり小動物は動いている姿を見てナンボだ。是非とも2期を作って、ハルちゃんの勇姿をまた拝ませて欲しい。

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「機巧少女は傷つかない」 5→4

 うーむ、盛り上がらなかったな……ラノベ作品だし、この手のファンタジーバトルものは十把一絡げでまとめてしまうきらいがあるが、今作の場合はそんな十把の中に完全に埋もれてしまったように感じられた。

 今期も相変わらず多かったこのジャンルの作品。どこで差をつけるかと言えば、シナリオには限界があるのでどうしたってキャラ依存になる。今作は、ヒロインのキャラ作りはそこまで悪いものではない。淫魔設定の夜々がかなり頑張ってくれていたし、サブヒロインのシャルも割と魅力的な要素は多かったと思う。ただ、やっぱり脚本で輝かないのがな……バトルの描写があまりに淡泊なんだよねぇ。放送開始当初は、夜々が「拳で戦うヒロイン」ってことで独自の見せ場が作れるかと期待していたのだが、今作は映像的にはそこまで見るべきものが無く、戦闘に戦術を使う機微がなくなってしまう分だけ、夜々が脳筋キャラであることがマイナスに働いてしまっていた。シャルも技にバリエーションがあるわけでなし、敵キャラも判で押したように決まった行動を、指示通りに行っているだけだ。学園内の構造が掴みにくく、「夜会」がなんなのかも全体像が見えず、各々が戦っている信念が伝わってこないのも微妙。そういう意味では、雷真&夜々チームよりも、戦う理由が見えていたシャルの方がキャラとしては感情移入しやすいくらいだった。

 そして、今作一番の特徴というのが、「俺修羅」と同じ原画でのバトルという、何とも不思議な違和感を与えるキャラクターデザイン。上手くはまればいい意味で違和感が際だつ見せ方があったと思うのだが……個人的には結局「違和感」のままで推移してしまった。本当に、「向いてないけどなぁ」としか思えず、戦闘の緊張感が一段落ちるような、かみ合わせの悪さばかりが気になった。夜々がオラオララッシュしてもそこに重みが感じられないし、真剣勝負しているシーンでもどこか嘘臭さが残る。最初に持ってしまった印象がぬぐい切れなかったのが残念である。制作陣はこの「違和感」のことを承知した上で利用しようとして失敗したのか、それとも単に無頓着だったのか……。

 もちろん、悪い面ばかりではなく、面白いポイントもいくつかあった。前述のように、シャルのキャラはサブヒロインとしては割と良い出来で、中盤以降の夜々とのバランスの取り方は、バトルものではなくハーレムものとしては悪くない。終始一貫してぶれることがない夜々の強さに助けられて、「バトルさえなければそれなりに楽しそう」という期待はあった。まぁ、これもひょっとしたら中の人ラジオの力が大きかったのかもしれないけども。ダチャーン&下野お母さんの安定感が尋常じゃないよね。そして、個人的には高本めぐみがしっかりとキャラを押し出せたのは嬉しかった。めぐたん、ガンガン来い。もっと来い。この2人が絡んで担当していたエンディングも実に電波でナイスでしたよね。今作はエンディングがあったから視聴出来たと言っても過言じゃないから。

 結論・マウンテンはらださんはアニメそのもののプロモーションにあんまり向いてない気もするけど、最終的には視聴させるだけの何かがある。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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