忍者ブログ
最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
[952] [953] [954] [955] [956] [957] [958] [959] [960] [961] [962]

「悪の華」 4→6

 登場時には大きく騒がれた本作だが、いざ終わるとなると、案外しっとりと、静かに幕を閉じるものである。これは序盤で客が離れて声のでかい連中がいなくなったためなのか、それともみんな無事にこの作品のテイストに慣れて、落ち着いて楽しめるようになった結果なのか。どちらが正解なのかは分からないが、少なくとも、その実験的な姿勢には良きにつけ悪しきにつけ、様々な見るべき点があったのは事実であろう。

 ロトスコープ撮影という前代未聞の手法を採用して話題を呼んだ「悪の華」。最初に見た時の感想は新番チェックであげてあるわけだが、正直、拒否反応の方が強く出た。やはり長らく「アニメ」というものに触れてきたために「お約束」は自分の中で完成しているわけで、その枠外に現れたものを評価する軸自体が存在していなかった、というのが正直なところである。しかし、それも無事に13話の放送を終えた現在ならばいくらか冷静に見ることが出来るようになっている。もちろんまだまだ議論の余地はあるだろうが、話題性も含めて、本作は期待された仕事を、なんとかこなす健闘を見せたのではないだろうか。今ならば、最終話でこれまで蓄積した鬱憤を全て叩きつけるような非常に暴力的な構成も含めて、非常にテーマに合致した、理知的な演出方向だったと認識することが出来るだろう。

 改めて振り返るに、「画が違う」というだけで作品を非難するのはおかしな話であった。きちんと「何故その絵にしたのか」ということを考え、理解出来るように見なければならない(もちろん、制作側は理解してもらえるように作らなければならない)。「画がおかしい」ことで評価の俎上から外れるなら、既にシャフトは埒外である。今作の場合、何しろ現実を元にしているわけで、他のどんなアニメよりも「リアル」の度合いは強い。ロボットアニメの戦闘シーンや萌えキャラのライブシーンを見て「ぬるぬる動く!」「すげぇ描き込み!」と賞賛するならば、こちらの「リアル」だって認めてしかるべきだし、今作の「リアル」にはきちんとそれを描くだけの意味があった。

 もちろん、事情はそんなに簡単ではない。「リアル」に求めている要素が違う、ということもあるが、この作品の採用したロトスコープというのは、単にリアルをそのまま転写する道具ではない。新番チェックの時にも触れているが、あくまで画像情報はデジタルに処理されており、普通のアニメよりも更に一段デフォルメされる部分も出てくるし、「描き込まれない」ために不具合を起こす部分も多い。遠景ではリップシンクが再現されずに誰が話しているか分かりにくかったり、奇抜なコンテが使えないためにどうしたってカメラワークが単調になったり、単純な画像処理の面での難点も多い。しかし、やはり「背景に現実があると分からせること」の意味というのは大きい。昨今はやりの「聖地作画」なんかに通じるものもあるが、「アニメの裏に実写が潜んでいる」ことが認識出来るだけで、その映像の近さというものは突然跳ね上がる。今作の場合、求めていたものは正確なコンテでもなければ生々しい動きそのものではなく、あくまでも「そこにリアルがあった」という空気感であろう。単調を超えて動きすら見せなかったカメラワークや、極力音響を廃した音の無い長尺などののっぺりした画面にもそれが伺える。生身の人間があの事件を引き起こし、生身の人間たちが山道を泥だらけになって逃げ回った。その中に隠れる「悪の華」の存在感さえも、「後ろにいる演者」と一緒に現実から切り取ってきたかのような、倒錯した「リアリティ」が実現する。べったりと重たく張り付くようなテーマ性の作品であるだけに、この奇妙な現実感は、表現技法としては非常に面白い効果があったのではなかろうか。

 結局、ロトスコープのおかげで何が得られて、何が失われたのか、ということをきちんと最後まで見定める必要がある。個人的な感想を簡単にまとめておくと、この作品がロトスコープになったことで失ったものは「必要とされるディティール」と「自由度」であり、その対価として受け取ったものは「不可解な現実感」である。立派に作品として成立したことを考えるならば、このトレードはややプラス方向に傾いたと受け取ってもよいのではなかろうか。模範解答だとは思わないが、1つの例解として、充分に議論するだけの価値あるものだと思う。

 その他の要素についても1つ1つ見ていけば面白い要素が多く、話題性の一因ともなっていたオープニング、エンディングテーマの使い方なんかもこだわりが徹底していて見事である。キャストの起用法についても、多少のノイズを伴ったとしても主人公はベタベタの新人を起用して視聴者を不安定にし、そこを安定したヒロイン勢のキャストでねじ伏せる、という配置は実は凄く計算されていたのではないか、とも思う。いや、やさしい雨が案外良かった、とかは計算外だと思うけども。松崎、アニメに出られた上にアフレコで声優陣と一緒とか、死んでもいい状況やないか。そして、今期はコレ→フォトカノ→ハンタと進むと恐ろしい伊瀬茉莉也アワーが体験出来る恐ろしいタイムスケジュールだったりする。いい仕事してましたよ。

拍手

PR

Abomination of Gudul グドゥルの嫌悪者 (3)(B)(G)(U) C

クリーチャー・ホラー

3/4 飛行 変異(2)(B)(G)(U)

〜がいずれかのプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたはカードを引いても良い。そうしたなら、あなたは手札を1枚捨てる。

 なんかカードイメージが「古老の熟達(CON)」にやたら似てる気がする。色使いの問題かな。そして実際のカードも何となく雰囲気は似てなくもない。さておき、今回のセットはご存じの通りに多色セットなのだが、実は、1パックを開けた時に登場する多色カードの混入率(開封比というらしい)は、アラーラやラヴニカといった純正多色環境よりも低く設定されている。これは、ブロック全体が「多色ブロック」ではないため、とのアナウンスが出ており、今後のセットの多色の扱いが気になるところ。で、なんでこれだけ多色のカードがあるのに開封比が低いかというと、実はコモンの多色カードがほとんど無いからである。コモンに回されているのは各クランにつき1枚ずつの5枚だけ。つまりこの「多色コモン」は5枚サイクルを形成しているのだ。全て6マナで変異5マナを持つクリーチャーで統一されており、能力はそのクランごとにまちまち。スゥルタイの代表であるこのクリーチャーは、そこそこ骨太なフライヤーとして与えられ、ダメージトリガーでルーターを誘発する。この能力のおかげで墓地が溜まってよりスゥルタイ戦術が捗るって寸法だが……パワー3のフライヤーが殴れてる時点で割と優勢ではあるよね……。素体は弱くないので文句は全くないのだが、やっぱり能力のまぜ方が地味である。

 

Abzan Ascendancy アブザンの隆盛 (W)(B)(G) R

エンチャント

〜が戦場に出た時、あなたのコントロールする各クリーチャーに+1/+1カウンターを1つ置く。

あなたのコントロールするトークンでないクリーチャーが死亡するたび、1/1で飛行を持つ、白のスピリット・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 各クランに配備された隆盛サイクル。このサイクルはコストが楔3マナの全体エンチャントであり、そのクランの特性を表現した能力がなにくれとなく与えられているのが共通仕様。実際、あんまりサイクルで共通点はない。忍耐と+1/+1カウンターがトレードマークのアブザンは、当然カウンター絡みの能力を持っており、出しただけで全軍が増強され、アブザンボーナスが一気に全軍に行き渡る。いわゆる頌歌系のエンチャントと違って後続のクリーチャーに影響を与えないのが悩ましいところだが、出すタイミングさえ調整すれば、シナジー度の高まった全体増強装置として問題無く使っていけるだろう。そして、下の能力はそんなアブザンモードとあんまり関係なさそうな、いい加減にクソ強い補助モード。なんと自軍全員が「宿命の旅人(ISD)」状態。カウンターに依存するため、普通は1体のクリーチャーを失うと痛手が大きいのがアブザン戦略の悩みだが、このカードさえあれば、1体の損失を大きく低減することが可能であり、このカードを複数枚入れておけば、重ね張りした分だけ誘発するのでトークン祭りが日夜開催され、更に後続が続くとトークンがもりもり育っていくという。意味が分からない。いくらか悠長なカードではあるが、制圧力は相当なもの。

 

Abzan Charm アブザンの魔除け (W)(B)(G) U

インスタント

次のうちから1つを選ぶ。「対象の、パワー3以上のクリーチャーを追放する」「あなたはカードを2枚引き、2点のライフを失う」「対象の、1体か2体のクリーチャーに、+1/+1カウンター2つを分配する」

 チャームサイクルのアブザンは、なかなか通好みの仕上がりである。まず、看板である白モードは他のチャーム同様の除去になっており、なんと「セレズニアの魔除け(RTR)」の上位互換。セレズニアの「パワー5以上」でも相手の要所を潰せるおかげでかなり強かったのだが、こちらは更なる汎用性を手にし、リミテッド、構築を問わずほぼ狙ったところを殺せるようになっている。もう、この効果だけでも構築クラスの出来。おかげで残りはやや地味だが、黒モードはいつ使っても困らない「血の署名」。どうしても除去モードで使いたくはなるが、相手エンド時にやることがなかったらこっちで使ってしまっても問題無いだろう。そして最後はインスタント版「旅の準備」である。アブザンデッキならばカウンターをのせることの重要性は今更説明を待たないだろう。つまり、「チャーム便利」。もう、5枚全部このまとめ方でいいわ。

 

Abzan Guide アブザンの先達 (3)(W)(B)(G) C

クリーチャー・人間、戦士

4/4 絆魂 変異(2)(W)(B)(G)

 多色コモンサイクルのアブザン版。普通に出すとすごく普通だが、変異で出してもやっぱり普通。まぁ、「暁駆けの聖騎士(M14)」のパワーが2だったことを考えれば、5ターン目にこいつが表になって4ライフゲインとか言われるのは結構な事件かもしれない。やはりこのサイクル最大の売りは色事故防止ってことになるんだろう。アブザン3色だからってこいつを入れても3色揃わないなんてことはザラだろうが、それでも変異状態ならとりあえず置いておける。オンスロートの時は数合わせで一切表にならない「オフカラー変異」なんて選択もあったっけなぁ。殺してみたら13/13だったりして笑えるっていう。

 

Anafenza the Foremost 先頭に立つもの、アナフェンザ (W)(B)(G) M

伝説のクリーチャー・人間、兵士

4/4

〜が攻撃するたび、対象の、あなたのコントロールする他のタップ状態のクリーチャーに、+1/+1カウンターを1つ置く。

クリーチャー・カードがいずれかの領域からあなたの対戦相手の墓地に置かれる場合、代わりにそれを追放する。

 アブザンのカンであるアナフェンザさん。せっかくの女性ヒーロー(ヒロイン)なのだから盛り上がってもいいところなのだが、イラストを見てもあんまり美人って感じじゃない単なるおばちゃんなのであまり盛り上がらない。こんなんなのに4/4ってんだから、よっぽど載ってるヤギ戦車が強いんだろう。3マナ4/4のハイパフォーマンスなのでもちろん弱いわけではないのだが、2つつけられた能力はやたら地味。1つ目はジリジリと味方軍勢をサポートする能力で、別にアブザンの長久持ちなら1人で出来るやん、っていう内容。まぁ、長久を起動してタップしたクリーチャーに更に載せることも出来るし、恒常的に使えるならばどんどん差が広がっていくのだから勝負を決める能力ではあるのだが、単体で機能しにくいし、このおばちゃん自身に戦闘のサポートは特にないので、延命措置まで考えるのはちょっと面倒。下の能力に至ってはスゥルタイの探査能力者がちょっと苦労する程度で、環境に直接影響を与えるものではない。墓地利用が盛んな下の環境なら「安らかな眠り」や「墓掘りの檻(DKA)」といった露骨な墓地対策カードを使わずともナチュラルに対策してくれるのが魅力だが、だからといってそっち系のデッキ対策をこのおばちゃんだけでまかなえるとはとても思えないので、結局サイドボードにその手のカードは必要だろう。まとめると、やっぱ何か中途半端な気がする。3色っていうとどうしても期待してしまうのだが、劇的に強くなるってわけではないんだよね。「ロクソドンの強打者」より強いんだから充分っちゃぁ充分か。

 

Ankle Shanker 足首裂き (2)(R)(W)(B) R

クリーチャー・ゴブリン、狂戦士

2/2 速攻

〜が攻撃するたび、あなたのコントロールするクリーチャーはターン終了時まで先制攻撃と接死を得る。

 なにこれ怖い。5マナで2/2という虚弱体質はゴブリンとしても情けない限りだが、力が弱いのはその分のカロリーを全部頭脳労働に回しているため。攻撃をちょいと宣言するだけで、味方全体に先制接死のパッケージ。言い換えれば「全軍ブロックすんな状態」である。確かに、赤で速攻、先制が白で接死が黒だからカラーリングはばっちり合ってるんだけど、このかみ合い方は尋常じゃない。必死に「あれはこっちでブロックすればいいし、あいつはこうして……」とか考えているプランが、コイツの登場で全部パーだ。後は座して死を待つのみ。この決定力はヤバい。防御の時に一切訳に立たないあたりが流石のマルドゥだが、そんなことは問題にならないレア。あと、一番驚きの事実としては、この人(ゴブリン)、女性らしいんですよ。マルドゥでは名の知れた熟練の戦士、踝脛のヤシミンという。……うそぉ。

 

Armament Corps 軍備部隊 (2)(W)(B)(G) U

クリーチャー・人間、兵士

4/4

〜が戦場に出た時、対象の、1体か2体のあなたのコントロールするクリーチャーに、+1/+1カウンター2つを分配する。

 まだまだカウンターをのせる気概に溢れ続けるアブザンの追加部隊。5マナ4/4のボディで2倍「サテュロスの木立ち踊り」である。別に対象を分ける必要も無く、最悪の場合でも自身が6/6になって立ちふさがる。アブザンボーナスが事前に用意出来ていればこの1枚で戦局が劇的に変化するし、そうでなくとも単体で充分なファッティなのだから使うことになんら躊躇いはないだろう。しかし、ほんとこいつら建物ごと移動するの好きだよな……。

 

Avalanche Tusker なだれの大牙獣 (2)(G)(U)(R) R

クリーチャー・象、戦士

6/4

〜が攻撃するたび、対象の、防御側プレイヤーのコントロールするクリーチャーは、このターン可能ならブロックする。

 土地破壊が大好きな私は、もう名前が「Avalanche」から始まるというだけでなんだか期待してしまう病気にかかっているのだが……誰だてめぇ。なんかもう、普通だ。レアの割にサイズも割と普通、そして能力もまぁ普通。どの辺が象で、どの辺がなだれなのかよく分からない。別に弱いわけじゃなかろうが、初めて開けたタルキールのパックから出てきたレアがコイツだと、多分すげぇテンション下がる。「パワー4以上のカードだから大事にしてよね!」ってことだろうか。ティムールの未来に一抹の不安を感じざるをえない。

 

Bear’s Companion 熊の仲間 (2)(G)(U)(R) U

クリーチャー・人間、戦士

2/2

〜が戦場に出た時、4/4で緑の熊・クリーチャー・トークンを1体戦場に出す。

 稀によくある「トークンが一緒についてくるよ」シリーズ。緑や白ではお馴染みのスタイルだが、青や赤ではなかなか無いので、そこだけ考えるとティムールっぽさはないのだが、「パワー4連れてきたよ!」という部分はそれらしいといえる。これより1マナ軽いトークン生成クリーチャーである「大使の樫(MOR)」が1/1と3/3、1マナ重くなって「都邑の庇護者(GTC)」だと1/1と4/4飛行なので、3色であることを考えてもそこそこ及第点といったところだろうか。当然この手のクリーチャーならバウンスやフリッカーなどで出し入れすればトークンが稼げるというのが加点要素になるのだが、残念ながらこの世界にはそういうギミックはあんまり無い。ファッティが足りない時に数合わせにはなるか。

 

Butcher of the Horde 軍族の解体者 (1)(R)(W)(B) R

クリーチャー・デーモン

5/4 飛行

他のクリーチャーを1体生け贄に捧げる:〜はターン終了時まで、警戒か絆魂か速攻のうちあなたの選んだ1つを得る。

 流石にここまででかいと洒落にならない。4マナ5/4フライヤー、もう、何の能力もなくてもこれだけで充分デッキイン出来る。3色のこのジャンルだと「塔のガーゴイル(ALA)」という先輩がいるが、このデーモンの場合、速攻ビートのマルドゥ戦略というバックアップがあるので存在感は更に上。そしてもちろん、レアなので追加の能力まで。他人の命はちゅるちゅる吸うが、適当な雑魚を消費して速攻パンチで5点追加。殴れもしない雑魚が立ってるくらいなら俺がディフェンスもやる、という警戒。そしてピンチの時にはちょっとライフ貰ってくるわ、の絆魂。どれもこれもそのガチムチボディを活かした万全の備えである。アタックさえすればいくらでも蘇る「血に染まりし勇者」との相性は最高で、彼は一度アタック宣言されたターンなら何度でも蘇ることが可能なことを利用し、4マナ払って5/4警戒絆魂とかやりたい放題である。この秋はマルドゥがアツい?

 


拍手

「よんでますよ、アザゼルさん。Z」 5→6

 やっぱり凄い作品だと思う。こんだけゴミクズみたいな内容なのに、この下世話さがきちんとギャグとして完成している。このひどさを無理矢理でもアニメ化しようと思った業界の判断も恐ろしいが、それを更に斜め上から投げ返す水島努が一番の畜生だと思う。以上、全部褒め言葉。

 正直、どんなものでも2期目だったらいくらかパワーダウン(というか視聴者側の慣れ)は覚悟すべきだろうと思っていた。実際、1期目ほどの新鮮さは無いわけだし、個人的に一番楽しみだった佐隈さんいじりも1期に比べれば少なめ。苺の戦士の再来は叶わなかった。しかし、この作品の凄いところは、そうした「期待通りの楽しさ」を安直に引き継ぐのではなく、「こっち方向でも酷いネタがあるよ!」「こんな方向でもまだまだゲスいよ!」と、四方八方から最低なギミックが飛び出して来ること。正直、どのエピソードも全部クライマックスみたいな扱いだから1番を選ぶことは出来ないのだが、どのお話でも「あぁ、あれは酷かった……」と嘆息できる見事な仕上がりである。みんな活き活きしすぎだ。敢えて1番好きなのを選べと言われれば、佐隈さんが一番卑猥な目にあった博物館が好きなのだが、最終回もやたら動画に気合いが入ってた上、どんどんアザゼルさんが可愛く見えてくるのでかなり困った。CV小野坂昌也のおっさんが萌えキャラになるって、恐ろしい事態ですよ。

 ということで、アニメのクオリティとしては望むべき最高水準で実現していたので、あとは中の人の話。今期はアンダインメインでかっ飛ばしたエピソードで、その脇を「普通の女の子で可愛い甲斐田裕子」と、「水島努の無茶振りにも一切動じない斎藤千和」が固めるなんて一幕もあったが、その他「明夫、仕事選べ」とか「ミキシン、仕事選んだ結果がこれかも」とか。出演声優がみんな揃って仲良くやけどしていたのがステキ。しかしこんなに中の人が楽しそうな現場も珍しい。音響監督からギャグボール渡される現場って、労働法かなんかに引っかからないものだろうか。どビッチの釘宮とかもなかなか見る機会のない素晴らしいものであるし、どんな絵でどんなキャラでも、最終的に不思議と可愛く見えてくるのが不思議なものだ。キヨコもそうだけど、龍神湖のときのヤリマン小清水とかも不思議と可愛いんだよなぁ。

 まぁ、一番可愛いのは佐隈さんなんですけどね。サトリナに卑猥なことを言わせつつ冷たい目で見られ、罵られるとか、どんな異次元空間だろうか。アザゼルになりたい。

 

 

「波打ち際のむろみさん」 5→6

 こちらもとても嬉しいアニメ化でした。ただ、原作ファンの立場からは、スタート時点では正直「どうせ大してメジャーにならない作品だろうし……」とか思っていた。どうやら世間的にも割と受け入れられたみたいでとても幸せである。

 成功要因が何だったのかはなかなか分析しにくいのであるが、元々が「単発でキャラの魅力を押し出すだけの作品作り」というのは昨今の萌えアニメ、しかもショートアニメというスタイルにかっちりはまった部分がある。15分×1クールという尺を考えれば、登場したヒロイン勢の数はかなり多いといえる。むろみさんを中心にひいちゃん・富士さん・隅田さん・リヴァイアさん・いえちー・ハーピー・宝満さんに乙姫と、これだけのヒロイン候補がひしめき合っていたのだ。それぞれが好きなように自己アピールするだけの野放図な脚本だったわけだが、あまり大筋を期待せずに済む時間枠だからこその成功と言えるのかもしれない。あとはまぁ、元々原作自体、多少なりともオタ文化を前提とした作品作りだし、考えてみりゃ、アニメになった時にネタが動かしやすいっていうのはあったんだろう。

 無事に顔見せ出来たので、まだまだ広がるむろみワールドのストックを活かした2期目以降にも期待したい。キャラクターのバリエーションだけならいくらでも続けられるくらいに残弾はあるのだし、個人的にはもっと見たいキャラクターがいくらでもいる。今作の監督はこれが初作品らしいのだが、なんともレトロな雰囲気を醸し出すバックグラウンドも含めて、良い意味でユルくぬけたむろみワールドが綺麗に画面に出ていたと思う。一歩間違えば単なる押しつけだらけのギャグになりがちなところを、キャラの魅力を根底に置きながら振り回してくれた采配も良かった。是非とも続きをこのスタッフでやってほしいものである。

 当然、そうなれば中の人も続投出来るわけでね。いやぁ、田村ゆかりとむろみさんの親和性の高さは想像以上であった。その他のキャストも外れが1つもなく、富士さんなんかはアニメーションの奥に中の人が透けて見えるかのような出来。リヴァイアさんの泰然自若とした不可解なまでの大物感も中の人まんまだし、乙姫のどこか世間から外れてしまったようなうらぶれた感じ(ひどいな)も、中の人の残念さが魅力としてにじみ出ていた。あと、意外と大事なのが、ハーピー役の酒井香奈子。一時期はあの没落したラムズの看板の1人として活躍していたが、事務所のごたごたもあって、なかなか名前を見る機会が無かった。それでも、やっぱり「地獄少女」ファンとしては頑張ってほしいのですよ。ラムズは嫌いだったけど、所属声優に罪はないわけだしね。

 2期が出来たらまた色々と新キャラも見られるのだろうが、私の中でたっくんの先生は藤原啓治以外に無いんだ。見た目まんまなんだよな。

拍手

「変態王子と笑わない猫」 5→5

 今期、良くも悪くも一番ラノベラノベしい作品だったと思うのがこれ。よって、私はこれを毛嫌いする。と思ったら大間違いだ! 俺、案外ちょろいぞ!

 そりゃね、メインとなる脚本部分はそりゃ色々残念ですよ。最初は「何かと引き替えに願いを叶える猫神様」っていうアイディアから始まった物語で、そのために横寺とか月子が大変な目にあったはずなのに、途中からそういう交換条件の話とかさっぱり無くなったし(一応「与える」側と「引き取る」側というトレードで説明はなされていたが)、猫神様は無限増殖するし、力の使い方は無限解放だし、その間特に理由も無いのに横寺はモテ続けるし、「進撃の巨人」と続けて放送するせいで中の人的にギャップがきついし(最後の1つは番組に一切責任は無い)。そういう意味では、やっぱり「取るに足らない」中身だったのは事実。一歩間違えれば「被弾のアリア」とか「さくら荘」と一緒にJCラノベ共同墓地に埋葬してしまっても問題無い結果になっていただろう。

 でもね、割と嫌いじゃなかった。ヒロインの阿漕さが威勢のいいところまで行っていたので好感が持てたのだろうか。いや、多分それ以前にデザイン面が良かったのかな。飯塚さんのデザインはシンプルさがよくも悪くも際だつのだが、この作品の場合、やたら艶っぽい色彩設定で見た目が鮮やかだったので、なんだかヒロイン勢に可愛らしさが2割増しに見えた。月子、小豆あたりはそのままでいいんだろうけど、中盤の伏兵、鋼鉄おねーさんの残念っぷりとか、どこまでも「阿漕可愛い」を追求した内容は臆面もなく「イイネ!」と言えてしまう。序盤のミッションが「本音と建て前」で、ツンデレもクーデレも馬鹿も(!)、本性丸出しでガンガン性格をアピール出来たのはキャラメイクの側面としてもプラスで働いたのかもしれない。

 結局、そういうヒロイン勢の個々の表情を見てるだけでそれなりに楽しめたんですよね。最終的には月子が締めたわけだが、月子の「控えめなのに何故か正妻ポジションから動かない静かな狂気」って、他のヒロインの見せ場を作りながらもゴールは明示させる、割と便利なセッティングだった気がする。あのぼそぼそ声で噛み付くだけなので、たとえ嫉妬心をむき出しにしてもあんまり修羅場っぽくならなかったのでずっとユルいイメージのままで進展できたし。んー、こうして振り返ると、やっぱり筒隠姉妹のキャラ設定の勝利かなぁ。いや、勝ちっていうほどドはまりしたわけでもないんだけどね。これくらいの「ラノベも仕方ないなぁ」っていう作品が1期に一本くらいあってもいいかな、という感じ。

 中の人については、今作でボチボチ小倉唯の立ち位置を見定めてもいいんじゃないか、という気がした。彼女については今まで上手いと思ったことはあまり無いのだが、それを前提としても、やっぱりあの声は天性のもの。ちゃんと活かせるように本人が意識して役作りを行い、それをうまく使えるキャラの受け皿さえあれば、充分に一枚看板として見られるものになる。月子は持ち前の阿漕さが極まったキャラで、非常に親和性が高かった。役者としては流石にこの方向だけで売るわけにはいかないだろうが、まずはこういうところからしっかりと地固めをしてくのがいいんじゃなかろうか。あとはまぁ、娘ほども年の離れた唯ちゃんと姉妹役を演じた年下(17歳)の人は言わずもがな。やっぱりブレないよなぁ。あ、もちろん小豆役のきゃりさんもいい仕事してましたよ。そして、梶君はやっぱりこういうところで使うとしっくりくるなぁ、というのが。今期は横寺のせいで進撃とかヴヴヴとか、色んな作品がギャグになってたなぁ。

拍手

6月28日 ドラフト模様(DGM,GTC,RTR

ピック順 【Thraxi】→【Mei】→【Metallica】→【Serra】→【Alessi】→【Sangriter】→

 

 アニメ最終回ラッシュだから通信とか書いてる余裕は無い。

 

拍手

「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE2000%」 5→4

 やっぱり分からん世界やな……いや、無理に理解する必要はないんだろうが……結局「カーニヴァル」の感想を書くのは断念したが(あまりにも真面目に見ていないため)、こちらは一応記録として残しておくことにした。まぁ、1期と全く同じ感想ですよね。「知らんがな」と。

 2期になって何が変わるだろう、という部分に関心を持って見ていたのだが、あのエキセントリックな1期がヒットしたわけで、わざわざ基本骨子を変えてくるわけがない。だったら、1期の感想が「分からん」だった人間の2期の感想が「分からん」になるのは道理であろう。それどころか、ただでさえアクの強い連中が集まっている状態から始まり、1期は反目するシーンも多々あったが、2期になると基本的に7人は一致団結した状態で戦っているため、よりホモホモしぃエネルギーに満ちており、ダメージ総量は更に大きくなっている。これは厳しい。あげくラストはあり得ないレベルでスピリチュアルな方向へと飛翔し、もう二度と帰ってくることはなかった。……まぁ、いいんじゃないかな。これを楽しみにしているファンがいることは確認したし(理解は出来てない)、実際、アニメとしての映像面のぶっ飛ばし方なんかはやっぱり良くできてるはずだし。単に、それらが全て私には「分からん」方向というだけだし。

 意外だったのは、セシルが正式メンバーになって7人体制がデフォになったところか。1期で6人にしっかり客がついたのだから、敵は出しても味方は増えないと思ってたからね。上級生の3人が出た時点で「あー、こいつらが今回の敵なんやなー」と思ったらあっという間に空気になって別な連中が出てきたのは笑った。ウィングが出てくると矢作パイセンが困っちゃうからやめてあげてよ!

拍手

「非公認戦隊アキバレンジャー シーズン痛」 ー

 相変わらずの中身で、予想以上にパワーダウンはしてなかった、恵まれた2期目。まぁ、あのエンディングを見ると、果たして信夫達が恵まれていたといえるのかどうかは謎だが……その辺の振りきった感も含めての悪ふざけ第2章。1期目とはまた違った方向に、堂に入った「間違え」っぷりでした。

 今期なんと言っても注目したいのは、とにかく恵まれていた悪役側の扱いである。メインとなる公認様の方でレジェンドの招き入れが出来ずにちょっと物足りなかった(オリジナルキャストだと登場したのってキバレンジャーの声だけ?)のに対し、悪役側は実に手の込んだ作り込み方。もう、今シーズンは「非公認戦隊アキバレンジャー」ではなくて「非公認悪役ツー将軍」と言った方が正しいような存在感。堀川りょうの恐ろしいまでの溶け込みっぷりもそうだが、多岐にわたる悪役怪人の作り方や、最終的にはとてつもなく大きな存在になってこのシリーズを代表するキャラに成長したマルシーナとの関係性、やることやった後の穢れを知らぬ歯科技師としての普通っぷりなど、実に見事なネタキャラ。前回は「係長」で統一されたところを、次元獣にゴーマ怪人、トリノイドにモンガーなどなど、様々なシリーズから懐かしのテイストを持ち込んだ他、幹部クラスを仕立て上げるために伝説のスーアクさんに(ちゃんとギャラを振り込んで)声をかけるなど、本当に悪役好きにはたまらないシチュエーションが満載だった。ツー将軍、またどこかで活躍する姿が見たいですね。

 もちろん、そんな悪役と対峙するアキバレンジャー側も色々と頑張っていたわけだが、「流石にその造形はどうよ」と突っ込まざるをえないレッドのパワーアップや、最後まで立ち位置が決まらないふわふわしたブルーの存在感など、1期のときほどのインパクトには至っていない(まぁ、そういうふざけた状態まで込みでのアキバレンジャーだと思うけども)。やっぱりレジェンドを1人でも投入してくれれば話は違ってきたと思うんだけどなぁ。まぁ、それだけ信夫たちが1枚看板として役目を果たせるようになったんだ、と好意的に解釈してもいいのかもしれません。毎週なんやかんやで笑わせてもらってたのは間違いないしなー。特に今期は、ファーストシリーズから1年が経過していたおかげでこちらも公認様の知識を蓄えることが出来ていた、というのがありがたい要因だった。八手三郎の思惑通りなのか、丁度「ダイレンジャー」「ハリケンジャー」あたりはYoutubeと連動して放送を見ていたので、色々と小ネタも拾いやすかったし、ツー将軍がリタイアした後にカー将軍が壮絶な最期を遂げたり、ちゃっかり公認様とのコラボも実現しているのである。サンバルカンもそうだし、今期は意識してYoutube放送との合わせ方を番組の仕込みに使っていたんだろうなぁ。

 さて、問題は、あの終わり方で3期があるのか、というところだが……まぁ、あんまり悪ふざけも長く続けすぎるとダレる危険性があるので、ひとまずこの辺でびしっと終わらせておくのが無難なのかもしれない。多少時間が経ってほとぼりが冷めてから、思い出したように3期が始まることはあるかもしれませんね。色々「無かったことに」するのはお家芸だし。個人的には、相変わらず博士の可愛らしさが際だっていたのでそこさえ新しく続けてもらえればなんの文句もないんだけど。博士、ホントにいいキャラだよねぇ。すげぇナチュラルに年相応の役が出来るんだよなぁ。見事なもんです。

 それにしても、最終話のイエローフォーは笑っていいものかどうか困ってしまった。タイムファイヤーとかアバレキラーもいたけど、後ろの2人は内心「死んだっていってもこいつとは事情が違うけどな……」とか思ってそう。

拍手

「DD北斗の拳」 5→5

 安心のブランド、大地丙太郎。なんでもかんでも監督でくくっちゃうのは間違いのモトだが、今作については、「やっぱり大地さんは安定して笑いを取りにくるよなぁ」ということでいいのではないでしょうか。純度の高い大地作品、実は久しぶりな気もする。

 別に毎週かぶりついて見てたわけでもないし、何が面白かったかと聞かれて思い出せるほどに真剣だったわけでもない。多分、あと2週間もすれば大体忘れる自信がある。なんか近くにやたらと思い入れが強いらしい知人がいたので引きずられてしまった感があったのだが、どこをどう振り返っても「普通のギャグアニメ」である。でも、それでいいと思うんですよ。アニメってのは元々社会現象になったり、爆発的に原作が話題になったりするもんじゃない。こうして1クール、さらりと流れてそれとなく幸せを置いていってくれるだけでも充分なんです。ホントにしょうもないギャグもたくさんあって、見てる瞬間だけ「馬鹿だなぁ」って言えればそれで充分。終わってしまうことがちょっと寂しい、っていうだけでもアニメとしては成功ですよ。

 それだけだと流石に物足りないので、一応この作品ならではの良かった点もあげておこう。まず意外だったのが、これ、原作とは割と設定が違っている、ということ。アニメが始まってから立ち読みした「ゼノン」を見てびっくりしたのだが、原作の方はもっと大人しくて、「よくこれをアニメ化しようと思ったな……」ってなくらいのもの。まんがタイムきららに載っててもなんの不思議もない水準。それがアニメになるにあたって、色々とオリジナル要素を足していった結果、なんだか奇妙なキメラが産みだされた部分がある。特に象徴的なのは、あまりに独特なショッカーO野によるナレーションだろうか。聞いているうちにだんだん癖になってくるあのテンションに加えて、メタを突き抜けたナレーションいじりとかも混ざって、よい具合のカオスを演出していた。また、そうしたカオスの中でも一定の線引きが出来ていて独りよがりにならなかったのは、やはり「北斗の拳」という大安定の原作があったおかげだろう。これを期にざっと原作を読み返したわけだが、下手したら原作の方がこっちよりもギャグとして突き抜けている部分などもあるわけで、やっぱり読み継がれ、語り継がれるものはそれなりの理由があるものだと再確認。そんな偉大な先人を頂いているのだから、それなりの取れ高が期待出来るのは当然といえば当然。

 あと、馬鹿馬鹿しいキャスティングの楽しさね。実は意外に少ない気がする、「純度の高い堀江由衣と釘宮が同時に楽しめる作品」である(今期だとあとハヤテくらいなんだよ)。そして、アイリの中の人とかもステキよね。案外こんな絵でも萌えキャラは可愛かったのではないかと思っている。リンの中の人は、今後アニメ声優とかやるチャンスあるのかなぁ。戦隊あがりの面々って、アフレコ慣れしてるおかげなのか、下手な新人よりよっぽど安心して聞けるんだよね。

拍手

「革命機ヴァルヴレイブ」 5→4

 実を言うと、12話放送後に終了していたってことに気付かなかった。いつも通りに見終わって放置していたのだが、そのうちに「あれが最終回だったのか」みたいなネットの情報を見て「え? マジ??」と確認した次第。うん、そういえば2シーズン目の予告入ってたね。いや、でもあれで終わりってのは流石に……なぁ。

 何かと話題に事欠かない作品であった。「シナリオの支離滅裂さ」が叩かれ始めたのは割と早い時期で、それが笑いものにされるまでもそこまで時間がかからず、最終的には一周して持ちネタみたいな扱いになっていた。基本的に、わたしゃこの「一周して面白い」っていうのは良くない傾向だと思っているので、あかんシナリオ面については素直に「あかん」と思っている。ただ、これを見ていて内省的によく思い出されるのが「コードギアス」の存在。脚本の大河内さんがやっていた、ということで色々と似たような点も見受けられる作品で、比較しようと思えば様々な角度から比べることが出来るだろう。そして、何故か私は「ギアス」は大好きだったがこの「ヴァルヴレイヴ」はしかめ面で見ていたのである。こうした事態に関して、「お前はギアス好きだったじゃない、支離滅裂具合ではギアスだって似たようなもんだろ!」と言われると、なるほどそうかもしれないと思えてきてしまうのである。実際、エルエルフの立ち位置は主人公ルルーシュと似たようなものかもしれない、という気もする。

 ただ、一応いくつか思いつく相違をあげておくなら、エルエルフの持つ「策略」には、「すごさ」を説明する意識はあっても、「理由」を説明する意識は無い。ルルーシュの場合、1シーズン2クールという尺の余裕もあったおかげで、「いっつも困ってる器の小さい人間だけど、策士として自信があるつもりの面白い奴だよ!」というフォローが充分に出来ていたのに対し、エルエルフの一人旅団っぷりは、「そういう肩書きもあるから、とにかく凄い奴なんです」と回りが説明しただけだ。予言の力はどうやら能力じみたものでもあるらしく、そこにあるのは知略ではなく単なる才能。それに盲目的に従ってしまうハルトを見ていると、どうにも不安になってしまう。そしてもちろん、宇宙戦争を舞台にしている壮大なシチュエーションだけに、「学校が独立国家」とか、「戦時中だけど授業はやるよ」とか、およそリアリティを求めていない設定のひどさは、ギアスの比ではないだろう。突然歌い出す謎とか、ツイッターを利用した薄ら寒いコミュニケーションの描写とか、流石にネタとしても受け入れがたいガジェットの量はこちらの方が圧倒的に多いのではなかろうか。

 しかし、実のところ、これらのシナリオ上の齟齬についての不満は、この作品に文句をいう上では半分に過ぎない。一番の不満は、「松尾監督とプレスコの無駄遣い」という部分に対してである。1話のときにも不安材料としてあげたのだが、やはりこの作品はどう考えてもプレスコ向きではない。キャラが多いというのもあるし、シナリオの無茶をテンポで押し切る構成上、丁寧な心理描写や情感たっぷりの見せ方とは対極にある作品だ。もちろん中の人たちの努力のおかげでプレスコならではの素晴らしい熱演が見られる部分も多々あっただろうとは思うが、その恩恵をかすませるぐらいに、プレスコであることのデメリット、つまり作画面での処理不足が目立つことになってしまった。製作期間に制約があるためなのか、それとも作画陣が「声に合わせたコンテ構成」に慣れていないのか、他のサンライズ作品と比べても、明らかにアニメ画としてのクオリティは1段落ちる。ロボ戦のパートはおそらく別行程で処理しているだろうから問題ないのだが、学園パートなどで人がちょっとでも増えると、一気に力の抜けた描写になってしまうのは最後まで受け入れられなかった。このくらいのレベルの作品だって多々あるのだから贅沢ではあるのだが、やはりサンライズアニメなら、普通の制作スタイルであればもっと質の高いものが作れたであろう。アニメとしては「絵の説得力」が落ちてしまう選択肢は、やはり間違っていると思うのだ。

 まぁ、そうした作画面での厳しさを緩和するための分割2クールである。10月に始まる2シーズン目では、もう少し上のレベルでのクライマックスを見せて欲しいものである。この1期目でネタっぽいものは仕込みつくしたと思うので、少し馴染んだ「ヴヴヴ」ワールドのぶっ飛んだ世界観で、何か面白いものが見られることは期待してます。

 最後に中の人の話。上述のように、なかなかプレスコによる恩恵は実感しにくい作品ではあったが、それでも若手も交えて見せてくれた生の息づかいはやはり面白い部分も多い。個人的には、サキ役の戸松が持っていた相変わらず自由な演技プランが頭一つ抜けていたように感じた。役柄の制約もあるだろうが、メインヒロインの瀬戸ちゃんがなかなか吹っ切れて見せられる部分が無かっただけに、かき回し屋の戸松が美味しいところを全部かっさらっていった印象。男性陣ではメインの逢坂君もそこそこの仕事だが、エルエルフ役木村君と絡んだ時の掛け合いになると良い案配。でも、最後の最後は最終話で悠木碧の奇跡が全部持っていきましたけども。既にプレスコを経験していたっていう強みはあるのだろうが、やはりあおちゃんは化け物だと思います。

拍手



忍者ブログ [PR]
カレンダー
02 2025/03 04
S M T W T F S
20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
ブログ内検索
カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
ーーーーーーーーーー
↑越えられない壁
沢城みゆき 斎藤千和 
中原麻衣  田中理恵  
渡辺明乃 能登麻美子
佐藤利奈  佐藤聡美
高垣彩陽   悠木碧
最新CM
[03/20 な]
[03/17 朝美砂織]
[03/07 とみしの]
[02/28 とみしの]
[02/18 な]
バーコード