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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」 6→6

 いやぁ、今期も無事に終わり……ませんね! ここまでぶつ切りの終わりってのは流石に想定外。これでもいつもより多い12話あったというのに……。

 微妙な幕引きを向かえてしまった作品。そりゃま、劇場版デザインは最近ではあまり珍しくなくなってきているが、まさかコレにまで適用されるとは思ってなかった。永遠に終わらないコンテンツな空気はあるのだから、このまま5期6期と続けてくれればいいだけだと思うのだが……尺の問題なのか、流石に枠が取れなくなってきたのか。いやぁ、でも今の御時世、確実に一定の数字が取れるアニメ作品なんて希有な存在、なかなか手放されないと思うのだが……角川は一体どういう方向を狙っているのか。

 本作の売りは大きく分けて「Fate的バトル」と「幼女」があり、ufotableUBWとかを差し置いてわざわざこっちを観るってことは後者の要素が大事ってことになるのだが、残念ながら今期は後者の要素がやや控えめ。最終回で何とかフォローしようと急激にぶっ込んできたが、なんかお得意様に対するちょっとしたアフターケアみたいな感じになっている。まぁ、バトル部分も充分見応えのあるものになっているし、「SILVER LINKの本気」が見られるだけでもそこまで大きな不満ではないのだが……やっぱり、3期のような濃厚な幼女百合成分をもっと摂取したかったですかね。イリヤがちゃんと主人公していてあまりギャグを入れる余地がなく、そもそも世界の危機だからあんまりギャグってる場合じゃないって問題もあり、「百合」というより「幼女どうしの熱い友情」みたいなニュアンスのシーンが多かった。

 とはいえ、今期はエリカやベアトリスといった新たな幼女(?)枠も増えたし、よりダイレクトにイリヤ×美遊間の関係性も掘り下げられたので、決して幼女要素がなおざりになっていたというわけではない。比率こそ減ったものの、そっち方面の要素を採用する場合には今作でしか成し得ないような濃厚な描写も多かったし。あんまり垂れ流しすぎてもお得感が無い、ってんで出し惜しみしていた部分もあるのかもしれない。くそぅ。問題は、劇場版が封切りされたとして、これを観に行くかどうかなんだよな……チケットを買った瞬間に、「どうも、その手の紳士です」って自己紹介してるようなもんだしな……いや、劇場にプリキュア観に行ってる人間が何を危惧してるんだって話だが……。もし劇場に行って「バトル」要素オンリーで「幼女」要素が皆無だったらポップコーン投げつけることになるし、もし幼女要素がてんこ盛りだったとしても、同じ劇場にいる紳士仲間とどう距離感を保っていいのかも分からないし。色々不便な世の中である。

 とりあえず、完結させずに投げっぱなしにしたことについては確実にマイナス点なのだが、それを差し置いてもやっぱり今作は唯一無二の存在意義があるし、決して手抜きされていたわけではなかったというので評価は昨シーズンまでと同じとしておく。エリカや田中など、新しいキャラがいい仕事していた部分を素直に評価したいのである。あと、最後の最後に凜が「こんな子供になんて過酷なお願いをしてしまったのだろう」って後悔してるところが個人的にツボ。もう4クール早く反省しろよ。

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NEW GAME!」 5→5

 安心の動画工房クオリティ。まぁ、それさえ言っておけば今作のことは大体片が付くんじゃなかろうか。とりあえず、「阿波根が森永千才」っていう事実が未だに受け入れられてない自分がいるよ。この子の極端な発声は認識不可能なんだよ。

 昨今のアニメは、超絶作画クオリティを売りにしたものか、なんだか絶望的な作画で視聴者から心配ばかりされるものか、妙な二極化が進んでいるような気がするのだが、その分け方で言えばこれは当然前者の方。動画工房クオリティは安定するに決まっているし、監督始め各回のコンテ演出陣もベテランが揃い、文句のない「アニメーション」が出来上がっている。そういう意味では、「可愛い女の子の日常アニメ」としては文句のないアニメ化だ。しかし……やっぱり内容がなぁ……。「きららアニメなんて全部こんなもんやんけ」という乱暴な意見に対してもあまり反論する気は起こらず、実際に「ごちうさ」とこれに何か決定的な違いがあるかと問われればしばし考える必要はあるのだが、やはり、「女の子しかいない夢のきゃっきゃうふふ空間」と、「残業完徹当たり前の修羅場社畜生活」という、相反する2つの側面を合体させた作品というキメラなデザインが最大の難所だったのではなかろうか。だって、私も含めて「こういう」アニメを観たい人間って、癒しを求めて、キャッキャウフフを求めて、キマシを求めて、エロを求めて作品を観ているわけでしょう? だったら、そこに余計な現実が介入するのは足かせでしかないと思うんだけど。世間では「仕事に疲れたおっさんたちが全部可愛い女の子に置換された夢物語」なんて揶揄もあったが、確かに、この世界の「異様さ」はそうしたホラーにでもしないと受け入れがたいものがある。いくらなんでも社屋の中に女性が多すぎ、いや、男性が1人もいない……。「ごちうさ」の街中だって男なんてほとんど見かけたことはないが、あっちはもう、「世界のどこかにあるファンタジーな町並み」だから気にならないんだ。きっと「シムーン」みたいな世界なんだ。でも、この作品は違う。会社が、社会が、現実がある世界を最低限の前提にしているはずなんだ。そこにどうにも整合性を得ることが出来ず、見ているこちらの脳は完全なる需要を拒絶してしまうのだ。

 だから、基本的には「ネタ」部分に笑える部分なんてのはない。社会人あるあるやらOLあるあるやらゲームクリエイターあるあるやら、そういうものは全部虚構なのだ、この世界には無いものなのだ。私が認められるこの世界の現実は、八神先輩とりん先輩の長年連れ添った熟年夫婦のような完成された百合具合と、ねねっちが時たま見せる妹のような青葉への目線。そうしたものだけを上手いこと抽出して、この作品を観るしかないのだ。毎日頑張ってお仕事をしてる人間にとってはダメージが入る作品になっているかもしれないが、仕事してない人間だって「現実」で殴られたら痛いんですよ?!

 というわけで、「映像は文句なしだけど中身がナー」という結論になるので「三者三様」と同じ評点です。上手いことどこかがヌルッとはまれば抜け出せない中毒性を醸し出す可能性もあるはずなのだが……うん、やっぱり打開策はりん×コウのカップリングだと思う。あそこの打撃力の高さは半端じゃないから。中の人でいうとかやのん×ぴかしゃ。人妻感溢れる声優×ガチ人妻声優だ。これって不倫になっちゃいますかね。ん? ボクは元気ですよ。何もおかしな事いっていないですよ。とりあえず今期は色んなぴかしゃが聞けて本当に幸せです。

 その他の中の人は、メインを務めるキャストの多くに若手が採用されていたが、何故か個人的に注目したいのは青葉を飛び越えてねねっち役の朝日奈丸佳。キンキン声ではあるが、なんか癖になる味わい。

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「不機嫌なモノノケ庵」 5→5

 モジャを愛でよう。モジャモジャ。小動物(?)が可愛いアニメは良いですね。

 こちらの作品も「サーヴァンプ」と同じように野郎メインの作品ではあるのだが、こちらはあくまでクラスメイトとしてハナエと安倍の関係を描いているだけだし、あくまで「友情物語」の範囲。流石にこういうのを「女性向けだから」と切って捨てるのは勿体ないというか、怠慢になってしまうだろう。今作のメインは一応この2人の関係性ではあるのだが、それを彩り盛り上げてくれるのは、数々の妖怪達の存在。こうした作品で「妖怪」を扱う場合、マスコット的に可愛い奴らを描くか、純粋に「畏れられるもの」を描くかというのは考慮に値する選択肢だと思うのだが、今作の場合、その中間のどちらとも言えない部分を取っているのが面白い。造形だけを見れば可愛らしいのも多く、最終回の大集合に代表されるように、2人と友情を育んだいい奴らがほとんどだが、その中には命を取ろうとする危険なやつもいるし、造形がなんだか禍々しいものもいる。ギギギの親分なんてのは分かりやすい事例ではなかろうか。

 似たようなスタンスの作品には「夏目友人帖」があり、今作は指導役・護衛役のニャンコ先生の代わりに安倍がおり、夏目の代わりにハナエがいる感じだろうか。女性キャラ枠は滝さんの代わりに禅子かね。そういや狐の子供がいるところも共通してるな。ただ、田舎の自然の中に見える「妖怪」との微妙な関係を描いた「夏目」と比べると、こちらの作品の妖怪の方が割とくくりが雑多で、関係性もフランクな気がする。これは掲載誌の性格の違いかな。「なんだか愛らしいところもあるけど、異形のもの、異界のものとしてどこか怖い部分もあるよ」っていう妖怪の描写はどちらの作品も通底した部分があって、切り口によって様々な物語が見えてくるのはなかなか面白い。何か飛び抜けて印象深い話があるというわけではないが、毎回目先が変わって、色々なヘンテコ生物が見られたのでこれはこれで満足出来る作品だったんじゃなかろうか。

 個人的には禅子が可愛かったこと、そしてヤヒコが可愛かったことが高得点でしたけどね。ヤヒコは良いキャラだったなぁ。大谷育江ボイスのハマリ方が見事。もちろん禅子の中の人も良いですよ。彩陽はこうして「野郎だらけの中にぽつんと女の子」というポジションに配置されることが多い気がするんだけど、何でなんでしょうね。

 それにしてもモジャモジャしたい。

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SERVAMP -サーヴァンプ-」 5→4

 まぁ、「向き」じゃない作品でしたかね。どうにも今後のアニメ業界は女性向けのアニメの割合が多くなっていくようなので、その中から、男性視聴者にも楽しく観られるアニメを上手いこと選別していきたいところですが。

 アニメとしてのクオリティは決して低いものではなかった。今作最大の特徴は、バトルものなんだけどそのバトルの様式の訳が分からないところで、突然ピアノを引っ張り出してきて戦うやつとか、色々と埒外の攻撃イメージが多かった。そうした「化け物たちの戦い」について、なるべく安易にならないよう、不可解に見えるように描こうという部分はアニメとしても面白いところで、お耽美なイメージも加味すれば、割と原作ファンの女性には嬉しいアニメ化だったんじゃないかという気もする。何よりもキャストがキャストなので、単に動いてしゃべってくれれば満足、っていう層も一定数いるだろうしね。

 ただ、そんな中で難点をあげるなら、実は同じく「不可解なバトル展開」部分に帰因する気がするのも難しいところ。端的に言えば、バトルの勝敗がわからんのよ。最終回なんてその最たるもので、終わったのか終わってないのかもよく分からないふわっとした処理で非常にもやもやする。せっかく「いかにもラストバトルッ」って感じのセッティングになっていたのに、そこからの大々的なカタルシスが無いというのはやはり不満点。まぁ、原作は終わってないのだろうし、アニメだけで綺麗に落とせないのはしょうがないところなんだろうけども。最終決戦以外でも、誰がどういう戦い方をして、何が理由で勝ったり負けたりするのかが分かりにくいっていうのは見ていてすっきりしないところで、ただでさえ登場人物が多いところに強弱の概念もうやむやでは、なかなか認識出来ない。まぁ、「よりオサレな方が上を行く」「何となく雰囲気で大技っぽいものが出る」なんてのは「聖闘士星矢」にしろ「BLEACH」にしろジャンプ漫画の王道路線でもあるのだろうが。どうしても男の子脳には「バトルをもっとハッキリ描いて欲しい」という欲求が先に来た。

 結局、そういう部分ってのは「向きじゃない」っていう話なんだと思う。別にメインターゲットの女性層は「手に汗握るバトル」が見たいわけじゃないだろうし。私としても野郎共が組んずほぐれつの群像劇が観たいわけでなし。これでもうちょっと女の子が出てきてくれれば視聴モチベーションもあがったのだろうけども……ショウガナイネ。

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「甘々と稲妻」 6→6

 ごちそうさまでした。今期屈指の癒し系作品。いや、子育て奮闘お父さんものは自身の現状と比較してしまってダメージもあるのだが、そういう部分も加味して、素敵な作品でしたよ。

 「お食事アニメ」としては、そこまで際だった良さがあったわけではない。もちろん美味しそうではあるが、そこまでの超絶作画というわけでもなし、メニューが特別なわけでなし。しかし、やっぱりご飯ってのは食品そのものでなく、誰と、どうやって食べるかなんだよね。本作はあくまでホームドラマとしての部分がメインであって、その「ホーム」を表し、より身近に感じられるために用いられたメインツールが「ご飯」だったわけだ。

 「ホームドラマ」を作りあげる中心はもちろんつむぎちゃん。彼女がどれだけ愛らしく、そして切実に描かれているかドラマ作りの焦点になってくる。そして、そのつむぎちゃんはちゃんと愛らしく、ちゃんと切実だったのだ。アニメの幼女キャラというと、破天荒な元気の良さがもっとも注目されるポイントになり、その部分を切り出す性格が強くなるが(「ばらかもん」のなるちゃんみたいな)、つむぎちゃんの場合はそれだけではなく、幼い子供独特の理不尽さとか、けだるさとか、そうした部分もしっかりそぎ落とされずに活きていて、難しい年頃の娘さんと相対する父親の頑張りが引き立つことになる。まるっこい造形も愛らしく、個人的にはおとさんにしがみついてるときの所在なさげな足の置き方が非常に「それっぽくて」お気に入り。つむぎちゃんのキャラ造形の完成度については、中の人である遠藤璃菜ちゃんの頑張りも大きいだろう。「リアルロリキャスト」は賛否あるだろうが、彼女は子役の中ではかなり上手い方だったと思うし、つむぎのむらっ気な雰囲気がよく出ていてとても楽しかった。

 まぁ、正直言うと、たまたま時期的に放送がお盆に被ってて、実家に帰った私はつむぎちゃんに歳の近い姪っ子と触れ合うことが多かったせいで、やたら感情移入しやすかったっていうのがあるんですがね……。お盆明け、一人で家に戻り、このアニメを見ながら実家にいる姪っ子を思い出して泣きそうになったのは秘密だ。娘がほしいなぁ!

 その他、ロリっ子以外の部分にも「可愛い」が溢れており、メインヒロイン(?)の小鳥ちゃんの、「料理を美味しそうに食べてくれる」という最高の属性、その友達であるしのぶちゃんの、戸松感溢れる気っ風の良さ。そしてちょろっと出てくる亡き奥さんの存在感など、犬塚先生は大変そうだけど色々幸せ過ぎる環境を満喫していて羨ましい限りだ。ちゃんと料理も上達しているようで、「男の料理入門アニメ」としてもそれなりに見られるようになってるのもいい。最終回を向かえても特に何か大きなお話が動くわけではないのだが、犬塚家、飯田家の2つの親子が、少しだけ前を見て、また新しい幸せを掴めたと思えるだけで、ちょっとおこぼれに与れたような気がするのである。

 それにしても、かやのんが死んでて、戸松とみさおが友達どうしであれこれ頑張るっていうセッティングが「あの花」と完全に一緒の世界だったのは、何か因縁があったりするんだろうか……。

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「初恋モンスター」 6→4

 今期1クール作品で最初に終了したのはこちらの作品。他にも「七つの大罪」とかも終わってるんだが、まぁ、そっちはわざわざ書かなくてもいいや。先にここで書いておくと、今期のアニメはあんまりノリ切らなかった。ぶっちゃけ、本数が多すぎたせいで需要のキャパを超えてこっちの受け止め方が雑になりすぎたってのが一番の原因なのだろうが、この圧倒的なアニメ地獄のせいで、どうも制作側にもしわ寄せがきてる感がある。アニメバブル崩壊なんて言われて久しいが、ついにその影響が個々の作品のクオリティにも出始めてる感じがしてな。日本の未来はどうなるんでしょうね。

 と、そんなことはどうでもよくてこの作品だが、まぁ、一言でいうと「飽きた」なんだろうな。最初に6点付けたときのテンションが全く思い出せないのだが、キャスティングによる刺激物が初見ではかなりのインパクトを与えたということだろう。ただ、「リコーダーとランドセル」との比較もしているが、どうしたってワンパターンに陥ってしまうネタの設定は危惧されており、流石におっちゃんもいい歳なので、うんこちんこで笑ってられる時間にも限界はあった。いや、日常生活だとそれで毎日ゲラゲラ笑ってる気もするんだけど。

 本作で一番受け入れがたかったことは、こんな頓狂な設定のくせに普通のラブコメをやろうとしたにおいがあったところだ。元々少女漫画誌に連載してる作品ならしょうがないのだろうが、いくら何でも「小学生男子と女子高生のカップル」をベースに、まともな恋愛ものを描こうというのは無理がある。もちろん、そのまま犯罪じみた行程を辿るので無し、途中でカニ子絡みのネタが入ったり、夏歩の兄がトチ狂っていたりという刺激の投入もあったのだが、そもそも夏歩が真面目に恋愛しようとしてる時点でおかしいし、それを見て絡んでくる多賀のメンタリティも理解出来ない。「子供の遊び」を大人が真面目に取り上げて非難してるような、妙な違和感が終始付きまとい、シリアスに一切シリアスさを感じることが出来なかった。これならおそらく、たとえ飽きられようともずっとうんこちんこ言ってるだけの方が潔く見られたかもしれない。実際、最終回の夏歩大爆発のシーンとかは割と面白かったし、そっち方面のネタ部分になるとやけに気合い入ってたし。

 まぁ、ベースがギャグなわけで、そこにハマるハマらないはいくらか個人差もあるからね。出オチ部分で最初の数話が楽しめただけでも満足すべきだったのかも。一応、「堀江由衣にもっともちんこと言わせた作品」としてギネスブックに載せておけばいいと思うよ。

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「アルスラーン戦記 風塵乱舞」 5→5

 もう終わっちゃったかぁ。いや、終わってないけどな。全然終わってないけどな。

 やっぱり8話っていう構成はどうにもピンと来ないな。一応区切りとしては理解出来るんだけど、元々1期目が2クールあった作品なので、そんだけ長いことやってて、そこに8話だけ追加されても、本当に「ちょっとしたおまけ」くらいのボリュームに感じられてしまう。中身を見れば世界はそれなりに動いているのだが……。まぁ、この終わり方なら多分3期もあるんだろうから気長に待つしかないか。

 1期に比べると、いくつか見やすくなったポイントがあるのはプラスの要素だったと思う。いや、正直言うとプラスなのかどうなのかは微妙なのだが、一言で言えば「分かりやすくなった」。たまたま今回描かれたエピソードがそうだっただけなのかもしれないが、銀仮面との絡みなんかで善悪が大きく揺れるようなことがなく、今回は「事実上放逐されたアルスラーン御一行はとにかく色んなところで格好良い姿を見せるんだぜ」という水戸黄門みたいなお話になっていたので、小難しい政治や信条の話で悩む部分が減ったのだ。1期は根本となる舞台設定を作らなければいけない話が中心であり、ヒルネスの生い立ちなんかは敵側だけども完全に悪とも言えない難しい立ち位置だったことで、なんだかすっきりしない要素が残ってしまっていたのだ。今回ももちろんヒルネスは独自に暴れ回っていたわけだが、すでに彼の正義ははっきり示されており、「なんだか分からないけど対立している」というデザインから「2人の王子(?)が互いの夢を胸に抱いて戦っている」という構図になったことで視界は随分クリアになった。分かりやすさが美徳であるとも限らないが、ただでさえ相性の悪い日5なので、出来るだけ思考の負荷が少ない状態で勧善懲悪になった方が個人的に楽なんですよ。

 あとはまぁ、1期だとまだ受け入れられなかったあっさりした設定にも慣れた、ってのはあるかも。「ダリューンはとにかく人智を越えて強すぎる」こととか、「アルスラーンは特になにもしないけど人望がある」こととか。そういう都合のいい部分が1期はまだ抵抗があったのだが、少しずつキャラが掘り下げられ、理解出来るようになってきたことで抵抗は減ったと思う。まぁ、未だにアルスラーンがこれだけ慕われる理由は釈然としないものが残っているのだが、殿下も少しずつ成長して格好良くなってきてるし、3期が始まるころには立派な王太子として受け入れられるんじゃなかろうか。

 何はともあれ、今のアニメ業界では実は割と基調な「正統派軍記物」である。しっかり地に足を付けて、計画的に運用を続けてほしいもんである。

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Planetarian〜ちいさなほしのゆめ〜」 6→6

 トータルの時間出考えればショート枠よりも短いくらいなのでカウントしなくてもいい気がするが、最後まで観てしまったことだし、記録する意味もありそうなので、一応1ヶ月以上も他の作品に先駆けてのゴールということに。ごたごたしたせいで放送からちょっと間が空いてしまったけども。

 たとえ誰にチョロいと言われようとも、良い作品でしたよ。もう、余計なぜい肉を全て取っ払ってとにかく直球以外の選択肢の無いシナリオ設定。ベタベタで、いくらも見たことがありそうなお約束展開に、特に救われるでもなく、みたされたとも言い難い結末。お涙頂戴の非常に分かりやすい全体像には、とにもかくにも伝統様式という言葉しか浮かんでこない。でも、それでいいじゃない。奇を衒うばかりが作品作りじゃない。こうして、身の丈にあった時間で、身の丈にあった品質で、狙った通りのお話をまっとうする。これでこそ、誠意ある作品作りというものである。多分、突き詰めれば「プラスティック・メモリーズ」なんかもこれと同じ感動を作りたかった作品なのだろうが、諸々のしがらみ、制約に縛られてしまった結果、あんな残念な結果に終わった。今作は、そうした「諸々」を全て排除したおかげで、素材の味を純粋に楽しむことに成功したのだ。

 一番の功績は、多分変則的なアニメの構成自体を作り出したことなんじゃなかろうか。5分枠ってわけにもいかないし、かといって1シリーズではくどくなりすぎる。わずか5話というOVAみたいな編成だからこそ可能だった、このゆとりと余韻の物語。他のアニメだってこれのように自由に尺が調整出来れば悲劇なんてなくなるはずなのだが、そうそう上手くいかないのは現行のアニメ制作体勢をご存じならば周知の事実であろう。今作の場合、引き続き劇場版が用意されており、そちらのプロモーションという意味合い、さらに劇場版も加えて改めて一本の作品としてパッケージを成立させるという商業上の自由さがあったおかげで、このような変則的な制作スタイルが可能になったのだと思われる。作品にぴったりの枠を用意出来るかどうかというのも、今後のアニメ制作の1つの争点になってくるのかもしれない。

 もちろん、尺がフィットしていたことだけで全てが良かったと言っているわけではない。本作はほとんどが2人のキャラクターだけで語られる、一種の寸劇みたいなものなのだが、ベタな設定とはいえ、それだけに台詞の選び方、心情の書き出し方は非常に丁寧なものになっている。最終回を見れば分かるが、ゆめみの発してきた「プログラム通りの」言葉は、全てラストエピソードでの哀愁を引き立てるために組み立てられている。それまでの交流の1コマ1コマが無駄にならないよう、単に「何となく哀しい」とか「何となく愛しい」というだけでない、心の交流を演出しているのだ。このあたりの「お涙」に訴えかける手腕は素直に大したもんだと思う。Key作品(のアニメ)というと最近はそうした「お涙」要素が空振りばかりしていた印象なのだが、今作は「CLANNAD」以来の、素直に泣けるお話になっていた。「ロボット」というサイバーかついかにもアニメ的なヒロイン像に、どこかノスタルジックで、子供の頃の夢を思い出させてくれる「星」という組み合わせも、一口に「萌え」だとか「泣き」だとかいう要素に落とし込まれない、絶妙な暖かさが出ていたのではなかろうか。プラネタリウムに行きたくなる作品だよね。

 正直、外の世界のサイバーでハードな様子なんかは別に知る必要はないんだよね。作品として必要だった舞台はあくまでも「人のいないプラネタリウム」だったわけで。劇場版ってのがどういう風に物語を展開させていくのかは知らないが、そういう方向に持っていかないことだけは祈っておこう。まぁ、今作のスタッフなら見当違いの作品作りにはならないと思うけど。多分、劇場は行きます。

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「ふらいんぐうぃっち」 6→8

 終わらないよ。この日常は終わらないんだ。終わらないんだ……。

 「田中くん」と並んで双璧を成した春クール2大アニメ。こういう作品にばかり目がいくようになったということでそろそろ自分のアニメ視聴姿勢にも変質(老境?)があるのかなぁ、と考えたりもするが、まぁ、良い物は良いと言っていければいいですね。今作はとりあえず「ほのぼの日常もの」という良さを前面に押し出していることが全てではあるのだが、過去にも沢山の「日常もの」はあったわけで、何故ここまでハマったのかをきちんと考える必要はある。視聴中にも散々感想を書いてきたので繰り返しになる部分も多いかもしれないが、改めて今作ならではの「良さ」を振り返ってみよう。

 1つは、作品の性質に見事にマッチした舞台設定と映像美術。クジラ回の眺望なんかによく表れていたのだが、実在の町を舞台にしているのに、不思議と「魔法」という装置と噛み合う景色の良さ。クジラの上のいかにもマジカルな遺跡の様相と、何故かしっくり馴染んでしまう弘前という片田舎の町並みが、何とも言えない和のノスタルジーをファンタジーに融合させている。そして、遠くから見ればマジカルな風景に馴染むほどよいバランスながらも、スコープを絞って近づいてみれば、そこにはちゃんと「現代の田舎の風景」が地に足を付けて描かれている。チトさんや千夏ちゃんが元気に駆け回る町のそこかしこが、まるでいつも歩いているご近所さんのような近しさを感じさせるのだ。この映像のかみ合わせの良さは、最近のJ.C.STAFFの仕事の中でも抜群の働きを見せていた。

 そんな中で繰り広げられる日常芝居には、絶妙なユルさが「間」の演出でもって形作られている。一見無謀とも言える無音で動きのない描写も、今作のたっぷりとした時間の流れの中では雄弁な意味を成し、のどかな空気を作り出している。「悪人がいない」というのはともすれば退屈な世界になってしまう危険性を孕んでいるのだが、今作では「魔法」というちょっとピントのズレた小さな奇跡のおかげで常に刺激を維持することが可能になっており、その突拍子のない現象が、さらに日常ののどかさを際だたせるという、明解な相互作用を生み出している。「ちょっとの魔法と絶え間ない日常」。これが今作が視聴者の目を飽きさせない最大のポイントだ。

 そして、そんな日常を形作る中心となっているのが倉本家の皆さん。これは完全に個人的な趣味趣向であるが、「家族の交わり」っていうモチーフが本当に眩しい。倉本家のお母さんもお父さんも、そして圭にしても、特に意識的に家族間で交流を図っているというわけではない。家族愛を謳ったアニメでもないし、家族の絆を問われるような場面もない。しかし、それだけに何気ないワンシーンに見える、揺るぎない「家族」の情景が眩しいのである。特に私みたいに延々一人暮らしを続けている寂しい人間には、退屈とも言える田舎の日常の中、当たり前の幸せを満喫している家族の情景が、あまりにも輝かしいのである。無い物ねだりじゃないんだ。我が家だって、こういう幸せな時間はあったし、今だって実家に帰れば近いものは得られるかもしれない。でも、それがすぐそこに転がっていたんだ、っていうことは、こうして改めて提示されて初めて気付くものだ。本当にかけがえの無い「良いもの」を見せてくれるから、本作の「日常」は特別なものになっている。

 こうして作られた物語は原作の良さもありつつ、アニメではさらにそれを膨らませて1本のシナリオにしていたという。アニメスタッフのどの部門が欠けても成立しなかった奇跡のバランスだったのだろう。本当にお見事としか言いようがない。あとはまぁ、やっぱり今作が屈指の猫アニメだったという部分があまりにも高得点過ぎましてですね……いや、猫だけじゃないな。狐も、キジも、テントウムシやハチだって。なんだか「生き物にありがとう」な部分も素敵なアニメでしたね(千夏ちゃんという生き物も含む)。現時点で原作ってどれくらい消化したのかなぁ。2期はあるのかなぁ。ケニーさんの研究論文の一端だけでもいいから見せてほしいなぁ。

 中の人については、もう全部が全部良かったですね。主人公・真琴を務めた篠田みなみはこれが初ヒロイン。ここから更なる一歩があるかどうか。さらに茜姉ちゃん役の葵井歌菜に至ってはその他の経歴すらよく分からない人なんだよな。色んなところから今後が楽しみなアニメですよ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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