最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
「ノルン+ノネット」 5→5 なんか、綺麗な作品でした。適当にしか見てないのですげぇふわっとした印象でしか語れないのだが、分かりやすく言うと、「やなぎなぎがすごくしっくり来る」ような綺麗さ。うん、分かりにくいな。 とにかく画面の幻想的なイメージが印象深い。毎回提クレバックに表示されてたからかな。船のメカニカルな部分もあるはずなのだが、どちらかというとそこに融合している自然物とか、船以外の場所の遠景の方が印象深いんだ。こういう見た目でとりあえずのイメージが作れる作品ってのは強いと思う。ファンタジーな要素をふんだんに詰め込んで、あとはまぁ、「女の子の脳内のお花畑」に男をはべらせておけばいいわけで。 シナリオ部分にも興味深い要素は多く、中でも「3人VS9人で1対3の関係を3つ用意する」っていうカップリングの設け方は新鮮だった。いや、最終的にくっつくのは1人なんだから残り6人はあくまでサブキャラなのだが、こういう乙女ゲーの作品って、大体ずらっと男が並んで「メイン1人とくっついて終わり」か、「誰ともくっつかないでなんとなく逆ハーレム」じゃない。今作の場合はそうでなくて、9人中3人はゴールが用意されてるんだ。さらに3チームに分けることで9人の男連中が自然に弁別されて、割と印象に残りやすい。普通のように9対1だと、どうしたって「9人のうちの1人」になるので各キャラの存在感が薄くなるものだが、今作の場合は「あのチームの3人のうち1人」という理解になるので、いくらか受容しやすいのだ。まぁ、そういう特徴付けってことだね。これは何も野郎キャラの魅力を上げる効果だけでなく、私のような男性視聴者の方にとっても、「女の子が3人」という楽しみが増えるプラスもある。こはる、深琴、七海、それぞれタイプの違うヒロインが、男連中とタイプの違う接し方をして、タイプの違うカップルを成立させる。単独ヒロインの場合は「決着」が1つしかないので個々のエピソードで「単なる浮気者やんけ!」という不満が出るが、今作ならその心配もなく、三者三様で無難にまとまる。まぁ、尺の長さはあくまで1クールなのだから同じはずなのだが、これもやっぱり「弁別のしやすさ」からくる良さなんだろう。 まぁ、身も蓋もない言い方をすれば「いいとこ取り」「幕の内弁当」みたいなことなのだが、今作はそれをやっておいて、その上でメインとなる世界のリセットの話を破綻無くまとめていたのが好印象。いわゆるリピートものともまた違うスケールの話だったが、「どないやねん」と突っ込む前に「まぁ、この世界観だったらそれくらいしてもいいかも」と丸め込まれてしまった。なんだかよく分からないうちに核心まで突っ走ったので、多少乱暴な筋書きでも文句を言う前にさっさと結論が出ているのだ。この尺でそこまで語りに不足を感じさせず、3つのエピソードがそれぞれに締めくくられているのだから、今回は高橋ナツコが頑張ったと言ってもいい気がするよ。 まー、やっぱり男の扱いだけを見てたら、それぞれのキャラのファンからは不満も出そうではあるのだが。あくまでも「何となく観てた」人間の感想なので、ひょっとしたら真剣に見てたり、ゲームをプレイしながら見てる人にはボコボコ穴があいているように見えるのかもしれない。大丈夫、画面が綺麗だったからアニメ化の功績はそれだけでもあったと思うし。 結論・彩陽がメインヒロインのお話はなんか平和な気分になれるので良いです。 PR 「蒼の彼方のフォーリズム」 4→5 今期終了作品は多くが「大体予想通り」か「予想してたよりも微妙」だったのが、これは珍しく「思ってたより面白かった」作品。まぁ、1話での導入が訳分からなすぎたからなぁ。 今期はさらに、「まっとうなスポ根もの」が多かったシーズンでもあるかもしれない。「ハイキュー」と「ダイヤのA」が終了し、さらに「ストライド」もあった。今作をスポ根という文脈で語るなら、比較すべきは「なんちゃってスポーツ」である「ストライド」だろうか。あっちが「思ってたほど盛り上がらなかった」のに対し、こちらはなんちゃってスポーツが少しずつ結実していったのは興味深い対比だ。最初は全然ルールの分からなかったFC。まずもって空飛ぶ靴の意味が分からないし、バトルフィールドの全景も見えてこないので、どうやって楽しむスポーツなのかが分からない。スピード勝負と鬼ごっこを足して割ったような競技だが、観ている側がそれで盛り上がるのかどうかも怪しかった。実際、序盤の展開はちょいちょい戦術論が語られたりもしたが、「いや、そうはならんやろ」みたいなヘンテコな理屈も多く、のめり込むというわけにもいかない。どうにも駄目かと半ば諦めていたところもあった。 だが、良くも悪くもテンプレ的なスポ根展開なので、ルール自体が分からずとも、何となく筋だけは追えてしまうもので。みさきちゃんの挫折、そして明日香自身のスランプ。良い仲間達も登場して少しずつ世界が広がっていき、いよいよ因縁のライバルも登場。次第に出来上がっていくキャラクターたちの関係性の中で、不思議とFCのルールの方まで整備されていったように感じられた。実際にはそんなことはないんだ。FCのルールは最初から決まっていたはずだし、プレイヤーたちが興じているゲームの内容も序盤と劇的な差があるわけではないのだが、不思議と、キャラの方が固まってくると、「そのキャラがやってること」というので、試合の内容も頭に入ってくるようになる。「このキャラだったらこういうプレイになるのかなー」とか、「あの明日香がこう言ってるってことは、あの時のプレイにはこういう意味があったのかな」とか。キャラの方から競技を埋めてくれるというのは、なかなか新鮮な驚きがあったものだ。 取り立てて、その試合展開が面白かったというわけではない。絵的な盛り上がりが素晴らしかったということもない。どっちかっていうと今作は画のショボい方の作品で、話数によってはキャラ画も大きく崩れ、「おぉ、GONZOよゥ、GONZOよゥ」と嘆く部分もあった。しかし、最終回のアクロバティックな展開に持ち込むまで、ギリギリのところで作品がぶっ壊れるようなヘマに到らず持ちこたえ、決めるところは及第点にまとめ上げている。FCの見どころである大きなモーションも、最後の最後に視聴者がある程度ルールを飲み込めたところでクライマックスが訪れるわけで、なんだか「初めて新しいスポーツを見始めた時の、ちょっとだけ観戦のコツが分かった喜び」みたいなものは味わえたんじゃなかろうか。競技自体が分かりやすかったのに人間関係まで掘り下げるところが活かし切れなかった「ストライド」と、競技がよく分からないのにキャラ造形からスポーツの方まで補完してみせた「あおかな」。なかなか面白い対比になっているのじゃなかろうか。 まぁ、色々と理由をつけてみても、「単に女の子がきゃっきゃうふふしてるのが見たかっただけじゃないのか」と言われればそうかもしれません。やっぱり野郎だらけの作品よりは贔屓したくなるよね。こればっかりはしょうがない。そんなわけで、きゃっきゃうふふの中心にいたのは、相変わらず元気な福圓先生。彼女のキャラはどっち方向に振り切れても魅力を振りまいてくれるから本当に安心して見ていられる。明日香は「中盤にスランプに陥ってどうしようもなくなる」という、よくある主人公のテンプレを踏襲していたのだが、そこであまり落ち込みすぎず、するりと「明日香らしさ」を持って戻ってきた展開も良かったと思う。そして、そんな明日香を支えた大きな存在がみさきちゃん。CVの浅倉杏美は、これまでおっとり系の役柄ばかりの印象だったのだが、ここ最近はこうしてはっきりとした発声を活かす役も出てきてますね。そして作中一番の賑やか師である真白を担当する山本希望。のじょさんが百合ってるのはすごく安心して見ていられる。なんか、役には病的なものが出てこずに非常にクリーンなイメージだ。あとは散々嫌なことを喚き散らしていったミズハスも面白いポジションだったな。あとは緒方アニキの存在感な。あの人が飛び出した途端、「あ、勝てない」って思った。 「灰と幻想のグリムガル」 6→6 ナイスハッピーエンド。ハルヒロが心配でベッドに付き添いながら鼻歌を歌ってるメリイさんが最終回のハイライトでした。 トータルで見ると、やはりよく出来た作品だったと思う。いわゆる「異世界もの」のカテゴリに入る作品で、油断するとあっという間に十把一絡げで「見たことあるやつやー」となってしまうところなのだが、今作はきっちりアニメ化に際して独自の方向性を打ち出し、他作品との差別化に成功している。具体的には背景美術や動画面での個性、音響面を含めた演出の工夫、そして、駆け足にならないように丁寧に描かれたシナリオの配分。そうした諸々の要素が全て噛み合った時に、完成された「グリムガルペース」が生み出される。こうして「何か違うことやってくれるぞ」っていうのが分かる作品作りは非常に好感が持てる。 もちろん、良いところばかりではなかった。序盤にずっと感想を書いて引っかかっていた挿入歌云々の件なんかは、最後まで雰囲気作りの足を引っ張った悩みの種で、「誰の意思が介在した結果なのか」と首を捻ることになる。人間関係の描写についても、なるべく「語らせない」ことによるイメージ構築が優先されていたはずなのだが、いかんせんそれだけでは不安になってしまうのが昨今のアニメ作り。時にはハルヒロが独白の形式で必要以上に台詞を漏らしてしまうこともあり、話数によって雰囲気の統制にはばらつきがあったことも事実だろう。ただ、それは裏を返せば普段からどれだけデリケートに作品の雰囲気作りが行われていたか、ということの表れでもある。これで全編通じてただ原作の描写を垂れ流すだけの大量消費作品だった場合、細かい部分の演出の違和感なんてものは気にも留めなかっただろう。しっかりと正座をして、画面と向かい合って観る価値がある作品だと思わせていたからこそ、「ここはちょっと違うんじゃないか」とか、「いや、これは作品意図をくみ取った上でのことだ」とか、ディテールに関する議論が出来るようになるのである。そういう意味では、挿入歌云々に必要以上に噛み付いてしまったことは申し訳なく思うが、逆に「他の部分が非常にマッチしていたから」だと思っていただければ。 映像面での特徴、淡く描かれた水彩のような世界も非常に印象的なものだが、個人的にはやっぱり音響面での演出方向に注目したい作品。必要最小限の音で視聴者の注意を最大限に画の方に向けられたからこそ、丁寧に作られた映像面が引き立つ。台詞の取り回しも様々に考えられており、不安定な世界で互いに怯えながら、必死に生き抜いていく少年少女の不器用な心の交流が見事に紡がれていた。マナトの死を受けての各人の反応や、メリイが少しずつパーティに歩み寄っていく様子など、個々の描写は油断すればうっかり流してしまうような部分も多いが、各々のシーンにはっきりと意味を持たせて組み上げていることが伝わってくる。1人1人が丁寧に描かれていたからこそ、バトル面での成長も自然と受け入れられるようになり、最終回の静かなクライマックスも、それがハルヒロの手に入れた「力」の一端なのだということが受け入れられるようになっている。たっぷりとした間尺があったおかげでここまでの作劇が出来たことを考えると、やっぱりアニメは詰め込み過ぎじゃなくていくらかゆったりと作ってもらいたいもんだよなぁ。 お話はここで終わるわけではなかろうから、続編の登場にも期待したいところ。最後に中の人だが、今作の場合はメインパーティ全員に敢闘賞かな。普段割とがさつな役回りも多いが、本人同様にすげぇ細かいことにも神経質でもやもやしてるハルヒロを上手く組み上げた細谷。ムカつくはずなのにどこか憎めないことにかけては天下一品、最後の見せ場はマジ格好良かったランタ役のよっちん。レギュラーデビューは初めてのくせにおいしいキャラでがっつりアッピール出来たぞ福嗣。関西弁でまったり可愛いみかこし。マリク・エム・ぱるにゃす! そしてメリイさん格好良いよちかぺ。今作はぱるにゃすがみかこしに面と向かって「ちっぱい!」と連呼したことで歴史に残ることでしょう。めでたしめでたし。 あ、あとキッカワ。 「無彩限のファントム・ワールド」 6→5 やぁ! 良い子のみんな! 京アニ大好きおじさんだよ! おじさんも評価軸がブレブレで最近どうしたらいいか分からなくなってるけどな! 今作はとにかく、「軽い」という言葉でまとめられそう。いや、今作で「軽い」なんて言ってたら他の製作会社の作品はどうなってしまうんだ、っていうくらいの映像クオリティではあるのだが、やはり京アニは時代を牽引する1枚看板として、それくらいの期待に応えてほしいスタジオなのでね。映像自体の品質を別に考えて、今作の持つ諸々の要素が「軽い」。 これは決して悪いことではないんだ。肩肘張らずに楽しめる純正のエンターテイメントという意味でもあるし、元々変態おじさん石原監督はこういう「萌え」路線に突っ走った阿漕な画作りでも仕事ができる御仁である。彼のフェティシズムが存分に発揮され、見ていて退屈しない画面がたくさん提供された。その部分については何一つ不満は無い。 ただ、京アニ作品特有の没入感というか、「この世界にずっと浸っていたい」と思わせるだけの魅力があったかというと、あんまりそうは思わなかった。その原因はいくつか考えられるだろうが、個人的に大きかったのはメインとなる縦軸が無かったことじゃないかと思っている。石原さんのヒット作を見ると分かる通り、「CLANNAD」も「中二病」も「ユーフォニアム」も、萌えと言ってしまえばそれまでの作品だが、ちゃんと作品の中心となる人物がおり、その人物の心情の揺れ、他者との関わり合いの中での成長物語が主軸にある。個人的には「中二病」の六花と遊太の関係性は大好きだし、「ユーフォ」はそれが久美子と麗奈で構成されている。今作の場合、もちろん主人公は晴彦だが、その彼が精神的な成長を経験したかというと、残念ながらそういう感じは無かったんだよね。最終回のエニグマ戦ではルルとの合体形によって召喚術が格段にレベルアップしていたが、あれを見ても「成長したなぁ」と思うよりは「何いきなり強くなってんねん」っていう感情が先立つ。ご都合主義の強化バージョンであり、縦に積み重ねた物語性は感じられない。その他のヒロイン勢にしても同様で、みんながみんな、晴彦やチームのメンバーとの関わりの中で変化し、成長しているのは間違いないのだが、あくまでも1つ1つの小エピソードの中だけでの「主役」であって、シリーズ全般を通しての物語があるわけではない。なんだか、「ファントム対策室の人々」っていうオムニバスのエピソード集を見せられているような感じだ。多分、一番積み重ねがあってキャラ的なふくらみがあったのって、ルルじゃないかなぁ。 そんなわけで、画良し、エロ良し、話も個々に良しだが、トータルとしての加点があまり見られず、京アニ作品であることを鑑みて多少辛めのジャッジである。いや、楽しんで見られたことは間違いないんだけどね。どっちかっつうと、中の人たちが無茶やってる実写版の方が楽しめたというか、すみぺの闇は深いというか……。 今作で一番のヒロインは誰かと聞かれたら、ノータイムでルルと答える。ルルは可愛かった。健全さの化身である褐色美人、ナイスバディだがエロを感じさせない健やかさ。常に高いテンションと適度なお馬鹿。へちょ画になっても愛くるしいマスコットとしてのスタンス。クルクルまわる毎度の提クレバック。どれもこれも他のヒロイン勢には得られないものばかりで、今作はとにかくルルを愛でるための作品だったと言ってしまってもいい(そのため、原作にルルがいないと知ってひどくショックだった)。ルルが一番ってことは、今作はルル的な要素が一番求められていたってことだよな。いつでものんきに、おっぱいがブルブル揺れる京アニ的学園コメディでお気楽に生きてる姿が見たかったんだよ。ころあずの脳天気な声は本当に元気が出るね。本人にはしばしば闇を感じるけども……。 「銀魂°」 5→5 気付けば1年も放送してたのか。タイトルの「°」部分は有ったり無かったり、後半はずっとシリアスなのでそれどころじゃなかったんだけど、結局シリーズタイトルは「銀魂」なのかしら。 正直言うと、後半のシリアスで全然身が入らなくなったので別れ際は割とどうでも良かった作品。まぁ、これはアニメじゃなくて原作時点でそうなんだけどな。銀魂のシリアスは本当に興味がない。「そういうニーズもあるんかなぁ」くらいの認識で、本誌もシリアスの場合は読み飛ばしている(おかげでここのところずっと読み飛ばし続けている)。別に「シリアスな漫画が嫌い」なわけじゃなくて、「銀魂ワールドでやるシリアスに興味が湧かない」だけなんだ。これがワンピースとかならまだ分かる。一応冒険活劇だし、ワンピースの場合はバトル中でもルフィたちのテンションは一緒でギャグが混じったりするからね。でも、銀魂は普段あれだけのクソみたいな(褒め言葉)ギャグを徹底的にやり倒しておいて、そのまんまのキャラでドがつくほどのシリアスをやるっていうテンションの差にどうも馴染めないのだ。普段のギャグの方がよっぽど死線をくぐってる内容なのに、シリアスになった途端に命が云々、友情が云々、サムライの魂が云々言い始めるのはどうかと思う。普段あんなにゴミクズ扱いされてる局長とか、こう言うときだけ英雄扱いで「カッコイイキャラ」にされるのが分からない。「いや、そこは切り替えていけよ」っていうのが熱心なファンの言い分なのだろうが……そこまで器用じゃないんでなぁ。っつうか、銀魂にはずっとギャグだけをやっててほしいんだよ。アニメは特にさ。 というわけで、後半パートは正直興味がなかったので、前半パートと足して2で割って平均点。ウンコが大活躍するのは良いアニメだよ。 「GATE 自衛隊 彼の地にて斯く戦えり(2期目)」 5→5 2期最終回に1期OPが流れるアニメは名作。いや、異論はいっぱいあるだろうけど。たまたま今回「うたわれ」とこれが続いたもんで。エンディングの映像部分も含めて、オチは非常に良かったんじゃないでしょうか。伊丹嫁のまさかの出番で南條さんにギャラ発生。 2期目ということで、どういう風に発展していくかが期待されたのだが、ぶっちゃけ、そこまで「発展」と言えるような要素はなかった。最終的には自衛隊が圧倒的武力でもって異界の人間を駆逐する流れに変わりはないわけで、1期で感じたもやもや、「こんだけの殺戮シーンを描いていいもんなのかどうか」は2期も変わらず残った。 個人的に今作で一番微妙なポイントは、伊丹という主人公そのものだと思っている。正確には伊丹個人と自衛隊という組織が上手く弁別しきれていないこと。伊丹は「まわりに女の子をはべらせる」「基本的には自己中心的なオタク気質」「それでも特殊資格持ちのハイパー俺ツエー」というあたりが典型的なラノベ主人公。まわりに女の子が集まってくることは半ば必然だし、説明は諦めるしかない部分なのだが、それでも今作は「伊丹という人間のカリスマ」みたいなものが幾度となく強調される。ピニャ殿下もレレイもロゥリィも、「伊丹はすごい、伊丹なら何とかしてくれる」と彼を信頼している。そのために伊丹は「人格者」として描かれる必要があり、実際に炎龍のときのテュカとの関係性など、必要以上に女性に優しく、面倒見が良く、博愛主義なところを見せる。 対して、自衛隊という組織は「軍」であることをはっきりと割り切ったスタンスで描かれる。たとえば上とのしがらみがついて回るところ、そして、出番が訪れたら迷い無く任務を遂行し、容赦無く人の命を奪うところ。今作はタイトルに「自衛隊」の文字が冠されていることからも分かる通りに、自衛隊という組織自体も主人公であり、彼らが異界の地でどんな活躍を見せるかも物語の中心的要素だ。そして、この世界では「伊丹=自衛隊の代表」である。そのために、どうしてもこの2つは同一視して語られることが多いのだが、どこかちぐはぐな印象を受けるのだ。たとえばラストを取り上げてみると、ピニャ殿下救出のために、伊丹はわざわざ変装して城内に侵入。今となっては逆賊とすら言って良いゾルザルを前に、颯爽と現れて紳士的に(遠距離射撃で脅しながら)ピニャ殿下をかっさらっていく。そこには「ゾルザルを殺さずにあくまで話合いで救出した伊丹」という図式がある。しかし、一歩城の外に出て脱出を図る際には、まわりの自衛隊員は銃火器、爆弾をフル活用して伊丹の活路を開き、散々に人を殺しているのである。それはもちろん、伊丹も了承済みだし、彼自身が指示している部分も多い。こうなると、「結局、伊丹も殺すだけ殺して解決している」ことになってしまうわけで、なんだかひどく残念な気がする。伊丹の目指しているキャラと、実際の物語が、最後にすれ違っている感があるのだ。まぁ、あくまでも「悪役を倒している」のだからしょうがないのだが……結局これって「侵略戦争」なんじゃねぇかなぁ、と。 ま、そんな面倒なことはぶっちゃけ些事ではある。そもそも自衛隊なんてテーマを選んだ時点で戦争だの権力だの主義信条だのといった面倒な要素がついて回るのは当たり前のこと。そこを誰もがすっきりする形で格好良いドラマにまとめるのは無理があるだろう(格好良くクリーンな自衛隊が見たい人は「よみがえる空」を観よう)。あくまでその部分は「ファンタジーと自衛隊をくっつけたら面白いんじゃね?」というひとネタだと考えるべき。実際、戦闘機とのエンカウントで航空性能を量られたり、大量の爆薬着火でぶっ殺されるドラゴンなんて図式は割と面白い。人間以外のモンスターと戦う要素を増やせば余計なしがらみ無しで自衛隊の火力を発揮出来るとは思うのだが、それだと本当に自衛隊である意味が無くなっちゃうから悩ましいなぁ。あとはまぁ、可愛い女の子がたくさん出てくるところを楽しめば良いのではないかと。 そう、今作の女の子は皆可愛い。そこが一番盛り上がれるとても重要な部分だ。メインの3人娘は相変わらずの活躍。まぁ、テュカは今回可哀相なポジションだった気もするが、レレイとロゥリィがチート性能なのでしょうがない。そして、本当に良い奴隷姿を披露してくれたピニャ殿下のポジション取りと、彼女のお付きの連中の「やることやってる」感。ピニャ殿下は心底ちんぽに弱そうな姫騎士で最高ですね。戸松ボイスの正しい使い方。取り巻き連中はゆーみんとむっちゃんのキャラが結婚・懐妊までこぎ着けるというレアなケース。みんなして発情しすぎじゃねぇかな。シェリーちゃんは……合法になってからな。そして今期の立役者は、政変部分を支えたテューレby小清水。結局ゾルザルともども結末がうやむやになってしまったのは残念だが、3期目の可能性を残した終わり方とポジティブにとらえよう。思えば彼女の喘ぎ声から始まったシーズンだったんだよなぁ。他にもるみるみキャラが相変わらず美味しい(損な?)ポジションで楽しませてくれるとか、アルペジオさんの「お前本当に頭良いのか」感とか、そのお師匠さんの一切空気を読まない天真爛漫さとか、この世界の女性陣はみんな魅力的。いや、男性陣も格好良い人いるけどね。もう、この設定で「異界の生活にちょっとだけ自衛隊な日常アニメ」でもいいよ。どっかでスピンオフやってそうだけど。 「うたわれるもの 偽りの仮面」 6→6 「完」じゃないが。全然終わってないが。このまま3期まで放置とか地獄なんだが。ラストに「キミガタメ」は反則やろがい! あんなもん、泣くに決まってるやろがい! あと不安定な神様もずるいわ! いやー、最初の1クールはどんなテンションで見たらいいか分からんでてんてこ舞いのアニメだったが……ラストに向かって一気に締めたなー。色々と性急なところもあったかもしれないが、それでもハクとオシュトルの物語は充分に理解出来る内容だったわ。序盤の展開を見てる時に「なんでこんな日常回ばっかり延々やってんねん」って思っていたら、原作やってる人間が「これでも削って必要最低限のことしかやってない」って言ってたんだけど、ここまで見ると何となく分かる気はするわね。確かに、ハクオロさんの時の立身出世の物語と違って、ハクの場合は周りの人間との人の和を見せる、もしくはしがらみに振り回されるお話だった。日常回でとにかく周りの人間との心を繋がないと話が成立しないんだ。オシュトルとの関係性はこれでもかなり丁寧にフォローされてたんだよな。そして「偽りの仮面」というタイトルの見事な回収っぷり。なるほどね、そういう意味でね……。うーむ、ここからのハクの戦いは凄絶なものになりそうだなぁ。敵はヤマト内部の「首謀者」ってことでいいのかな? ハクやオシュトルの悲願を考えるなら、姫殿下の復讐、そして帝の復讐のために憎き裏切り者を打倒して朝廷へ復権出来ればいいような気はするのだが、正直、それだとトゥスクルの面々が関わってくる必要が無いのよね。クオンが向かった先は間違いなくトゥスクルだろうし、ここからどういう風に旧作との関わりが出てくるんだろうか。「二人の白皇」っていうタイトルも意味深だし、キービジュアルではクオンとアンジュが並んでるんだよな。トゥスクル、そしてヤマトの真の血筋(まぁ、ハクだけど)、そして朝敵の3つの関係性……はてさてどうなることやら。 結局、今作はどこまでいっても「繋ぎ」の作品になるため、これ単体で評価をつけることは難しい。ただ、やはり見ている分には退屈しなかったし、ラストの怒涛のオチまで持っていく筋運びは確かなものだったように思う。ゲームをやってないからなんとも言えないけど、筋立ては納得いくものになっていたし、足りないとか、詰め込み過ぎとか、そういう印象はなかった。1期同様にWHITE FOXの仕事は確かなもので、萌えあり、燃えありのバランスは良好。締めるときの雰囲気作りもばっちりで、確かな「うたわれるもの」の続編だったと思います。やっぱり旧作への思い入れがあるとたまに出てくる的確なフックが良く効きますなぁ。あ、でもここで「キミガタメ」使っちゃったってことは3期では使えないよな。夢想歌が残ってるか? さぁ、後はひたすら続きを待つのみ。早い方がありがたいけど……ゲームが9月か……逆に考えると、そんだけ間があれば今からプレステ買って先に「偽りの仮面」をプレイする時間もあるよな……。えぇええ……。 ところで、3期はどれくらいもじゃ先輩にギャラが発生するんでしょうね……。 「シュヴァルツェスマーケン」 5→5 エンドカードがほとんど死人でワロタ。当初死亡フラグ筆頭だったアネットは生存ってのがなんとも。アイリスが死ぬのはいいとして、シルヴィアさんをすげぇ適当に殺す必要は無かったんじゃないですかね……。 世の中、心の準備がとても大切ということがよく分かるアニメ。前作(?)「トータル・イクリプス」では「さぁ、宇宙から来た謎の生命体、BETAとの激戦ロボットアニメだ!」と思って見始めたら人間同士で殺し合いを始めたもんだから「ファッ?」ってなったんだが、今期はそんな反省を活かして「さぁ、疑心暗鬼の謀殺パーティーの始まりだ!」っていうつもりで見始めたので、きっちりテンションがはまって毎週安定して見ることが出来ました。まぁ、「謀略アニメ」としては大してディープな部分も無いのだけど、アニメヒロインの全ての業を全部背負って登場したかのような妹ちゃんの存在だけでもそこそこ満足。「流石に妹とあっさり寝るなよwww」「やっぱ駄目かー」みたいな鉄板の芸能がむしろ微笑ましくすらある。妹役のナンジョルノがまた良い味を出してるのよね。 メインとなる抗争部分をさりげなく引き立てる程度の役目を果たすのがBETAということになるが、「そういう役目」と割り切って見てしまうと、まぁ都合のいい舞台装置だわな。人間同士で争わなきゃいけないけど、普通に考えたらそんなに急展開するはずがない政治的な動向、そこを「BETAが来たからしょうがなく」ってんで無理矢理グイグイ進めるのが彼らの役目。相変わらずのキモさで画面にも良いアクセントをつけてくれるし、空気を読んで進軍してくれるし、いちいち変なCMで目が覚めるし、やっぱり彼らの存在無くしてこの作品は成り立たない。奇しくも「グリムガル」のゴブリン先輩と同じような立ち位置だったので、今期はモンスター応援シーズンと言ってもいいかもしれません(アネットの中の人がどちらにも異様に怯えているのも一緒)。 強いて不満をあげるとすれば、謀略アニメでありながら、最後のシュタージの扱いがちょっと一元的すぎるかなぁ、というところ。戦時下のお話なのだから「それぞれの正義」があるはずなのだが、今作は最終的にテオドールとカティアという2人の「英雄」を確立するため、シュタージを完全なる「悪」としてまとめてしまい、本来持つべき葛藤はゆかりんに全て集約させてしまった。最終的に「ラスボス田村ゆかりを若手が力を合わせて倒せ」みたいなミッションになり、いささか分かりやすすぎたきらいがある。でもまぁ、1クール作品だとその辺の問題を書くには時間が足りなすぎるだろうし、さっぱりとまとめあげるのには良いバランスだったんだろうな。せっかく戦術機バトルをCGでゴリゴリに描いているのだからそっちにも時間を割きたかったってのはあるし。BETA登場シーンだとどうしても大量生産のコピーCGみたいな部分が目立ってしまうことが多かったが、ラストバトルの戦術機どうしの対決は迫力があって良かったと思います。トータルで見れば、割と見どころの多い作品でした。 最後は中の人。今作を非常にポジティブに見られた大きな要因の1つに、「ニコ生が面白かったから」ってのがあるんだけどね。のじょさんとちかぺという危険物2人が良い絡み。田中美海も元気にいい仕事をしてくれていました。村瀬迪与がこういう空気にいまいち馴染めなくてぼんやりしてたのは可哀相だったけどさ。彼女が今後もアニメの現場でガンガン活躍してくれることを期待しています。 「ハルチカ〜ハルタとチカは青春する〜」 6→4 やぁ! 良い子のみんな! P.A.Works大好きおじさんだよ! ……ただし全部の作品が好きとは言ってないよ。改めて、「P.A.Worksの一部の作品が病的に好き」おじさんだよ! はっきり言っておくと、今作は駄目だ。歴代P.A.作品の中でも駄目な方だ。麻枝が絡んでないから大丈夫かと思ったが、別ベクトルで駄目だった。 画は良いんだ。随分濃い絵柄だったが、P.A.らしい丁寧さはあったし、キャラにも愛嬌があって見ていて楽しいデザインだった。その部分についてはいつも通りにありがとうと言っておこう。ただ、いかんせん吹奏楽のパートに関しては、折悪しく「ユーフォニアム」というとんでもない作品が出た後だったんだ。これまでの常識で言えば今作の映像でも文句は出ないところなのだが、ユーフォのあとに演奏シーンを見ても「普通」としか言えない。京アニがあれを実現させたんだから、P.A.だって負けないだろうという期待がかかってしまうのだが、そういう方向にはあまり力点を置かなかったな。最終回の演奏シーンも、何故か音に被せてエンディングテロップになってしまったからなぁ。でもまぁ、今作はそこを描くのが主目的ではないだろうし、「吹奏楽」の部分で他と比較してしまう部分を除けば、平均以上だったのは間違いない。 問題は……中身の方だ。どうしようもなく「ミステリ」の方だ。全く同じ現象が、京アニと「氷菓」のときにも起こっている。大好きおじさんも、中身が日常系ミステリになるとやたらハードルが跳ね上がるんだ。どうしても、このジャンルだけは駄目なんだ。そして、今作を見ていたら、「もう少し『氷菓』を好きになってもいいかもな」とすら思った。それくらいに、今作は意味が分からないんだ。「氷菓」を好きになれなかった理由について、いつだったか忘れたが「謎を解く必要性が感じられない」ということを書いた。日常の謎ってのは、「何となく不思議なこと」を日常に見出し、その理由を「論理的に」推理していくというデザインで、一般的にミステリで扱われる殺人事件などのように切迫したものではない。そのため、何故推理するのか、正解をどうやって確定させるのかの設定が必要になる(簡単に答えが分かってしまってはいけない。それなら「確認しよう」で済むために推理の必要が無くなるからだ)。「氷菓」についてはその部分を「気になります!」の一言で強引にシステムとしてまとめ、千反田えるというヒロイン像を作りあげた。これによって「謎を謎として構築する」システムは出来上がったのだが、奉太郎という「推理システム」の方にやや不備があり、「最初に考えるべき当たり前の可能性をさも偉そうに推理したように話す」とか、「絶対あり得ないようなことをさも論理的に導いたかのように話す」などの難点があった。これはキャラの問題というか、謎とロジックの設計を詰めきれない作者のプロットに問題があるわけだが、元々日常の謎というのは上記のように「どこまでも不確定のままである」という根源的な問題を抱えているために、このシステムを完全に成立させるのは簡単な作業ではない。今になって思えば、奉太郎という「それっぽい答えを吐き出すシステム」は、形の上では上手くいっていたのかもしれない。 しかし、本作は駄目だ。「謎を謎として構築するシステム」はチカちゃんが割り振られるのかと思ったが、案外そうでもない。なんとも無茶苦茶な設定が、突如世界に組み上げられるのだ。それが顕著だったのが犬の飼い主の話。あんな状況、どう考えても起こるはずがない。意味が分からない。そして、それを「推理しよう」とするハルタのメンタリティが分からない。「グダグダ言ってねぇで警察呼べ」だ。謎の構築も無茶苦茶だし、解法を出すシステムも現実感がない。この時点で、ロジックを語ることの意味が無い。さらに、解答がはっきり出たはいいものの、あまりにも無茶苦茶過ぎるというパターンもある。具体的には「ヴァナキュラー・モダニズム」や「クロスキューブ」の話。「クロスキューブ」については感想でもその不可解さについて触れたが、続く4話目、「ヴァナキュラー・モダニズム」で何かの糸が完全に切れた。あんなもん、現実に起こりえないことは誰だって分かるわけで、あの一篇でもって、今作は日常の謎ミステリから、「ありえへん奇人変人が織りなす不可解コメディ」に変貌した。笑うしかないやん、あんな映像。そりゃね、いわゆる「ミステリ」の館ものなんかも、現実では絶対にあり得ない構造の建物なんかはいっぱい出てくるわけだが、その場合は舞台装置を使って非現実の物語を繰り広げますよ、っていう下準備が整っている。今作の場合、「日常の謎」の皮を被り、突然マスクを剥いだらシュールギャグが正体を現すという、なんとも食い合わせの悪いサプライズなのだ。そこから先は、もうついていくことが出来なくなった。一度「理解が及ばない」とさじを投げてしまうと、その後の小さなエピソードも冷ややかに見てしまうものでね……。 この荒唐無稽な内容については本当に手の施しようがなく、さらに、最終回ではフツーに吹奏楽青春ものとして無難に幕を引くなど、一本のシリーズとしても目的意識が散漫でまとまりのない作品になってしまった。そもそも、あれやこれやで変な入部のしかたをした部員にしたて、大して感情移入も出来ないのだからラストの演奏会で感動なんか出来るわけがないしな。何がやりたかったアニメなんだろう……。 1つだけ救える部分があったとしたら、それはチカちゃんの可愛らしさであろう。そこだけは確かなことだ。チカちゃんは可愛かったし、ヒロインを人間扱いしないハルタとの関係性も他では例を見ないものだったので、二人の殺伐とした掛け合いは楽しかった。そもそも主人公カップルが恋のライバルとして一人の男を取りあうっていう設定自体が無茶苦茶なわけだが……あの部分を突き詰めて、完全な三角関係ラブストーリーを描いてくれれば、興味も示せたかもしれないんだけどなぁ。とりあえず、チカちゃん役のブリドカットセーラ恵美にはお疲れ様を。チカちゃんは可愛かった(大事なことなので |
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カテゴリー
プロフィール
HN:
Thraxi
性別:
男性
趣味:
声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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