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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「空色ユーティリティ」 5→5

 何とも捉えどころのないアニメ。ただ、このふわっとした印象が別に悪印象にはならずに終わった。

 テーマがゴルフという「スポーツ」なのでどういった筋立てになるものかと身構えていた部分があり、既存のゴルフアニメと比べてどうなるものかと1クールを追いかけていたわけだが、「別にスポーツって趣味でやってても何もおかしくないよね?」と言われてしまったらお説ごもっとも。そして、そんなレジャーゴルフをテーマにアニメ作っちゃダメなんて法もないわけで、むしろ(昔ながらの)きらら系アニメのようなテイストを貫き通すことで、新たな時代のヘンテコゴルフアニメを実現させた。

 別に競技にがむしゃらになる必要はないが、だからってダラダラと素人の女の子がプレイしている様子を見ててもしょうがない。そこそこのモチベーションとそこそこの達成感、これを目指しつつ、さらに「女子高生が突如ゴルフに熱意を燃やす」というトンチキな状況にも説得力を持たせる必要がある。一番近いテイストは「ゆるキャン」だと思っているのだが、やはり1人キャンプと比べてもゴルフの方が圧倒的にハードルが高い。そこんところを「目標を持てずにフラフラしていたぼんやり少女」を主人公にすることで、自分探しという思春期の普遍的なテーマに接続させて一応の説得力に繋げている。美波にとって、ゴルフを続けることは多分将来的にそんなに役に立つものでもないし、間違ってもプロゴルファーになれるような器ではないと思うのだが、彼女は青春の日々をコースで過ごすことでかけがえのない経験をしているし、自分磨きにも役立てられている。趣味ってのはかくあるべきだし、心底「面白い!」と思っている趣味に没頭する人間を見ていれば、何となく周りだって楽しくなってくるものだ。本作はそうした「何かを知り、学ぶ楽しさ」を素直に表現できていたと思う。別にタイトルも賞金も、練習のモチベーションには必須ではないのだ(まぁ、変なところから賞金が発生してたけど)。

 思いの外「悪くない」ところに着地できた隠れた満足枠ではあるが、その性質上、もっと見たいかと言われても「まぁ、別に」というのも正直なところで、それこそどこかの配信者がダラダラ日常のことを垂れ流しているのを見るような感覚に近いのかな。なくても困らないし、あったら観てても不満はないっていう。アニメのクオリティを考えると、このくらいの感想で終わっちゃうのはちょっと勿体無い気はするんだけどね。まぁ、Yostar Picturesも今作で一大ムーブメントを、なんてことは考えてないだろうし、やりたいことがやれてればそれでいいのかもしれません。

 

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「青の祓魔師 雪ノ果篇/終夜篇」 ―→5

 サブタイトルが変わったけど2クール分まとめてでございます。

 熱心なフォロワーでないため、あんまり細かい部分が分かんない状態で適当に観てたという大前提なので評価するにしろ批判するにしろ、いい加減なことしか言えない状態。ぶっちゃけ「雰囲気で何となく」というだけの感想になってしまうが、「雰囲気で何となく」頑張ってたと感じられた作品。まず2クールの間ほぼ取りこぼしなく、真っ当なクオリティの真っ当なアニメを放送してくれた。それだけでも現代アニメにおいてはややプラス評価だ。

 その上で、シナリオもかなりヘヴィーな内容を真正面から描いてくれていたとは思う。「青の祓魔師」という作品の中で今回描かれたパートがどれほどのウェイトを占めているかは定かじゃないが、おそらく前回の島根云々よりも確実に本質に関わる部分だっただろう。ここをしっかり描けるかどうかで作品全体の質を大きく左右したんじゃなかろうか。そんな大事なパートを「大事そうに」作った。雰囲気感想としてはそんな感じ。

 悩ましいのは、後半の「終夜篇」の方が濃密すぎて、前半クールの「雪ノ果篇」の方の印象が薄まっちゃったことくらいだろうか。せっかくクソエロティーチャー・シュラさんがメインのお話だったのに。まぁ、結局は獅郎に戻ってくるお話だからその予備動作だったとも言えるわけだけど、生まれ育ちからしてなんか色々エロかったシュラさんを堪能できたのは眼福でした。そんで後半は「眼福でした」とか言ってらんないくらいのシリアスがガンガン押し寄せてくるのはしんどかった。まー、作品の雰囲気は本当に一貫してるよね。「悪魔」というテーマから逃げずにしっかり取り扱おうとすると、そりゃこういう話になるよね。

 今確認したら、これってまだ原作も未完なのかよ。もうこの世界で起こりうるあれこれはおよそ通過した気がするのだが、こっから先で何が起こっているのか……まぁ、雪男の話がなぁ……。

 
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「クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。」 5→4

 タイトルを1話目で回収しちゃってるから残りの11話が蛇足、それを出オチ作品という。いや、オチも弱いんだけどさ。

 ラノベ的なお約束をただ守り続けただけの作品だ。アニメ的な落ち度はほぼゼロで、作画は安定、キャラデザも嫌いじゃないし、コロコロしたデフォルメを多用する演出もそれなりに好みの方向性。試聴を阻害する要因は一切無かったのだが……それでも特に惹かれることがなかったシナリオライン。つまり出オチの「オチ」の部分ですでに負けていた感がある。いや、別に「結婚」という設定が悪かったわけじゃないんだ。そんなとこで差をつけられるとも思っていないし、今作の設定が取り立てて無茶なものだったり、鼻につくものだったりもしない。じゃぁなんで響かなかったかというと……ヒロインの性格がな……。なんかね、「ツンデレ」を履き違えすぎてませんかね? ツンデレと、それに付随する「暴力ヒロイン」が現代の潮流に乗っていないなんて話はちょこちょこ出てくるものだが、私個人としてはツンデレにはツンデレの良さがあり、それって別に時代に影響されるようなものでもないと思っている。たまたま2000年代初頭にその属性に名前が付けられて、釘宮ボイスが乗ったから時代の象徴みたいに扱われているが、現代アニメにだって立派なツンデレはたくさんいるだろうし、キャラが受け入れられる土壌もたっぷりある。「ツンデレは時代を越える」のである。

 しかし、それはもちろんツンデレの質が保証されていればこそ。今作のヒロインはツンだとかデレだとかいう以前に、そもそも「バカ」なのである。ツンツンするにしても、そこにきちんと読み取れる心情があり、素直になれない裏返しの気持ちを受け入れられる余裕があればこそ、ツンデレは輝く。しかし、今作のヒロインは何かというとただ喚くだけで、反応がbotのように固定化されている。何を言っても見当違いの罵詈雑言が飛び出したり、過度な暴力を匂わせてテンパったり。別にそれが本心じゃないことは分かるのだが、それが行動にまで影響して、ただ理不尽を振り撒くだけの存在になったらそりゃぁ人気も共感も得られないだろう。そんな相手に耐えながらも尊重できる主人公はよっぽどの人格者ということになるが、副次的な被害としてこちらにも人間性が欠けたように見えてしまうという悪循環。「ツンデレのテンプレ」の誤ったコピーが、このような歪みを生み出してしまったのではなかろうか。

 まー、それもこれも全部ギャグであり、作風の1つだと飲み込んでしまえばいいのかもしれないが……最終回での親友との口論とか、ダイレクトな人格否定を先に持ち出したのはやっぱりヒロインの方だったんだよな……口が悪いで済まされないレベルの失言の連続に、ちょっと忍耐がついていけませんでした。ふつーに巨乳ギャルとくっついた方がよっぽど幸せだよなぁ。政略結婚は悲劇しか生まないというのが今作の教訓なのだ(国語のテストなら0点の答案)。

 
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「沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる」 4→5

 終わってみれば、「あぁ、もう終わりかぁ」とちょっと寂しくなっちゃう作品。あっつい夏にでももう1回観たくなるかもしれないですね。

 第一印象はあまり良くなかった作品だったが、そこから「マイナス要素が順次消えていった」というのが端的な感想。ただ、キャラデザのクセの強さはまだそこまで好きにはなっていない。毎週オープニングのラストカットのぐにゃりと歪んだ変な顔で「うーん」となっていたものである。でもまぁ、それが本編に影響を与えたかと言われたらそうでもなくて、慣れてくればミルパンセらしい原色濃いめのギトギトデザインも、沖縄らしいあけすけな空気にしっくりきていた気もする。

 その他のマイナス要因は綺麗さっぱりなくなってむしろ愛着につながっており、「ゆるすぎるだろ」と思っていたメインのネタ回しについては「まぁ、これくらいの密度でちょうどいいよな」と思考が変化。最初は「道産子ギャル」や「八十亀ちゃん」と比較して「都道府県ネタってベタだからもっとみっちり詰め込まないとダメじゃない?」とか思っていたが、どうせ毎回やることは変わらないので、そこまで詰め込んだところであまり利はない。むしろダラダラと適当なことを言いながら、飲み屋の雑談くらいのペースでそれらしいネタを垂れ流してもらった方が良い温度感だ。また、他県と違って沖縄ってぇのはやっぱり独自色が強い文化が多く、普通に豆知識アニメとしても「ほうほうそれで?」となる部分もあり、作品のコンセプトはしっかりと維持できていたと思う。沖縄県民が見たときにどう感じるかはさっぱり分からないが、他県の人間が「未知なる地・沖縄」を面白半分で見る媒体としてはいいいじり方だったんじゃなかろうか。

 あとは「メインキャストがネイティブじゃない問題」もすぐに割とどうでも良くなった。むしろ地元土着民の方々にネイティブキャストが出てくるのを探すのが面白く、期待通りにちゃんと健太あたりも活躍してくれたので「現代沖縄県人会声優」はちゃんと揃っていたんじゃなかろうか。やっぱり儀武の存在感が格別でしたわ。

 
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SAKAMOTO DAYS」 5→4

 分割2クールのようなので現状で評価する意味はあんまりないのですが、一応。

 点数は下げたが、ぶっちゃけ「ま、ジャンプの漫画ってこんなもんだよな」という印象なので特段悪い部分があるわけではない。ただ、「夜桜さんちの大作戦」同様、純粋に子ども向けで描かれた漫画なのでおっさんになってしまうとあんまりクスリと笑える部分がなくなっちゃったなぁ、という話で、対象年齢が違うから面白いだのつまらんだのと文句を言うのも野暮というものである。いや、別におっさんが観ても面白い漫画もたくさんあるとは思うんだけども。単に今作がそういう方向性を狙っていないというだけで、そこは失点にはならない。

 その上で印象が下がってしまったのは、あんまりアニメとして力を入れてる感じが伝わってこなかったから。戦闘シーンとかさ、別に見せたければ見せてもいいんだけど、どうにも演出意図がチグハグな感じがしてなぁ。最終的にハートフル殺し屋コメディに落とし込むなら、それこそ看板作品だった「銀魂」みたいにギャグとシリアスの温度差はくっきりはっきり付けた方が観やすくなる。今作はサカモトのぼんやりしたキャラクター性を常に維持するためか、シリアスなシーンでもどこか抜けたような雰囲気が拭いきれず、シリアスに見せたいシーンも「空回りギャグ」みたいに受け止めるしかない状態に。シリアスに見せる手管にしても、トムスは頑張ってアニメーションを作っているのかもしれないが効果なんかはとってつけたような印象があり……あんまり積極的に楽しもうという要素は見出せなかったかな。

 まぁ、ジャンプ漫画の常として序盤はギャグとシリアスの間でフラフラして、いつの間にやらガチバトル漫画に傾注していくっていう流れはありがちだし、最終話の展開はいわば「ここから7人の悪魔超人編が始まるよ」みたいな示唆だと受け止めればここからが本番なのかもしれない。大して設定が複雑な作品でもないので、夏になったらまた思い出そう。

 
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「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚京都動乱」 ―→4

 うん、まぁ。

 割と賛否両論あるシリーズになったかとは思うんですよ。1期とはかなり明確に演出方向が変わったこの2期目。さらにアニオリの量が一気に増え、原作ファンからしたら色々と議論の余地がある。映像クオリティは「そこそこ」でキャスティングなどにも大きな不満はなかったため(予想通りに鎌足が村瀬くんになっちゃったのは苦笑いだったが)、焦点はやはり「シナリオラインの是非」ということになる。

 点数を見て分かる通り、私の結論は「やや非」である。別にアニオリが悪いとは思わない。原作と寸分違わぬ映像を作れなんてそんなつまらないことは思ってないし、実際に1期で混ぜ込まれたアニオリ部分とか、ちゃんと制作意図と作品への愛情が感じられたので「ちゃんとこの時代にリメイクした意味はあるな」と感じたものである。そして、2期に入ってからの多くのアニオリだって、一応意図は理解できる部分が多かった。大義名分としては「説得力を増すための描写の増加」「原作の矛盾点の解消」であり、原作で無茶苦茶やった部分を再解釈して「意味が通るでしょ」と見せる意図があったはずだ。

 ただ、残念ながらあんまりそのことに価値を見出せなかった。北海道編につながる部分、例えば十本刀間の関係性の描写とかは嬉しい部分もあったんだけど原作でそこが描かれなかったのって、結局「京都編」という大きなシナリオラインの中ではそうした部分は枝葉末節でしかないからだ。「なくてもいい」部分なのである。和月だって当時は十本刀が多すぎたと白状してて、不二と才槌みたいに「こいつら別にいらなくね?」みたいな奴らすらいる。そこに肉付けする意味ができたのは完全に後付けであり、このストーリーを見る際には不必要な部分だった。そこに力点を置く描写は、やはり趣旨がブレたと言われても仕方ない。

 また、細かい矛盾点を解消しようとする動きは勢いを削ぐ結果にもなってしまった。一番わかりやすいのは煉獄絡みの諸々だったと思うのだが、「素人手製の炸裂弾で大破する鋼鉄艦www」という昔ながらのツッコミを解消するためだけに「剣心と蒼士の邂逅」「宇水と齋藤の遭遇」などなどの後から見せるシーンを先取りしちゃうのも勿体無い。あと、個人的に一番不満だったのは「方治が格好悪かった」こと。方治の忠誠や妄執は和月も頑張って描き続けたキーポイントの1つだったのだが、余計なシーンが追加されたことでなんだか道化みたいになってしまった。やってることは「方治らしい」のかもしれないが、わざわざ見せなくても良かったシーンである。全体的に角を矯めて牛を殺す結果になった気がしてしょうがない。

 あとは単純に、「長い」。警察VS志々雄下っ端の構図とか、露骨に尺稼ぎの要素があったことは事実であり、古き悪き昭和のジャンプアニメのアニオリみたいな冗長さはシンプルにマイナス。どうにも、制作側が「あの要素も、この要素も!」と欲張ろうとしたことに枠の制約が重なって大きな歪みにつながってしまった印象である。

 もちろん3期もあるわけだが、ここから志々雄編決着までってことだよね? ……なんか変な比重になっちゃったなぁ。俺は何事もなく完結まで見届けたいんだよ。四星の活躍が見たいんだよ!(そこ?)

 
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「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅤ」 ―→6

 実はちょっと前に完結していたのだが、変則的な放送スケジュールのせいで捕捉にちょっと手間取ってしまった。この度無事に視聴できたので、微妙なタイミングでのゴールイン。

 個人的に一番感心したというか、納得したのは、1話目時点で「作った奴は何考えてたんだよ」と慄いたエンディングの映像が、全部観終わった後で改めて鑑賞すると「これしかないわ……」みたいな仕上がりだったこと。90秒間エンドレスでエロコスフレイヤさんを映し続ける映像、狂気の沙汰でしかないんだけど、結局一連の顛末はフレイヤさんの狂気の沙汰だったので。

 というわけで、今期は「VSフレイヤ戦、完全決着」という節目のエピソード。いや、多分Ⅲ期もⅣ期もそれなりに「節目」感はあったのかもしれないが、作品の初っ端からず〜〜〜っと登場し続けていたフレイヤさんとの因縁を片付けるお話はやはり特別だ。ここを一旦の着地点と認識するのは当たり前のことだし、それに相応しい仕上がりだったと思う。なろう小説群の中で取り立てて評価している作品というわけではないのだが、ここまでの話の広がりと、フレイヤという1つの執念を描いたその筆致は評価する必要がある。元々「神と人」が混在しているこの作品世界はどこかいびつなものを感じていたのだが、そのいびつさにきちんと意味を持たせ、納得いく形で「神と人の物語」の1つに終止符を打ったというそれだけで満足いくものだ。まぁ、単に頭のおかしな日笠が好きだったという話もあるが。

 愛の女神たるフレイヤにあれだけ執着されるというのは単なる人の子であるベルには荷が重すぎる部分もあっただろうが、4期にも渡る長大なダンまちサーガを経て、ベルくんもそれなりに権利を有するレベルになっている。むしろここまで主人公が真っ直ぐに成長してレベルアップしているなろう作品なんてものは他に類を見ないくらいであり、ぼちぼち「神の座」とぶつかり合っても問題ないインフレ具合にはなっている(それでもなお、決め技はファイアボルトだ)。強固なフレイヤ軍との対決は「フレイヤVSその他大勢」でようやくバランスが取れるレベルだったというのも説得力はある。そしてそのチームフレイヤの中でのドラマも一筋縄で行くものではなく、ここでも「神と人」の悲喜交々のドラマが確認できる。きちんとフレイヤ(シル)というキャラを打ち立ててから、その周囲の物語を紡いでいるのでキャラの多さに比してそこまでとっ散らかった印象もない。挙句、ベル・クラネルという男は神としてはヘスティアを崇拝し、人としてはヴァレン某に憧れ続けてるもんだから、人(シル)としても、神(フレイヤ)としても真っ向からフッちゃう理由も成立している。普通に考えたらたかが人の子がなんでこの状況でうだうだ言ってんねん、という印象になりそうなものだが、「ベルくんはそりゃしょうがない」という恋愛ドラマとしての納得感もあるのである。まぁ、それにしたって贅沢な話ではありますが。

 最後のキーパーソンがちゃんとリリ・ヴェルフだったり、とっ散らかったバトル展開の中でも締めるところは締めてくれているし、今回はダンジョンの外のお話だったおかげで紐神様にもそこそこ出番があった。見たいものは一通り見せてもらえたお話でした。

 多分原作はここで終わったわけではなかろうから、このままだと数年後にⅥ期もありそうな気がするが……まぁ、ダンジョン作ればいくらでも潜れる話だからなぁ。

 
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「チ。 -地球の運動について-」 5→5

 早いもので、あっという間に最終回シーズンに入ってくる。今期の口火を切るのはこの作品。NHKなので多少変則スケジュールながら、2クール25話を走り切った。

 正直、途中から割と適当にしか観てなかったのであんまり深いところまで入っていけなかった作品だった。ネガティブな要素は多数あり、とにかくアニメーションとしては画面が地味なことが最大のネック。「語り」が多い作品だというのに、そこにトリッキーな映像演出を入れたらそれはそれで作品意図と違っちゃうし、馬鹿正直に暗い画面を暗いままで吶々と語っていくしかない。目を引き続けるのは困難な構造の作品だった。「暗い画面」というのが文字通りに「暗かった」というのも視聴モチベーションを削る要素になっており、本作は「夜空」を見上げなければいけない関係上、とにかく闇が闇。別にそんなもんいくらでも嘘はつけるのだからライティングをちょっと明るめにしてもいいはずなのに、ナイトシーンはマジで誰がなにやってるか分かんないレベルで暗い(うちのテレビのせいかもしれないが)。強烈な暗さはおそらく制作側も意図している部分であり、手探りで何も見えない真理を探索し続ける者たちを表しているというのは理解できるのだが、ちょっとやりすぎ感がある。

 かてて加えて、描こうとしたドラマがどうにも観念的である。スタート時には「天文学」VS「キリスト教」という分かりやすい対立構図のお話なのかな、と思っていたら早い時点で「まぁ、テーマは別に地動説だろうがなんだろうが構わないんです。描きたいのは、知の探究も宗教と本質的に差異はなくただ生き様が分かれているだけということなんです」という人の信念のぶつかり合いを描いた作品になった。そこに正義も悪も無いため、いい言い方をすれば対等なバトルがあるわけだが、悪い言い方をすればどうとでも捉えられる水掛け論でもある。そりゃま、学問論なんてものは人類が何千年も繰り返している究極の水掛け論であり、たった1本のアニメで結論らしきものなんて出るわけもないのだが、それを延々切った張ったの命のやり合いで見せられる展開というのもどうにも珍妙な印象がある。

 そして何より、この切った張ったの展開の天丼感が凄まじい。地動説唱える、研究する、異端審問で捕まって殺される、以下繰り返し。ほんとに研究者側の性質をちょっとずつ入れ替えながらひたすらこの展開を続けていく流れは感心すらする。いやまぁ、考えてみりゃバトル漫画なんてのは「なんやかや理由を続けて戦う、以下繰り返し」なのだから本質的に大差はないのかもしれないが、それにしたってみんなして審問にぶつかって死にすぎである。作品としてはそこに筋を通すために審問側にはずっとノヴァクという柱を立てているのはむしろ親切な設計で、これが両サイドが常に違う人物で語られ続けたら完全にとっ散らかって訳のわからない話になっていただろう。「懲りない地動説の面々VS可哀想なノヴァク」という構図を作った上で、最終的に「ノヴァク側の物語」に収束されることで結末を見たのは、なんとも不思議で捉えどころのない書き味であった。

 とまぁ、ここまでネガティブなことばかり書いてきたが、じゃぁつまらなかったのかと言われると、これがそうでもないのである。微妙にテイストが変わっていく「探究者側」の人間関係やキャラクター描写は毎回ちょっとずつ興味を惹かれるものだったし、面白いキャラが出てくるのは事実。「どーせ最終的にみんな殺されるんや」と分かった上で苛烈な拷問シーンや殺戮シーンに至るまでの時間は別に退屈ではないのだ。そして全てを締めてくれるノヴァクの頑張り。私みたいな歳になるとヨレンタさんとの関係が可哀想すぎて見てらんなくなっちゃう悲劇の男。彼がいてくれたからこそこの作品世界が成立したので、間違いなく主役は彼なのだ。ノヴァクという1人の男が生き様を探し求め、後悔と戦い続ける物語と考えるなら、「毎回強力な敵キャラが出てきて、それを必死にノヴァクが打倒していく」という真っ当な成長譚(??)と捉えることもできる。多分私はそういう作品だったと認識しているのだ。

 まー癖の強い作品だったのは間違いないが、決して無意味なアニメ化だったとは思わない。ただ、「じゃぁもう1回見ましょうか」って言われると「いや、もういいかな……」ってなるくらいには重たかった。1クールに1本くらいは、こういう作品があると身が締まりますね。

 
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「新幹線変形ロボ シンカリオン チェンジ ザ ワールド」 5→5

 わんぷりに続いてこちらも1年間の物語に幕。厳密には4月新番なので10ヶ月くらいだけど。妙な時期に終わるもんだな。来週から2ヶ月はセレクション放送だってさ。

 さて、長い作品になったのでひとまず完走できたことでスタッフにはお疲れ様を。1年単位の尺で起承転結を作るストーリー展開はきちんとできていたし、終わってみれば単なるマシンの借り物だけじゃなく、立派に「シンカリオンの物語」になっていたとは思う。まー、肝心のおもちゃがどれくらい売れるもんかは定かじゃないが……日本を駆け回る多種多様な新幹線がいろんなところからいろんな活躍を見せてくれるのが今作の眼目であるというなら、その責務はきちんと果たせていたと思う。いちいち地方に出張していくので細かいながらも「ご当地もの」としての味わいもちょこちょこあったしね。

 ただ、個人的には1期2期の「元祖」シンカリオンの方が好きといえば好きでした。全く違うコンセプトになっているので比較する意味はあんまりないんだけど、やっぱ前作のダイレクトに子供向けの設定の中に混ざり込んだシュートなドラマ展開がよいギャップになってた気がするんだよな。今作は割と序盤からシリアス強めで、よく言えばグッと絞まったシリーズ、悪く言えばあんまり遊びがないというか、ちょっと暗さが付きまとうお話になっていた。

 本作は前作と違って「敵対する組織」がずっと存在しないのよね。いや、元祖だって最終的に「敵対」かと言われたら微妙ではあるんだが、今作の場合は敵だと思っていたものが全部身内だったり勘違いだったりAIの暴走だったり、全部「元を正せば人間が云々」みたいな存在ばかりで異界の脅威とか明確な悪意がないのだ(害意はあったかもしれない)。中でも最大の対立軸に「廃棄データの恨み」があり、途中まではハラハラしながら見ていたものだがビーナの叛逆を契機に、「……で、廃棄データの恨みとは?」と冷静にもなってしまった。いや、別にそこをがっつり設定で囲う必要もないのはわかってるのだが、もうちょい「形あるもの」との対立の方がお話としてはわかりやすかったし、イドとのすったもんだあたりのやるせなさはあんまり朝アニメで摂取したいような鬱成分ではなかった。姉貴のお話、イドのお話、レイジの顛末、そしてビーナとの対峙と、ず〜っと「やるせない悲しさ」が続くお話なのでなぁ。そこいらにもうちょい心温まる要素を加えてもらえると1期の時のあの優しさにも繋がった気がするんだけどね。

 でもまぁ、こうして気分が塞ぎ込んでしまうってことはお話の基盤がかっちりしていた証拠でもある。もしこれを若き鉄オタの種みたいな幼児たちが見ていたとしたら、今後の人生における人間関係を考える参考にしていただきたい。あとメタバースとの付き合い方も。

 

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