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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 JKマジJKな第8話。ベタベタなモンスター退治ものをやってるはずなのに、何故かそこかしこがギャグというのは、実に秀逸なセッティングだと思います。

 一度は喧嘩別れしてしまったマヤと亜美だったが、2人ともお利口さんなので、ちょっと感情的になってしまったことは分かっている。きちんと亜美の方から持ちかけて、皆神神社で仲直りの算段。しかし、そんな2人の関係性とは全く関係無く、何故かこの松代にチュパカブラが大発生しており、これまた訳もなく、すんでの所で亜美が巨大チュパに誘拐されてしまう。

 仲直りが完遂されておらず、ちょっと気まずい雰囲気ながらも亜美の親父さんに助けを求めたマヤは、なんとか心を通わし、JK、スマイルらの協力もあり、チュパカブラの根城を突き止め、無事にこれらを殲滅。亜美の救出に成功。亜美との仲直りは、マヤにとってオカルトとの復縁も意味していましたとさ。めでたしめでたし。

 

 ふむ、呆れる程シンプルな筋立てである。ちゃんと前回の伏線である牛の話が活きているし、今回ちょっと妙だったとはいえ、相変わらずの顔芸とテンション芸が元気なので、大活劇(?)も充分な盛り上がりを見せている。でも、その上でJKの活躍が印象的ってのがこの作品の罪作りなところだ。「誰か忘れてやしませんか〜?」って、お前今までどこにいたんだよ。忘れるタイミングが無いわ。そして、軽トラに積み込まれても機能するJKのダウジングは優秀過ぎる。精度も速度もあるダウジングなんて聞いたことないわ。最後の廃寺で確認した時は、ダウジングロッドがものすごい速さでビシッ!っと方向指示をしていたし、そんなロッドを使えばチュパカブラなんて赤子同然。一瞬のうちに四方から襲い来るチュパの大群を蹴散らしておりました。無敵やん、あのデブ。

 他の面々についても相変わらずというしかなく、特にこずえの空回りっぷりは今回も絶好調。マヤと亜美の対峙を何故か果たし合いだと勘違いするくらいなら可愛いものだが、今まで牛しか襲わなかったチュパカブラにものすげぇ直接攻撃をくらった人間第1号になったし、その後も他の面子が素通りしたポイントで襲撃じゃなくて拉致監禁され、明らかに先にさらわれたはずの亜美よりもげっそりして帰還。これで本人はオカルトに縁が無い気でいるのだから、ある意味幸せな娘である。ちなみに、今回一番おかしかったのは各人がチュパカブラ討伐に挑むときの準備シーンで、マヤはお得意のボウガン、スマイルもいつもの特大スパナ、亜美の親父さんは「HIGHSCHOOL OF THE DEAD」ばりの釘打ち機を用意していたが、特に準備するものも無いこずえは単に眼鏡をずり上げて「キラッ」てさせただけ。「おぉ、眼鏡が光るとは、今回のこずえはひと味違うぜ!」と思ったら、次のトラックのシーンであっという間に「メガネメガネ」してやがった。冒頭のソフトボールのシーンでもやってたし、どんだけ外れやすい眼鏡なんだよ。

 なんだかネタばかり拾えそうなので一応真面目な部分にも触れておくと、少しずつ補強されているのはマヤとオカルト、マヤと文明の関係性。文明は今回出番が少なかったので見せ場といったら襲われたマヤの背中を助けるシーンくらいだったが、「油断するなよ!」って格好良く決めたと思ったらすぐに釘を刺されるあたりは安定のヘタレ感。マヤが突入するシーンでも一番分かりやすい死亡フラグ台詞を吐いてくれました。マヤが「死亡フラグ」っていう単語を使わなかったのは、流石に1999年では使われてなかったからだろうか。とにかく、文明とマヤの連繋が自然になってきているのは、2人の関係性が前進している証拠と見ていいだろう。ま、正直この番組の視聴者はこの2人にくっついて欲しいとはあんまり思わないだろうけどな……

 そして、より明示的だったのは、マヤとオカルトの関係性。亜美と仲直りしたということは、その父親も含む「オカルト信奉」にも譲歩したということ。ラストシーンの笑顔は最も象徴的なものであるが、他にもチュパカブラのことを他者に説明するシーンなんかでも、嫌々ながら結局オカルトの存在に微塵も疑念を抱かないマヤのスタイルが確認出来る。まぁ、あそこまではっきりくっきりチュパカブラが出てきてるんだから、疑うもクソもないのだが。

 また、やや明示性では劣るが、今回マヤが亜美との約束をうっかり忘れていたというのも無視できないファクター。マヤにとって、幼なじみの亜美との仲直りはかなりの重要事項だったはずなのに、何故かすっかりそのことを忘れてしまっていた。その時彼女が何をしていたかというと、キャトられたと思われる牛の調査である。やはりオカルト絡みの調査となると、彼女は舞い上がって寝食を忘れてしまうのである。文明は今回突っ込まなかったが、なかなか微笑ましい様子ではないか。

 さて次回は、なんだか新キャラの幼女が登場する模様。恒例の懐メロ歌唱についても、キャラ名が伏せられ、キャスト名は水×××の表記。この表記でぱっと浮かんだのが水谷優子だった私はどうしたらいいのか分からないが、歌声だけだと、キャラ声で歌っているのもあってちょっと誰だか判然としない。現代声優界で筆頭といえば水樹奈々だろうけど、ちょっと違うかなぁ。水原薫、水沢文絵あたりが本命か。

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 オカルト好きの科学力と統率力の強さに感嘆しきりの第7話。一介の田舎の土建屋があそこまでのトリックを使えること自体がオカルトだよ。

 今回の主役はタイトル通りに、我らが普通の女子高生、黒木亜美ちゃん……ではない。どっちかっていうと初登場の親父の方が目立っている。一応「長野県の片田舎に住むフツーの家族が主役」と言えなくもないんだけど、ちょっと普通というのは語弊がある一家だからなぁ。

 久し振りに田舎に帰ってきたマヤを見つけて大喜びの亜美の親父さん。娘同然に可愛がってきたマヤが成長は喜ばしくも少し寂しくて、なんとか小さい頃のあの笑顔を取り戻してもらおうと、親父なりに努力を始める。「マヤを喜ばせるならやっぱりオカルトしかないでしょ」って発想であそこまでの労力を割けるのは本当に恐ろしい執着であるが、本当に善意でやっちゃってるあたりが人の良さの現れ。マヤや亜美の心境を思えば複雑ではあるのだが、なんだか微笑ましくはありますね。

 しかし、事態はそう簡単には進まない。亜美にとっては自慢の親父さん。そんな父親が馬鹿馬鹿しくも必死に奮闘している様子は、娘から見ても決して悪いものではない。見たところ父子家庭のようでもあるし、こんな悪ふざけ1つでひびが入るような親子関係ではなかった。そして、だからこそ事件の後のマヤの態度は許せなかった。「自分のために精一杯力を振るってくれたのだ」ということが分からないマヤではないはずなのに、まるで蔑むかのように親父さんの行いをこき下ろす。自分も内心呆れていたからこそ、マヤの本気の態度には逆に温度差を感じてしまったのだろう。

 そして、そんなマヤの心境も複雑なものだ。前回の一件で、文明への態度がいくらか軟化した彼女。未来の壮絶な様子も、幼い文明の不遇の身の上も、責任感の強い彼女には少なからず影響を与えている。そんな状況だからこそ、人類の命運を左右する事件である「オカルト」を冗談半分で軽んじてしまった亜美の父親には、つい感情的に接してしまった。幼い頃からの恩ある身を思えば、壮大な悪戯1つで本当に憎くなるほど亜美の父親に対して怒りを覚えたとも思えないのだが、状況が状況、焦っているだけに思わず感情的になってしまった。

 加えて、頬を張った亜美の一言、「父親をずっと嫌っていればいい」との物言いは、彼女の最も触れて欲しくない部分、実父との関係性を思い出させてしまう。かたや不仲で別れ別れになっていた父娘、かたや2人だけながらも仲むつまじく生活している父娘。その対比が、彼女の孤独な身の上にチクリと突き刺さる。

 亜美の親父さんも、そんなマヤの身の上を知っているからこそ、自分を庇ってくれた実の娘に手をあげた。マヤに元気になってもらおうと思って仕組んだ一件だったのに、結果的には一番触れてはならない傷をえぐることになったのだから、彼の心中も図るにあまりある。3人が3人とも他人を思いやることが出来て、それぞれに強い愛情で結びついているからこそのすれ違い。ちょっと切なくなります。次回できちんと改善してくれるとは思うんですが、サブタイトルが間抜けなのでちょっと不安です。この作品は本当にねぇ……

 というわけで、シリアスなネタは置いとくとして、今回も丁寧に作り込まれた画面はハイクオリティ。長野県・夏・田舎という組み合わせだと「サマーウォーズ」なわけだけど、あれに負けず劣らず、ノスタルジックな「夏の楽しさ」がにじみ出る日常描写が素敵。黒木家は娘さんとの関係性が凄く羨ましいです。風呂上がりにさばさばと出てきた娘と縁側でスイカって、なんか凄くいいなぁ。亜美の部屋もオリンピックのポスターだのぬいぐるみだのが雑多に並んでいて、なんだか「らしい」部屋になっていたのが印象的です。

 そしてこの作品のもう1つの売りと言えば、やっぱりギャグ。マヤがシリアス寄りの立ち位置にいたために、主な顔芸要員はこずえ(とJK)でしたか。こずえがはじけてる時の様子は「可愛い」とはなんか違う気もするんだが、どこか放っておけない愛くるしさがあります。



 そして完全ネタ要員のJK。プリンタワー、プリン噴射、そしてグレイコスと、ギャグ以外やる気無しとばかりの大活躍(?)。スマイルはなんであんなキモい奴とつきあってんのかな。そして、何で太めのJKがグレイ役を任されたのかな。どうせスマイルもクレーンの操作がろくにできなかったんだから、どっちかっていうと裏方をスマイルに任せた方が良かった気がするんだけど。そして、文明の写真に写ったJK大増殖の恐怖。あれは……何だったんだ……

 そういや、今回の一件は全て親父さんの仕込みってことで片が付いたことになってるんだけど、牧場の牛がキャトられてたのも彼らの仕業だったんでしょうか。他の騒ぎはかわいげがあるけど、キャトルミューティレーションだけ毛色が違う気がするのだが。

 今回の結論。→ロリマヤがやたら可愛い。 

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 まだまだ落ちない第6話。何だろうこの作品。やってることはベタベタのくせに、やたらとパワーがある。俺が見たかったアニメってのは、ひょっとしてこれだったんだろうか?

 前回の臨死体験で完全に別人となったこずえ。視力が回復しているほか、オカルトへの興味をまったく失ってしまっている。人としてはこちらの方が正しいような気もするのだが、毒気の抜けたこずえには親友たちも納得出来ない。何とか彼女にオカルトへの情熱を取り戻してもらおうと、マヤと亜美はよく分からない方向へと努力を始める。

 まずは前回こずえが食いついていたオカルトもどきの総ざらい。ポルターガイストに板書の謎の文字、エセつちのこにモスマン(未遂)まで色々とオカルト要素をぶつけて反応を見るが、どれもこれも全力の空振り。最終的には文明のスプーン曲げにまで協力を依頼するも、実に見事なイカサマっぷりにこずえも苦笑い。「やっぱりオカルトなんて馬鹿馬鹿しい」とマヤが挑発すると、こずえは同意しながらも涙を流す。心の奥底では、彼女は今の自分に抵抗しているのだ。

 そこで最終手段としてマヤが持ち出したのは、臨死体験装置を使って「忘れてきたこずえ」を回収するという作戦。もう、理屈も何もあったもんじゃない作戦だが、命がけの臨死ダイブで何とかこずえを引き戻そうと奮戦する。が、保護者責任で文明がストップをかけ、気付けば文明自身が臨死ダイブをすることに。

 彼の仮死状態での思考をモニタしていると、画面に映ったのは幼少期と未来の映像を交えた走馬燈。ここで面々は未来の凄惨な実情を目の当たりにするとともに、「内田文明」としての真の姿を確認する。もっとも、その意味を全て理解出来るのは事情を知っているマヤだけ。意外にも深刻な彼の思い出に、やや認識を改める必要性が出てきた。

 結局、とんでもねぇオチで易々と復活を遂げたこずえ。今までにも増して元気になった彼女の姿を見て、親友たちも一安心。マヤはというと、一応は命がけで生徒を守った文明に対し、少しだけ認識を改めるのだった。

 

 というわけで、前回のエピソードはきっちり回収出来たし、文明とマヤの関係もまた一歩前進したわけなんですが、もう、本筋のネタがひどい(かなり良い意味で)。あれだけ命がけのシーンやシリアスな過去話が展開して「おぉ、ようやく少しはまともなシナリオに入ったんだ」と思ったのもつかの間、「本当に必要なものはすぐ近くにある」なんて含蓄のある言葉を、まさかあんなネタにしてしまうとは。そりゃま、「メガネメガネ」には定番のオチであるが……この真っ直ぐなボケっぷりは逆に新鮮だわ。文明もラストシーンで期待を裏切らずに三枚目に戻ってくれてるしね。最後の最後まできちんとギャグを成立させてくれている一貫性は嬉しい部分。ま、今回一番笑ったのはダウジングロッドで鍵を開けちゃったJKなんですけどね。いくらピッキング犯でもそれは無理や!!

 そして、今回も実に見事だったのは、各種顔芸やずっこけなどの身体を張ったシーンの勢い。毎回「お前ほんまにメインヒロインか」と思うくらい悪鬼羅刹のごとき形相をみせてくれるマヤですが、今回も怒りに歪んだ表情や、あっけにとられて大ボケかました表情なんかがいちいち笑える。亜美と2人でつちのこを作ろうとした時のお約束のエロネタもやたら真に迫っていたり、路上ですっころんだ文明のリアクションなんかは無駄に動きが良く、この作品は細かい心理描写なんかよりも「ベタな笑い」の方に気合いをいれているように見えて仕方がない。いや、それでいいんですよ。今回の大オチの時のマヤの表情は、無闇に笑わしてもらいました。


 そして、一応少しずつ進行しているシリアス路線の話も、決しておろそかにはせず押さえておきたいところ。母親に仕事優先で少年期を忸怩たる思いで過ごした文明と、オカルトに人生を捧げた父親に振り回されたマヤ。マヤの親父さんなんて、1話では基本的にネタ扱いだったのに、気付けばいつの間にか「辛いエピソード」っぽくなっているのが驚き。また、スプーン曲げこそ出来なくなったものの、長年のテレビ出演の実績があるおかげで、実に巧みなスプーンさばきを見せる文明にも注目。何気ないシーンではあるのだが、いかにもプロといった彼の手つきに、長年蓄積された彼の「歴史」が垣間見える。この辺の要素の配置の仕方がうまいなぁ。

 そしてこずえのオカルトへの情熱というファクターを通じて、さらにマヤのオカルトに対する姿勢も仄めかされていることも忘れてはいけない。文明のスプーン曲げを見て散々オカルトをこき下ろしたマヤだったが、最終的にそれがこずえの涙を誘発することになった。これはつまり「こずえはオカルトの楽しさを思い出すべき」というマヤの意思の表れであり、どこまで行ってもマヤは「オカルト好き」なのである。ツンデレにしちゃぁおっかないが、そのへんのねじれた愛着の表出のさせ方も実に面白い。

 また、ギャグに収束していた要素ではあるが、こずえのオカルト熱を、彼女の眼鏡というツールに具現化させてシナリオに組み込んでいるのも興味深いギミック。そもそもこずえは「目に見えず、心でしか見えないものを見たい」という切なる願いのためにオカルトを追い求めているわけだが、そんな「目では見えないものを見たいと思う気持ち」という抽象物が、今回の事件では「彼女が探し求めている眼鏡」という具象物に代用されている。このすり替えはシナリオを理解しやすくする効果があるのはもちろんだが、彼女のメンタリティを1点に集約することで、「近さ」「大切さ」などの要素を視聴者に出来るだけ身近なものにする意味もある。この辺りの構成の妙も、この作品のシンプルな楽しさを支える一要因になっているのかもしれない。

 まぁ、個人的には女子高生がきゃっきゃしているのを見るだけでも楽しいんですけどね。特に前回と今回は3人娘がフルでしゃべってくれていて、賑々しさもひとしお。というか、ぴかしゃ、彩陽、花澤の絡みって、現代声優界花盛りなラインナップよね。ギャグでもシリアスでもばっちり決められてこその一人前。そう言う意味では文句ナシです。

 今回の予告から、テーマソングが彩陽歌唱に変わりました。曲目はなんと「HOT LIMIT」! 確かこれってBD/DVDにフルがつくんだよな……この巻だけでも、確実におさえにいくか!

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 眼鏡が見つからない時の焦りっぷりは異常な第5話。特に起き抜けに眼鏡がないとね……怖いよね……

 今回はマヤの学友、成瀬こずえを大フィーチャーしたお話で、頭から尻までず〜っとこずえ。ということは、ず〜っと花澤ということだ。花澤香菜はあまりこういうはっちゃけた役をやることは多くないのだが、個人的には無茶やってるときの方が面白くて好きかもしれない。最近だと「会長はメイド様!」でさくらが恋をする10話が面白かったし、「B型H系」とか「クェイサー」みたいに、完全に被害者体質で振り回されているのも独特の空気がある。

 そして、そんな中でもこのこずえというキャラクターのぶっ飛びっぷりは大した物で、見る物聞く物、すべてがオカルトに見えてしまい、しかもそれを全て自分で確かめないと気が済まないときている。心霊写真やオーパーツ探しならばまだいいのだが、ジンクスを確認するためにボロボロになったり、突然思い立って即身仏を目指してみたりと、友達のマヤも亜美も大変だ。普通に考えたらものすごく痛い子なので嫌われても良さそうなものだが、クラスでの扱いを見る限りではそこまで敬遠されているわけでもなさそうだし、案外愛されているのは不思議なところ。天然風味が放っておけない部分なのかしら。

 そんなこずえに振り回されているのに加え、マヤの生活はさらにヘタレ文明によってストレスフルなものに。文明は携帯をマヤに没収されて任務を遂行することもできないし、そもそも美風にお熱なおかげで任務どころではない。一度マヤのところに真剣な顔で登場したときには「おや、携帯を返してもらいに行くのか。一応仕事をする気はあるのだな」と感心したのだが、注進したのは携帯のことではなく、美風のワゴン販売の申し込みだった。うーん、1本筋の通ったヘタレ。マヤも切って捨てることになんの躊躇いも持つ必要が無くて良いね。まぁ、その割りには微妙にツンデレ風味なのが気になる部分だが……

 「星の王子様」の話まで持ち出して自分の夢を語るこずえのエピソードを締めくくるのは、「臨死体験をしてみましょう」という、オカルト学院とはいっても流石にやり過ぎな感のある体験授業。どう考えても教育や研究の範疇を超えており、「3分という時間を過ぎても短すぎても命に危険が及びます」って、先生もよくしゃあしゃあと言えたもんだ。そして、よくそんな提案にのりたがる生徒がいるものだ。一介の学園施設とは思えないような気合いの入った仮死発生装置に乗り込んだこずえは、そのまま死へのダイブ。彼岸をみたところで予定通りに帰還を果たしたわけだが、その様子はどこかおかしく、モニターには置き去りにされて「めがねめがね」なこずえが……

 少なくともこの作品が始まって一番オカルト的で、ちょっとぞくっとするお話です。あのモニタに映っていたこずえが一体「何」なのかはよく分からないが、とにかくこずえの一部分はまだ彼岸に残されており、返ってきたこずえは「オカルトに興味のない人間」という、アイデンティティを全てもぎ取られたような存在。マヤたちからすればこれ以上面倒ごとが起こらないのだから願ったり叶ったりの変化であるはずだが、友人たちはもちろん、それで納得出来るはずもなかろう。次週以降、こずえはあのままでいくのか、それともどうにかして「連れ戻す」ことになるのか。霊体やモスマンといった具体的な超常現象よりも、こういう得も言われぬ怪異の方が怖いもんですよね。

 個人的には、やっぱりこずえはドタバタしてくれていた方が面白いので、ちゃんと責任を持って引き戻してほしいもんです。今週も階段を転げ落ちたり、崖からダイブしたりするこずえがやたら面白くて、「この作品は落ちたり殴ったりウンコだったり、本当に小学生みたいな笑いの取り方をするよな」としみじみ感じ入ってしまった。こういうシンプルなコントって、時代世代を超えて通じるものだと思うんですよ。後はマヤの顔芸とかね。捻らずにストレートなネタだけに、それがきちんと笑えるレベルになっているのが偉いところです。

 次回も予告で流れていた曲は「アジアの純真」。こずえ編にちゃんと幕を下ろして欲しいところだけど、サブタイトルは「文明の道程」。どうなることやら。

 次回予告のネタも古典的なのになんか笑える。

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 モスマンだのスクラッグだの、昆虫ベースの怪物はやたら音に弱い第4話。パイロキネシスが使えるNo5が一匹に喰われたってのに、マヤとかスマイルはあれだけの数を相手に一歩も引かないってのはすごいよな。

 神隠しの調査を川島教頭に依頼された文明。地元の捜索隊に美風の姿を発見し、2人で死のドライブも兼ねた捜索を開始する。皆神山での目撃情報を元に1つの神社に目を着けた美風はひょんなことから山腹の空洞に入る道を発見し、暗闇の中を捜索。パニクった文明は象山地下壕から捜索に潜入していたマヤと鉢合わせし、そのまま世界樹跡を見つけたり、No5の亡骸(?)を見つけたり、モスマンに襲撃されたり、こずえを救出したり。幼虫が大量孵化したシーンからすると、こずえ以前に捕まった連中は全て餌にされてしまったようだ。幼虫の大群に襲われて大ピンチのマヤを救出したのは、紙一重で駆けつけた親衛隊、スマイルとJK。神代山ピラミッドからかろうじて脱出すると、洞窟は何者かが設置した爆弾によって崩壊してしまった。そして、1話の間に2回も女の子を見捨てて逃げ出した文明は、なんやかんやで美風にいい格好しぃ。

 今回フィーチャーされたのは、なんと言っても文明の徹底した格好悪さ。2話で語られた現代への到来シーンは全て嘘であることが自白され、世間を賑わせた天才スプーン曲げ少年の姿は過去のもの。サイコキネシスが失われて一切能力もないし、女の子にいいとこ見せようとする下世話な下心と、そのくせちょっとびびるとすぐに逃げ出す無責任なチキンっぷりが何度もシチュエーションを変えて描かれる。もう、清々しいまでのクズっぷり。もう、いっそこのくらいの駄目人間の方が見ていてイライラしないかもしれません。

 それに対して、1人地下壕を歩き続けていたであろうマヤは、化け物を前にしても、信じられないものを目の当たりにしても、終始冷静に対処しようとしている。流石に成虫となったモスマン相手では逃げるしかなかったようだが、幼虫相手ならばこずえの救出を最優先にしていたし、取り囲まれたピンチのシーンでもボウガンに矢をつがえて果敢に戦おうとした。世界樹を見つけた時の博識っぷりや、オカルトを語るときの輝いたような表情も印象的。ラストシーンではスマイルの持ってきた巨大スパナ(あれは一体何なんだろうなぁ)を背に携え、凛々しいまでのたたずまいを披露していました。また、しっかりと自己を確立した人間だからこそ、隣でぐずぐずしている文明にはイライラも止まらず、ウンコまみれの文明を「近寄るな」と一蹴し、自分を置いて逃げ出した後には「卑怯者」と一蹴。このコンビ、これから先一緒に活動できるんだろうか。ナリは怪しいけどJKとスマイルのコンビを使った方がよっぽど目的は果たせそうだ。もう携帯電話だけむしり取って独自に活動した方がいいよ。

 もちろん、アニメとして見てる分にはヘタレ文明と女王マヤの掛け合いを見ているのが楽しい。この作品は何か捻ったネタをてんこ盛りにしているというわけではないのだが、古風なドタバタのテンポが良くて、怪物相手にすったもんだしているのを見ているだけでも充分に面白い。ひたすら洞窟内を走って逃げるシーンでJKたちの背後を一瞬駆け抜けてまた洞窟に入っちゃうトコとか、逃げ出した文明がそのまま木に激突してぶっ倒れるトコとか、「トムとジェリー」みたいな古典アニメのノリだ。ポルシェでかっ飛ばす美風の暴走っぷりとかもそうかな。キャラの表情がいちいち極端で見栄えがするので、ギャグとしてみてる分には文句無いです。

 一応それ以外のプロット部分を勝手に推測してみると、やはり今回も美風の行動がどこか気になる。独自に調査して怪異に迫る手際の良さは駄目人間である文明との対比で必要以上に格好良く見えていたとしても、たまたまあの神社に怪しい影を察知する勘の良さや、偶然とはいえあの空間で秘密の入り口を見つけるきっかけを作ったことなど、やはり怪異に近付く何らかのキーを握っているように見えて仕方がない。あれだけ複雑な洞窟をいつの間にか平気で抜け出していたし、洞窟ではぐれたときに特に声を上げたりもしなかった。どうにも怪しいキャラではあるのだが、今のところは文明のギャグ顔を引き出すための狂言まわしとしての機能だけが明示化されている。

 そして今回もぶっ飛ばしてたギャグ要員が、川島教頭。本当は敵対組織の中枢で、洞窟の爆破を指示したのもこの人のはずなのに、文明が絡むとどうにもおかしな方向に暴走してしまうらしい。中の人のテンション芸が見ものだけど……画伯は画伯だよな(その内この人も次回予告で何か歌うんだろうか……)。他にも「抜群の童貞力を持つ声優」と神谷氏から太鼓判を押された水島大宙のヘタレっぷりとか、そんな大宙をヒールで踏み付ける勢いのマヤの中の人とか、JKの中の人とか、愉快愉快。唯一の心残りは、結局マヤ(の中の人)に「巨大うんこ」って言わせられなかったところですかね。ぴかしゃは何をやっても許される気がするよ。

 次回はタイトルからして濃厚なこずえ回(?)。予告ではずんぐりむっくりで色気の欠片も無いスク水姿を披露するなど、嫌が上にも期待感が増しますね。予告で流れてた「アジアの純真」は、うまいこと歌い手の個性を曲調に当てられてて面白かったです。花澤ボイスも、最近は本当に使い方を心得てきたな。

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 カレーは絶対箸で食えない気がする第3話。具体的な描写は結局出てこなかったけど、文明は毎日箸で完食してるんでしょうかね。器用な奴だな。

 今回のターゲットは、地元の伝説にも残るという、天狗である。アバンでは女子高生が天狗らしき存在にさらわれる描写もあり、長野の山中というロケーションも加味して、なかなかのセレクション。ただ、マヤにかかれば伝統の妖怪だって現代オカルトとして認識されるらしく、天狗宇宙人説をベースに、ちゃっちゃと調査をしてこいと文明に指示を飛ばす。

 身よりもない10年前に飛ばされた文明は、慣れない教師としての仕事にも疲れ、面倒極まりない上司に囲まれ、その時代の自分に郷愁を覚えてしまったり、なにかとセンチメンタル。指令どころじゃないメンタリティになって溜息混じりに入ったうらぶれた食堂で、ようやくこの世界で初めての癒しの存在、中川美風に出会う。テレビスターの「ブンメイ」ではなく、母と同じく「フミアキ」と呼んでくれた女性。ルックス良好、スタイル抜群、性根も真っ直ぐで正に理想の女性像を具現化したような美風に一発で参ってしまった文明は、その後も足繁く食堂へ通い、すぐに町を案内してもらうまでの仲になる。

 不釣り合いなポルシェでのルール無用の暴走などもありつつ、手近な名所を案内してもらい、最後に到着したのは松代象山地下壕。過去の記憶に共感して思わず涙を流す美風を見て、文明はますます彼女に惚れ込む。ちょっとは仕事もがんばれそう、そう思えるようになったのだろう。で、その一方ではマヤが同じ地下壕で謎のコウモリ怪人に襲われていました。続く。

 

 今回はマヤの百面相があまりみられなかったので画面的にはおとなしめの回。ストーリー的にも、異界の地で落ち込んでしまった文明がちょっと慰められるという中身なので、そこまで大々的な盛り上がりもなく、次回への伏線といったレベルのものに見える。ま、川島先生がなんだかものすげぇ人だっていうのが分かったり、ちょろっと登場したJKが抜群の存在感を示して去っていったりと、相変わらずキャラの濃さは強烈なんだけどね。文明は川島先生と懇ろになると白骨化した未来が待ち受けているらしいのだが……彼女はサキュバスかなにかなんだろうか。

 で、今回のメインはなんと言っても新キャラの中川美風である。純正みのりんキャラ、と言ってしまえば分かりやすい、中の人まんまのちょっとぽやっとした感じの巨乳美少女だ(そういや茅原の巨乳キャラって珍しいな)。文明の周りにはマヤだの川島だの、キツめの女性しかいないので、この美風の存在は正に天使のごとく映る。「フミアキ」と呼ばれたことで母親と重ねてしまうあたりはちょっとご都合主義な展開ではあるのだが、美少女キャラが増えてくれる分には悪い話ではなかろう。

 ただ、単なる癒しとして登場したかのようにも見える美風なのだが、今回作中ではちょいちょい気になる描写が重ねられている。最も端的なのはラストで感極まって涙を流したことだろうが、他にもおやきに対してやたら感情のこもった解説をしてくれたり、年の割に名所旧蹟の解説にやたら慣れていたりと、どうも「普通の食堂の娘」というだけではないように見える。そりゃま、あんだけ曲者じみたばぁちゃんと一緒に暮らしていたら町の歴史にも詳しくなるのかもしれないが、それだけでは説明出来ないような、「過去の出来事に対する実感」みたいなものを持っているような気がする。

 中川美風の正体は何なのか。折角オカルトがテーマの作品なんだから、深読みかもしれなくても想像するのは楽しい。一番安易な答えは、彼女が象山地下壕に関わる超常的な存在である、という案。分かりやすくいえば美風幽霊説。それならば彼女の持つ知識や思いについては全て説明出来るが、食堂で普通にばぁちゃんとコミュニケーションをとっていたことを考えると、「実は文明にだけ見えていました」っていう八九寺さん的なオチは流石になさそう。

 となると、第2案はタイムトラベラー説。過去の事象に詳しいのは、彼女が実際にその時代の人間だからで、何らかの理由で世紀末に飛ばされ、仕方なくあそこに住み始めたという案。これならば美風はあくまで普通の人間だし、文明が未来から、美風が過去からやってきたという対比も面白い。個人的にはこっちを推したい。正直、そのくらいのネタがないと、今回の諸々の描写がちょっと不自然に見えちゃうんだよねぇ。

 その他、多分本筋とは関係無いであろう小ネタもこの作品の持ち味で、一番笑ったのはおやきの解説の時に出てきた「ぽたぽた焼き」のおばあちゃん。あれって勝手に使っていいものなんだろうか。また、今回も相変わらずキャラ画にくせが強くて、妙な顔をしたときのキャラクターたちを見ているだけでも楽しい。美風の目尻の皺がやたら克明に描写されているカットとかがあったんだが、誰が得するんだろう。キャラデザに特徴があるので、作画担当次第でかなり印象が変わってみえますな。

 次回はようやく、今回ないがしろにされていたマヤの冒険の続きが描かれるのかな。文明が頑張るのも悪くはないけど、やっぱりこの作品の主人公はマヤですので。また彼女の百面相に期待したいと思います。

 そうそう、無事にエンディングテーマのCDが発売されましたね。高垣彩陽デビューシングル「君がいる場所」。みんなは何枚買いましたか?(アスミス風) わぁたしは〜〜〜1枚です! いや、ホントマジで洒落にならないくらいのクオリティですので、是非に。 

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 無茶苦茶なようで、それとなく設定は固まってきた第2話。今回も、トバしてます。

 突如マヤの眼前に降臨してきた男、内田文明。彼は未来からやってきたタイムエージェントで、この時代にオカルト学院に存在していたという「ノストラダムスの鍵」を破壊する指令を受けている。未来の姿を映し出すことが出来る奇妙な携帯電話を使い、学院中に散らばる名品珍品オーパーツの中から、「鍵」を見つけ出さなければならないそうな。そして、そんな「鍵」の存在こそが、マヤの父親、神代純一郎が殺された理由でもあるらしい。ファーストコンタクトの衝撃もあってなかなか相容れないマヤと文明だったが、マヤ自身も、父の住んでいた屋敷でエラい分かりやすいオカルト現象に遭遇し、命の危機に瀕したことによって敵対組織の発見が急務となる。「鍵の発見と破壊」という目的意識が一致したことで、2人は急造タッグを組むことが決まった。

 色々と突っ込みどころはあって、タイムエージェントの存在とタイムパラドクスの問題なんかをどうするのか、などは気になる部分ではあるのだが、ノリと勢い、自然と形成される「アニメ的な流れ」は申し分ない。何はともあれ作品としての大命題は決まったわけだし、それを取り巻くマヤ、文明、そして敵組織の一員川島千尋など、キャラクターの立ち位置も分かりやすい。今後の展開としては、学園内に眠る様々なオカルト要素を2人で探訪していくということになるだろうか。マヤの突っ込みが命を狙うほどにシュートなおかげか、2人の掛け合いが実に刺激的なので、この2人でドタバタやっているのを見るだけでも充分楽しめそうだ。

 改めて確認すると、この作品のセッティングは色々と美味しい。まず、「世紀末」の部分だが、これは当然ノストラダムスの予言の年、という意味が大きいだろうし、「オカルトみたいな胡散臭い話をしても何となく許される時代」としての設定だろう。ただ、既にこの辺の時代だと一大オカルトブームは過ぎ去った後だった気もするのだが(多分あんなスプーン曲げ番組はもう放送してなかっただろう。話が愛読書である「MAYA 真夜中の少女」の連載終了が1996年だし、この頃には既にUFOやらミステリーサークルやらの騒ぎだって過去のものだったはずだ)。まぁ、「世紀末」という何となく怪しげな響きと10年前という半端な時代設定は、色々とお遊びをやっても許されるような、奇妙な緩さを持っている気はする。次回予告でいちいち懐メロを流してその奇妙なノスタルジーを喚起させるのもなかなか効果的だ。

 そして「オカルト」であるが、今回はっきりしたのは、やっぱり「ホラー」と「コメディ」というのは紙一重であり、共存させると色々面白いということだ。この作品の場合、前面に押し出されているのは「コメディ」の方で、表情豊かなマヤのおかげで、周りを取り囲むドタバタが本当に生き生きと描かれている。文明とのやりとりは真正面からのギャグだろうし、死んでしまった純一郎の存在も、前話では完全にギャグとして扱われていた。不謹慎な部分もないではないが、パニックや不合理というものは、得てして笑いに通じるものである。

 その一方で、今回はホラー要素はホラーとして特にいじることなく描写されている。具体的にはマヤの家を襲った謎の不可視霊のくだりだが、シャワーシーンでカーテンに影が映るのに誰もいなかったり、鏡に血文字が浮かび上がったり、そうしたシーンの演出は実にまっとうなホラーもののそれである。これをそのまま積み重ね、緊張感を溜めに溜めて爆発させれば、きちんとした「ホラー」が完成する。しかし、この作品は「溜めた」先でこの緊張感を「コメディ」に転じる。具体的にはマヤの家をターザンよろしく襲撃した文明の描写であるし、マヤにぶん投げられてどんでん返しの裏側に突っ込んだ文明の災難である。本人達は至って真面目に怪異と対峙しているのに、そのドタバタはあくまでコメディ。この「溜めて、落とす」タイミングが、実に小気味よい作品独特のリズムを構築しているのだ。

 こうした胡散臭いコメディを構築するのに、スタッフは色々と手を尽くしている。印象的なのは、ちょっと古くさい雰囲気のするキャラクターデザインで、決して万人受けしないように見えるマヤの顔も、多彩な顔芸と迫力を出す細かいカット割りのおかげで、どんどん魅力的に見えてくる。その他のキャラクターたちも、この世界にはこれしかない、と思えるような奇妙なフィット感がたまらない。個人的には眼鏡の子(花澤ボイス)の本当に野暮ったい感じのルックスが好みです。

 また、そうした画面を構築する際のコンテワークも、意図してかどうかは分からないけどどこか昔風。少しずつ寄っていくカメラワークがコマ割だったり、あえて伝統的なホラーものの構図を拾ってみたり、あまり詳しくないので明示は出来ないのだが、どこか既存の作品に対するオマージュみたいなものを想起させる。こうした根本的な部分でしっかりとスタンスが構築できているのは、後のことを考えれば色々と楽しみな部分である。あとはまぁ、ぴかしゃのテンション芸を楽しみましょう。

 そして、前回触れてなかったので敢えて今回触れておくと、エンディングが彩陽である。エンディングが彩陽であるということは、つまりエンディングを彩陽が歌っているということだ。CDタイトルは「君がいる場所」、21日水曜日に発売だ。定価は初回版1,800円、通常版で1.300円。初回版はDVDもついて大変お得だ。是非発売日にお店で買おう。Amazonリンクとか貼らないから、各人自己責任で買おう。良かったら2枚以上買ってもいいぞ。

 なんで突然宣伝モードかと言えば、正直おじさん不安でしかたないからだ。頼むよ。デビューシングルなんだから売れてくれよ。どう考えても同僚のデビュー作(特に戸松)に勝てない気がするんだよ。歌唱力でいったら彩陽の方が売れてしかるべきじゃないか? ねぇ。当ブログは、全身全霊でもって声優アーティスト高垣彩陽を応援します。黒豆とかいった奴には紫電閃ばりの速攻を見舞う容易あり。彩陽の名前でググると当然のように寿の画像が現れる現状を何とかして欲しい。 

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 ま、大体予想通りの筋書きで幕を閉じた最終話。前回から幕を開けた(?!)どっきり国際紛争編の幕引きとしては、実にスタンダードな、教科書通りの展開といえるだろう。ここ2話については。

 響く軍靴の音。キレ気味の「鬼神」の話では、ローマ軍は示威行為のためにヘルベチアの国境沿いにぐるりと回っていた模様。なるほど、だからノーマンズランドから進行してきた訳か。そして、彼らの目的が脅しなら、当然それを愉快に思わないヘルベチア軍人もいるわけで、ホプキンスは何とかしてこれを開戦の足がかりにしようとアーイシャをうまいこと釣り上げる。ローマだって、あからさまに敵国側から挑発されればそれに応じる用意はあるわけで、あとはちょいとその火種をたきつけてやればいい。ホプキンスの計略は、ほぼ完成段階に入っていたわけだ。

 しかし、それを何とか阻止せんと起ちあがったのが「炎の乙女」たち。最終兵器タケミカヅチで突貫し、開戦地帯とおぼしき小競り合いの現場を急襲、そこでカナタが入手した「停戦ナル」の方を皆に伝える。だが、それでも一度動き出した武力は止まることが出来ない。絶望的な状況の中、カナタが選んだ選択は、ヘルベチアにもローマにも分け隔て無く響いた「ソラノオト」、アメイジング・グレイスだった……

 と、端的にまとめると普通の物語。今回は気持ち悪いくらいの動きを見せるタケミカヅチの完成した造形や、オープニングの絵画やアーイシャの存在をうまく絡めた「炎の乙女」の伝承を流すシーン、そしてクライマックスとなるカナタの演奏シーンなど、流石に最終回らしく気合いの入った仕上がり。実は個人的にはアメイジング・グレイスを聞くとどうしても「風の立つライオン」(さだまさし)を思い出してしまう人間なのだが、そのイメージと朝日に照らされながらラッパを奏でるカナタの画がなんだかいい感じにリンクして感じ入ってしまった。音楽のパワーってのは、本当に計り知れないものだ。

 ただ、「1話のアニメ」としての完成度は非常に高いのだが、今回の話は、あくまで「11話で起こった話の結末」である。この「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」という作品全体を総括する話としては、まったく全然本当に足りていない。旧時代とは何か、世界は本当に「終わり」を迎えているのか、時告げ砦の面々は、これからどんな人生を歩んでいくのか。どこから来たか分からないアニメは、どこに行くのか分からない終わり方をしてしまった。もちろん、全てが全て片を付けなければいけないというわけでもないのだが、流石に「戦争が起こりそうです。でも、起こりませんでした!」というだけで何となくめでたしめでたしというのは、ここまで作ってきた流れを考えるといかがなものか。それなら、アーイシャが登場する話をもう少し前に持ってきて、今回のローマ軍との対峙の描写をもう少し詳しくしてクライマックスを盛り上げるべきではなかったのか。軍人としての心構えを語るなら、先んじて軍人の抱えている無視できない感情、使命を描くべきではなかったのか。

 これまで出来る限り真剣にこの作品を見てきたつもりなのだが、なんだか、ちょっと裏切られたような、そんな気持ちになってしまう。もちろん勝手な期待、勝手な妄想をはねつけられただけの話ではあるのだが、もし「この最終回」がやりたかったのだとしたら、ここまでの12話の構成は、とてもベストのものだったとは思えない。どこかで何かを見誤ったのか……

 うーむ……どうにも視聴直後ではまとまらない。とにかく、色々難しい作品でした。最後に、今回様々な感情を抱えて怯えるノエルの演技は実に素晴らしかったと思います。あと、泣きじゃくりながらもきちんと意志を全うしようとしたクレハも。あおちゃん、キタエリ、いい仕事してます。 

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 急転直下、という言葉がこれ以上ふさわしい展開もなかなかなさそうな第11話。ここまでなあなあで持ってきたので何となく終わらせる展開なのかとばかり思っていたのだが、どうやらきちんとやることをやる覚悟はあるようだ。

 リオが去り、雪深さも相まってなんだか寂しい時告げ砦。そこに訪れた奇妙な来訪者は、なんと敵国ローマの女性兵士だった。素敵なおっぱいをお持ちの敵兵アーイシャは、ローマ語しか話すことが出来ず、肌の色もいくらか浅黒い。クレハはかたくなに彼女のことを「敵」として扱おうとするが、隊員たちの反応はまちまち。

 カナタは単に物珍しさが先立つらしく、「ローマ人って初めて見ました」とお気楽な様子。彼女の持ち物にラッパがあったことも勝手な親近感を抱く理由になったのか、何とか意思の疎通を行おうと試みる。彼女の奏でた「アメイジング・グレイス」は、彼女の信条である「音は誰の上にも響く」を強く押し出したようだ。

 敵国の人間を見て過去の記憶がフラッシュバックしたのがノエル。彼女はヘルベチアの軍事施設で研究に従事していた過去があり、その時に生み出した成果が、軍事利用されたことに対してトラウマを抱いているようだ。「見えない死神」である天才少女は、傷ついた敵兵に、自分の咎を嫌でも刺激される。何とか乗り越えようと努力してはみたものの、最終的には「見えない死神」というキータームをアーイシャに宣告され、恐慌状態へと陥ってしまう。歳の近いアーイシャにまでその二つ名が広まっているということは、彼女が「生み出してしまった」災厄はローマに多大な被害をもたらしたようである。

 そして相変わらず腹に一物抱えているのが、隊長のフィリシア。リオとの誓いもあり、彼女は彼女なりに砦の役割を考えて指揮を執る。セーズに出現した敵兵というファクターは国際情勢に大きな影響を及ぼすらしく、彼女はその事実を囲い込むことで、何とかリオが動けるだけの時間を稼ごうとしているようだ。しかし、状況は休戦中と言っても戦時下である。残念ながら彼女の賭けは成立しなかった。

 4者4様で「敵国兵」という異分子に対する反応を見せる面々。そして唯一ローマ語を理解出来るユミナも、自身の信仰と、アーイシャの目的に戸惑いを隠せない。「世界を滅ぼした悪魔」、もしくは「黙示録の天使」とは一体何なのか。ぶっちゃけすっかり忘れていたが、1話でカナタの見た謎の化石(壁画?)が、最終局面で重要な役割を担うようだ。

 そしてついに現れた「敵」。ローマ軍は大量の実戦兵器を伴い、ノーマンズランドを進軍してくる。……って、そっちが隣国? ノーマンズランドって何も無い土地っていう設定じゃなくて、単に国境付近の不可侵地帯だったの? 5話の説明や7話の回想では、とてもその先に敵国ローマがあるとは思えない描写だったのだが……それともローマ兵は面倒な進路を取ってぐるりと大回りして、想定外の方向から急襲をかけてきたってことなのかなぁ。よくわからんが、とにかく凄い数と凄い気合いの臨戦態勢。講和条約やら何やら、この国の外交はあんまり役に立ってない模様。

 まぁ、とにかく各人の立ち位置は大体分かった。フィリシアが現場指揮、リオは上層部からの軍事介入、ノエルはタケミカヅチを起動させての最終兵器の役割だろう。そしてカナタが繰り出すのは、間違いなく「そらのおと」である。兵士になっておきながら敵兵に対して全く闘争心をかき立てない彼女、「ヘルベチアもローマも同じ音が響いていたんだ!」と完全平和主義の彼女のこと、きっと神々しいまでのアメイジング・グレイスを奏でて戦争終結に導いてくれるに違いない。……って、随分甘っちょろい脚本だな。流石にそんな安直かつつまらないオチにはならないと思うけど。

 今回はローマ語がドイツ語だったってことが分かった。敢えてアーイシャのデザインをあまり欧米人っぽくなくして(どちらかというとアラブ系に見える)、さらに言語がドイツ語、名前がローマと、ちょっとずつ色んなものを混ぜて明確なモデルを固めないようにしているようだ。戦争を描いた物語の場合、敵兵が転がり込んできて云々というシチュエーションは王道ではあるのだが、街の人々やクレハの様子を見る限り、やはり敵国と言えば鬼畜のイメージ。なまっちょろい性善説エンドとかは勘弁して欲しいな。最後の最後で何かエポックメイキングなことをやってくれることを期待したい。

 ちなみに、今回全編ドイツ語のアイーシャを演じたのは、なんと宮原永海。英語が堪能なのは知ってたけど、まさかドイツ語もこなせるとは。貴重な人材ですなぁ。そして人間の耳ってのは不思議なもので、しゃべる言語が変わっただけで中の人が誰なのか全然分からなかった。やっぱり聞き分けって純粋な音というよりはアクセントとかイントネーションで区別してるんだろうね。 

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