最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
通常形態のパックさんが出てくるだけでちょっと幸せ、第22話。現状、私の中のヒロイン(?)ランキングはレム→ミミ→パックさん>>エミリア。 白鯨討伐が終わり、残る課題が実は本命の魔女教討伐。正直、前にスバルが魔女教と絡んだのが一番荒れてた時期だった上に死に戻りを繰り返していたせいで、魔女教に関するデータがいまいちはっきり認識出来ていない。彼らは「スバルがロズワール邸に帰ったら領内の人間を虐殺していた」というのが現在の罪状だよね。白鯨討伐は時間的にこの殺戮劇の前までで間に合ってたってことだよね。そして、ループの間に何度かスバルにコンタクトを取ってきたのは、例によってスバルの「匂い」がきつかったからで、今回の下っ端どもの対応を見る限り、彼を歓迎する意図こそあれ、別に敵対意思はなかったということでいいんだろうか。そりゃま、魔女教からしたら「嫉妬の魔女」が唯一神みたいなもんで、LINE感覚でその魔女と繋がることが出来るスバルは業界じゃちょっとした大物扱いされてもおかしくない存在なわけでね。ただ、その割には前のループで何度か命の取り合いみたいな展開はあったんだけどね。あの時もあくまで拉致からの布教がメインであり、スバルに対する殺意は特に無かったんだね。言われてみれば実行犯は毎回パックだったしな。 で、そんなバックグラウンドさえ分かってしまえば、なかばチートじみた特権を持つスバルが魔女教の連中に後れを取る道理も無いわけで。「匂い」をばらまいて勧誘しておき、さらに以前拉致されたおかげで本拠地の場所も大体分かっている。案内されて辿り付いた先ではペテルギウスさんが1対1でのお出迎え。まさにVIP待遇。いつも通りのハイテンションを前に尻込みこそするものの、相手の目的が分かっているというのは精神的にもプラスだったのだろう。そのまま彼の放言は聞き流し、後は手に入れた最大限のコネクションをフル活用し、強すぎる護衛兵の皆さんによって「怠惰一閃」である。「うわ、弱っ」って思ったが、ま、鯨の上を突っ走れるおじいちゃんが相手ならこんなもんなんですかね。元々スバルが弱かっただけという話もある。あー、でもペテルギウスさんは多勢に無勢とはいえレムを押し切った実力は持ってたんだよなぁ。今回は不意打ちが効いたってことでいいんかな。 死に戻りの最大特権である情報格差によって、完全に覚えゲーの「覚えた」状態になっていたスバルさんはあっさりと因縁の対決に勝利。彼の手柄はもちろん情報源としての役割が一番だが、個人的には、怨敵であるペテルギウスを前にしても感情的にならずにクールに対処出来たことは褒めてあげてもいい部分だと思ってる。あれだけ凄絶な思い出、特にレムを惨殺した憎き憎き敵を前にしているのだから、ちょっと前までのスバルだったらキレて色々台無しにしてもおかしくなかった。たどたどしいながらもちゃんとプラン通りに役割を果たせたのは立派だったんじゃなかろうか。まー、後ろ盾が最強だったから心に余裕ができた、ってのはあるのかもしれないけど。 これで済んでおけば楽なミッションで万々歳だったのだが、残念ながらチームスバルにも犠牲者が出てしまった。どういう仕組みだったのかはよく分からないが、ペテルギウスの意思を継ぐもう1人の魔女教信者による最後の一暴れ。キャストクレジットのところには「女狂人」としか書かれていませんが……何だったんだろうね、アイツ。元々ペテルギウスの「指」の一本だけど、その中でもちょっと突出した才能の持ち主で、彼の意思を継いで暴れ始めた、っていう認識でいいのかな。「見えざる手」を使いこなしていたところを見ると、意思だけじゃなくて能力の部分でも何か受け継いだ部分はあったみたいだし、「怠惰」のポジションは相伝で引き継がれていくものなのかもしれない。あと、首の角度ね。あの曲げ方は魔女教に伝わる礼節の1つなんでしょうかね。 最後の油断から犠牲者を出してしまい、素直に喜べなくなったスバル。まぁな、自分は死んでもコンティニューがあるからいいけど、自分が生き残った場合の死者ってのは取り返しがつかないからな。「死んでも戻れない」なんて当たり前のことの重みが、改めて確認されたわけだ。 そして、いよいよ目的地にたどり着くことに……なったはずなのだが、さて、ラムさんがなんかちょっとおかしな雰囲気。冷気をまとっていたようにも見えたのだが……あれ? パックさんがまた覚醒してるの? 大丈夫? 今死に戻ったらどこからリスタートすることになるやら。 PR おっぱいまくら! 第21話。結局最終的には万能対策マシン・レムが大暴れしてくれるからこそのリゼロである。もう、今作についての不安といったら「どれだけ頑張ってもエミリアは正ヒロインの座に返り咲けないと思うけど大丈夫か」のただ1点だけ。 白鯨戦決着。前回の引きではなかなかの絶望感を演出してくれたわけだが、冷静に分析してみたらそうでもなかったよ、という状態。「犬の人がスバルをかばって犠牲に!」→「ギリギリ生きてた」。「爺さん食われた!!」→「鯨は食われてからが本番」。「鯨いっぱいいる!!!」→「よく見ると全部同じ傷ついてた」。ということで、前回の派手な戦闘シーンは全く徒労などではなく、充分にダメージは入っていたのである。まー、流石に何やっても無駄なレベルのバケモノとは戦わないか。クルシュ隊だって勝算があったからこその編成だろうしな。 爺さんたちが一時離脱した部分についてはクルシュの「飛ぶ斬撃」と鉄球魔人レムのおかげで何とか持ちこたえる。前回の爺さんのハイパー切り刻み行進も愉快だったが、レムはより野蛮に、より暴力的に鉄球を打ち付ける。元々レムって何で鉄球を持ち武器にしようと思ったんでしょうね。「鬼」っていう出自に何らかのプライドとか後ろ暗さみたいなものがあるのかな。ラムは何か専用武器もってたっけ? まぁ、とにかく鯨の柔らかそうな肌にもぐっちゃぐっちゃと鉄球は埋め込まれていく。絶望的な状況には見えたが、クルシュさんが存外冷静だったおかげでスバルにも考える程度の心の余裕が生まれ、主人公特権で無事に突破口を見つけることが出来た。まぁ、突然3体に増えるなんてあり得ないことだし、全部同じように出血してるんだからおかしなことくらいはすぐに気づけるだろうが、「高みの見物の1体こそが叩くべき相手」っていう気づきはスバルの功労かな。そしてそんな高所の敵を叩くためにもう一回使わせてもらう、魔女の残り香。結局スバルがもってる死に戻り以外の特性ってそれだけだからなぁ。上手く使っているかと言われれば微妙だが、どっちかというと「驚くべきウザさ」という自虐的な武器への転化が面白かったかも。他人から見れば邪悪さ以外の何ものでもない魔女の気配は、スバルの「ウザさ」となって鯨さえ無視できない唯一無二の武器へと昇華したわけだ。 そして、ラストは大木切り倒し大作戦。サイズ比を見る限りではどう考えても鯨を倒すよりも樹を切り倒す方が重労働のような気がするのだが、そのあたりは突っ込まないということで。「何となく頭を使った感」が出せる作戦だし、アニメにしたときに見映えも良いしな。あれだけでかい樹だと倒れるまでにエラい時間がかかるだろ、とか、とてもじゃないけど倒れる方向を調整出来ないだろ、とか色々問題があるのだが、その辺は「アニメスタッフがちょっと盛りました」ということで納得しておく。しかし、あんだけ立派で霊験あらたかに見える樹を切り倒して良かったものかどうか……。 経過はどうあれ、とにかく目標を達成した一行。最後は爺さんが締めて、スバルではなく爺さんのクロニクルの1ページとしてなんかとても良いお話。爺さんの過去話なんて先週ポロッと出てきただけなのであまり感情移入出来ない気もするのに、なんか良い雰囲気で丸め込まれてしまったのは回想とクロスオーバーする画面の演出の妙かね。「剣聖」と呼ばれるお姫様も可愛かったしね。ここで「過去の恋愛話」を1つ盛り上げることで、これから訪れるであろう、スバルとエミリアの再会も盛り上げる意味もあるのかもしれない。そのためにレムを退場させるのは倫理的にどうかとは思うが……流石にあれだけのオーラを放つレムをそのまんまにしちゃ、エミリアとのあれこれなんて展開出来るわけがないしなぁ。大人の事情でいったん退場してもらうしかないのだ。 代わりに、ヘンテコ猫娘ミミちゃんが残ってくれたのは個人的には嬉しいところ。もう、あの変な声聞いてるだけで幸せですわ。さらにミミにはもう1人の弟もいるらしいが……なんか余計なの連れてきた。そうね、まだスバルのこと認めてないヤツはたくさんいるよね……。 ただ、今回の一件でクルシュ陣営は完落ちした。クルシュは「対峙することになっても敬意は失われない」っていう、なんだか後々までフラグになりそうな発言をしてくれたし、爺さんは出会った頃の軽蔑していた視線は嘘のように、圧倒的な敬意でもってスバルと接している。大胆な手のひら返しではあるが、クルシュ陣営は「理」と「義」を重んじる一派であり、鯨討伐というビッグイベントのボーナスは充分に彼女達の人生をひっくり返すほどのインパクトを持っていたということだろう。言わば、未来予知で得た情報が偶然万馬券だったようなものである。結局突き詰めるとスバルの人生ってのはそういうイベントの発見過程なわけでね。手に入れた強力な「コネ」というアイテム、次なるミッションでは上手く使いこなせるかどうか。さて、残りの話数では一体何が起こるやら。 ゴジラにルドラに白鯨に、第20話。今週は個人的に大怪獣ウィークになりました。ただ、ゴジラとルドラは退治されたんだけど、残念ながら白鯨は……。 怪獣対人間、古き良きモンスターハントの鉄板構図である。前回登場時に悠々と空を飛んでいた白鯨を見て、「こんなもん、どう考えても射程が足りないやんけ」と思ったものだが、人間軍もあっさりとそんな不安を飛び越えてきた。クルシュは「飛ぶ斬撃」が使用可能だし、光学兵器(一応魔法兵器)は多数取りそろえられていたし、今回メインとなったおじいちゃん、ヴィルヘルムさんはほぼ飛行能力と同値の桁外れの跳躍で鯨を圧倒する。もう、おじいちゃんが鯨の柔肌を切り裂きながら走り回るシーンとか、完全にギャグでしかなかったな。他にも数々の戦術でもって、予定通りに白鯨のスタミナを削っていくクルシュ軍。戦果は容易く得られるものだと思われた。 しかし、どうにも古よりの伝説の魔獣さんは色んなところで規格外。確かに大量の血を噴いているようなので多分効いてることは効いてるんだろうが、いかんせんサイズが大きすぎて、ちょっとやそっとのダメージではなかなか陥落までは届かない。RPGのラスボスみたいに、部位破壊からダメージの蓄積が分かれば良かったのだが、全体的に満遍なく切り刻んでいるせいで、どの程度効いているのかもいまいち分からないしなぁ。一応、目ん玉くり抜いたのは効いているとは思うのだが。その目玉のダメージが契機となり、白鯨はお約束の第2フェイズへ移行。「霧による分断及び即時攻撃」という最大級のチート兵器に加え、「鳴き声による精神錯乱」という補助魔法まで使いこなす。これ、RPGでも一番面倒なやつじゃないですか。HPの回復と状態異常の復帰を同時にこなさなきゃいけないので、ヒーラー役の負担が大きくなって手数が足りないパティーンだ。 回復に時間がとられている間、スバルは予定通りに魔女の残り香で鯨を誘い込むお仕事を担当。「死に戻り」っていう単語を口にしただけで魔女さんがいらしたようだが、あれは一応「レムに聞こえそうなタイミングだから」ってことでいいんでしょうか。前回同じようにカミングアウトを試みた時にはエミリアの死という最悪の結果が待っていたというのに、懲りずによくチャレンジしたもんである。魔女さん的にはグレーゾーンだったかもしれない微妙な呼び出し行為だが、一応OKということで囮役は成功。本隊を休ませている間はチート能力を持った遊撃隊との戦いになった。じいさんと狼人間は割と調子にのって「思ってたよりもぬるゲーですわ」とか強がってみたものの、初撃で致命傷を与えられなかったということはその後の追撃にも決定打は無いということで、ジワジワ削られて結局爺さんがゴックン。さらに狼の人もスバルを守って壮絶な討ち死に。あれ、今週で鯨を迎撃出来る手はずではなかったのかよ。まさかの鯨逆転展開になり、ラストシーンでは更なる絶望のお裾分け。流石にそれは聞いてないってレベルじゃねー。せめて幻影か何かだったら救いもあるのだが……。本当に各種絶望が取りそろえられたアニメである。 そういや、スバルさんの目的ってあくまでもエミリアの救出なんだよね。白鯨に負けるエンドってのもアリといえばありだが、なんだかどんどん行動が脇道にそれているような……爺さんを失った今、クルシュさんはもし目的を達成した後にもちゃんとスバルとの契約を履行してくれるんでしょうかね? あ、今週もレムは大変可愛かったです。 謎のフランダース推し、第19話。あの着メロの選択は一体どういう意味が……まぁ、元々引きこもりだったスバルの携帯の着メロがどの程度活用されてたのかは知らんけどさ。 前回までが「種まき」で今回からが「刈り取り」。本来ならば刈り取り始めるところからが楽しいはずなのだが、今作の場合はどっちかっていうと種を乱雑にまき散らしていく様子の方が見応えがあるので……今回は予定調和じみた英雄展開が分かりやすい、というお話。とはいえ、そこをそう括用するのか、ってのは全く予想してなかったけど。ま、視聴者目線からではクルシュの狙いなんて分かるはずがないから想定外なのは当たり前だけどな。そもそも白鯨が出てきたのがかなり突然だからな。原作だとひょっとしたらそのあたりの繋ぎはもう少し丁寧なのかもしれないが、今回は多少飛ばし気味な感じもありつつ、一気に全てを片付けてしまう勢いだった。 結局、死に戻りを唯一の武器にするスバルが他者を上回れるのは「情報」というただ一点のみ。ちょっと歪んだ形の未来予知みたいなもんで、ものすごく極端な表現をすれば、今作は主人公が未来予知して最悪の未来を回避し続けるというだけのお話である。ただ、ここまでの展開ではそうした単純な情報のアドバンテージを見せるというだけでなく、繰り返されるループの中で、スバルという人間に積み重ねが発生し、同じ時間軸の中でも「違う行動」をとるのは情報の多寡もありつつも、彼自身の信念の変化みたいなものも必ずついて回ったのである。今回も、前回のレムとの問答なんかで彼自身に大きな成長があったのは事実だろうが、色々と処理しなければいけない問題が多すぎるため、多少性急な感じで「情報のアドバンテージ」部分だけが先行しているイメージである。レムとのあの対話のあと、どこをどうひねくり回したら「クルシュに白鯨の情報を売る」なんて考えになったのか。おそらく今作で一番大切なのはそのあたりのお話だろうから、そこがバッサリ無くなってしまっているのはちょっと残念(元からあるのかどうかは知らないが)。 もちろん、成長劇の成果としての変化はきちんとあらわれており、彼が16話で王選候補者の間を這いずり回って得た人生訓は今回十全に活かされている。まぁ、教えてくれた本人達にそのままダイレクトにその学んだ内容を叩きつけているのだから、これもちょっとした反則行為ではあるのだが……。クルシュの求める「理」のお話には彼女の大願を看破することで応えてみせたし、アナスタシアの求める「利」のお話については、まさに「情報は資源」という姿勢を明らかにすることで、優位を示す事に成功した。アナスタシアからすると、スバルみたいなゴミクズがどのようにクルシュ相手に立ち回るのかを見てみたかったという事情もあったのかもしれない。王選候補者たちって、互いにライバルどうしのはずなのにバチバチに対抗意識を燃やしているだけではなくて、お互いに人間性を値踏みしながら楽しく喧嘩してる雰囲気もあるんだよな。 こうして、2人の力強い味方を手に入れ、ひとまずの目標である白鯨へと突っ込む一同。これで「前回のループと違って今回は白鯨が出てきませんわぁ」とかだったら最高にクールだったのだが……(正直、「実はオットーが大量に抱えていた油が呼び水になっていたので、今回は白鯨が現れない」っていうどうしようもない展開に期待してた部分はあったのだが)、今回も無事に白鯨登場。しかし、あの高さで滑空する存在に、どれだけ騎兵隊を集めても通用するものかね? かなりの飛行能力だと思うのだが……だからこそ「囮」としてのスバルが意味を持つってことかな? 人間達がどれだけあの鯨に抗うことが出来るのか。次回はかなりの大物狩りのシーンが描かれることになりそうで、どんな描画になるのかは楽しみである。 そして、スバルの目的は別に白鯨ではないんだよな。まぁ、ある意味でレムの仇なのでぶっ殺したいくらい憎んでる部分もあるのだろうが、あくまで最終目的はエミリアの救出、ロズワール領内からの魔女教の排除である。今回参加してくれたクルシュ軍・アナスタシア軍はみんな協力してくれるんでしょうか。クルシュ軍には「理」があるのである程度の仕事はしてくれそうだが、アナスタシアは……鯨が迎撃されたら満足して帰りそうな気もする。正確にはどういう契約内容で連れてきてるんでしょうね。どんだけ人員を割いたところでペテルギウス1人に勝てるかどうかもちょっと疑問ではあるけど。小猫姉弟の活躍が見たいです。 大天使爆誕の歴史的瞬間、第18話。全てを消し炭と化す圧倒的殲滅力を誇るレムの前に、森羅万象はただただ傅くことしかできない。 もう、特に説明することもない「ヒロイン回」。英雄が生まれる理由はいつだってその傍らの女の子だ。底の底の底の底まで堕ちたスバルを英雄に仕立て上げるのは、傍らで常に見守り続けたレムの存在であった。彼女の真っ直ぐな憧れの気持ちが、わずかな時間でスバルを英雄にまで引き上げた。その手練手管の恐ろしさを体感せよ。 改めて理屈ばかりで考えれば、今回の対話はこれまでと大きく変化した部分は無いはずなのだ。スバルはいつも通りに駄目なのだし、レムはそんなスバルの悩みについて、何一つ真意は分からない。そんな状況でお互いが言いたいことを好き勝手に言い放っているだけなのだから、ただすれ違って滑稽に見えることだってあっただろう。しかし、そんな「無茶」をまかり通らせることになったのがレムという最終兵器の持つポテンシャルだ。彼女の誠意には、もう理屈を超えた純粋な「救い」のみが搭載されている。彼女は自分がスバルに惚れた理由を並べ立てて見せたが、そんなことは全て理屈だ。小理屈だ。屁理屈だ。しかし、理由はどうでもいい。レムの中にある「英雄スバル」は彼女の中で真理であり、彼女が信じ続ける思いの強さがあれば、彼女の中ではその一点が揺るぐことはない。傍から見れば、幼い少女のひどく馬鹿げた、あまりに狭量な盲目の成せる愚行。彼女に「目を覚ませ」と言ってあげるのが大人の親切なのかもしれない。しかし、彼女は強い。目の前の駄目人間を見ても、その盲信は揺らぐことなく、最終的には、その盲信の方を現実に取って代わらせた。もう、この世界はレムが作ってしまったと言ってもいいだろう。 一方、スバルの側から見たときに世界はどう変わったか。彼は言った、「諦めることは楽なんかじゃない」と。この言葉も彼の中の真実であり、これまでせいぜい虚勢を張って、何とか目的を達成しようと暴れ回った。しかし、これは崇高な使命感からなどではなく、あくまでも「みっともない自分を認めたくない」という理由がその根底にあった。エミリアに邪険にされたこと、たくさんの王選候補者に完膚無きまでに自己否定されたこと。その弱さを認めたくない一心で、彼は無駄と分かって世界に抗い、全ての世界で最悪の結果を向かえた。しかしことここに至って、彼は自分の弱さを認め、身の丈にあった選択、つまり、最低最悪の下衆な選択である「逃避」を選択した。この選択は文字通りの「逃げ」ではない。自分の弱さを認めて得られた最適解として、恥を忍んでレムに告げた彼なりの「誠意」である。これまでの3度の死を振り返って、とてもじゃないが正解ルートがあるとは思えない無理ゲーと対面することに限界を感じ、いよいよもって負けを宣言した彼のことを、流石に弱者と責めることは出来ないだろう。 2人の中の世界は異なっている。その事実は変わらない。レムの語った「未来予想図」の中では、「同じ時間を過ごす」というフレーズが登場するのが何とも皮肉である。2人はこれまでも、これからも、「同じ世界」を歩くことは決して無い。しかし、そんな互いの内にある「違った世界」の存在を認めることは可能なのである。レムはすでにその境地に辿り付いており、どれだけスバルからあしざまに罵られようと、彼の中の「違う世界」を認めてしまえば、そんなスバルの苦悩を理解することこそ出来ずとも、想像することは出来る。許容することは出来る。あとは、同じようにして生まれた「レムの中のスバル」の存在を、スバルが認め、想像すれば良い。そのために、レムは今回あのような長口上で彼を「籠絡」したのである。見事、情けない男の心は陥落し、「レムの世界」に取り込まれてしまった。スバルは英雄に「させられた」。元々スバルという人間の中に存在すらしていなかったものを、ここで足がかりとされた。それこそが「ゼロから」である。 この流れのオチとして「エミリアが好きだ」と言い放てるスバルの胆力も大したものだが、これだって、「レムの中のスバル」はあくまでそういう「キャラ」だからこその発言とも言える。エミリアのためにかけずり回って、格好悪く抗うスバルこそ、レムの中の英雄に相応しい。世界を作った大英雄・レムは、今後も「特等席」で、この世界を見守っていくに違いない。 あ、個人的にはやっぱり全能感溢れるパックさんも捨てがたいです。ゆーみんに冷たく「死ね」って言われたい人生です。 スバルの寿命更新中、第17話。まさか先週時点で死んでなくて、さらに今週も生き残るとは。まぁ、来週冒頭で死にそうだけども。 なんかもう、わやくちゃやね。先週ラストに登場した謎の巨大目玉は、「白鯨」と呼ばれる超巨大魔獣。オットーの口ぶりからすると、この世界では一般常識レベルの超有名怪異のようだ。単にでかい鯨というだけではなく、どうやら「食われた人間は存在が抹消される」という謎オプションがついている様子。先週食われた隊商の仲間、そして今回のレム。唯一スバルだけは白鯨の被害者の記憶が残るようだが、これも嫉妬の魔女の呪いの一部っていう解釈でいいんでしょうかね。元々死に戻りのせいで「ありもしない未来の記憶」を引き継げるという能力を持っているわけで、そこは白鯨の被害者についての「記憶の抹消」と同値と扱われるのかも。そして、死に戻り同様、この記憶についても「スバルだけが抱えているが故の不幸」を生み出すというのもポイントといえるんじゃなかろうか。 今回のスバル、いつもに増して駄目過ぎた。だって、オットーに殴りかかってる時の理不尽さはこれまでのどのシーンにも負けないものだったし、いざ屋敷に着いてからのエミリアとの対話なんて、もう敢えて最悪の言葉を選んでいるとしか思えないひどさ。「いくらなんでもそこは学習しろよ」と思うわけだが、そんな余裕を無くしてしまったのが、「消えてしまったレムの記憶」なのだ。これまで散々死に戻りで理不尽な目を見てきたわけだが、「スバルだけが経験した未来」は、終わってしまえばifのお話。(充分辛かろうが)結果だけを見て何とか自分の気持ちに帳尻を合わせることは出来ないことではなかった(まぁ、出来なかった部分が爆発した結果がエミリアとの確執なわけだが)。しかし、今回のレム喪失については、「存在しない未来」ではなく、「実在した過去」なのである。今やエミリアとどっちが大事なのか分からない、というかここまでの接し方を考えたらどう見積もっても優先順位がエミリアを抜いてしまったレムが、単に死んだだけでなく最愛の姉の記憶からまで抹消され、歴史の中で無かったことにされている。彼女の献身も、努力も、何もかもがゼロにされている。自分の犠牲についてすら我慢できなかったところに、他者の犠牲までもが降り積もり、ひとまとめにすればあれもこれも全部「スバルのせい」。白鯨の怪異について理解して飲み込むまでにも時間はかかるだろうし、複数回の死に戻りを加えたせいであまりにも膨大になりすぎた情報量を、スバルごときが処理出来るはずもない。壊れてしまった思考回路では、最愛(だったはず)のエミリアの前でもあの「醜態」である。 いや、死に戻りの呪いを他者に告げようというのはひょっとしたら英断だったかもしれない。かつて「死よりも恐ろしい」と感じていた魔女の気配を、ついにスバルは怒りと悲しみから乗り越えた。これでスバルの命が犠牲になってエミリアに真実が伝わったのなら万々歳なのだが、もちろんそうは問屋が卸さない。スバルが恐怖を乗り越えたというなら、それ以上の絶望を新たにたたき込めばいいだけである。これまで幾度となく見てきた「エミリアの死」であるが、第3章に入ってから直接目にするのは実はこれが初めて。随分遠のいていたエミリアとの関係性が、結局近づかないままに崩壊していくさまは、なんだかもう、滑稽なくらいである。今回のエミリアの態度、あの喧嘩別れの後とは思えないくらいに譲歩してくれていたような気がするのだが、彼女の気遣いも何の役にも立ちはしない。スバルの心は、どれだけ壊れれば満足してくれるんでしょうね。 ラストはペテルギウスさんの2度目の芸の披露、そしてパック大明神の登場。やっぱり1度目2度目の死因はパックで間違いなかったんだよね。未だにスタンスがよく分かってないが……あんだけ強いけどエミリアは救えないんだよなぁ。精霊ってのも難儀な存在だ。 女の子がたくさん出てきて実に華やかな回だったね(ニッコリ)、第16話。いや、まぁ実際にスバルが久しぶりに生きてた(??)というだけでも珍しい話数ではあるのだけど。ラスト、あれ何がどうなったんだよ。 3週目、スバルはそのままロズワール領内に戻ってもどうしようもないことを悟り、何とか戦力を増強する策を練る。しかし、そこは流石のスバル君、ここまでは運気と根気で乗り切ってきたが、今回ばかりは無策で突っ走っても結果は伴わない。基本的にコミュニケーション能力は高くない人間なので、突然交渉ごとなんて言われてもイロハも分からず、元々大したコネもないので収穫なんてありゃしない。焦れば焦るほどに空回りは加速し、結局収穫はほぼゼロ、ラストギリギリでまたラッキーに遭遇して何とか足を確保するのが手一杯であった。まぁ、普通に考えたら死に戻りがあろうとなかろうと、スバルに出来ることってこの程度なんだ。そういう意味では、早めに切って捨てたエミリアは英断だったと言えなくもないのだが。 今回興味深いのは、3人の王選候補者それぞれの人となりが見えて、それぞれがスバルに「教えた」ことが違っているという部分。どうせもう1回や2回は死に戻るのだろうから今回のやりとりは歴史から抹消されるものだろうが、スバルは次に行くときには各々の趣向を見据えてもうちょっと上手い交渉が出来るだろうか。 一人目の候補者、クルシュはこれまでも何度か交渉相手になった人物だが、彼女が重要視するのは「理」。統治者とはいかなるものか、王選とは何なのか。彼女の帝王学には一切の揺らぎが無く、とことんまで自らの「理」を貫きながらも、それでいて決して情の部分をないがしろにしているわけではない。もっともバランスの良い理想の君主といえる。彼女はスバルとの交渉で一環して正論のみを唱えており、彼女の提示する条件や与えた助言は、スバルからしてみれば返す言葉もないものばかりだろう。ただ、強いてスバルに同情するとするなら、まさに彼はクルシュのいうところの「狂人」であるというところだ。これは決してスバルの内面が狂っているというわけではない(奇しくも先週のエピソードでペテルギウスに看破されている)。彼自身ではなく、彼を取り巻く「理」が狂っているのだ。つまり、死に戻りである。クルシュは「憎悪と殺意ばかりでエミリアへの親愛がない」と指摘したわけだが、本来、スバルはエミリアへの一本気な気持ちを持っていたはずなのだ。しかし、エミリアとぶつかる原因になったもの(の一部)は死に戻りによるすれ違いであるし、今回のことだって、「殺意」が芽生えたのはエミリアを思い(そしてレムを思い)駆けた先でのおぞましい邂逅がきっかけである。つまり、彼の抱える殺意は「有り得べきだがまだ起こっていない過去」というとんでもないものに依拠しており、常人から見ればスバルが抱えた「殺意」は道理に合わぬものにしかならない。そんなねじれた因果関係に突き動かされてしまうスバルがクルシュの唱える「親愛」に合致していないからといって、責めるのも酷というものだ。 しかし、冷静さを欠いたスバルは当然そんな冷静な分析は出来ず、有効な交渉材料など当然見つかるはずもなく、三度、クルシュとは袂を分かつ。残った選択肢は、他の候補者たち。まず、2人目の赤の姫、プリシラである。彼女が重要視するのは「興」である。先が読めないし、どんな気紛れが起こるかも分からないという意味では彼女へ助力を求めるのが一番可能性の高い選択だったのかもしれないが、焦りまくっているスバルは、以前のように彼女の眼鏡に適うことはない。もっとも平々凡々と、彼女の見下す「豚」に成り果て、文字通りに一蹴されてしまった。まぁ、現時点で何が正解とも言えないし、スバルにあれ以外の対応をしろというのもこれまた酷な話ではあるのだが。今のところは「あまりフラグを立てられそうにない」訪問先であった。しかしいっつも思うだけど、「足をお舐め」って一切ペナルティになってないご褒美にしか見えないのだが……(個人の感想です)。 3人目、たまたま市場で居合わせた候補者は、あきんど姫のアナスタシア。「こんなところをフラフラ出歩いているとか、王選候補者ってのも結構扱いが軽いな」とか思ったが、まぁ、流石にそんなわけもなく。彼女がもっとも重要視するのは「利」。格好の餌をぶら下げた状態のスバルを、手練手管で飲み込んでしまう技量は、他の候補者に負けず劣らずの器のでかさを感じさせた。彼女が親切なのは、本当にボロボロだったスバルに、あんな形とはいえ交渉ごとのイロハを教えてくれたこと。スバルは激昂していたために耳に入っていないのかもしれないが、彼女が言っていることは、「真実」とまでは言わずとも、人間と人間が関係する上ではとても重要なことばかり。「自分の利になる」「相手の利になる」、どこまで天秤にかけて、どこまで傾けられるかのセンスのお話。彼女は持てるものをフル活用し、見事、スバルから狙い通りにちょっとした情報を引き出してみせたのだ。そのために酒場一個を貸し切って「ところでこいつは私のネコさ」みたいなことも平気でやれるのは、彼女の経済力もさることながら、それ自体が度量のでかさということなのだろう。本来ならスバルに報酬を一切渡さずに情報を引っ張り出すことだって彼女には出来たのだろうが、そこは一応、竜車の情報を渡して最低限の保証を守るしたたかさも持っている。本当に焦りに身を焼かれているスバルは全く感じなかったようだが、彼女との接触も、スバルの今後の(次の)人生に活かされるものがあるのだろう。 ちなみに、この期に及んでアナスタシア陣営から新キャラが参戦。なんと、ネコ耳ロリっ子変な声である。藤井ゆきよの変な声、「ログホラ」のてとらちゃん以来なのでとても嬉しい。これまた濃くて良いキャラが出てきたなぁ。もう、今回はそれだけでも満足。 最終的に、スバルは相変わらず無策で突っ走ることになってしまった。途中、幸運にも前回のミッションで知り合った商人チームと合流、金をばらまいて何とかそれらしい体裁を整える事に成功。しかし、望みをつないだその道中で……何が起こったんだ? あれ、魔女教の連中とはまた違うよな。なんか記憶まで消してしまうような超常現象が起こっていたが……まだトラブル増えるの? すげぇ展開だ。 言葉も無い、第15話。もう、今作がこの先どう進行しようとも、今回のエピソードを描ききったというこの実績だけで、私はもう何の文句も言いません。 よくぞ現代アニメでここまで描ききった、という賞賛の言葉しか出てこない一本。頭から尻まで、全てが統制された意志の下で「狂気と絶望」が刻まれ続ける。正直、これまで今作については1つ舐めてた部分がある。それは「死に戻りの与える倦怠感」である。いかにシリアスで絶望的な状況が展開されようとも、スバルにとってそれは「コンティニュー前のワンシーン」でしかない。ニューゲームがあると分かっている状況では、どれだけ悲惨な状況を描いてもそれはあくまで茶番にしかならず、ドラマとして大きな意味を持たなくなる日が来ると、そう考えていた。もちろん、作者とてそのあたりは自覚的であり、第2章における死に戻りの深刻さは、スバルの成長を重ねることで意味付けされている。そして、この第3章においてはどうかというと、「絶望の底の絶望」を描き続けることで、真正面から悲壮感を極限まで引き上げているのである。前回のエピソードを見た段階で「これ以上にひどい事態なんて起こるまい」と思っていたのに、今回は軽々とその上を行き、一切「倦怠感」を見せず、更なる深みへと引きずり込んでいく。今度こそ、今度こそ底の底であって欲しいと願うばかりだが、今作は本当に「底が見えない」のでまだ油断出来ない。 正直、今回のエピソードについてはどれだけ言葉を重ねても「観ろ」の一言に勝るものはないためになかなか記述が出来ないのだが、蛇足を承知で特長をピックアップするなら、何と言っても容赦無い作画面、そして登場した新キャラ・ペテルギウスの壮絶なキャラ設計。特にペテルギウスの存在感は大きく、単に絶望に絶望を重ねるというだけでなく、そこにトリックメイカーを放り込むことで、単にグロや残虐性で見せるだけでなく、悲劇の底を窺えなくする効果も持っている。単に「殺してくれるやつ」だったら話はもっとシンプルだったのだ。奴の存在により、スバルの悲劇はより根深いものとなり、レムの誠意との対比で悪逆さがより際だつことになった。もちろん、松岡禎丞の怪演がこれを引き立てていることは言うまでもない。松岡君は本当にこういうキチガイキャラで際だつ仕事を見せてくれるのだが、今期「サーヴァンプ」でも同じような方向性で楽しませてくれていると思ったら、もっと先があったか。並の役者ならそれこそ「底が見える」んだろうが、松岡君の場合、「こいつ、マジでヤバいんじゃないか?」と思わせる危うさがキャラを3割増しで押し出してくるんだよなぁ。 ペテルギウスの存在があまりにどす黒いものであるために、そこに刺し込むレムの純愛があまりに眩しすぎて辛い。ちょっとやそっとの状況なら、おそらく「いくら何でもレムは無条件にスバルのこと好きになりすぎだろ」と思っていたかもしれないのだが、もう、ここまで来てしまうと理由もなにもあったもんじゃない。とにかくレムにはスバルなのだ。その感情には理由も、時間の隔たりもない。もう、今回の展開だけで、視聴者の頭には「完全なるレム」がすり込まれたことだろう。ここまでやってくれたのだから、今後の展開でレムがなにをしようとも、そこに一切の疑問を差し挟む余地はなくなる。 そしてラストシーンの演出も見事なものだったが、今回2度スバルを殺してるのってパックなのね。冒頭の殺害シーンでは一体何が起こっていたのかよく分からなかったのだが、最後の最後、絶望の一コマで響いてきたパックの声で全てが理解出来るようになっている。さらに流れてくるキャストロールでスバルの次にクレジットされてるのがパックっていうね。もう、衝撃的すぎて何もかもが吹っ飛ぶ勢い。全てのシーンの演出が本当に神がかっている。今回のコンテ、10話と同じ細田さんなんですよねぇ。やっぱりこの人凄いわ。アクションシーンだけで満足してちゃ駄目だね。 しかし、これはどこのルートをどう通ったらクリア出来るんだろう……全く手掛かりさえ掴めていないのだが……。 あかん、もう吐きそうや……第14話。こうして畳みかけるように絶望的な状況が重なると、観ている側のメンタルも段々やられていくのよね……勘弁してくれ……。 オープンエンドが変わって2クール目に突入、オープニングは結局半分も使われてなかった気がするので変更になってしまうのは勿体ないが、個人的には鈴木このみもMYTH&ROIDも好きなのでまぁ良し。オープニング映像は相変わらず色々と想像させる仕上がりだが、今作らしく決して明るい映像になっていないのでなかなかおっかない。 さて、前回の時点ですでに絶望的な状況に立たされていたスバル。勘違いと調子乗りでここまで来てしまったため、いよいよ王選本番というこのタイミングでいきなり冷や水をかけられた形だが、普通に考えれば「身の程を知る良いチャンス」なんだ。確かにスバルは唯一無二の能力を持っているし、ここまで真摯にことにあたり、数々の問題を解決してきたのも事実。その部分についてなかなか正統な評価はもらえないので、その辺でやきもきしてしまうのはしょうがないところ。しかし、あれだけ手酷くエミリアに振られてしまったところで、一旦頭を冷やすクレバーさはあっても良かったはず。一夜明けても「自分は被害者なのだ」という凝り固まった信念が揺らぐことはなく、お世話になっているクルシュ邸でもどこか横柄な態度である。このことは、なんだか既存のラノベ文化に対するアンチテーゼのようにも見えるシチュエーションになっており、いわゆる「主人公体質」と呼ばれるものへ疑問を投げかけるデザインに見える。スバルの頭の中には「自分が主人公だ」という根拠のない思い込みみたいなものがあり、それが先走っているせいで色々と無茶をしてしまう部分が有るのじゃなかろうか。いわゆるラノベ的世界ではそれが許されたり、たまたま上手くはまったりするわけだが、この世界ではそうしたことが(今までは許容されてきたが)もう起こらなくなり、スバルはやることなすことが「ただのわがまま」に逆戻りしたのである。なんだか理不尽な扱いのようにも感じるが、半分以上はスバル自身の責任なのでしょうがないだろう。どうひいき目に見ても、回りの人間たちはスバルに対して好意的に接してくれているのだ。ラインハルトしかり、クルシュしかり、ユリウスしかり。それでも、スバルはすでに視野がひどく狭くなってしまっているせいで、もうそれらの気遣いを感じ取ることが出来なくなっている。 ただ、全部が全部スバルの独りよがりのせいというのも可哀相な部分があるのは事実。言ってしまえば、全て「間が悪い」のである。ラインハルトは善意でもってスバルに謝罪しに来たはずなのだが、彼にとって「無意味」という言葉はたまたま非常にセンシティブなワードになってしまっていた。だからスバルはより一層頑なになる。クルシュとの対談もそうだ。彼女は契約を結んだためとはいえ、比較的話が分かり、エミリアにも分け隔てなく接してくれる人間の1人だったのだろう。彼女は本当にスバルのことを思って助言し、事実を知らせてくれたにも関わらず、現在、スバルにとって自分の実力を否定する人間は全て敵なのである。そんな状態で、本来は「敵」であるべき人間から貴重な助言を受けても、まともに受け取れるはずがなかった。一度転がりだした勘違いは、もう二度と止まることはない。まさに「病」だ。 唯一、そんなスバルの苦労を認め、共感してくれたのがレムだった。彼女とてスバルの死に戻りのことは知らないはずなのだが、以前の件で何となくスバルの自己犠牲の精神は感じ取れたし、恩義と好意を抱き、いくらかはスバル寄りの立場でいてくれる存在。しかし、彼女が半端にスバル寄りだったことが更なる不幸を呼んでしまったのが今回の事件の救いの無い部分。もし、レムが以前のようにスバルに冷たくあたり、事務的に物事をこなしてくれていれば、彼女は決してスバルを屋敷に引き戻す手伝いはしなかったはずだ。「スバルが行っても役に立たない」というのは回りの人間の共通認識であり、クルシュ邸から出さないことが最善策であることはレムも分かっていたはず。それでも、道半ばまでとはいえスバルを連れだしてしまったのは、彼女がスバルに肩入れする部分があったから。結局馬車の中の様子を見てスバルを引き止める決意をしたようだが、時すでに遅し、何もかもが半端になってしまった。 そして、これでロズワール邸に駆け込んだスバルがエミリアから絶交を告げられるくらいなら救いはあったのかもしれないが、事態は想定しうる最悪の事態へ。王選の争いは激化し、あっという間に「魔女」エミリアにはどこからともなく暴力が叩きつけられる。庇護者たるロズワールの領民は惨殺され、もっともスバルを理解してくれていたはずのレムまでもが、彼のわがままのせいで命を落とした。もう、何もかもがスバルのせいで最悪の方向へ進んでいるのである。 否、まだ分からない。少なくとも領内の様子を見る限り、敵の手は完全にロズワールの警戒の上を行っていたのだろう。つまり、エミリアとロズワールは、このままでは絶対に助からない。デッドエンドだ。もしそこに一石を投じることが出来るとするなら、全ての道理を超えたスバルの死に戻りだけである。つまり、何とも皮肉な形ではあるが、彼は「間に合うかもしれない」のだ。再び、誰にも理解されず、誰にも認められない戦いに挑めればの話であるが。 ひとまず、レムをここで殺すわけにはいかない。エミリアを救いに来たはずのスバルだが、今は目の前のレムのことで頭がいっぱいだろう。彼女を救い出すことが第一の命題。久しぶりに、戻らなければいけない。さて、戻ったところで果たして彼が間に合うのかどうかは分からないが……。 来週も、キツいかなぁ……。 |
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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