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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  引っ張るなぁ、第2話。まだまだ謎がてんこ盛りの状態で、どこをどう基準として見ていいのか分からない状態。ただ、幸いサブタイトルにもあるように「時間跳躍」がテーマになっているのは間違い無いようなので、そこだけを見ていけば何とかなるんだろうか。

 細かいお話については、まだまだ何も語れない状態でしかない。とはいえ、かなり情報量が多い作りになっている現状でそこまで詰め込み過ぎの印象を与えず、分かりやすいキャラクターの特徴付けだけで押しているのは助かる部分。2話見ただけでオカリンのアホな設定は嫌と言うほど伝わってきたし、まゆしぃやダルといったラボメンも、度が過ぎたキャラクターのおかげで既に違和感が無い。最初にメインキャラクターを固めてもらった上で、更に濃いぃキャラが増えていくので、そういう部分での期待感は高い。画伯が珍しく可愛らしい女の子の姿で登場し、「あぁよかった、あの小林ゆうだって、まだまだ女の子らしい役が出来るのだ」と思った直後に「だが、男だ」と言われた時の絶望感ったらね。

 敢えて難点をあげるとしたら、この手の作品ではどうしてもディスプレイを覗く画面が多くなるという点。まったく味も素っ気もない2ch的な画面をどのようにアニメに落とし込むかというのは案外難しい問題で、この作品の場合、チャットルームのようにリアルタイムで流れる吹き出し形式として動きを出すようにしている。「カオス・ヘッド」や「デュラララ!」など、どうしても静止画面を拒否したい場合、こうした演出が取られることが多いようだ。ただ、それが単なる文字の流れになってしまい、何が描いてあるのかを読み取る時間が無い。もちろん、製作側としては「読まなくていい文章」だからこそ垂れ流しているのだろうが、視聴者側としては、どの文字を読む必要があり、どれは捨象していいのかの選択が出来ないのである。ある部分ではディスプレイの文字を読まないといけないのだが(萌郁の携帯メールの画面など)、そこに有意差が発生していないので、瞬間的に取捨選択が出来ないというのはちょっと問題。何か上手いアイディアがあればよいのだが、なかなかそうもいかないようだ。

 まぁ、現時点では揚げ足取りのレベルなので、視聴のモチベーションは問題ありません。中の人的にもどんどん元気になっていって、特に久しぶりにアニメ出演を果たしたアキバの象徴、モモーイが元気そうでなによりだった。そうそう、1話の時点では触れてなかったのだけど、オカリンを演じる宮野が、実はかなり面白い役作りになっている。宮野のキャラクターで「いいな」と思ったのはひょっとしたら初めてかもしれない。流石に、これだけ主演を取りまくっていると色々面白い面が出てくるもんだ。

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 シリアス・シリアスと来て、まさかのギャグのみ最終話。最後の最後にこんな話を持ってくるとは……やっぱりこのスタッフはひどい連中やでぇ。

 確かに考えてみりゃ、最大の障害であるカオスの駆除は終わっていたわけで、今回30分まるまるシリアスってことは無いだろうという予測は立っていたわけだが、1期の最終話はきちんとシリアス絡みでいい締め方をしていたので、今期は「失われたイカロスの記憶」を中心にして何となくいいお話にでもするんだろうと思っていた。ただ、その予想は開始1分で壊れてしまった。何せ、羽を得て演算能力が戻ったニンフがあっさりと記憶の修復に成功してしまったためだ。……でもさ、もともとイカロスは感情制御にシステムが追いつかなくなったから自ら記憶を消去しにいったわけで、根本的な問題が解決していない状態で記憶だけ復旧しても、またすぐにオーバーヒートしてしまう気がするんだけど。それとも、ニンフの治療である程度システム面に余裕が出来たのか、はたまた10話の時点ではカオスが積極的にイカロスを揺さぶりに来ていたことが原因で故障気味だっただけなのか。細かい部分はよく分からないままだったのだが、とにかくイカロスは「智樹にプロポーズされてしまった」という意識はそのままで、正常な稼働に戻った。

 そして、そんなイカロスの変化に一切タッチせずに、智樹は久し振りの馬鹿暴走を披露。「プールの水そのものになる」という自由過ぎる発想は素晴らしいのだが、何回も言うように1期1話で時を止めてしまった人間が今更やることではない気がする。楽しそうだったから別にいいけどさ……ほんと、この歳にして完璧なフィティシズムを極めた男だ。ちなみに液体化フィティシズムの完成形というと、個人的には無望菜志作「よろしく名木原くん2」を推したい。本当にどうでも良い情報。

 積極的に外に向かって動いた馬鹿展開が久し振りだったためか、今回はさらに「智子が女子トイレに逃亡」というファクターから、トイレ絡みのネタに接続。ここまでいくと……ついていけない……「直前で自粛」という智樹のよく分からないモラルやポリシーはいいとして、いつものようにストレートエロで盛り上がるのではなく、微妙にズレたところから下劣さを出してくる勝負、何も最終回でやらんでも、という内容である。収穫といえば、オープニング映像で智子がもっていた消臭剤の意味が今回ようやく判明したことくらい。いや、見てもイマイチ分からんけども。オチは会長の極悪非道な包囲網を抜け出すことがかなわず、智樹が今期2度目の「トイレの水に巻き込まれながらのドヤ顔」という全く意味の分からないシチュエーションでフェードアウト。どこまでトイレ推しやねん、このアニメ。

 このままグダグダでは最終回とはとてもいえねぇ、と思っていたら、最後の最後でイカロスが勇気を出し、つじつま合わせ気味の告白イベントへ。結末は予定調和のうやむやエンドではあったが、イカロスのまっすぐな気持ちと、それを実に微妙な気持ちで見守っているそはらの感情が少しだけ見やすくなった。ニンフも負けず劣らず存在感を出し始めているが、やっぱり「結婚式」イベントともなると、まだ上2人が本命だろう。アストレアは……最初から最後まで馬鹿の子で良かったです。彼女まで絡んだらどうしようもないですし。さらにカオスまで来ちゃったし……賑やかで何より。

 実はそんなうやむやエンドよりも、どさくさに紛れて会長が英四郎にプロポーズしている方が大事なイベントだったんじゃなかろうか。終始つかず離れずの微妙な距離をキープしていた2人だが、なんだかんだ言って相思相愛なんだろうな。会長の台詞に、英四郎も特に抵抗してなかったし。っつうか、空見町の中だけで考えたら、あの二人がくっつく以外の平和的解決はなさそうだし。毎週毎週オープニングでアイアンクローをくらい続けた英四郎君、長い間お疲れ様でした。

 色々あったし、残されたことも色々あるんだろうけど、何となく「終わった」感の出た最終回。劇場版も残っていることだし、まだまだこの「そらおと」ワールドが続いて行くところを見続けたいところです。

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 緊迫のクライマックス、第11話。事実上の最終回といってもいい、「落とし前」的な節目です。

 クライマックス、とはいっても、シナリオ自体は「そらおと」にあるまじきベタベタで分かりやすい愛情・勝利の物語。それ故にシンプルに伝わってくるものもあり、物足りなく感じる部分もあり。しかし、形はどうあれこの作品は1クールのシリーズ作。カオスを巡る物語には、決着を付けなければならない。

 今回は智樹など人間側の活躍はほとんど無く、相変わらず「会長と英四郎の科学力と行動力は中学生じゃねぇよな」と思うくらいなので、大空を飛び回ったエンジェロイドたちの活躍を見ていくべきだろう。まずはアストレア。彼女はすっかり会長の「弟子」として定着したようで、襲撃してきたカオスを相手に、最も危険な斥候役を引き受けた。3人の合流後はその機動性と破壊力を活かしてとどめの一撃を任されるも、カオスの予想以上の成長に飲み込まれ、初太刀では仕留め損なってしまった。しかし、智樹の一言で復活したニンフと共に新たなマスターとの可能性を見いだし、最終的には、カオスに物理ダメージをたたき込んで動きを止めることに成功する。流石、ダイダロスをして「最大の武力」と言わしめた性能である。ダウナー社会からすれば最も「新参」の彼女であるが、下界に新たなマスターと師匠を見いだし、自らの特性を最大限に引き出すことに成功した。そして、自らとどめを刺せと懇願する「後輩」を目の当たりにし、自分がこれまで下界で触れてきた「愛」について思いを馳せる。彼女は、カオスにとどめを刺すことはしなかった。

 次に、前回ラストで記憶のデリートを開始してしまったイカロス。彼女の演算処理は、智樹との関係性というイレギュラーを抱え込むよりも消去した方が効率が良いと判断してしまったのか、肉体的な負荷は、記憶の抹消をより加速する結果となってしまう。しかし、消えつつある記憶を必死にたぐり寄せ、智樹の愛した「平和」を守らんと立ち上がるイカロス。ウラヌスクイーンとしての能力は機能せず、ただその思いだけでカオスに挑んだ。愛する人を守る為には、その記憶を犠牲とすることも厭わない。それこそが、イカロスの選んだ結末だったのだろうか。

 智樹の叫びを聞き、遂に目覚めることになったニンフ。今期はやはり彼女の物語であったことが改めて意識される、新たな羽の芽生え。小さいながらも美しい翼を得たニンフは、自分の最大特性である演算能力とハッキングフィールドで戦況を打開する。マスターを得ること、明確な愛情を与えられることで、エンジェロイドは初めて羽ばたくことが出来る。長らく苦しんだニンフの目覚めにより、二人の仲間は、カオスを圧倒することが出来た。

 そして、ただひたすら孤独と探求心とで己を突き動かし続けたカオス。深海で成長を続けた彼女は、自らの経験から得た「愛」の答えを、3人の先輩相手に突きつける。圧倒的な武力と信念は、ただ孤独だったからこそ得られたもの。そして、孤独であるが故に、その愛は最後に実ることがない。全てを手に入れた「下界の」天使たちに打ち砕かれた信念は、最後にはへし折られるのではなく、穏やかに眠りについた。

 カオスの思いにニンフの思い、そしてイカロスの願い。すべてが予定調和のように折りたたまれていった今回。シナリオラインとしてはいささか陳腐さが際立つものの、特に文句の付けようもない。おそらく「そらおと」に望まれるべきはこうした展開であったろうし、今までのテイストを損ねることなく、ちゃんと広げた風呂敷をたたんでいる。現時点ではイカロスの記憶のことだけが未回収だが、おそらく最終回はそれ絡みでもう一山あることを期待していいのだろう。

 ただ、今回はちょっと戦闘描写が固かったのが惜しい。8話では短いながらも見応えのある戦闘パートを見せてくれていたのだが、3対1の大規模なクライマックスとなる今回は、ややもっさりしていて、中割の質もちょっと不足気味。普通のアニメならば不満が出るようなものではないのだが、この作品は普段の画面の質が高いだけに、最大級の見せ場がちょっと足りなかったのは勿体なかったか。イカロスや英四郎の組んだ戦略プランも盛り上がりに乏しかったし、復活して最大の敵となったカオスの晴れ舞台としてはちょっと消化不良。むーん。

 まぁ、この作品にそこまで明確なバトル要素を求めている人も多くないかもしれないので、「ニンフの覚醒」や「イカロスの決意」といった心情面がちゃんと描けていたなら問題無いとも言えるんですが。個人的に一番勿体なかったのは折角バージョンアップしたアストレアのソードが何の役にも立ってなかったことなんですよ。こけおどしの「強そうに見えるだけ」が残念でね。8話のクリサオル一刀両断シーンがかっこよかっただけに、なんだかやけに心残りである。

 もちろん、そんなことはいってもキャラの魅力は落ちてはいません。今回のMVPはやはりカオス。気付けば豊崎愛生が「ラスボス」キャラを演じるのはこれで2つ目なんですが(1つ目は黄金のクェイサー)、前回までの「子供カオス」と今回の「覚醒カオス」の微妙な声音の差とか、「悲」と「喜」の絶妙に入り交じったクレイジーな感じとか、全力投球でやってくれているのが分かって本当に気持ちよかった。あとはニンフの「どれだけ聞きたかったか!」とかイカロスの「忘れたくないのに」とか、印象的な台詞も多くて、本当にいい「泣かせ」でした。野水伊織は着実に良い経験を積んでいるなぁ。そういや今回はモブに合田彩と高橋夢波が出演していたのだが、随分プロダクション・エースの息のかかったキャストだったな。

 そして、今回嬉しかったのはオープニングの「ハートの確率」早見沙織ver。「ハートの確率」は今期の数あるアニソンの中でもお気に入りの1本で、是非fullで聞いて欲しい名曲。そんな主題歌のカップリングバージョンで収録されている早見バージョンだが、こちらも吉田仁美verと違った味わいがある。イカロスの感情が揺れ動くこのタイミングで持ってこられると、歌詞の意味も相まってインパクトは絶大である。エンディングも再びの「帰るから」で、イカロス押しで固めた1本となりました。こういう気配りが出来る構成は大好きです。

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 智樹が新聞のどんな記事を読んでいるのかが気になる第10話。スポーツ新聞みたいなエロがある新聞にも見えないが、意外にちゃんと社会情勢には興味があるんだろうか。妙なところで発揮される博識は最低限の常識に裏打ちされていたんだな。ちなみに、呼んでる新聞は「デーリィ九州」とある。九州の話だったんだな。最後のカオスも九州北部を襲撃してたし。

 久し振りに智樹の大馬鹿が炸裂するストーリー。自由研究とは思えない素晴らしい規模のプロジェクトが空見町を覆い尽くしているという、「せっかく回りの女の子達がシリアスやってたのにお前はその間にどんな努力をしてたんだ」と突っ込まずにはいられない素晴らしい仕事である。もう、こうなったら「いや、その原理では距離の問題が……」とかいう野暮なことはいいっこなしだ。

 Aパートでは自宅で居場所のない智樹がトイレ、押し入れと避難するところを、イカロスが無情なる優しさで追撃するというお話。アストレアの「トイレが使えないと困るんじゃない?」っていう発言に「えっ、エンジェロイドも……」という疑問が頭をよぎるのだが、トイレパートはアストレアの「っ!……読めない」というどうしようもない大馬鹿発言と、ウォシュレットの勢いに任せてキメ顔で空を飛ぶ智樹のあまりの格好良さに何も言う気になれない。こういう100%馬鹿のネタが最近少なかったので、実に嬉しい。

 引きこもる智樹を心配する2等身イカロスはものすごく可愛いのだが、やっていることがどのエンジェロイドよりも鬼畜。押し入れ電子レンジ化の無駄な科学力も大したものだが、地味にひどいのはいつの間にか戸が開かない様にしているつっかえ棒だったりする。いや、押し入れの構造上、逆の戸を引けば開くはずなんだけどね。この家、イカロスの謎改造と智樹のパイプのおかげで原型をとどめてないよね。

 後半に入ると、3体のエンジェロイドがそれぞれ智樹に対して抱いている思いがはっきりと表に表れ始める。まずはニンフ。アストレアには「ニンフ先輩が居座る理由も無いじゃないか」といわれてしまった2号さんだが、唯一の「羽無し」は、マスターが欲しくとも劣等感からなかなか言い出せない。前に比べれば随分自然に振る舞えるようにはなってきているのだが、まだ完全に片付いた問題とは言えないようだ。

 まだ気持ちの整理がついていないのはアストレア。単に食べ物(と遊び相手)を求めて桜井家に上がり込んでいたお馬鹿さんだが、まさかの会長からのいい台詞によって、自分の気持ちの在処をぼんやりとではあるが意識し始める。一人きりの食事は寂しい。自分が本当にほしい物は、桜井家のあの茶の間の団欒なのではないかと。会長が全てを悟りながらさりげない助け船を出すいいシーンなのだが、じつはビギナーズラックでポーカーの手を固めたアストレア相手にさりげなく勝負を避けたり、アストレアだけを置いて組の抗争に出かけたり、会長は相変わらずやってることが酷かったりする。そう言えば、過去に新大陸発見部には辞表を出したはずなんだけど、相変わらず英四郎と一緒にいるのはどうしてなんだろうね。

 そして、今回最も変化があったのがイカロス。前々回から少しずつその様子がおかしくなっていったイカロスだったが、今回は自分の心の有り処をそはらに尋ねることで少しずつ思いを固め始め、ハプニングとも言える(何か汚い)智樹とのキスシーンにより、その感情はキャパを越える。智樹の下を訪れた当初は起こりえなかった自己の解析不能の変化に、システムの化身であるイカロスは「記憶のデリート」というとんでもない行動に出てしまうことに。はたして次回はどうなってしまうのだろうか。せっかく少しずつ女の子らしい可愛い表情が増えてきたイカロスだったのに、また元のような鉄面皮に戻ってしまうのだろうか。

 智樹とイカロスの関係性。それがこの作品の大元のテーマである。エロ馬鹿という大切な要素もありつつ、少しずつそれがクローズアップされてきている流れだ。そして、そんな中で重要な役割を果たしているのがそはらの存在。今回は冒頭で「自分が起こさずとも智樹が早起きできるようになった」と少し寂しげに語っているし、「智樹はイカロスに対してだけ手を出さない」という事実を看破している。そはらの気持ちを考えるとこの質問は非常に痛々しいものであるのだが、かたやエロに走りつつも女心を考えない優しい馬鹿、かたや「愛は何か」と自問を続けるエンジェロイド。この2者の関係性を繋ぐには、間にそはらのような特別な存在が必要なのだろう。ま、鏡越しでチョップの波動を飛ばせるような超人だしね。

 そして最後に登場したのは、予想通りに深海からの復活を遂げたカオス。さぁ、煮詰まって参りました。色んな意味で期待度マックスです。

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 会長が怒るとカオスどころじゃねぇ何かが生み出される第9話。智樹たちもシナプスなんかより五月多根家の方にもっと用心すべきよね。

 前回までのシリアス展開でこの作品も我慢の限界だったのか、必死で元の流れに戻りたがっているかのような「分かりやすい」催し物展開。本当にこの街の住民は祭りの縁日が大好きだな。そして会長が思いついた夏のイベントは、ばいんばいんを利用した巨大ヨーヨー釣りだという。まぁ、思いつきで完全に出オチでしかないので、途中からヨーヨーに見立てているのか魚に見立てているのか、さっぱり分からないしっちゃかめっちゃかなシチュエーションになりましたがね。競技の性質上、智樹の変態性もそこまで発揮されなかったし、会長の超人っぷりも単に泳いで暴行を加えにくるだけではあんまり伝わらない。正直言って、これまでに行われた雪合戦やサバゲーなんかと比べると、いささか盛り上がりに欠けるイベントではあったか。智樹が途中で智子になっていた意味もよく分からんし、町内会の他の皆さんの活躍もあまりみられなかったしなぁ。しいていうなら駄菓子であっさりとキャッチされるアストレアと、既にぬし扱いが堂に入ってきたそはらの貫禄が見応えある部分か。

 そんなわけでおまけ程度の会長の憂さ晴らしはAパートであっさりと終了し、Bパートはイカロスが「愛」を求めてお小遣いの使い道で悩むお話。ややシリアス要素を残しつつ、こちらの方が本道のストーリーか。今更イカロスが色んな人のアドバイスを受けて智樹に迷惑をかけたりするのはちょっと時期が過ぎているような気がしなくもないが、必死に智樹のことを考えながら右往左往しているイカロスは見ているだけでも可愛らしい。最終的には一番の理解者であると思われる英四郎のアドバイスを元に「自分が嬉しいもの」を買うことで小さな幸せを手にすることが出来たわけだが、その本質を理解するまでには、まだまだ時間がかかりそうである。それにしても……本当にスイカが大好きなんだな。縁日で持ってた風船もスイカだったし。

 脇の方であらゆる問題が解決したかのようにお気楽に振る舞うのは、残されたエンジェロイド2人。アストレアは単なるたかりになってしまっているが、ニンフはさりげなく智樹との親密度を上げようと色々手を尽くしている。後輩とのじゃれ合いもあまり気苦労は無いみたいだし、今のところは幸せそうで何よりだ。前回のカオスとの接触で「触れ合い」に対するトラウマが出来たんじゃないかと不安になったものだが、どうやら現時点では心配なさそうである。アストレアも鎖の束縛からは逃れられたけど、正式に櫻井家の住人になったわけではなさそうなので、まだ流浪の身が続くのかしら。野良エンジェロイドの多い町だ。

 今回はシリアスとギャグの中継地点みたいな印象が強いので、ちょっとインパクトの薄いおとなしめの仕上がり。ダイダロスや天上の「マスター」には触れられなかったし、英四郎のシナプス探索も一時休止中か。まだまだ解決した問題ではないので、残り少なくなってきた話数でどのように決着を付けるのかは注目したい。

 Cパートでは、偶然の出来事からさらに破滅への道を突き進んでいるカオスの現状が何ともやるせない形で表されている。このまま行くと、どうやらこの「f(フォルテ)」のクライマックスは復活したカオスとの再戦ということになりそうだが……今回の描写までを見ていると、カオスというのはあくまで「無垢」の象徴であって、決して「悪」というわけではないのが心苦しい。「無垢なる武力」という意味ではイカロスも同じであって、智樹との触れ合いで人間らしい心(それこそ愛)を得られたのか、理解出来なかったのかという差が、現在のイカロスとカオスの差になっているのである。そう考えると、出来れば深海で1人寂しく笑うカオスにも、何らかの形で幸せに眠ってほしいとも思えるのだが、さて。

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 全編シリアス、まるで最終回かと思わせる第8話。この作品のシリアスはあまりニーズが無いかと思った時期もあったが、どうしてどうして。実に印象深い、ハイクオリティなエピソードとなっております。

 ニンフを精神攻撃で蝕むカオス。そのまま嬉々としてとどめを刺そうとするが、間一髪のところでイカロスが救援に駆け付ける。しかし、自在に姿を変化させるカオスが智樹に化けて命令を下したため、イカロスはまともに戦闘出来ない。イカロスの必死の抵抗で一時は安全圏まで飛ばされたニンフだったが、偶然出会ったアストレアに救いを求めると、自身は力尽きる。先輩の懇願を受けてイカロス救援に向かおうとしたアストレアだったが、空からは「マスター」の声が響いてくる。ニンフを処分せよとの命令に、未だしがらみを解き放っていないアストレアは逆らうことが出来ない。

 そのままニンフを処分する寸前までいったが、虫の報せを受けた智樹が現場に駆け付け、アストレアに対して再び「お前はそれでいいのか」と問いかける。既にダウナーとの接触を重ね、自らのスタンスに疑問を抱えていたアストレアは答えを出せずに立ち尽くし、それを見た「マスター」は、今度は彼女にイカロスの処分を命じる。カオスの暴虐によって満身創痍のイカロスと、それを処分すべく武装を施したアストレア。たとえイカロスの武力が上であっても、容易に任務を遂行できる状態だ。だが、彼女の選択は、悪い頭でただマスターの命令に従うことではなく、自分の気持ちを優先し、自らを束縛する鎖を引きちぎることだった。

 しがらみを断ち切ったアストレアは、気ままに人心を揺さぶるカオスと対峙。持ち前の戦闘力で一時は圧倒してみせるが、第2世代のエンジェロイドは彼女の武装をも上回る。最後の一撃が見舞われるかと思われた瞬間、自己修復を施しウラヌスシステムを解放したイカロスが介入する。古の最強装備と、最新鋭兵器のぶつかり合いは熾烈を極め、最終的には、イカロスがカオスを深海に沈めることで決着を見た。最後まで「愛」を問い続けたカオスとの接触を通じて、イカロスは自分の中にあるその気持ちを、今まで以上に強く意識したのであった。

 

 Cパートの最後はちょっとほのぼのとしてみせたが、1期最終話を除けば、初めてのシリアスオンリー回。こうして心情描写や格闘戦、メカ戦闘などに筆を費やすと、いかにこのアニメの映像クオリティが高いかを再確認することが出来る。普段はこの技術と品質を空飛ぶパンツや乱舞するエロ本に費やしているわけだね。

 実は1期のときからこの作品のストーリーテリングの妙については評価しているのだが(詳しくは1期の番組感想記事参照)、今回のシリアスについても、それがきちんと発揮されている。ニンフの苦悩については既に1期の時点から入念に描かれている部分であったし、救出に来たイカロスが最終的に幻影の智樹に逆らえなかったシーンも、これまでのイカロスの行動原理に基づけば自然な流れ。その中で「ニンフを壊すことだけを拒否し、自分を壊すことについては反抗しない」という中途半端な状態になっていたことも、シリーズを見てきた視聴者ならば納得出来ることだろう。

 そして、1つ目のクライマックスとなるのがアストレアの造反シーン。一時はニンフを手にかけようとしたアストレアだったが、智樹の一喝で「自分が悩んでいること」を明確に認識してしまうと、もうどうしようもなくなる。自分よりも明確に任務と悪意を遂行する存在であるカオスに対して、遂にその意識を「自分の意志」で示してみせた。「馬鹿だからこそ」、「自分が馬鹿だと知っているからこそ」、自分を悩ませている最大の要因である「マスターからの命令」の象徴たる鎖を引きちぎるアストレア。ニンフのときと違って自らの手で引きちぎったことにより、強靱な意志と武力を併せ持った彼女のアイデンティティがはっきりと画面に現れ、その後のバトルシーンへの見事な繋ぎとなっている。不覚にも、鎖を千切ったシーンでは鳥肌がたった(その後のクリサオルを振り切るシーンもかなり格好いい)。

 最大の長所である武力と、不安定な要素でありながら、ときとして最大のパワーとなる感情。この2つを併せ持つアストレアの特性が最大に発揮されるバトルシーン。しかし、同様の装備は第2世代であるカオスも所持している。勝負としては、悲しいかな互角にはならない。しかし、ここで駆け付けるのが武力の権化たるイカロスである。最終的に彼女はカオスを打倒する。ここにきて、イカロスに最後の1要素である「感情」の芽生えがあったことを示唆するエピソードといえる。もちろん、作中ではカオスとの掛け合いでどんどん台詞に熱が籠もるイカロスが、それを端的に示してくれている。ここまで感情を露わにしたイカロスは、これまで無かったものだ。

 アストレアの造反と、イカロスの覚醒。2つの要素が見事に絡み合い、1つの大きな流れを生み出した何とも印象的なエピソード。ぜいたくな戦闘シーン、メカの描写なども加わり、今期では文句無しで1番の回だったのではなかろうか。イカロスの無茶な飛行システムと、綺麗に対比した禍々しいカオスのウィングのデザインなども秀逸。かたや古式然とした巨大兵器のイメージで、かたや液体金属を彷彿させるファンタジックな生物機械のイメージ。普段の世界観からは想像も出来ないことだが、実に見応えがあった。

 普段のエロ馬鹿アニメとは別世界になってしまっているような印象だが、ファンだったらば「いや、泳げないゆーてもお前海底歩いてたじゃん」とか、「お前のやりたいことはなんだ、って聞いてる本人は確かにやりたいことやりすぎだな」とか、シリアスの裏にチラチラとこれまで積み重ねてきたギャグのイメージも活かされていることが分かる。日常と非日常、全てひっくるめての「そらおと」。骨子がしっかりしている作品は、何をやってもちゃんと面白くなりますな。今回のコンテ・演出には、「劇場版ボトムズ」で監督をしていた五十嵐紫樟氏がクレジットされている。なかなかドラマ作りの上手い人だ。

 そして、今回は2点ほどいつも通りの付記。1つは、シリアス展開だったからこそ分かるキャスト陣のがんばり。ニンフ役・野水伊織、アストレア役・福原香織、カオス役・豊崎愛生、そしてイカロス役・早見沙織。エンジェロイド4体は今回全員が非常に難しい感情の揺れを表現することが要求されていたわけだが、見事な仕事だった。やはり早見が抜群に安定しているが、カオスのクレイジーっぷりが遺憾なく発揮される豊崎の技も見事なもの。

 そして、さらにはエンディングテーマである。いつも通りのカバーソングであるが、歌唱が早見・高垣彩陽という、当代きっての歌姫2人。シングルカットされないのが勿体ないくらいの半端無いクオリティ。今回のエンディングに持ってこられたのは、やはり絶対的な信頼があったからこそであろうか。端から端まで、文句ナシの1話でした。

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 今期はシリアス展開が早い、第7話。1期は7話っていったらまだニンフが到着したくらいだったのだが、今回はもう既にラストに向かって着々と地固めをしているような印象です。まぁ、1期は1話でイカロス、6話でニンフ登場だから、2期の1話でアストレア、7話でカオスっていうのは大体一緒と見ることが出来るんだけどさ。

 というわけで、シリアス多めの1本。明確にギャグといえるのは、サブタイトルになっているスイカのくだりくらいのもので、そこだってエロネタはほとんどなかったし、何が何だか分からないままに終わってしまった。でもまぁ、短いながらもニンフとアストレアが仲良くしているシーンや、イカロスがあのスイカを本当に大事にしていることが分かったことなど、色々と見どころは多かったです。アストレアはもうすっかり桜井家の一員だという認識でいいと思うのだが、ニンフとの先輩後輩関係がすごくのんびりしてて、「これはこれでいいものだ」と思える絵になっていた。

 ニンフとイカロスがなんだかんだ言って暗い過去を背負っているので、特に何も無いお馬鹿キャラのアストレアは本当に貴重である。今回メインとなったスイカに引っかけたんだと思われる酢イカを「味が無くなるまで!」食べているしたり顔とか、オープニング映像にもなっていた名シーン、冷蔵庫から登場のパートとか、無駄に可愛い。幸い冷蔵庫は元から空だったらしいので「てめぇ頭脳が間抜けか?」などとニンフに馬鹿にされずに済んだわけだが、その分はニンフも一緒に間抜けキャラに。おかしいなぁ、演算部分に特化したエンジェロイドだったはずなんだけどなぁ。

 そんな2人に対抗するイカロスは、良くも悪くもいつも通り。「マスターの悲鳴が……」と雨戸から覗かせる目はホラーじみているが、今回初披露の「デフォルメモードのままでアルテミス照射」という絵面が無駄に可愛らしい。食卓でのおかず争奪戦もどこ吹く風だったし、どこまでもマイペースな魅力である。一つだけ「何で私服が変わると胸が小さくなっているように見えるんだぜ?」という疑問が無いではないが、そはらとの差を明確にするためだということで納得しておこう。

 なんだか、トータルすると「To LOVEる」と何が違うんだよ、というドタバタっぷりなのだが、終始デフォルメを維持するエンジェロイドたちが可愛らしくて、それだけでギャグの成分は埋め合わせは効いているぐらいであった。一応、アストレアの分までご飯を用意してくれているあたりで智樹の家族思いな一面を見せてくれてたりはするんだが……今回は智樹の影が薄かったから勿体なかったかな。

 そしてBパートをメインとしたシリアス展開。カオスの初登場という面が強いのだが、メインとなるのはどちらかというとニンフの内面だろう。無邪気なアストレアに指摘されてしまった「羽無し」という負い目。どんな事情があれ、背中の刻印は彼女の裏切りを象徴しており、他のエンジェロイドと自分は明確に「違う」ということを示してしまう。そして、そんな彼女の一番辛い側面をえぐりに来たのが、悪魔の申し子、カオスというわけだ。「何故シナプスを裏切ったのか」「何がニンフを地上に縛り付けているのか」。カオスはただ純粋無垢にそれを問いかけ続けているが、ニンフ自身、その問いに容易に答えることは出来ない。智樹に誘われて嬉しかったことは紛れもない事実であり、「愛って」というカオスの問いに対する答えは用意出来ているはずなのだが、それは「家族」として存在し、既にイカロスという先約がいるだけに認めがたい感情。智樹に誘われたからこそ吐露したそんな感情の隠された部分が、カオスによって最悪の形で打ち砕かれてしまったのだ。これは切ない。

 「無垢」という要素を考えれば、アストレアもカオスも似たようなもの。Aパートがアストレアとニンフ、Bパートがカオスとニンフ。この2者対立をきっちり1話で表示して、そのギャップを見せる構成はなかなかうまい。シリアス展開とはいいつつも、そこかしこにネタっぽいものも仕込み、「そらおと」テイストを決して完全に消さない心遣いも嬉しい部分だ(まさかハーピーまでギャグテイストに乗ってくれるとは思わなかった)。色々とみせられる1本でしたな。

 そして、今回正式登場のカオスの中の人が、豊崎愛生である。ふむ、このキャラ作りもなかなか強烈。こういう引き出しがあるっていうだけでも充分な武器だなぁ。マッドな敵役っていうと「聖痕のクェイサー」で黄金のクェイサー役があったけど、あれとはまた違って今回は愛らしさの要素も残しつつのマッド。いや、面白いですわ。

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 この内容で「あ、普通」と思えるありがたい第6話。いや、でも正直言って今期の話数では一番「どうでもよかった」回じゃないですか?

 アストレアがあまりにお馬鹿で、その流れで転校までしちゃったし、お馬鹿決定戦を全校をあげてやろうということにまでなった。何故かいつもの面子が参加者で、どうにも片寄ったクイズの内容のおかげで、智樹が栄冠を勝ち取りかけたけど、唯一にして最大のプライドが邪魔をして、結果的にはいつも通りの急転直下。世間的にはめでたしめでたし、というのがAパート。そして、その後アストレアとの関係性は「暗殺者とターゲット」から「馬鹿を競うライバル」へと変化し、気が付けば「戦いが終われば戦友と書いてトモだ」みたいな流れ。元々大して危険因子とも見られていなかったアストレアだが、今回のエピソードをもって、イカロス、ニンフに続いてめでたく桜井軍団の仲間入りを果たしたようである。

 Aパートはいつも通りの馬鹿イベント展開。ただ、今回は裏に会長の黒い意志もあまり感じられなかったし、イベント事態の「意味のわからなさ」が、いつものように病的な馬鹿に起因したものではなく、単に「なんかやっつけくさい」もの。一応床下のトラップで最低限のエロをおさえ、出題傾向を片寄らせたり、最後に智樹に踏み絵をさせることによってエロ馬鹿のお約束は果たしているのだが、オチも弱めだったし、あんまり印象に残らないものになってしまっている。ま、そんなに毎回毎回病気じみたことばかりやられてもつまらないとは思うのだが……ちょっと拍子抜け。会長が素で天才なのか馬鹿なのかよく分からないのも気になるところです。そもそも中学校の授業で道徳って……

 で、そんなAパートよりも見やすいのが、Bパートのアストレアお友達への流れ。こちらもどぎついネタがあるわけではないので刺激には欠けるが、智樹が純粋な悪人というわけではなくて「単なるエロガキ」であることが分かるほのぼのとした決着が何となく気持ちいいし、最後にみんなで食卓を囲みながらの団欒シーンも、着地点としては理想的。この作品で最終的に収束すべきは「イカロスと智樹の関係性」であるべきだと思うのだが、その事前事象として、アストレアにも「家族愛」みたいなものが伝わって、少しずつ溶け込んでいく様子が見えるのは何となく嬉しい。命を狙っていた暗殺者ですら家族扱いになれるのだから、感情に乏しいエンジェロイドだって、きっと家族になれるはずなのだ。優しくアストレアの頭を撫でるイカロスに、そうした「芽生えた感情」の大切さを感じることが出来る。

 小ネタとしては他にも久し振りの智子が登場したり、何故か会長がレスラーとしてちゃっかり活動をしていたり、各々のキャラクターを見て楽しむ部分はそこそこ。智樹が「そはらに負けず劣らず良い胸だ」みたいなことをいいながらアストレアをいじっていたが、やっぱり智樹はそはらの胸を揉みたいと思っているんだろうか。そこんところの感情だけがイマイチ分かりませんね。

 そして、問題となるのはCパート。これまでちょいちょい登場していた天界の第2勢力、ダイダロスが正式に登場。ニンフたちの「マスター」との対抗姿勢が明らかとなった。彼女のコントロールによってアストレアがああいう行動に出ていたのだとすれば、「シナプスはどこまでマジで智樹を殺そうとしているんだよ?」というこれまでの疑問も、少しは説明がつきそうだ。そして気になる「第2世代」とは? 封印されていたイカロスの正体は?? ……まぁ、正直そこまでこの作品にシリアスは求めちゃいないんですが、一応、気にはなります。

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 振れ幅のあまりの大きさに、構成が云々言うのも馬鹿馬鹿しくなってくる第5話。もう、このアニメのAパートとBパートは別の作品だよ!

 1話で侵入した「智樹の夢」が気になっていた英四郎。アストレアからの情報収集で機は熟したと判断したのか、ニンフの転送システムの力を借り、いよいよ敵陣へと乗り込むことに。エンジェロイド達の生まれ故郷にして「製造元」であるシナプスは、やはり空見町上空の磁場に存在していたのだ。そはらと2人でシナプスを探索した英四郎は、メインシステムとおぼしきラボの中で一時的に奇妙な幻想に襲われ、同時に2体のハーピーに捕らえられた。敵ののど元まで迫れたことを確信した英四郎は、ニンフの力を得て、捨て台詞を残してその場は一時帰還する。声を聞いた天界の「マスター」は、それを聞いてほくそ笑むだけであった。

 

 というシリアス以外の何物でもないAパート。1期から続くダウナーとシナプスの複雑な関係性を少しずつ進めるお話ではあるが、英四郎の決断があまりに超人的なため、ちょっとついていけない状態になっている。ニンフに転送された「あの場所」からグライダーで飛ぼうっていう神経がまず理解出来ないし(一体上空何千メートルくらいなのだろうか)、明らかにオーバーテクノロジーを所持していると思われる敵の中枢に、不安なニンフとの時限転移だけを頼みに乗り込む意味も分からない。何も知らないそはらを引き連れて歩くなど、言語道断である。

 結果的には何もかもがうまくいったようであるが、次もうまくいくとは限らないだろうし、今回の行動により、英四郎がシナプスを意識しているということがおおっぴらになったわけだ。今後もアストレアみたいなネタ要員だけが攻めてくるような甘い処置はとられなくなる可能性も高く、最終的には、シナプスとのリンクを持つ智樹の命を危険にさらしているのである。あまり賢い判断とは言えないだろう。ま、結局「マスター」がどこまで本気なのか、ってところが全てだと思うのだが……英四郎は、我々視聴者の知らない何かを握っているというのだろうか。なかなかシリアス面を中心には見にくい作品なのだが、2期のクライマックスがどこにあるのか、少しずつ意識してはいきたいところだ。

 で、そんな緊張感を維持したままでBパートである。もう、突っ込みどころが多すぎて何がなんだか分からない状態。智樹の「よく分からないけど……何かエロいものだといいなぁ」という台詞がまずすごい。「アレ」を見て「エロいかもしれない」という発想は、常人では到底到達出来ない領域だろう。そりゃ学校の女子が一周回って憧れてもおかしくはない(?!)。そして、何を思ったのか1期の頃の遺物であるパンツロボのパーツにその「謎の物体」を組み込み、見事なロボットを再構築。最終的にイカロスのカードを使っているのでどのあたりの技術までが智樹のオリジナルなのかは定かでないが、見た感じではかなりディティールまで構想を実現させているよう。このスキルをどこか他のところに向けられれば、この男は大物なのかもしれないのだが……

 結局、新生パンツロボがやっていることは普段の智樹と何も変わらず、乗り物としての機能も、思わず「チャリかよ!」と突っ込んでしまう完成度。いや、中学生はバイクに乗っちゃいけませんけどね。最終的にはお約束のそはらチョップによって「粉みじんになって死んだ」わけだが、解体後のパーツを見ると純正の「パンツ」に戻っているのも恐ろしい。あ、あれって布だったんだ……

 パンツが飛ぶ、エロ本が踊る。既にこの作品では何が起こっても驚かないくらいの準備は出来ているのだが、怪しげなロボがしおらしい姿でそはらの前に正座している絵面はやはりおかしい。夕暮れ、茶の間、ロボ、正座。メトロン星人もかくやという異物感。そしてそはらチョップが炸裂する際の無駄な臨場感。駄目だ……やっぱりこの作品は馬鹿だ! 極めつけは末期に残したパンツロボの声。わざわざこのために石田彰呼んだんかい! 確かに友達っぽいけども! すごく智樹と親友っぽくなるけども! その関係性は駄目です! コズミックイラがちらついて仕方ないから!

 あー、馬鹿だった。そうそう、馬鹿といえばアストレアだが、なんだか腹ぺこキャラが定着してきましたね。近接戦闘用エンジェロイドのはずなのにああも完璧に智樹に胸をもみしだかれるのはどうかと思います。少しずつ可愛く見えてきました。可愛いといえばイカロスもそうですけどね。最近影が薄いし、まさか智樹をパンツロボに寝取られるとは思ってなかったろうけど、河原でいつものようにポテポテとチョウチョを追いかけている姿を見ると、なんだか和みます。

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