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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 まず、視聴動機から話していくんですが、ネットでたまたま見かけたからですね。そんなに大々的に宣伝も売ってなかった作品だし、他の映画を見た時に宣伝が流れるなんてこともなかったので、ほんとにたまたま、どっかでタイトルを耳にして「そういや谷口悟朗が監督やってる新作映画がひっそり公開中らしいぞ」ということを知った。谷口監督は好きなので「まぁ、機会があれば観に行こうかな、スパイファミリーとどっちを優先しよう」とか思って何気なく映画館のページをチェックしたら、何と上映が1日1回。これ、早晩終わっちゃうやつじゃないですか。というわけでちゃっちゃか観に行きました。

 そんで折り返し前に1つご報告しておかなきゃいけないんですが……以前「ポールプリンセス」を観に行った時の「事前に配信アニメやっててその続編だってことを知らずに観に行った」と同じくらいのやらかしをしましてね。これもひとえに極力事前情報を入れずに作品に向き合うという姿勢の賜物なわけですが……ワタクシ、この作品が「『エスタブライフ グレイトエスケープ』の系列作品だということを全く知らずに観に行きました!!!!」。…………今確認したら、映画館のページから飛べる公式PVに普通に映ってたわ……。いやー、マジでびっくりした。冒頭部分で「おぉ、なんか綺麗なCGの作品だけど、どっかで観たことがある世界観な気もするな。まぁ、そんなもんかwww」とか思って見てて、最初の一幕でエクアさんたちが出てきた時に「そゆこと?!」ってマジで声でそうになりましたもん。すげぇお手軽なセルフドッキリで最高のサプライズをもらえましたね……。事前に知ってたらもっと早く観に行ってたけどね! 「エスタブライフ」は本当に大好きなトンチキアニメだからね! いやー、幸せサプライズでしたねぇ。ちなみに未見の人のためにアドバイスを添えておくと、本作は「エスタブライフ」を視聴しない状態でも単品の劇場作品として視聴することは可能です。可能ですが、当然テレビシリーズを視聴した方が世界観への理解が深まりますし、キャラへの造詣も深くなりますので、ぜひテレビシリーズを視聴してから劇場版を観に行きましょう。映画はもしかしたらそのうち上映が無くなってしまうかもしれませんが、それは置いといてテレビ版を見ましょう。アマプラでも見られるっぽいよ。いいから見ろよ。トぶぞ。

(その上でこの映画を見たらとても美味しいです。正直、予備知識無しの状態でどれくらい楽しめるかは私目線では判断がつきませんが、ギリいけるとは思います。ある意味ではとても入門編でもあります)

 

<というわけでここから一応内容に触れていくのでネタバレ注意>

 




 ヤッターーーーーーーーー!!!! 上田麗奈だ! 最初に書くことがそれかよ、とは思うんですが、いいじゃん。本作の上田麗奈もいい上田麗奈ですよぉ。叫んだり拗ねたり弾けたり命乞いしたり吹っ切れたりガトリングぶっ放したり、ありとあらゆる上田麗奈が楽しめますので、うえしゃまファンはがっつりチェックだ!

 とりあえずこれだけ書いとけば一旦落ち着けると思ったんですよね。えっとね、いい映画でした。テレビ版の時のハイパートンチキフレーバーはややなりを潜めましたが、まー淫乱パンツスライムとか常人にはついていけないクラスのボケが山のように積まれていた作品なので、あんなもんを劇場でやったらコントロールが効かなくなるのは目に見えてるんでね。でもきちんとこの世界らしいトンチキ要素もがっちり盛り込まれてますしね。むしろ「ふつーのハードSFテイスト」という意味ではまだ常識の範囲内の設定で収まっているので、むしろ入門編としても適正な気もしてきた。

 まぁ、トンチキな世界でのぶっ飛びアクション巨編なのであんまり細かい要素を取り上げて見る作品でもないかもしれないね。個人的にはエクアさんたちが登場した時点で嬉しすぎて何もかも忘れちゃいそうだったしなぁ。だってさ、エクアさんに至っては中の人が声優業引退しちゃったからもう出てこない可能性すら覚悟してたんですよ。なんと2代目エクアさんはへごでしたよ。なるほどなぁ、その声の使い方はしっくりくるわー。もちろんフェレスさんも元気、淫乱スライムも元気だしいぬっころは元気にしゃべり、ポンコツロボはもうポンコツ要素以外に拾うところがないレベル。テレビ版だとあくまでも東京都内での「逃がし」を受け持っていたが、この度は「さらに外」への言及が出たために「自分の仕事はここまで」というきっちりした線引きを用意して、映画版のメインキャラたちに出番を譲る控えめな態度はいいバランス感覚である。おかげで旧作ファンには嬉しい配置だし、新作としても見どころたくさんになってるわけです。

 テレビ版の時点で「面白いことするなぁ」と思っていた映像技術は大画面だとより映えるものになっている。常々言及しているCGの難点に「細かすぎるせいで情報の置き所が拡散し、アニメーションという表現媒体の良さを削ってしまっている」というのがあるのだが、ポリゴン・ピクチュアズが今作で初めて展開した映像技術は「細かすぎるCG描写」に一石を投じるもので、本当に「アニメらしい」粒度の映像に生の感覚を与えつつスマートに描写できるようになっている(と私は感じている)。この「バランス調整された質感のCG」の印象は劇場の大きなスクリーンでも変わらず、かといって細部まではっきり見えちゃう画面でアラが見えるということもない。その上でクライマックスシーンなどではバリバリにエフェクトかけたダイナミックアクションが自由に見せられるし、本当にいい方向に伸びているんじゃなかろうか。まぁ、ラストの右足兵器を見て「リーサル・エリミネーター」って言っちゃうけどね。

 脚本部分についても、色々気を配っているのは流石の谷口悟朗。特別驚くような何かが飛び出すわけじゃないのだが、世界設定が魅力的であのトンチキ作品の続編とは思えないくらいに理知的にキャラが配置されている(いや、慣れてしまっただけで冷静に考えるとトンチキなのかもしれないが)。本作はタイトルで標榜している通り、テレビシリーズの時から一貫して「逃げる」がテーマになっているんだけど、今回もずっと「逃げるとは何か」「決して後ろ向きに見えない方法で『逃げる』ドラマを描くためには」っていうのを考えながら脚本を紡いでいる印象があった。それを代表するのがもちろん主人公のキサラギで、彼は最初から自分で「逃げるだけの人生だった」と言っているし、ずっと何かから逃げるための戦いを繰り広げているにもかかわらず、決して格好悪く見えないのである。最終決戦ですら「負ける」ことを前提にして奥の手を隠し持っていたし、みっともない様相がどこかでクルッと格好良さに繋がる構図がお見事。他方で素直な「逃げる」を体現しているのはヒロインのルナルゥだが、こちらも一度は心折られ、「逃げた」ことを強く後悔してからの吹っ切れ具合がイカす主人公。

 ダラダラ書いちゃうのもナニなのでもう1点だけグッときたポイントがあるので触れておくと、「ありがちな要素をうまいこと反転させて印象付けてるな」と思ったのがサブキャラのくせに主人公みたいな活躍を見せたジャミの扱い。具体的にいうなら彼の番号の使い方。個よりも群を重視するという不滅騎士団という組織において、最初からずっとイレギュラーで「悪目立ちする個」であり続けたジャミ。彼は最後まで周りに振り回されたバカではあったのだが、そのぶれない「個」の際立ちのおかげでキサラギたちの救いとなり、結果的には天法輪がキサラギに押し付けようとしていた「英雄」の座にすら届きそうな奇妙な存在。最終決戦の際には彼の存在は天法輪も、キサラギも無視できなくなっていた。そこでキサラギが言ってくれたのが「5923番だ」というあの一言。普通、「組織内のモブを番号で呼ぶ」というのは徹底して「個を消す」ための表現だと思うのだが、そうして「群の1部」であることを表すための「番号」が最終的には圧倒的にジャミという人間の「個」を示すものになっていたっていう構図がすげぇ格好良かった。こういうちょっとした捻りは好きよ。

 他にもこの世界はとにかくいろんなところに楽しいネタがぐっちゃぐちゃに詰め込まれてますんで……やっぱテレビシリーズ観てない人にも観て欲しくなってきたな。ぜひ観て(多分ここで書いても手遅れじゃないかな)。

 最後になりますが、今回のうえしゃまの演技はすげぇキモい見方をするならどこか「黒沢ともよっぽさ」があったような気がするんですよ。これ、誰にも伝わらないかもしれないんですが……ともよ様の持つあの独特の「素の延長」みたいな声音が程よく混じり合ってる気がしたんです。多分、私の勝手な妄想です(上田で始まり麗奈で終わる感想)。

 

 
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