「ドラゴンクライシス!」 6→3
1話視聴時での配点は6。これはディーン独特の淡い目の色彩を上手く利用して丁寧に作られた動画面を評してのもので、そのままきちんと丁寧なコンテワークに繋がれば案外良い作品が期待出来るかも、と思ってのもの。ただ、その時点で「まぁ、ラノベ原作だし、動画面が売りの作品って1話が終わるとトーンダウンしやすいんだけど」と逃げも打っているのが私のこざかしさ。そして、悲しいかな大体その予想の通りになってしまったのである。
最後まで、画面の質は低くない。「キャラ萌え基本のハーレムラノベ」なので女の子の造形にはかなり気を遣っていたのが分かるし、特に英理子とルーの熟女(中の人がね)コンビは最後まで賑やかで楽しんで見ることが出来た。敵方でもオニキスのあまりに型どおりのスカした悪役っぷりは逆に笑えたし、サフィやアイなんかも、悪くないキャラクターだったとは思える。
ただ、やはりそれだけのものを用意しても、メインシナリオが決定的に味気ない。ドラゴンと人の交流というのがテーマとなっているわけだが、まずもってローズがドラゴンとして「異物」であるという描写が少なく、後半になって竜司が彼女との関係について思い悩む様子がぜんぜん肉薄してこないのである。ローズもローズで基本的に単なる幼女なので、どこまで考えて動いているのか定かでないし、釘キャラとしてはいまいちパンチの弱い出来。竜司がそこまで入れ込んでしまえるような魅力的な部分が積極的にアピールされるでもなし、「こういうキャラだからこういうエピソード」というテンプレートをただ単になぞっていたように見えてしまった。おかげで最終回の活劇にほとんど身が入らない始末である。まぁ、「ラノベだから」の一言で片が付く問題ではあるのだが……
結局、竜司とローズという中心となるべき2人が引き立たず、そのせいで周りを固めていたサブキャラ達も「単なる添え物」として終わってしまったのが最大の敗因。マルガのエピソードとか、最初にローズが「ドラゴンとは何か」をちゃんと規定し、そこに決定的な「人類との差や闘争の歴史」が刻み込まれていれば、もう少し味のあるお話になったと思うのだが……
一応最後まで観ることができたのは幸いであるが、そこまで頑張ってフォローも出来ない、というのが最終的な感想。結局一番印象に残っていたのは、毎週毎週楽しみに見ていた、どこか不安な気持ちにさせられるオープニングだったりします。堀江由衣主演のPV映像は、マジで傑作ですよ。これがシリアスな笑いかぁ。
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