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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「Dororonえん魔くん メ〜ラめら」 5

 えーっとねぇ…………誰だ、この企画通した奴。いや、これはこれで……

 1話目のテーマが「とにかく昭和、何が何でも昭和、色々犠牲にしてもまず昭和」というもので、脚本を立てたおっさんはさぞかし楽しかっただろう、という徹底的な密度でもって昭和の懐かしい文化が乱れ撃ちされる。世代的に、私も正直ほとんど蚊帳の外で、知識として知ってはいても笑いに繋がらないような演出も多いのだが、とにかくそこにこだわり抜いていることが分かるために、面白いとかいう以前に感心してしまった。これは、嫌いじゃないです。

 考えてみれば、この味付けは理に適っている。永井豪原作の漫画で、しかもギャグを多めに盛り込んだこの作品なら、どうしたって笑いの質は昭和以前のものになってしまい、「今のアニメ」に仕立て上げてもそぐわないものになるのは目に見えている。それなら、開き直って「全てのネタが昭和である」という世界を作ってしまえば、そのまま永井豪のギャグを放り込んでも、何となく調和が取れてしまうのだ。お色気シーンや下品なギャグ、下らない駄洒落などの本当にどうでも良いピースが、輪をかけてどうでもいい昭和ネタにまみれ、世界を1つずつ装飾していくのだ。このこだわりはなかなかまねできるものじゃないし、そもそも、あんまりやろうと思わない。米たに監督、なかなか思い切った方向性で攻めてきたものである。

 これだけ古めかしいネタなのだから、そのまま昭和アニメテイストでお送りすれば単なる懐古主義の作品になるだけなのだが、アニメとしての骨格はちゃんと現代アニメになっているのが更に質の悪い部分。キャラクターデザインがまさかの木村貴宏で、細かい動きのシーンでは昭和的なギャグの演出に加えて、きちんと「綺麗な画面」でも見せてくれるのだ。おかげで永井豪っぽく寄せたキャラ顔なんかはちょっと浮いた感じになってしまうのだが、その不協和音までもが、くだらなさをコテコテに盛りつけた昭和ギャグの一環として溶け込んでしまうのだ。いやぁ、このムズかゆい感覚は、案外くせになるかもしれません。でも、本当に面白いと思えているのかが自分でも自信が持てないんですよ。

 こうして書き出してみると単なるネタ要素重視の一発屋作品のように見えてくるが、ブレインズ・ベースの制作ということもあり、画面の密度はかなりのもの。ネタ自体がドタバタした混沌を笑いに変える狙いがあるために掛け合いのテンポが凄まじく早いのだが、それに負けないような賑々しさが画面にもみなぎっている。主人公の女の子(ハルミ)が一人で頑張っているシーンとか、中の人が可哀想になるくらいにネタを畳みかけているおかげで、馬鹿馬鹿しいだけのものなのに、勢いに飲まれてしまう。この密度でネタを回すのは、珍しいとか難しいとかいう以前に、多分しんどい。どこまでこのテンションを維持できるかが、今後の勝負の鍵になるんじゃなかろうか。

 昭和テイストを良い感じに支えているのが、やってる方もなんだか楽しそうな中の人たち。勝平ちゃんを中心に子安・能登と配置したメイン組もさることながら、小学生役にも川澄やら宍戸留美やら、微妙にキャリアのある連中が顔を連ね、何となくでもちゃんと昭和ネタが分かるくらいの年齢層をキープ。確かに、この作品を若い連中に固められたら興ざめだものねぇ。能登も自分が一番若い現場とか、久し振りなんじゃなかろうか。長らく見ていなかった気がする大沢コンビの競演が楽しいです。そして、子安が楽しそうです。こういう役も似合うんだよなぁ。ずっこいなぁ。

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