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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 すみません、ほんの出来心だったんです……。他にも行かなきゃいけない劇場作品がいくつかあるのは重々承知だったんですけど、今日の仕事終わりに何か観ようと思ったら、時間がぴったりなやつがなかったんですよ。そこでふと思い出したのが、「そういやウマ娘、4DXがなんか話題になってたな……」ってこと。でもまぁ、近所に実施してる施設もないし、多分ダメだと思って一応検索したら、なんか時間もほどよいし、仕事場からの帰り道だと案外便の悪くない場所で上映していることを知ってしまい……思わず行ってしまった……。

 4DXはかなり久しぶりな気がする。はっきり覚えてるのはガルパン映画だけだし、それがなんと8年前(?!)……。なんかもう1つくらい体験したような気がしてたんだけど忘れちまったな。メガネかけるタイプの3D作品体験とごっちゃになってるかもしれん(それも何の作品を見たか忘れちゃったけど)。

 まぁ、単に鮮烈な印象を保ったままでもっかいタキオンを浴びたかっただけです。2回目の視聴はどのレースも全部作中での「意味」がわかった状態で観なきゃいけないので、もう涙で前が見えなくて大変でした。途中で4DX演出の水飛沫なのか自分の涙なのかよく分かんなくなっちゃったよ。改めて構造を知った後で観てなお、やはり巧緻な作品だよなぁ、という印象は変わらず。さらに愛着プラスって感じですわ。

 

 

<というわけで一応4DXネタバレは含みますが、あくまで追記なのであんまし中身はないです>

 




 先に「4DXならでは」の感想を書いていくと、そりゃ相性はいいわよ。ポッケが走ってるシーンは全部振動が来るのが当然だし、ポッケはだいたいのシーンで走ってるからつまりはだいたい揺れる。そういう作品だもの。私が唯一体験した他の例であるガルパンに負けず劣らずの強烈な体験でした。レースでのがったんごっとんが一番強烈だったのはやはり最終・ジャパンカップですかね。まさに文字通りの驚天動地。あそこまでしなきゃオペラオーは倒せなかっただろうという迫真のレース展開。まぁ、あまりに揺れすぎると笑っちゃいけないシーンでもどうしても笑ってまうんだけども。

 個人的には「揺れるやろ」というのは当然分かった上で観に行ってるので、感じ入ったのはむしろ振動や傾斜よりも風の演出だったかもしれない。そりゃレースアニメなんだから風がビュンビュンくるのも予測はできたかもしれないが、感心したのは座席の後ろからプシュプシュ出るエアの方ではなくて、館内全体にサワと流れる大きな空調の風の方。なんか、レース中にターフの風を感じられるみたいですごくいい気持ちになれた。また、冒頭でポッケがまだ正式にシリーズ加入する前のシーンで、作中唯一のフジキセキのレースが描かれるわけだが、そこでポッケが感動したあのフジキセキとの邂逅シーンで彼女が巻き起こした風がふわりと感じられるのがとてもとても良かった。フジキセキが快速を飛ばしていたからといって特別強い風ってわけじゃない。あくまでもふわっと、優しく流れる風がいかにもフジキセキらしい、たおやかさと優しさを運んでくれる。ポッケと同じ感覚を得て、彼女を招き入れることになる「風向き」を感じられたというのがもしかしたら一番嬉しかった体験かもしれない。

 残る1つは水の演出で、こちらも「そこかよwww」みたいな絶妙ポイントで入ってくるの笑いあり感心あり。雨のレースはパラパラと雨に打たれることになるのは当然だし、貴重な水着シーンではウマ娘の蹴り上げた水飛沫を浴びることも可能。しかし個人的に一番ショッキングだったのはホープフルステークス。意気盛んなポッケがタキオンにかわされて、文字通りに「土をつけられる」シーン。こんなところでもまさかポッケと同じ体験ができるとは思わなんだ……嬉しいやら悲しいやら。これで喜んじゃうのは性癖としてどうなのかとは思うが、必要十分なファンサービスである。

 ま、その他の4DX要素に関しては「君が直接劇場で確認してくれ!」ということにしておいて、残りは2回目の視聴ということで前回気づいていなかったり、前回書ききれなかったことの補遺。

 何を差し置いても、1回目の視聴ではタキオンに目を灼かれてしまったためにそこにしか意識が向けられず、今回だってそりゃもう彼女の釘付けだったが……とりあえずそこを抑え込もう。一旦タキオンはもはやキャラとかじゃなくて概念なのだと分けておいて、残り4人のメインキャラで考えると、私が一番好きなのは多分フジキセキだったんだと思う。上にも書いたけど、冒頭でポッケをこの世界に引き摺り込んだ彼女のレースの優雅さというか、「清新さ」みたいなものに引き込まれる。その後の立ち回りもいちいち綺麗だし可愛いし、願わくは彼女の走りももっと観てみたかったと思うのだが、史実を確認したらほんとに彼女はタキオン同様に恵まれなかったのだね……一瞬の煌めきという意味では非常に似通った生涯を送った2人。そんな「歴史」に引っ張られたら、そりゃ名作にならざるを得ないか。2人の名馬にifの世界とはいえ「未来の可能性」が生まれるのはとても喜ばしいことだ。

 作中でのフジキセキを飾るモチーフには、当然第一に富士山があるわけだが、それ以上に何かと印象的だったのが柳の木。河原のコースでポッケと話すシーンが多かったこともあるが、彼女の見せ場は何故かやたらと柳の木の下にセッティングされており、画面の映り込みの多さから何か意味がありそうだと気になっていた。視聴中に考えたのは「柳……柳の下のどじょう?」ってんでフジキセキが歩んだ歴史の「二の舞」となったタキオンの人生を暗示するニュアンスかとも思ったけど、それは流石に穿った見方だろう。今ググったら幽霊っていう言説があり、すでに「時代が終わった」フジキセキの象徴としているという解釈も。なるほどこっちならある程度は納得できるが、どっちにせよあんまり幸せな解釈にならないのでもう一声欲しいところ。個人的に気になったのは、河原のシーンに加えて確か自販機で缶コーヒー買ってあげるシーンも柳があったと思うのだが、ずっと「背景」とか「遠景」だった柳にフジキセキが「触れる」カットが1回だけあるんですよ。確か勝負服を着てポッケと並走する朝の一幕だったと思う。あのシーンで柳に「触れた」フジキセキは、もしかしたらようやくそこで「今一度の実体」を持ったのかなぁ、なんてことを考えてみたり。ナベさんにペットボトルの水を渡すシーンが前半にあり、朝日の河原ではナベさんからペットボトルを返してもらう。ここでも「おかえり」のニュアンスが強く、もしかしたらウマ娘世界線のフジキセキはここからまた一花咲かせるのかもしれません。ちなみにさらに色々漁るとフジキセキの名前の由来って「富士」「輝石」でもあるのね。「傷ついたプリズム」をあの日の朝にフジキセキがポッケに「返した」流れ……どんどん意味が重くなってくる。あれだけプリズムの演出が(文字通りに)光った今作において、真の主役は彼女だったと言っても過言ではないのかもしれない。

 もう1人、こちらはなかなか捉えるのが難しいけどマンハッタンカフェの立ち位置も本作では非常に面白いところにある。日本ダービーという明確な見せ場があったダンツに対し、カフェはほとんど明確な見せ場がない、なんとも渋い立ち位置。そのくせ作中での存在感が抜群で、やはりタキオンという「概念」への取り組み方がポッケとは一線を画すものだったのがその理由だろう。言葉少なな彼女だけに、その口から漏れる1つ1つの言葉の重みが違う。後半のタキオンの迷走状態(もはやそう呼んでしまっていいだろう)に対し、ポッケやダンツがまっすぐに失望や怒りを表す中、ルームメイトのカフェが返した言葉の1つに「変な人」というのがある。彼女は彼女なりに最大の理解を示しながらも、決して認められない悪友にして最大のライバルを彼女はどうみていたのか。是非とも今後はカフェを中心としたストーリーも紡いでいただきたいところである。

 あとは蛇足その1なんですが、今回妙に気になっちゃったのはウマ娘たちの「馬」部分の描き具合の良さ。具体的には耳と尻尾のことなんですが、まず尻尾は感情表現のわかりやすいツールとして効果的で、個人的にすげぇ好きなのはあんだけクールに決めてるのにナベさんと話してる時にぴょこぴょこ動いちゃうフジキセキのしっぽ。とてもとても可愛い。そして「耳」についてやたら印象的だったのは、「代用品……?」と気づいてしまった失意のタキオンの耳。日本ダービーでのポッケの雄叫びを耳にするところで、スタンドを後にしようとした失意のタキオンをポッケの声が呼び止める。そのタイミングでの彼女の耳、後ろ髪ならぬ後ろ耳を引かれてる様子がなんとも侘しいのである。こういうところの「ならでは」の演出が好き。ちなみに退場しようとした彼女の後方には「非常口」の表示が点っており、彼女が「ステージ」を立ち去ることの不当さを案に示している。「非常口」表示が印象的なアニメ映画、無条件で傑作説。

 蛇足その2は、前回はノイズになると思ってあえて触れなかった中の人の話。まぁ、ポッケとダンツの中の人が若手ってことで触れるタイミングもあんまりなかったのだが(ついさっき、ポッケの中の人がシンフォギアのセカンドプロジェクトみたいな作品でメインに抜擢されたというニュースが入ってきましたが)、ほんなら誰に触れたいかというと、当然タキオンとフジキセキの中の人である。まずはフジキセキ役、松井恵理子。……カッター好きぃ。私がフジキセキにここまで惹かれる要因の1つにカッターの存在があると思う。フジキセキの穏やかな人柄と、カッターの持つ人間性、根っからの人の良さみたいなものがうまい具合にハマってましてね。あとカッターのお仕事が最近あんまりアニメで聴けてなかったというフラストレーションもあったかも。こんないいキャラやってたのねぇ、ってんで嬉しくなっちゃった。

 そして今作の出来を決定づけることになったタキオン役、上坂すみれ。これ、白状すると腹を立てる人もいるかもしれないが……実は私、上坂すみれという役者そのものはそこまで評価してないスタンスの人間だったんですよ。ハマるとでかいのは間違い無いのだが、過去に「すみぺありがとう!」と思った役というと凸守、曽根崎り香さん、杉本紗和さん、そして白鷺千聖さんくらいだろうか(結構あるやんけ)。なんかこう、普段手放しで褒めてるお馴染みの人たちに比べると、「すみぺ単体の技術力はそこまでなぁ」と思う部分は長年抱えていた感情だったのだ。ただ、ここ最近は円熟みも増し、直近では「うる星やつら」のラムをいい具合に調整してくれているし、そのほかにもハマる役が増え、芸幅が確実に広がっているように感じる。そしてここに来てのタキオンである。

 皆さんはどうだろう、タキオンは「すみぺならではのキャラ」になっただろうか? 私は成ったと思っている。あのどこまでも現実を現実として受け入れていないような危うさ、周りの全てを小馬鹿にしたような底意地の悪さ、そのくせピカロに徹するでもない性根のまっすぐさと、どうしようもない弱さ。彼女の持つ「ステータス最強のくせに、ドラマ全体を通してみたら最も弱い人物だった」というアンビバレンツ、これを「タキオンのままで」作り上げるのってかなりの難行だと思うのだが、声優・上坂すみれは見事にこの山を乗り越えた。これをもって、私は改めて声高に宣言したい。上坂すみれはよい声優になったと。世界を作れる存在になったと。

 以上、なんで4DXに行ったのに最終的に声優の話で終わるねん。

 

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