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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 端正な着地、最終話。何か大きな展開があるというわけではないがゆるゆると日常に収束していくこの感じ、なるほどクラゲアニメ。

 もう1話くらいあるもんだと思ってたのでラスト1話でまとめきれるものかとちょっと心配してたんだけど、きちんと各所にけじめをつけて回ったお話。その割に案外詰め詰めな感じもないし、エピローグっぽい部分にもきちんと時間が割けている。そういう意味ではなかなかうまい最終話になったんじゃなかろうか。諸々の決着をつけた中で唯一不満があるとすれば「流石にメロの扱いはそれでいいのか」っていう部分くらいかな。彼女なりの事情というか、心情があったことはこないだ語られてたから一応納得はしたけど、どう足掻いても人道にもとる行為に及んでいたことは事実なわけで、そいつが全体的に許された雰囲気になって、最後には花音と2人で茶ぁしばけるまでになってるのは流石に甘すぎないかという気もする。こういうマインドって過度に必罰を望むジャパニーズマインドなんでしょうかね。

 しかしまぁ、引っかかったのはそれくらいかな。前回ラストでまひるがぶっ込んだ「フェスの合同開催」という無茶提案。当然雪音は一度それを却下して社会人の厳しさを叩き込もうとしたが、まひるがここにきて我を通し始めたことはクリエイター育成という意味では悪い傾向ではなさそう。案外雪音もそうしてまひるをうまいこと飼い慣らしておくために無茶なオーダーを受けたという側面もあるかもしれない。

 そうして実現したコラボイベント。サンドーがメインであるべきなのに出演順がサンドー→JELEEだったのはどう考えてもおかしいと思うのだが、まぁ、そこは設備の都合とか色々とあるんだろう。久しぶりに客前に出て一度は沈みかけた花音だったが、そこにまさかのメロからの檄が飛び、さらにまひるからも背中を押されたことによって無事に完全復活。ようやく彼女なりの「歌う意味」を見出すことができたという。なんかさ、この花音の物語についても案外ふわふわしてはいるんだよね。「歌う意味を見つけた」って言われてもまひるとの関係がどこまで決定的なものだったかなんてことは必要以上の補強がないわけで、「そうか、そりゃ良かったな」くらいの反応しかできないのだが、ここで「誰か1人のために」みたいな確固たる目標があるわけでもなく、なんとなく周りの人たちの力添えがあって塞ぎ込んだ日常から脱却できたという花音の物語も、これはこれで信憑性がある。ラストシーンでちらっと親父さんが出てきたのも、ほんとにそれくらいの添え物の1つとして父親の存在もあったことを思い出させてくれる程度。

 別にこの「なんかふわっとした感じ」は悪いもんじゃない。花音にとって重要なのはあくまで母娘関係であり、今後も歌い続けていくかどうかは、きっとこれから2人で対話を増やして解決していく問題なのだろう。今はとにかく、「雪音が花音を認めた」という事実がしっかりと伝わることが重要。キーとなったクレジットの名義についてもなかなか気が利いており、そこに並んだJELEEメンバー3人の名前が綺麗な対比を描いている。一番上に来たのがすでに転生を終え、「新しい自分」を受け入れたが故に「竜ヶ崎ノクス」になったキウイ。彼女にとって、もはや渡瀬キウイという「昔の名前」に意味はない。ノクスとしてここに立てたことが彼女の成功の証である。これまでずっとVの皮をかぶってやってきた「グッバイ世界」を、今回は顔出しキウイちゃんがやってくれているのも分かりやすい変化だ。

 対して、まひるは「光月まひる」と「海月ヨル」の連名。1人の女子高生・光月まひるは今回の一件で目標を確固たるものとし、新たな未来に歩き始めた。そしてその一助となり、今後も彼女がずっと付き合っていくであろう名前が「海月ヨル」。JELEEのメンバーとしてはやはりこちらの名前だろうし、花音とのつながりが一番感じられるその名義は、今回のクレジットに欠かすことはできない。

 そして「仮想の名前」と「本名」をまひるがつなぎ、最後の早川花音へと帰着する。かつては娘を「橘ののか」としてしかみていなかった雪音が、彼女の本名を晴れ舞台にクレジットする。ようやく母にその名を呼ばれた娘は母の真意を理解して涙する。まぁ、単にお母ちゃんの方が無茶なフリをして娘を困らせていたというだけの話なのだが……そんな無茶振りに応えた娘を誇らしく思う母親の心情も理解できる部分ではある。そして何より、ようやく1人の人間として立つことができたという花音の誇り。これにて、母娘の物語は決着する。卒業式の校門でも、車に乗り込むでもなく別な方向へと歩き出した花音と、それを見送る雪音。今後もこの母娘はきっとこういう関係でうまいこと続けていくのだろう。

 「ヨルのクラゲ」が描き直され、それはいつしかJELEEのクラゲになる。壁画に刻まれたその威容は相変わらず泳げはしないが、たくさんの人たちの思いを受け止めて、今日もきっと街に佇んでいる。その姿が、きっとまた新しく誰かの元気になれるように。

 
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