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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 劇場作品、最近ちょっとご無沙汰してたんですよね。おかげでまたちょこちょこ溜まってて、これはハナから観るつもりでいた作品だったんですが、ちょっと油断してたら、もう近所の劇場では1日1回上映になってるという……いやいや、流石に早すぎない? まだ公開して2週間くらいじゃん。そんでもう1回になっちゃうのかよ……世知辛いなぁ。おかげで劇場に駆け込んだら休日でもないのに座席はほぼ満席。ちゃんと観にくる人がいる作品なんじゃん。ちなみに感覚でしかないけど劇場の男女比は3:7くらいで意外なことに女性ファン多め。なんでだろ、割とコアな作品だと思うのだが、古くからついてくれてた女性ファンがいたのかしら? 薬売り目当てだとして、「新しい」薬売りはどう見られているものか……ちょっと気になりますね。

 

<以下、いちおうネタバレ伏せだが、ネタとか正直分からん>

 




 さて、まず本作の感想を一言でまとめておくと「しんどい」作品だった。これはもう、ぶっちゃけてしまうけど、揶揄でも比喩でもなんでもなく、マジで視聴中も、視聴後も、「しんどい……」と思いながら見続けていた。当然ネガティブな意味を多大に含んでいるのだが、それだけで終わらせるわけにもいかないのが今作の厄介なところでねぇ……。ちなみに今回は上映時間の関係で俺にしちゃ珍しく「昼飯たらふく食ってから劇場」というスケジュールになっていたので、単に満腹で脳に血流が回らなかったこともしんどかった原因だった可能性もある(とんだとばっちりじゃねぇか)。

 まー、今作の公開までのすったもんだに関しては面倒臭い事情もあるし私なんかが知る由もないのでざっくり省くとして、地上波アニメからここに至るまでに実に17年ものブランクがあるってとこだけは確認しておく必要があるだろう。稀代のクリエイター・中村健治が指揮をとった「モノノ怪」は当時も好事家にはちょろちょろと話題になった作品だが、正直そこまで大きなムーブメントになった作品だった記憶はない。あまりにもアバンギャルドがすぎてなかなか一般的な受けにつながらなかったというのが最大の理由だと思ってて、そもそも放送枠であるノイタミナはこの時点では「ハチクロ」や「のだめカンタービレ」など、大きく一般層に受けそうなアニメを(なかなかの高品質で)制作するコンセプトだったのだ。そこにいきなりオリジナルでのエキセントリック電波映像作品が入ってきたら、そりゃ視聴者だって戸惑うのは当たり前だろう。そこは「一部の作画マニアに評価され」ってのが正直なところだったと思う。

 そんな「一部のマニア向け作品」がこの度20年近くの沈黙を破って劇場アニメになったというのは、この「一部のマニア」の声が大きかったのか、それとも経営側にはこういう思い切った爆弾を叩きつける方が面白いと思われたのか。なんにせよ勝負の1作には違いない。そりゃもう、制作側だってニーズはわかっているわけで、ゴリゴリに極まった作品を繰り出してくれた。作画の統括が云々ということで公開前から賛否はあったようだが、出てきたものを評するに、きちんと攻めの姿勢を崩さない、「モノノ怪」スピリットは受け継がれた作品になっているとは思う。

 その点を認めた上で何が「しんどかった」かというと……ぶっちゃけそのスピリットそのものである。だってほら、地上波アニメでさ、30分だったから耐えられた部分も、大スクリーンで嫌でも細部の情報がなだれ込んでくる環境下で、90分もこの映像を流され続けてごらんなさいよ。まともな人間なら情報の濁流に飲まれて正気を保ってられないんですよ。私も開始直後はこの作品世界のあれこれをひたすらに読み解こうと躍起になっていたが、汲めども汲めども尽きぬ映像情報は、まさに今作で中心に居座っていた水満ちた井戸のごとく。途中で脳のスタミナは切れ、あとはただ流されるだけになってしまった。これ、初見で十全に受け止めきれる人ってどれくらいいるんでしょうね。

 「情報量が多すぎる」映画ってのは過去にもあって、たとえば異形の映像空間を完全なる技術力で表現しきった「パプリカ」を筆頭に、イヌカレー空間が特異すぎた「まどマギ叛逆」なんかはその圧倒的な映像圧力も相まっての傑作認定だったし、情報と感情の暴力である「スタァライト」は言わずと知れた人類の至宝。劇場作品であるからには、責任を持ってスクリーンを埋め尽くしてくれる作品というのは、特別な体験として評価は当然上がる。今作だってその例には漏れないはずなのだが、ここで挙げた他作品と比して、あまりにもその情報の所在がつかめず、「大量に情報が受け止められる快楽」を通り越し、「ただひたすらあらゆる概形を持ちうる情報の断片に殴られるだけ」というとんでもねぇ被虐体験になってしまっている。まぁ、単に私の理解力が乏しいだけと言われればそれまでなのだが……最後の最後まで観て物語の筋立てが全部分かったあとならばさまざまなモチーフを映像の端々から拾い上げることができるかもしれないが、初見の視聴者は画面の隅から隅まで埋め尽くされた「何か」の意味を知る術が与えられておらず、等しく襲ってくる情報をノーガードで受け続けるしかないのだ。そりゃ途中でオーバーヒートして全てを放棄したくなってもしょうがないだろう。

 制作側がそうした「情報の暴力」に意識的だったのかは定かでないが、本当にただひたすら「観念的な盛り上がり」をつなぎ続けるハードなシナリオラインはやはりちょっと過剰だったんじゃないかと責任をなすりつけたくなっている。よく、とんでもねぇ作品について「起承転結」の構造を持ち出して「起承転転転結みてぇだな」とか言ったりするが、私の中での本作は「起起起起起(結)」くらいの感じ。「なんかはじまた」→「さっきの話よく分かってないんだけどさらになんかはじまた」みたいなのが最後まで続く。薬売り君が甲斐甲斐しく「形を得たり」「理を得たり」とフェーズの進行を宣言してくれるんだけど、その度に「え? どれ?」ってなって大変だった。これ、どう考えても2週目前提のデザインなのよ。まぁ、上記のような状態なので劇場で2週目が観られるかどうか分からんのだけど……。

 こうした「情報の暴力」を実現させたこと自体は凄まじいことだと思うし、ただただ映像に殴られ続けることを快楽だと感じる人も多いだろうから、そういうニーズにはバッチリ応えてくれた異質のエンタメ。ただ、私のように「帰ってから感想書かなきゃ」と思ってる人間にとっては90分間の試練の時間。結果、まさかの「なんにも持ち帰れない」という体たらく。ちょっとこれは作品にいちゃもんつける前に自身のスタミナ不足を反省しなきゃいけないかもしれん。

 何か残せる情報……何か残せる情報……あぁそうだ、やっぱ悠木碧・黒沢ともよっていう2代ヒロイン編成はえぐいですね。子役からたたき上げの純然たる才能同士のぶつかり合いなのに、2人して今となっては全く違うタイプになってるのが最高にクール。まるでちょうど今やってる有馬かなVS黒川あかね対決みたいですね。どっちがどっちかは分からんけど。あと、個人的には「人を人とも思わない罵詈雑言を垂れ流すゆかな」概念も好き。キャストに関しては基本全部好き。「この世界でも若宮は若宮のポジションなんすね」とか雪哉が思ってそう。

 
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