武道の殴られ続け記録更新中、第8話。原作だと最初の武道の台詞のところで魔雲天のパンチをカットしてカウンター入れる描写が入ってるんだけど、その後もひたすらマウント取られ続けてるっていう矛盾が発生してしまってるおかげでアニメではカットされている。おかげで武道さんはここ3週間くらいずっとおねんねしっぱなしである。
Aパートはアトランティス戦の決着。いいですね、ちゃんと格好良かったです。アトランティスの全身緑色で皮膚なのか鱗なのかもよく分からない形質ってなかなかアニメで表現するのが難しそうなんだけど、ちゃんと「緑色の筋肉」みたいな躍動感が出てたんじゃないでしょうか。それはマーリンマンも同じなんだけど、こいつら「水棲超人」って括りだけ同じくせに何もかもが違うのはどういうわけなんだろうな。まぁ、超人世界に進化の系統樹とかの話を持ち出してもなんの意味もないんだけど。ちなみに今回アトランティスはアイキャッチのTIPSでも「古代アトランティス帝国の系譜」っていう触れられ方をしているんだけど、多分古代アトランティス帝国の人に魚要素はないぞ。あと同じくTIPSで「セントヘレンズ大噴火、昔はネックハンギングからしか出せなかったけど、キン肉マンとの試合の後でトレーニングしてどっからでも炸裂させられるようになったんだ!」というフォローまで。ありがとう謎TIPS。まぁ、理屈は1ミリも分からんけどな。
そんな頑張り屋のアトランティス、多分タワーブリッジの練習は1回もやったことないと思うけど(多分やってたら友達から冷やかされる)、土壇場であの技を炸裂させたということはやっぱり当人の思い入れが強かったということなのだろう。イイハナシダナーと思ってしみじみ聞いていたが、ふと今回冷静になって考えたら、アトランティスが固執するのってむしろロビンじゃなくてキン肉マンが正しいんだよな。負けてんだから。苦汁を舐めさせられたキン肉マンのことをさっぱり話題にせず、自分の勝ち星の記憶であるロビン戦を擦りたおすアトランティス、考えようによっては単なるヤな奴のはずなのだが……それ以上に「えっ、テムズ川で戦わなきゃいけないの? ほなロビン風味出してあげないとお客さんも可哀想かぁ」みたいな気の遣い方に悪魔なりのショーマンシップを感じる。多分、素直にそのまま受け取ってふつーにイイやつなんだろうな。ちなみにどうでもいい話ですが、こんな可愛いアトランティスは先ごろ発売された「悪魔超人熱海旅行殺人事件」で被害者役です。かわいそう。
心臓を2度も貫かれながらも気合のタワーブリッジで痛み分けまで持ち込んだアトランティス。そのメンタルは本当に凄まじいものがあるが、もっと凄まじいのは無惨にマーリンマンの背骨を粉砕し、死にまで至らしめたタワーブリッジの威力。本家ロビンでもダイレクトに死に直結するタワーブリッジなんてほとんど出したことないだろ。これまでの完璧超人の死因が自殺&赤き死のマントと分かりやすい殺処分だったのだが、マーリンマンだけは直でフィニッシュホールドから死亡という壮絶な最期を遂げた。アトランティスさんは「地獄でやり合おうぜ」と言っていたが、マーリン目線ではご勘弁被りたいところだろう。まぁ、鏡を使えば死の国からこっちに簡単に出てこられるんですけどね!
転じて一気にユルい雰囲気になるBパート。今作では貴重な主人公の試合である。だいぶ長いシリーズになったが、現時点でスグルの直接のバトルは4回。まぁ、決して少なくはないが多くもない。そしてそのうち1戦が「2世でよく見たやつだ……」というちょっと不安がつきまとうギミック超人とのバトルである。でもまぁ、ピークアブー自体の設定はそれなりに面白そうではあるよね。コピー技とか使うキャラはどんな格闘漫画でも定番だけど、こうして「相手を模倣し、さらに上をいく」という「青眼虎」戦法(俺は本当にこの表記が好きだな)はキン肉マンでは初めてだろうか。まー、「んなわけあるかい」っていうギミックではあるんだけど……スグルの現役復帰第一戦ということで「基礎から思い出してスグルのいいとこを出していく」ギミックとしてはちょうどいい。
ただ、やっぱりちょっと油断するとギャグバトルっぽい流れはゆでらしいトンチキシチュエーションが出がちなのは注意が必要で、これも原作ではスルーしてたんだけど、突然観客が「可哀想だろ!」「あやしてやれよ!」ってヤジ飛ばすのほんとゆで。どゆことやねん。「リング上に何も分からない赤ん坊が上がってる」っていう前提をなんの疑問もなくスグルも観客も受け入れられるのすごいよな。さっきまでボコボコふまれてたやないかい。まぁ、次週からはシリアス一辺倒になるので雰囲気は安定することでしょう。
この試合でも注目せざるを得ないのはやはり中の人の頑張り。石下翔弥くんのピーク、程よくキモい感じが演じてて楽しそうでいいですよね。そしてようやく本腰を入れて聴くことができる宮野真守のキン肉マン役。まー端々で「マモやないかい」ってなるのは付き合いが長すぎるのでしょうがないが、そっちよりもむしろ所々で「えっ、すごいきっちりキン肉マンになってる」って思う瞬間があることを褒めるべきでしょうね。別に神谷明の模倣をするってわけじゃなくて、むしろ「キン肉マンはこういう話し方をする」に合わせてる感じがちゃんと伝わってくる。面堂役に続いての配役ってことで、元々神谷明との相性は良かったとは思うんだけど、そこで似せるだけの作業にしないのがマモのお仕事ですよ。そしてそんなキン肉マンのためにカメハメが出てきます。どっちかと言ったらそりゃカメハメの方が先代には似てないわけでな。今回はもう「このキン肉マンに何かを伝えるにはこの声しかない」ってんで兼ね役で任されてる状態なわけで。ちなみに今調べてて初めて知ったのだが、元々カメハメ役をやっていた蟹江栄司さんという人(ラーメンマンなどとの兼ね役)、当時めちゃめちゃ早逝してたのね。神谷さんはそうした過去のお仲間の分も背負ってるんだから、歴史の長さにドラマを感じるなぁ。
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