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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ハリネズミパペットかわいい、第11話。ちょっとほしいけど、可愛いパペットって意外と難しい。

 今週も相変わらずで色々と刺激の与え方を考えさせてくれる構成。話をざっくりまとめようとすると割と普通の「義妹」ものっぽくなりそうなんだけど、あの手この手でそれを印象的に伝えてくれる手練手管が素敵。

 Aパートは軽めに、三者面談のお話。これまでずっと家の中、特に暗い夕方や夜にばかり出番が多かった亜季子さんが珍しくお昼の日の光の中を歩いており、それだけで可愛い(露骨な中の人贔屓)。でも、今作における光の演出ってすげぇ分かりやすい含意があるから、亜季子さんがパッと昼の光の中に出てきたっていうのも、家族の関係性が進んだ証だとは思うんだけどね。

 三者面談というイベント、ぶっちゃけほとんど記憶にない。当方、高校時代は超優等生だったもんだから、確か秒で終わっちゃったんだよな。進路も迷ってなかったし(まぁ、まさかその後の人生でこんなに迷うとも思ってなかったが)。だからどのくらい真剣なイベントなのかもよく分からんのだが、多分悠太も似たような感覚だっただろう。「どんな進路でも大丈夫ですよお母さん」と言われ、それに対する返答で確実に亜季子さんからの好感度がアップ。ほんとによくできたお子さんで。高校のセンセってそういう家庭事情って全然把握してないもんなのかしら。そして沙季の方は絶対的な優等生とはいかなかったので一応三者面談で話すことはいくらかあったようだが、悠太の影響で確実に成績アップした沙季も結果的には希望的な評価を与えられ、自分の人生の進路を改めて考える機会になった。そしてその結果が後半パートのオープンキャンパスである。

 というわけでBパートは謎の大学教授編。これまでとは違って「1人で歩く沙季」を暗示させる内容で、そんな彼女の内面を掘り下げ、今後を考えるためにダイナミック変なキャラとして謎教授が投入される。世間的に大学の先生ってこういう変人ばっかりだと思われてるんだろうか。まぁ、当たらずといえども遠からずかも。ただ、今回のセンセはあまりに突飛な行動だったもんでちょっと受け入れるのが大変だったが。いや、変なのは教授の方じゃないんだよな。多分読売先輩が単にバイト先の後輩だからって悠太とか沙季のことを大学の指導教官にペラペラしゃべりすぎじゃね? というのが気になるんだ。倫理が専門ってことで、「義理の兄妹」なんて珍しい関係性に興味があったんでしょうかね……。そんでその先生が実際に沙季に会って、なんでそんなとっくりと話をしようと思ったのかも謎。模擬講義の前の忙しいタイミングで、初めてあった女子高生とあんな話をしようと思ったのはなんでなんでしょうね。

 まぁ、そこを悩んでも答えは出ないので、作品的な要請としては「この機会に改めて悠太のことを考えるきっかけにしろよ」というだけの装置だとは思うんですけどね。先生曰く、沙季が抱えている恋愛感情はもしかしたら環境が生み出した勘違いかもしれないよ、というお話。まぁ、そう言ってもらえた方が安心する場合もあるだろう。やはりどこかに禁忌を匂わせる関係については「違うよ」って言ってもらう方が楽な可能性が高い。もちろん「そんなこたぁない、これこそが真実の愛じゃ」と反発する可能性もあり、その辺はさすがの大学教授、どっちに転んでも沙季の精神的安寧を害さないようにアフターフォローも入れている。何が目的の先生かは分からなかったが、多分悪い人ではないのだろう。悪い奴がいるとしたら、勝手に個人情報を漏洩しまくっている読売先輩の方である。

 教授と対談している一室の描写も、例によって光の演出がさまざまに描かれる。興味深いのはハリネズミパペットの使い方で、登場時以降はとっとと手から外れて放置されていたが、沙季との対話の内容からして、「上から被って外見を作る」パペットは一時的に沙季の象徴として機能しており、そんなパペットがちょうど影の境目に入って日向と日陰で白黒に二分される構図は、今もまだ迷いを孕んでいることの表れ。沙季がどっちに振れるかは、案外先生も興味を持っている部分なのかもしれない。そして、この対話と並行して挿入されるのは予備校の実習室で勉強する悠太と、突発的種﨑ボイスで出てきたメガネちゃんの関係性。いつの間にやら昼飯を一緒に食べるまでの関係になった2人のシーンと、教授の部屋の沙季のシーンが対比的に挟み込まれ、沙季のシーンは右(上手)から光が差し、悠太のシーンは左(下手)から光が差している。舞台において「上手からの力」は何らかの介入、強制の含意。沙季は今回のオープンキャンパスの結果、何かしらの大きな力を受けていることが想起されるのに対し、悠太の方は下手からの光に支えらえるような安定、現状維持、停滞などを想起させている。別に2人の行動に良し悪しはないが、同じようにして「互いに違う道を進んで余計なことは意識しないようにしよう」と考える兄妹でも、そのモチベーションにはいくらか違いがある。

 そのことはいつもの通り、夜ご飯のリビングでも描かれている。毎度お馴染み「カウンターに置かれた花瓶」。今回も慎ましくその姿を見せているが、今回象徴的だったのは「悠太の後ろに隠れて半分しか見えない花」である。露骨に悠太が何らかの隠し事、後ろめたいことを抱えていることの暗喩になっており、「予備校の友達」が女性であることを沙季に話さず、2人きりでご飯を食べたことがどこか後ろめたいことが伝わってくる。いや、別になんも悪いことしてないし、悠太のモチベーションとしては全く正しいものなのだが……「悠太は公正だ」とは、以前も沙季に太鼓判を押されていた性質であった。そんな「公正」な悠太は、今の自分の立ち位置に正当性を感じているんだろうか。

 まっすぐな兄妹の進路、そこに本当に交わりはなくなるんでしょうか。

 
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