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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 その関係性にどんな名前をつけていくのか、最終話。2つの明日は同じものになるのかどうかはまだ分かりませんが、改めて「赤の他人だった2人が、本当の家族になる物語」って書き方は上手い。

 意外にも最終話できっちり落とし前つけてくれましたね。今作のテイストで言うならそこまでも辿りつかないんじゃないかと思ったんだが、ラストは一気に距離を詰めて2人のとりあえずの「ゴール」にたどり着けた。まぁ、この形がベターでしょうね(ベストかどうかはまだ分からないけど)。今回のお話で強いて気になった点を挙げるとするなら、悠太が出会った謎の賢者・藤浪さんがあまりにも賢者すぎたところだろうか。彼女が今いくつなのかすら定かでないのだが、逆境を生き抜いて強くなったその人生訓を、出会って間もない悠太に遠慮会釈なくぶつけてきやがった。藤浪がそうした人生訓を得ていること自体が歳にそぐわぬとんでもポイントだが、それが悠太にとって必要な訓話であるということも理解した上で、わざわざ場をセッティングして下賜している状態。あまりにも導き手として手慣れすぎている。これで種﨑ボイスじゃなかったら流石に違和感があったところだが、種﨑ボイスのせいで違和感がなさすぎてかえって困ってしまうくらいである。「フリーレン様、ようやく人間への理解も深まってきましたね」くらいのもんである。過去に種﨑ボイスの愚者って存在したっけ?(アーニャかな……)

 閑話休題、そんな賢者の導きにより、ついに真理へと辿り着いた悠太。放っておいてもこの2人だったらいつかは辿り着いてしまう結論だったと思うのだが、今回はわざわざ2人して同時に「現状じゃダメなんだ、もっと外を向いていかないと」って違う相手をあてがったと見せかけて、わずか1、2週で「君じゃなきゃダメみたい」に戻ってくるというスピード処理。まぁ、すでに答えは分かってたってことなんだろうけど。可哀想なのは沙季にあてがわれた方の男で、あいつは純粋にフラれた。理由もよく分からず、単に「生理的に無理」という理由で(そんな失礼なこと言ってない)。それくらいのショック療法がないと臆病な沙季は自分と向き合えなかっただろうからしょうがない。先週のヘンテコ教授が予言を残し、実際に今週その通りになった。そのセットがあって初めて、沙季は自分の心と向き合うことになった。

 そして悠太に至っては藤浪さんが当て馬ですらなかった。「おっ、互いに違う異性に興味を持って別々な道を歩むんやな」と思ってたら、むしろ強引にルート修正するガイドだった。なんか、翌週に実習室に行ったら藤浪さんが影も形もなくなってて「もしかして中秋の名月が生み出した幻影だったのでは……」くらいの処理になりそうで怖い。まぁ、そこはシンプルで明確な外付け倫理(逸脱)装置として出てきたと割り切っておこう。

 そうして悠太は結論を出し、沙季との「すり合わせ」に臨む。ことここに至っては予防線もガードも何もない。ただ本心を打ち明けて結果を待つしかない。毎度お馴染みリビングのシーン、今回は朝食時だったので画面全体が比較的明るく照らされているが、今までになかった要素として「家の外、ベランダに置かれた鉢の樹木」がはっきりと見えている。過去にリビングのシーンといえばカウンターの上の花瓶がこの場を支配していたが、それまで窓の外、カーテンの向こう側にひっそりと隠れていた植木が、堂々と顔を出したのだ。陽光に照らされて存在感を放つ植木は当然悠太の象徴。これまでと違って本心を包み隠さなくなり、はっきりとこのリビングにある「2つの心」の存在を示している。そして対比的にカウンターの上の花瓶は直射日光を浴びていないのでやや暗めのライティング。沙季の心がまだこの時点では打ち明けられないことを含意する。

 しかしまぁ、お互いの心は結局結ばれているのだ。私室のドアを挟んでのやり取りに昨日見た「ルックバック」の光景が重なって一瞬ドキッとしたが、このドアを巡るシーケンスのカット割りも実に興味深い。今作最大の特徴であるカメラの押し引きがここでも遺憾無く発揮されており、珍しく躍動感のある立ち回りを際立たせた。

 そして沙季が悠太を部屋に招き入れ、「一線を超えて」からは話が早い。お互いに自分の感情と向き合えたとはいえ、2人して余計なまでに理知的な性格。「擦り合わせ」は万事滞りなく進むのである。こちらのカットでも印象的だったカメラワークがあり、それは露骨なイマジナリーラインの越境。いや、わたしゃ専門家でも何でもないのでイマジナリーラインの何たるかをよく分かってないんだが(「パプリカ」で見聞きした程度だが)、今回は沙季が悠太を抱きしめるシーンで思い切り視界が反転し、通常なら超えないと言われるラインを軽々と超えた。確かに、実際にそうして「ラインを越える」カット割を見るとその印象は強烈。それまでずっと「悠太が前に出る」シーンだったところを、一気に「沙季が迎え入れる」構図に早変わりする。たったこれだけの演出で沙季の決意がはっきりと分かる。お見事。

 無事に結論に辿り着いた2人。しかしまだまだこれからの課題も多いし、ラブストーリーとして見るなら、ここから先も刺激は多いことだろう。原作はまだ未完のようだが、この先の展開はどうなるんでしょうかね。だいぶ気になります。

 
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