「魔王軍最強の魔術師は人間だった」 4→3
特に何もなく。まぁ、無いとは思ってたからいいんだけども。
その辺のシミュレーションゲームの攻略サイトに書いてあるTIPSをそのまま書き下したような内容。しかもそのゲームは割とレトロゲーである。「内政と外交にこれくらいパラメータ割り振るとベストです」みたいなことがちょこっと書いてあって、戦争の時のユニットの配置のコツとかが書いてある。まぁ、だいたいはマニュアル見た時に想定できる程度のものでしかないが。
別にそれでも作品は成立する。こんだけ大量のアニメが粗製濫造される中で完全オリジナルなどそうそう生み出されるものじゃないってのは何度も確認してることだし、ベタならベタの使い方があり、描き方がある。オーソドックスな軍記物でもちゃんと面白くなる可能性はあるはずだが、この作品はそうではなかったと、それだけの話である。
だってさぁ、「人間の中に魔族が1人」っていう設定が何か有効に働くと思うじゃん。タイトルでそう言ってるんだから、そこにオリジナリティを探すじゃん。そしたら「生まれは人間だからあんまり人間殺したくないけどなー(必要とあればじゃんじゃん戦争はする)」くらいのふわっとした設定だけで、あとは「最強の軍師に育てられたのでとても賢いです」って言ってるだけで、豚やら狼やらを相手に知性マウントを取る寂しい王座。そんで対戦相手の人間どもはモンスターに比べりゃまだ知性はあったのかもしれないが、その分品性が欠如したやつばかり出てきて勧善懲悪のお膳立てをするばかり。まぁ、脳死でスカッと物語を描こうと思ったらどうしたってこういう設定になっちゃうんでしょうね。
いや、でももうちょい「魔王軍」的な部分を活用しろよ。なんで今更ファンタジー世界で火縄銃の三段撃ちをドヤ顔で解説されなきゃいけないんだよ。今時小学生でも知ってるわ。普通に考えたら「知恵が足りないモンスターが人間の開発した兵器にやられる」っていう構図にしなきゃダメなのに、なんで知恵の足りない雑魚モンスターに銃を握らせてドヤ顔できるんだ。モンスターたちにもっとモンスターらしい活躍させてやれよ。
お約束のハーレム展開もピンとくるものはなく、映像部分も並かやや下。全体的にテイストの統制は取れていたとは思うが、やっぱわしゃあのCGで雑多に動かすモンスター描写は好かん。魔王軍にいるのにモンスターに「生きてる」感が薄いのは勘弁してくれよ。その辺にこだわりがないならなんでアニメ化したのさ。
世の中になろうアニメへの不満を書いた数だけお金がもらえる仕事があればいいのに。
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