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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「チ。 -地球の運動について-」 5→5

 早いもので、あっという間に最終回シーズンに入ってくる。今期の口火を切るのはこの作品。NHKなので多少変則スケジュールながら、2クール25話を走り切った。

 正直、途中から割と適当にしか観てなかったのであんまり深いところまで入っていけなかった作品だった。ネガティブな要素は多数あり、とにかくアニメーションとしては画面が地味なことが最大のネック。「語り」が多い作品だというのに、そこにトリッキーな映像演出を入れたらそれはそれで作品意図と違っちゃうし、馬鹿正直に暗い画面を暗いままで吶々と語っていくしかない。目を引き続けるのは困難な構造の作品だった。「暗い画面」というのが文字通りに「暗かった」というのも視聴モチベーションを削る要素になっており、本作は「夜空」を見上げなければいけない関係上、とにかく闇が闇。別にそんなもんいくらでも嘘はつけるのだからライティングをちょっと明るめにしてもいいはずなのに、ナイトシーンはマジで誰がなにやってるか分かんないレベルで暗い(うちのテレビのせいかもしれないが)。強烈な暗さはおそらく制作側も意図している部分であり、手探りで何も見えない真理を探索し続ける者たちを表しているというのは理解できるのだが、ちょっとやりすぎ感がある。

 かてて加えて、描こうとしたドラマがどうにも観念的である。スタート時には「天文学」VS「キリスト教」という分かりやすい対立構図のお話なのかな、と思っていたら早い時点で「まぁ、テーマは別に地動説だろうがなんだろうが構わないんです。描きたいのは、知の探究も宗教と本質的に差異はなくただ生き様が分かれているだけということなんです」という人の信念のぶつかり合いを描いた作品になった。そこに正義も悪も無いため、いい言い方をすれば対等なバトルがあるわけだが、悪い言い方をすればどうとでも捉えられる水掛け論でもある。そりゃま、学問論なんてものは人類が何千年も繰り返している究極の水掛け論であり、たった1本のアニメで結論らしきものなんて出るわけもないのだが、それを延々切った張ったの命のやり合いで見せられる展開というのもどうにも珍妙な印象がある。

 そして何より、この切った張ったの展開の天丼感が凄まじい。地動説唱える、研究する、異端審問で捕まって殺される、以下繰り返し。ほんとに研究者側の性質をちょっとずつ入れ替えながらひたすらこの展開を続けていく流れは感心すらする。いやまぁ、考えてみりゃバトル漫画なんてのは「なんやかや理由を続けて戦う、以下繰り返し」なのだから本質的に大差はないのかもしれないが、それにしたってみんなして審問にぶつかって死にすぎである。作品としてはそこに筋を通すために審問側にはずっとノヴァクという柱を立てているのはむしろ親切な設計で、これが両サイドが常に違う人物で語られ続けたら完全にとっ散らかって訳のわからない話になっていただろう。「懲りない地動説の面々VS可哀想なノヴァク」という構図を作った上で、最終的に「ノヴァク側の物語」に収束されることで結末を見たのは、なんとも不思議で捉えどころのない書き味であった。

 とまぁ、ここまでネガティブなことばかり書いてきたが、じゃぁつまらなかったのかと言われると、これがそうでもないのである。微妙にテイストが変わっていく「探究者側」の人間関係やキャラクター描写は毎回ちょっとずつ興味を惹かれるものだったし、面白いキャラが出てくるのは事実。「どーせ最終的にみんな殺されるんや」と分かった上で苛烈な拷問シーンや殺戮シーンに至るまでの時間は別に退屈ではないのだ。そして全てを締めてくれるノヴァクの頑張り。私みたいな歳になるとヨレンタさんとの関係が可哀想すぎて見てらんなくなっちゃう悲劇の男。彼がいてくれたからこそこの作品世界が成立したので、間違いなく主役は彼なのだ。ノヴァクという1人の男が生き様を探し求め、後悔と戦い続ける物語と考えるなら、「毎回強力な敵キャラが出てきて、それを必死にノヴァクが打倒していく」という真っ当な成長譚(??)と捉えることもできる。多分私はそういう作品だったと認識しているのだ。

 まー癖の強い作品だったのは間違いないが、決して無意味なアニメ化だったとは思わない。ただ、「じゃぁもう1回見ましょうか」って言われると「いや、もういいかな……」ってなるくらいには重たかった。1クールに1本くらいは、こういう作品があると身が締まりますね。

 
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