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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 非常に偏った視聴姿勢だが、まさか1週間に2度も「記憶再現物語の中で他者のアイデンティティをぐしゃぐしゃにしてしまう高尾奏音概念」を見るとは思わなかった、第11話。まぁ、こっちは単なる妄想だけどあっちは厳然たる事実だったからな……。

 サブタイトルは「絶望」だが、その実復帰を描いたお話。絶望してるのはルーク側なのでもしかしたらそっちを表すサブタイかもしれない。復帰までのプロセスはお話としては至極分かりやすいセオリー通りのもので、「描けない」と打ちひしがれていたナツ子はどんどん自己肯定感が下がっている状態からスタート。ただ、これは別にヴォイド戦で競り負けるようになってしまったせいで訪れたものではなく、そもそも現世で劇場アニメのプロットが全然出てこなかったところからスタートしている。噂の天才監督もやはり人の子。何も生み出せない状態で苦悩しているところで偶然ぽっくり逝ってしまったがために、こんな面倒くさい世界に迷い込んで「浮かばれない」自己言及を続けているのかもしれない。

 描けない、生み出せない、超えられない。色々と悩みは多いが、そんな中でクリエイターが出来るのは「作る」ことだけである。行き詰まったとしても頭を動かし、手を動かし続けることでしかブレイクスルーは起こらない。若かりしナツ子だったらそれを本能的に理解してがむしゃらに筆を動かし続けていたのかもしれないが、半端に大人になってしまった現代のナツ子は、外聞やらプライドやら、邪魔っけなものを抱え込んで停滞してしまった。そんな彼女を前に進めるものが、この度の復帰劇で2つ提示されたわけだ。

 1つは「自分自身」。「過去は裏切らない」「努力は裏切らない」と綺麗な言葉で説明できれば簡単だが、少なくとも現在のナツ子からしたら努力でもたどり着けないところまできて、「裏切られて」しまった状態。彼女の夢物語の中で、これまで生み出されてきた多くのシンパが口を揃えて彼女を酷評していたのは、自分のこれまでの努力を無価値なものと感じてしまっているナツ子の内面の表れだろう。これまでの二十数年間の努力に意味はあったのかと。

 それでも、やはり根底にはどうしようもなく「描きたい」自分がいる。これまでずっとタップの中から「描け」と呼びかけ続けていたあの声は、幼いナツ子自身のものだった。一番輝いていたあの頃、夢に溢れてなんでも自由に出来たあの頃の自分。そんな自分こそが、やはり一番の応援者だったのだ。余計なものをとっぱらい、突っ走ったらいいじゃないか。そんな子供の無邪気な憧れが、彼女に再び火を灯す。

 そしてもう1つの大きな推進力は、この度の世界ではユニオの形で表れた。ユニオは恥ずかしがりながらも、ナツ子の絵を好きだと言ってくれた。好きだからこそ応援したいと、「滅びゆく物語」のキャラクターが叫んでくれた。おそらくこれはまるきり反対、彼女がこれまで抱え続けてきた「滅びゆく物語」への愛情の反射であろう。ずっと彼女の背中を押し続けていた「好き」という感情。結局はこれが全てだ。好きだから描けた。好きだから進めた。それはルークというキャラにしてもそうだし、「滅びゆく物語」という作品に対してもそう。そして何より、アニメーションという媒体に対しても。

 紆余曲折はあったが、ようやく自分の依って立つところを見出したナツ子。今一度ユニオと手を組み、「ルーク大好き同盟」が勇者の危機に駆けつける。修正は終わったのか。この世界をひっくり返す方法はないのか。まだまだ創造力は止まらない。塗り替えられるキャンバスなら、どれだけ絶望に染まっていても関係ないものね。

 
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