「るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 京都動乱」 ―→4
うん、まぁ。
割と賛否両論あるシリーズになったかとは思うんですよ。1期とはかなり明確に演出方向が変わったこの2期目。さらにアニオリの量が一気に増え、原作ファンからしたら色々と議論の余地がある。映像クオリティは「そこそこ」でキャスティングなどにも大きな不満はなかったため(予想通りに鎌足が村瀬くんになっちゃったのは苦笑いだったが)、焦点はやはり「シナリオラインの是非」ということになる。
点数を見て分かる通り、私の結論は「やや非」である。別にアニオリが悪いとは思わない。原作と寸分違わぬ映像を作れなんてそんなつまらないことは思ってないし、実際に1期で混ぜ込まれたアニオリ部分とか、ちゃんと制作意図と作品への愛情が感じられたので「ちゃんとこの時代にリメイクした意味はあるな」と感じたものである。そして、2期に入ってからの多くのアニオリだって、一応意図は理解できる部分が多かった。大義名分としては「説得力を増すための描写の増加」「原作の矛盾点の解消」であり、原作で無茶苦茶やった部分を再解釈して「意味が通るでしょ」と見せる意図があったはずだ。
ただ、残念ながらあんまりそのことに価値を見出せなかった。北海道編につながる部分、例えば十本刀間の関係性の描写とかは嬉しい部分もあったんだけど原作でそこが描かれなかったのって、結局「京都編」という大きなシナリオラインの中ではそうした部分は枝葉末節でしかないからだ。「なくてもいい」部分なのである。和月だって当時は十本刀が多すぎたと白状してて、不二と才槌みたいに「こいつら別にいらなくね?」みたいな奴らすらいる。そこに肉付けする意味ができたのは完全に後付けであり、このストーリーを見る際には不必要な部分だった。そこに力点を置く描写は、やはり趣旨がブレたと言われても仕方ない。
また、細かい矛盾点を解消しようとする動きは勢いを削ぐ結果にもなってしまった。一番わかりやすいのは煉獄絡みの諸々だったと思うのだが、「素人手製の炸裂弾で大破する鋼鉄艦www」という昔ながらのツッコミを解消するためだけに「剣心と蒼士の邂逅」「宇水と齋藤の遭遇」などなどの後から見せるシーンを先取りしちゃうのも勿体無い。あと、個人的に一番不満だったのは「方治が格好悪かった」こと。方治の忠誠や妄執は和月も頑張って描き続けたキーポイントの1つだったのだが、余計なシーンが追加されたことでなんだか道化みたいになってしまった。やってることは「方治らしい」のかもしれないが、わざわざ見せなくても良かったシーンである。全体的に角を矯めて牛を殺す結果になった気がしてしょうがない。
あとは単純に、「長い」。警察VS志々雄下っ端の構図とか、露骨に尺稼ぎの要素があったことは事実であり、古き悪き昭和のジャンプアニメのアニオリみたいな冗長さはシンプルにマイナス。どうにも、制作側が「あの要素も、この要素も!」と欲張ろうとしたことに枠の制約が重なって大きな歪みにつながってしまった印象である。
もちろん3期もあるわけだが、ここから志々雄編決着までってことだよね? ……なんか変な比重になっちゃったなぁ。俺は何事もなく完結まで見届けたいんだよ。四星の活躍が見たいんだよ!(そこ?)
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