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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ハッピーエンドが全てはない、とはいうけれど、最終話! この作品はこの形しかないやろな。

 正直いえば、なんか色々と雰囲気でゴリ押したな、という感じはあるのだが、画の力を信頼すればこそ、この力業もまかり通ったのだろう。徹頭徹尾「アニメーションを作ること」を描き続けた本作であるなら、余計なモノローグなどに頼らずにただあったことを画で紡ぐことこそ王道という判断。これはこれで良かったんじゃなかろうか。

 1つ不満があるとするなら、結局、ナツ子は「自分の新たな創作」に辿り着けた示唆が与えられなかった。鳥監督を乗り越えるためにも、本来ならばここで「滅びゆく物語」を超える大きな力を見せつけて「全修」を行うのが一番綺麗な形だったのだが、ラストバトルで彼女が生み出し続けたのは自分が一番繰り返し描き続けていたルークという存在だった。酷な言い方をすればそれってあくまで「二次創作」でしかないわけで、これをもってアニメーター・広瀬ナツ子の新境地とはいえない。そこに何かブレイクスルーを起こすようなネタが入ってくるとより一層最終回らしさというか、サクセスストーリーとしての体裁が整ったとは思うのだが……まぁ、何したらいいか思いつかないけどさ。

 もちろん、だからとて今作が最後まで描くことを放棄したというわけではなく、「新しいものを生み出して既存の作品を乗り越える」をゴールに設定したのではなく、あくまでもナツ子の内面世界で自分を振り返り続け、自分が一番好きだったもの、一番力を与えてくれていたものを確認するという展開にしただけである。「目をつぶっても描ける」と豪語したルークの姿。渾身の一筆でルークを生み出し続けることで最終的に「全修」を成したナツ子の魂は、どこまでもルークとともにあり続けることを確かなものにしたのだ。この愛情は間違いなく本物である。

 また、わざわざ異世界転生まがいの不思議体験までしてこの結末に辿り着いたのは、作品世界内に食い込むことによって「二次元への憧れ」と「自分の恋心」をリンクさせるため。今となっては、結局あの世界が本当にあった(?)異世界なのか、生死の境を彷徨ったナツ子の悪夢だったの、誰にも分からない。けれど、あの世界に身を置いて、1人の人間としてルークと向き合うことにより、いわば「憧れるのをやめましょう」状態まで肩を並べてルークと向き合うことができたのだ。この経験の結末が「渾身のルーク」であったというなら、これが広瀬ナツ子という女の、不器用な「初恋」だったという結末に異議を挟む余地はない。

 他にもデステニーの優しさが満ち溢れるシーンとか、メメルンの勇ましい最後の一射とか、アニメ的にもドラマ的にもしっかり「らしい」ものも見せてもらいました。まぁ、最後に帰ってきたQJは果たしてなんの役に立ったのかという疑問もないではないが……うがった見方をするなら、あくまでナツ子のために用意された世界、なんとなくあそこでQJが蘇ったことで、「どれだけ絶望していたとしても、この世界は再生できるんですよ」という希望の示唆を神様(?)が与えていたと取れなくもないかな。それこそ、鳥監督も自分の作った結末が正しいかどうか自信がなくて、他人の作った別バージョンを見てみたかったとかね。

 受け取り方は、あなた次第だ。

 
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