声優100人名鑑：企画を終えて

　疲れたーーーーー。

　自分で企画しといてなんだが、やっぱりこの１年間の積み重ねは結構大変でした。こうなることは分かった上で始めたんですけど。だいたい１回の記事作成にかかる時間は１時間半〜２時間くらいなので、だいたい１年でトータル150〜200時間くらいは費やしてる計算。まぁ、その分の蓄積は出来たと思いたい。普段から漫然と個別記事を書くだけでは伝わらない、何かしらの声優愛が伝わったと願うばかりである。

　せっかくなのでこの機会に取り上げた100人を年代別にまとめてみたのが以下の年表である。あまり事前に考えていたわけではないが、ある程度満遍なく触れられたんじゃないかとは思っている。

 ↓

・100人名鑑：年代別編（生年月日順）

1975　ゆかな　大原さやか　桑島法子

1976　田村ゆかり　川澄綾子　生天目仁美　堀江由衣

1977　浅野真澄

1978

1979　田中理恵　釘宮理恵

1980　甲斐田裕子　能登麻美子　遠藤綾　坂本真綾

　　　 新井里美　伊藤静

1981　中原麻衣　斎藤千和　佐藤利奈

1982　福圓美里　小林ゆう　渡辺明乃

1983　阿澄佳奈　加藤英美里

1984

1985　井上麻里奈　名塚佳織　藤井ゆきよ　沢城みゆき

　　　 日笠陽子　高垣彩陽

1986　小清水亜美　佐藤聡美　豊崎愛生　伊藤かな恵

　　　 洲崎綾

1987　井澤詩織　沼倉愛美　田村睦心　赤崎千夏

　　　 喜多村英梨　茅野愛衣　内山夕実　金元寿子

1988　明坂聡美　井口裕香　加隈亜衣　伊瀬茉莉也

　　　 小松未可子

1989　大空直美　花澤香菜　松井恵理子　久保ユリカ

　　　 石川由依　潘めぐみ　竹達彩奈　大久保瑠美　内田真礼

1990　戸松遥

1991　早見沙織　寿美菜子　上坂すみれ　安済知佳

1992　Ｍ・Ａ・Ｏ　東山奈央　悠木碧　小原好美　小澤亜李

1993　久野美咲　瀬戸麻沙美　ファイルーズあい　石原夏織

　　　 古賀葵　雨宮天

1994　上田麗奈　佐倉綾音　高橋李依　日高里菜

　　　 和氣あず未　大橋彩香　芹澤優　島袋美由利

1995　白石晴香　赤尾ひかる　千本木彩花　水瀬いのり

1996　田中美海　本渡楓　黒沢ともよ　伊藤彩沙

　　　 市ノ瀬加那

1997　花守ゆみり

1998　鈴代紗弓　石見舞菜香

1999　諸星すみれ　富田美憂　楠木ともり

2000　羊宮妃那

非公表　種﨑敦美　長谷川育美　篠原侑　

 

　こうしてみると、普段からよく言及する黄金世代（75,80,85）は確実にラインナップとしては充実していて（厳密には「年度」で認識しているので上の一覧とはズレる部分もあるが）、その次の世代はなんとなくおいちゃんたちの印象が強いから91年かなー、とか思っていたが、こうして並べると94年前後がおそらくホットスポットだな。あとフツーに物量でも87組は強かった。

　ちなみに繰り返しになるが、諸々の事情を含めて「100」という数字にこだわって選出したため、「なんでこの人が入ってないの？」みたいな事例はいくらもあるだろう。ただ、そこについてはあまり問わないでいただきたい。人には人の声優体験があるものだ。別にここに載っていない人を下に見る意図は全くないし、実際に数の関係で泣く泣く削った人もたくさんいる。もしも私クラスの暇人がいるならば、記事立てとまではいかずとも、自分の中の「100人」を選んでみてはいかがだろうか。

 

・企画の自己評価

　まずは良かった点からあげていく。普段はあまり自画自賛的な甘えたことは言わないようにはしているのだが、私はこうした自分語り記事で一番参考にしてるのはMagicの公式サイトのマーク・ローズウォーターの数々の執筆スタイルだ。彼は定期的に「自分が書いた記事の評価」をしており、そこではほぼ星３つ以上ばかりで自分に低い評価は出していない。それくらいの自負があってもいいと最近は思い始めているので、ポジティブな評価も堂々と書きたいのだ。

　1年を通して記事数は（この記事も含めて）102、文字数にして約44万文字程度である。今ググったら「一般的な小説の文字数が文庫本なら12万文字程度」とのことなので、文庫本が３〜４冊書けるくらいの量。まずはこれだけのテキストをひたすらに綴った自分を褒めてあげようと思っている。普段からブログを書き続けることに慣れてしまっているので「書くこと」自体にはあまり価値を見出していないのだが、今回は自分に強制的な枷（締め切り）を設けて継続的に書き続ける必要があり、制限の中で最後まで走りきれたことは何かしらの自信につなげたい。

　また、もちろん取り上げた対象によって内容の濃淡はあるが、最初に選出した100人のリストも悪いものではなく、自分の中で「捨て回」みたいなものも存在せず、精一杯広範に愛を叫べたとも思っている。なるべく画一的な内容にならないよう、「声優評」という縛りの中でもいくらかバリエーションは出せたと思っているし、言語化が難しかった「なんかいい」にも自分なりに尺度を設けて噛み砕く良いきっかけにもなった。いうても20年以上声優オタクをやっているのだ。それを吐き出した結果これだけの内容になったというなら、この蓄積も意味があったのではなかろうか（声優オタクの積み重ねに意味があるかどうかという疑問は別問題である）。

　続いて反省点もあげていく。上の評価点とは真逆のことになってしまうが、頑張って書いたとは言っても、やはり自分の語彙力不足というか、声優という対象についてまだまだ解体出来ていない部分がたくさんあることを思い知らされたのは、非常に発展的な反省点である。普段耳にしている「声」について、「あの人とこの人は違う」ことは漫然と理解しながらも、「何が違うのか」「違うと何が良いのか」までを言語化することは非常に難しく、100％の満足度でそれを表せたとは言い難い。もちろん、「声優の良し悪し」なんてものは個人的な嗜好が大きく影響するし、定量的に測れるものでもないのだからハナから無理な挑戦だったとも言えるのだが、それが出来そうだという直感からスタートした企画だったため、回を重ねるごとに狭められていく「論評」の方策に満額回答できなかったことは反省したい。諦めて曖昧な表現を多用して冗談めかしてはみせたが、それによって客観的な資料性は著しく低下し、本来の目的が果たせていない部分はあった。どこかで「音声論」とか「役者論」みたいなものを学べれば少しは道具立ても増えるのだろうが、ここから一歩踏み出すと趣味としての声優オタクを逸脱して「楽しめない領域」に立ち入ってしまいそうで、どうにも悩ましいところである。

　これに関連して、途中から明らかな方向転換があったことも多少の心残りである。継続して読んでいた人はもしかしたら気づいたかもしれないが、序盤は構成として「おすすめキャラ」の項目はできるだけ３キャラ程度に絞って取り上げるつもりだった。序文の内容を引用すると「あんまりダラダラ並べ立てもWikiの劣化版みたいになっちゃうだけなので」トピックを絞るためにキャラを羅列するのは避けたいという意図があったのだが、結果的にはずるずると「Wikiの劣化版」みたいな広がり方になってしまった。

　こうなった理由は明白で、「そうしないと役者としての良さに言及する方法がなかったから」である。最初の方は頑張って「個別のキャラに言及せずに役者としての良さを書き出す」ことを目標としていたのだが、どう足掻いても具体的なキャラの例を取り出した方が記述が楽なのである。結局「良きところ」の項目とキャラ紹介の項目の境界が曖昧になってしまい、次第に楽なリスト形式中心になってしまった。結果的には分かりやすくなったし悪い判断ではなかったと思うが、もし実力が見合うなら、具体的なキャラを挙げずとも個別の役者に言及できるくらいの筆力が欲しかった。

 

　まぁ、なんにせよここまで書いてきた内容は記録として残ったのだ。今後同じような企画を立てることはしばらくは無いだろうし、この100人の枠が大きく塗り替えられるということもないだろう。いつまで続くか分からない私のオタク道の一里塚として、今後も機会があれば振り返る場所にしていこうと思う。

 

　記事の方にコメント・感想などお寄せいただいた皆様、ありがとうございました。

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