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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 なりたい自分になりたい、第9話。シンプルなトートロジーながら、若者は、否、人はみなそこをグルグル回っているんです。

 前回「分かった」ことでようやく1つの山を超えた朝。両親の死を理解し、自分の境遇をようやく受け止めることで初めて「朝の人生」が再び進み始めた。しかし、だからって何かがはっきりするわけもなく、むしろ「無くなった」ことがクリアになっただけなのだから、今度は行く先を考えるフェーズに入る。しかし、10日にも渡る長期の欠席(ズル休み含む)の後にも別に生活にガイダンスが出現するわけじゃない。同じ部活でも進める人は勝手に前に進んでいる感じがするし、自分の停滞感ばかりが際立つ。こんな不幸な身の上の自分に、誰か何かサポートでもくれるんじゃないのか。世の中にはたくさんの大人が独り立ちしてるんだから、みんななんやかんや言って自分と同じ学生時代の「選択の悩み」をクリアしているんだから、そこからサポートが入るもんじゃないのか。そんな身勝手な若者の受け身体質は、なかなか現実とすり合わせが難しい。

 もちろん、朝はずいぶん現代的な考え方をする青少年ではあるが、だからと言って何の努力もしない堕落者というわけではない。人並みにお勉強もしてるんだろうし、交友関係だってきちんと形成できている。そしてこの度、部活で一歩抜きん出るために初めての作詞にだって挑戦しちゃってみる。だって、血縁者の叔母が小説家なんだよ? さらにまるでドラマのような悲劇的な別れを経験してるんだよ? そんな人間が作詞にチャレンジしたら、さぞかし素晴らしいものができるんじゃない? フィクションだったらそんな主人公もいっぱいいるんだし。

 しかし現実はそうじゃない。朝には蓄積がない。最終的な結論では「語彙」もない。そんな人間がいきなりしれっと展開できるほど詩歌創作は簡単なもんじゃないのである。でも、できないことに朝は納得できない。じゃぁ自分は何が出来るってんだ。「全然分かんない」は朝の口癖である。どこか他責思考があるのは何も朝だけじゃなくて現代人の傾向な気もするが、おそらく実里の生前に、彼女が朝の人生にかなり干渉してきた結果なのだろう。朝自身は何かを「決める」という経験が乏しく、人よりも自己責任の感覚が薄い気はする。そんな朝はいろんなことが自分の背中にのしかかってくることが耐えられない。だから、「人生は勝手に誰かが進めてくれる。なんか分かんないけど上手くいくようになっている」と思っている。「なりたい自分になれる」と思っている。

 しかし、この考え方には2つの大きな問題がある。1つはもちろん、「人生はそう甘くない」こと。そしてもう1つは、「なりたい自分」なんて、そう簡単に決められるもんじゃないってこと。朝の中で、「なりたい自分がある」は前提条件のはずなのだが、これがまぁ難しい。世の中の大半の人間は、やりたいことを探して死ぬまでフラフラしているようなもの。その迷いの中で偶発的にぶつかるものが出会いであり、人生である。しかし、朝は「なりたいものになること」が自然であると信じている。いや、思いたいだけだろうか。クセつよ作家仲間のジュノさん(感じで書くと樹乃さん)に「おチビ」と言われて激昂した時には「自分の身長は伸びるんだ!」と必死に主張しており、多分それと同じくらいの熱量でもって「なりたい自分になるんだ!」と主張している。身長についてはまぁ、今後は分からんが、もしかしたら放っておいても背は伸びるかもしれない(血縁の槙生があんなだし、遺伝子的にはそこそこ可能性はありそう)。しかし、背が伸びるのと同じくらい自然に「なりたいもの」は見つかるもんじゃないのである。

 おそらく、朝もそんな現実には薄々勘付いているだろう。だからこそえみりちゃんとの進路相談会では槙生が「気づいたら小説家になってた」と発言したことに対して「それは反則だ」とクレームを入れた。「なんで選択の悩みも持たずに今の(少なくとも朝目線からは)成功した人生のレールにのってるんだこの野郎」ってなもんである。もちろん、実際の槙生の人生はそんな生やさしいもんじゃないのだが、朝から見たら槙生は「好きなことを仕事にしている幸せ者」だし、「昼間から酒飲んでる自堕落」である。「自分もそんな気楽な人生が歩めれば」と思っちゃうのもまぁ、分からんではない(この考え方は、その後の槙生の様子を伺うことで多少改善されたようだ)。

 朝とえみりちゃんが進路を考えるため、今回は「大人のサンプル」の断片がモザイクのように絡み合う。筆頭に立つ不良サンプルの槙生、優等生ながら、両親との軋轢が残ったという笠町。そして槙生と同じ作家業にありながら、迷っていた状態を明確に言語化した樹乃。大人たちだって、今の人生がゴールだとも思っていないし、誰一人、全自動でレールに乗ってここまでやってきた奴なんていないのだ。保留と妥協の延長線上に、人は皆生きている。

 歳を取れば、そうした人生の構図も見えてくるものだが、若者からしたらそんな夢のない話はノーサンキューだ。未来とは、人生とは、「あるべくしてあれ」だ。朝ちゃんはそれでいいと思うのだが、果たしてそのエネルギーでどこまで突っ走れるか。まずはその方向性を、槙生がうまいこと誘導できればいいのだが……とりあえず、作詞は続けてみていいと思うよ。

 

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