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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 すでに涙腺がボロボロなの。助けて。安藤監督、マジで勘弁して。

 ラス前エピソード。ここで最大のクライマックスとなるお船引である。これまで蓄えられてきたものが一気に放出されるカタルシスを伴いながらも、まだまだ予断を許さない状態で最終話にもつれ込む。もう、何が来ても辛いんじゃないか。どうなったらみんな笑顔で終われるかな……。

 前回「最終戦その1」が片付いた。要はさゆの優しさに出会い、孤独な人生にピリオドを打った。今回、彼はめでたく幸せを手に入れたことを存分にアピールしており、後腐れのないように紡に全てを話し、ちさきを託した。もちろん彼の中でちさきへの気持ちに整理がついたわけではないだろうが、現時点で彼がちさきのために出来ることを考えれば、自ずとそういう答えが出るのである。さゆという後ろ盾が出来て自分にも自信が持てるようになった今、多少なりとも紡との対話にも前向きで臨めたに違いない。そして、そんな彼の気持ちをはっきりと示すシーンが、荒れ狂う海の上、船から飛び込んでまなかを追おうとしたシーン。他の4人はまなかを追ったが、要だけは再び船の上に戻ってきた。そう、彼はさゆを守るために戻ってきた。それは、5年前のお船引でちさきを守るために海に放り出されたシーンと綺麗に対照を成している。かつては自分をかなぐり捨てて好きな人を守るために暗い海の底へ。現在は、自分を好きでいてくれる人を守るために、信頼出来る仲間に後を託して自分は陸へ。他の面々がエナを手に入れたりして常に海を目指している中で、要だけは地上を選択したことがはっきりとした意思表示として現れているだろう。自分のことなんてどうなってもいいと捨て鉢だったあの頃と違い、彼は、好きな人のために自分を守ることも覚えたのである。

 そんな要の協力により、どうやら片がついたようなのが、「最終戦その2」、ちさきと紡の関係である。伝言係からちさきの本心を(改めて)伝えられた紡は、全ての決着をつけるべく、一切捻らずに真正面からちさきに突っ込んだ。「どう考えてもお前が好きなのは俺のはずだけど、それを納得させる方法を考えている」。こんなに傲岸不遜で斜め上の発言もなかなか無いだろうが、不思議と紡だったらそれしかないんだろう、という気にもなる。案の定、そのとんでもない発言を聞いて、ちさきは理路整然と丸め込まれつつあるのだ。前回も確認した通り、元々ちさきの持つ感情の方が理不尽なものではあった。止まってしまった時間に振り回され、過去と決別出来ず、自分を許すことが出来ない奇妙な感情。それを打ち破るためには時間を動かすしかないだろうと思っていたのだが、紡はそれを待たずに、「間違ってないはずだから確認する」というプロセスでねじ伏せたのである。そして、ちさきがねじ伏せられた背景には、実は要の存在も関わっている。今回ちさきは改めて「自分だけが幸せになって良いはずがない」と涙ながらに訴えていたが、彼女よりも先に、要が1人抜けだし、「新たな時間」を刻みはじめたのである。これにより、ちさきの「自分だけが」という気持ちは多少なりとも軽減されることになった。紡がそのタイミングを計ったのかどうかは定かじゃないが、「時間が進みはじめるタイミング」というのは感じ取れたということなのだろう。

 そして、ちさきの呪縛が解かれることで、その中心となっていた光に向けられた矢印はいよいよ残り2本のみとなった。今回意外だったのは、ネックレスからの声に美海が改めて驚いていたことだ。てっきりまなかの気持ちについては美海も了承しているものだとばかり思っていたのだが、言われてみれば、はっきりと言質を取るタイミングは無かったか。紡に対して「何故言わなかったのか」と問い詰めていたが、それに対する返答もまた紡らしくてちょっと苦笑いである。しかし、この「まなかの思い」に直に接してしまったことで、美海の置かれている立場が本当に苦しいものになってしまう。普通に考えれば、相思相愛の2人の間に割って入ろうとしているお邪魔虫でしかないのだ。それを実感すればするほどに彼女の気持ちはどうしようもなくなる。そして光のことを思えば身を引くことが最善だとは分かっているのに、それが出来ずに必死に現実と向き合おうとしている。まだ幼い中学生の女の子に、この試練は本当に辛く厳しい。海岸で光に対して「もっと!」と迫るシーンは、光が「どんな趣味だよ」と突っ込んだ通りに滑稽ではあるのだが、それを迫った彼女の心中を思うと本当に辛い。光の口から本心を聞くことで自分を納得させる。それが出来るなら、今までこんな苦労はしていないのに。

 光を好きな自分がいて、同時にまなかを好きな自分もいる。美海はそんな葛藤とひたすら向き合いながらまなかと接し続ける。お船引の夜、まなかの命を最優先に考え、真っ先に飛び込んだ美海。ネックレスに封じられた「まなかの気持ち」を共有していたために、美海に与えられたエナは再び海中に溶け込み、それはまなかにも伝わる。そして、そんなまだるっこしい感情共有だけでなく、美海ははっきりとまなかに自分の気持ちを伝える。これでおあいこ、完全にフェアな2人の立場に立てる。しかし、そうして溢れる「好き」を、海神は放っておかない。新たなお女子として封じられた美海は、解放されたまなかの気持ちを聞きながら、自分の胸の内にある気持ちとも何度も向き合う。紛れもない「好き」がそこにあることを、目の前の光を見ながら実感する。光がいて、まなかに気持ちが戻って、自分が退いた理想の世界。それが叶って目の前にある。全ては、願いの通りに。

 しかし、笑顔に涙を浮かべた美海は、おそらく気付いている。まなかが戻ったはずのその世界でも、目の前の光は必死に抗っているという現状に。美海が失われて得られた世界など何の意味も無いのである。どこに向けて「好き」が現れようとも、それが苦しさに繋がろうとも、世界には光がいて、まなかがいて、美海がいなければ駄目なのだ。好きは海に似ている。しかし、海には好きだけでなく、苦しさも悲しさも混ざり合って出来ている。どれか1つだけを抜き取っても、本当の海ではない。光は、ここから最後の「海」を見つけなければならないのである。

 次回、海の底の村から始まったこの物語も終わりを迎える。海は、最後にどんな姿を見せるだろうか。

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