「魔法科高校の劣等生」 5→3
ん〜、なんかこの魔法戦争っていうアニメの感想は前に書いたことがある気がするんだけど……え? 違うの? でも魔法で戦争してたし、駄目っぷりも大して変わらなかったよ。
いや、正直途中で挫折したので中盤以降はほとんど真面目に見てないんだけどね。典型的に合わないタイプのラノベ原作だ。設定を追いかけてるだけでうんざりしてくるし、設定を読み込もうと思えるほどシナリオに魅力があるとも思えない。なんだ、やっぱり「魔法戦争」じゃないか。巷では今作は「俺ツエー作品の極北」として取り沙汰されることが多いが、俺ツエーしていることが根本的な問題なわけではない。見方によっては、世に溢れるラノベ、少年漫画なんて大体俺ツエーである。ただ、ツエーするための段階にドラマを設けることで、普通は物語としてもエンターテイメントとしても成立するように出来ているのだ。
今作の問題点は、俺ツエーの作り方がいちいち行き当たりばったりなことである。少年漫画的な「強くなる」方法論というものは、普通は「主人公などのキャラが、どう頑張っても勝てないような試練に直面する」→「その打開策を検討する」→「その結果として、修行したり、何かを思いついたり、はたまた都合のいい助っ人が助けに来てくれたりする」というものだろう。まぁ、BLEACHとかだとその限りではない気もするが、オサレ能力とかそういう独自パラメーターが用意されているんだろう。能力を隠してたなら「何故隠していたのか」っていう理由があればそれでいい。しかし、今作はそうした「段階性」が無い。元々主人公が「なんでも出来る、とにかく出来る」をうたい文句にしているので、「試練に直面する」がまず存在しない。「出来るわー、その問題ならこうやって解決出来るわー」と、いざ何かがでてきたら後出しじゃんけんでひねり潰すだけである(しかもなんか申し訳なさそうに)。そして、その後出しの素材について、特に世界設定を考えるわけでなく、じゃんじゃんその時の思いつきで適当に出てくる。おかげで後半になればなるほど、「あのときのあっちを使えばもっと楽にクリア出来たんじゃ……」とか、「お前、そんなん出来るんならそもそも回りに迷惑かけてないで先に片付けとけよ」とか、「この世界の法規制はどうなってんねん」とか、「その能力とあっちの時の概念は矛盾してませんかね?」とか、そういうメタメタな問題が出てくるわけだ。事実の「積み重ね」ではなく「横並べ」なので、まったくもってお話を読んでいる気にならず、まさに「お兄様の格好良さはこんな風にも表現出来ますが、今までのお話とは特に関係無いです」という、エンドレスキャラクター紹介作品なのである。
まー、ひょっとしたらこれでもとにかく「何かつえぇものが何か悪いものを倒してる」っていう構図さえあれば満足出来る部分はあるのかもしれないけども。いわば毎回新しい道具を理屈抜きで出してくれる、ドラえもんみたいなもんだからね。これで毎週妹ちゃんが「お兄ちゃ〜ん、またジャイアンがいじめるよ〜」だったら別に問題はなかったんだと思うよ。でも、なんか無理矢理「真面目にやってます」感を出そうとしてるところが徹底的に食い合わせ悪いしね。何が面倒って、実は俺ツエーしてるのってお兄様だけじゃなくて、回りの取り巻きも全部なんだよな(妹含む)。こいつら本当にいちいちイラッとする言動しかとらず、とんでもなく偏狭な物の見方しかしないから、普通のアニメなら敵キャラになるような連中ばっかりやぞ。「いちいち言動がおかしいし腹が立つ」っていう意味では、多分一番近かったアニメは「RAIL WARS!」。楽しむ要素が中の人とエロ要素ってところも同じだな。今作は別にエロさはほとんど無いけど、学校の制服がなんかマタニティドレスみたいにストーンとしたデザインになってて、腰のラインのとこがやたらにエロい気がしました。給食着か何かかな? 白地だからむちゃくちゃ汚れ目立つし、素材も良さそうだから洗濯が面倒そうである。
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