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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「落第騎士の英雄譚」 5

 ラノベラノベ&ラノベ。いわゆるダメラノベ枠にさっさと放り込んでフタをしてしまいたくなるタイトルだが、中身はどうだろう。

 まず、間違っても「うわぁ、こいつは楽しみだぜ!」とテンションがあがるような内容ではない。主人公の置かれた境遇、ヒロインとの関係性、そして1話目での展開。そりゃもう、水田わさびボイスで「モゥ食べられないヨ〜〜」と漏らしたくなるくらいにお腹いっぱい。時代は進んでいるが、いわゆる「食パンくわえてダッシュしながら角まがったら」展開と同じようなもの。そろそろ現代ラノベ業界も「これ、食パン展開よりもテンプレ化してるんだよな」ということを理解した上でガンガンブレイクスルーを狙って欲しいものであるが、テンプレというのは受け入れられるからこそテンプレなのである。そこに文句を言ったところで始まらないということだろう。

 「主人公が最弱で校内の成績も赤点のくせに実は最強」とか、「ヒロインがツンデレ姫で裸を見られたことから主人公とすったもんだするけどもデレるのが早い」とか、筋だけを見れば最近のラノベアニメの中でも潔すぎるくらいのもの。それに「アブソリュートデュオ」と同じ武器生成設定、「精霊使いの剣舞」で似たような名前を見た気がする武闘大会の設定、「聖剣使いの禁呪詠唱」で見た気がする謎の円形スタジアムなど、やっぱりどこかで見た要素を徹底的に固めている。もう、この徹底した無個性が個性として際だつのではないかという勢い。「こんなんあかんやろー」とは思うのだが、これが意外に悪くない出来。最後にスタッフロールを見て初めて知ったが、これって大沼SILIVER LINK作品なのね。いや、だから褒めるっていうわけではないんだが、具体的な画でいえば、例えば主人公が剣を生成して構える一連のバンクっぽいシーンとか、お姫様が主人公に褒められてあっという間にチョロさの片鱗を見せるシーンとか、そういう要所要所でちょっと「おっ」と思えるようなカットが挟まる。また、姫様の「才能がある人間が努力していないような言い方しやがって」という主張もキャラの造形を考える上では重要な台詞になっていて、「ひょっとしたら単なる俺ツエー主人公とチョロインのお話っていうだけではないかもしれないぞ?」という期待も持たせてくれる。主人公も「最下位」を自称してはいるものの、そこまで卑屈になるわけでなく、姫様との試合もさっさとOKして積極的に挑んで来るなど、2人とも人間的には悪い奴じゃないように見える。それだけでも、色々と捻れた最近のラノベアニメの出だしとしては悪くない。

 まぁ、そうは言っても「やっぱりあの設定で最下位落ちこぼれ呼ばわりはおかしいだろ」とか、「姫様の物言いは高飛車を通り越してイカレてるだろ」とかいう問題は多々あるわけだが、そこはまぁ、程度問題ってことで。このまま観ていってやっぱり3話目くらいで「もういいや」ってなる可能性もあるし、「空戦魔導士」くらいの距離感でダラダラと付き合っていくかもしれない。過度な期待もせず、かといって過度に貶めもせず、それがラノベアニメと上手く付き合っていくコツである。

 そしてメインヒロインが石上静香っていうのも注目したい部分だろう。なんだかんだでもう既にメインヒロインキャラ3人目(変な役ばっかだけど)。着実な実績を重ねているのはよいな。あ、あとエンディングテーマ(次からはオープニングになるのかな?)が良かった。今の時代にまさかの酒井ミキオという起用はなかなかのセンス。それに合わせた映像の作り方もキマっている。こういうところで久しぶりに名前を見ると嬉しくなるね。

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