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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 菊さん可愛い、第5話。なんかもう、要所要所で萌えポイントを発揮しているぞ。最終的にあんな立派なおっさんになるって分かってるキャラのくせにこの愛らしさはなんなんだろう。ちなみに、今回一番の萌えポイントは、無言でひたすら墨を投げつけてくる菊さんです。

 何ともちぐはぐな助六と菊比古の関係性だが、今回みたいなお話を見ていると、その繋がりがどうやって維持されているのかが分かって面白い。最初に描かれるのは、ますますたがが外れて好き放題やり散らかしている助六の痴態。未だに菊比古と2人の貧乏所帯で生活しているにも関わらず、随分女遊びが派手になっている。そして、正反対のストイックさを維持している菊比古への対応もひどく無神経に見えるもので、それを正面から受け止める菊さんは不快感を隠そうともしない。おそらく、あの前半のもめ事シーンだけを見るなら、菊比古は本当の意味で助六のことを疎ましく思っていただろう。しかし、それが純粋な嫌悪だけではないのが辛いところで、これだけ遊び歩いている助六が、芸の道では自分よりも前を走っているのが悔しくて、羨ましくて、そして何より、そんなことに嫉妬してしまっている自分がみっともなくて、菊さんはイライラしてしまうのである。

 そんな劣等感を抱いた状態で、助六に突然噺をやるように指示し、その内容を目ざとく「女遊びばかりしているから品が無くなる」とくさしてみせるのも、なんとか自分が助六に指摘出来るポイントを探した精一杯の反抗心から来るものだろうし、何より、「助六がこんなところで終わる人間じゃない」という信頼があるからこそ、彼に注文を付けて、いくらかでも姿勢を正してほしいと思っているから。何とも甲斐甲斐しい態度ではないか。そして、助六の方はそんな菊さんの心中を知ってか知らずか、いつものようにあけすけに彼の領域まで踏み込み、好き放題に彼の信条を踏み荒らしてまわる。「愚痴くらいなら聞いてやる」と言っているものの、その愚痴だって助六が原因で出てくる部分が多いのだからひどい話であるが、彼は、菊比古がそんな自分との関係性以外にも、芸について思い悩んでいることを知っている。だからこそ、自分がやっかまれていることについては白々しくはぐらかし、なんでもいいから菊比古に刺激を与えようとしているのだろう。お互いに、無いものを知っているからこそ、それを補ってやろうという気遣いが産まれるのである。まぁ、お互いに素直じゃないのではっきりとしたアドバイスの形で現れないのはもどかしいところだが。

 しかし、そんな菊比古の人生にも大きな変化が1つ。彼の人生に欠けていた、新たな依存先としてのみよ吉の存在である。いつものようにみよ吉に対しても素っ気ない態度をとる菊比古だったが、するすると心に入り込んでくるみよ吉には、いつの間にか大きく心を許し、彼女のいうなりに身を任せてしまっている。彼が自分の足や杖について話して聞かせたのはみよ吉が初めてのこと。「既にお守り代わり」と言われた杖はみよ吉の部屋では一切その存在感を持たず、本来杖を持っているはずの左手には、今やみよ吉が抱かれている。杖のように依存する「お守り」代わりに、いつの間にかみよ吉が入れ替わっていることが端的に表された構図である。相変わらず艶っぽいシーンはドキドキするような緊張感が続きますわ。

 そして、そんなみよ吉に背中を押されたこともあり、ついに実現した若手芸人たちだけでの舞台演劇。みよ吉や助六のやけに盛り上がったテンションと菊比古の消沈ぶりの対比がすでに面白いが、このたった1度の舞台が、菊比古にとってどれほど大きな舞台になったかが見えると、これがさらに面白い。ただでさえ芸の道に迷っていた菊比古は、ギリギリになっても「帰る!」と言い出してしまうくらいに尻込みしていたものだが、助六によって無理矢理引きずり出され、天性の舞台勘と持って生まれた華によって、見事に大任を果たしてみせる。そして、この舞台上での菊比古の表情の変化が、余計な説明無しで淡々と描かれていく周到な構成。何度か「お客が自分のことを見ている」という台詞をつぶやく菊さんだが、同じ台詞でも、少しずつ声のトーンが変わっていく。そして、それに従って舞台上での彼の演技の抑揚もかわっていき、クライマックスにいたる部分では、客席の盛り上がりと完全にリンクして、脳内麻薬が出っぱなしの状態。ついに彼は、舞台の上で、自分が「魅せる」ことの意味、そして楽しさを認識した。それもこれも、助六が強引に舞台上に引きずりあげてくれたおかげであるし、みよ吉が乱暴に背中を押してくれたおかげ。2人の「ファン」の存在が、菊さんを1人の「芸人」として大きく化けさせた瞬間であった。

 1話たっぷり落語以外の舞台演劇を見せるという一風変わった回であったが、根底に流れるテーマ性に変化は無い。こうして芸の道に光が差す瞬間というのは何とも魅惑的。「少年ハリウッド」なんかでも同じような高揚感がありましたわ。ここから菊比古の快進撃が……始まるかな?

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