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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ラスボス攻略戦、第10話。全知全能だと思ってた神に、案外チェーンソーが効いたぞ、みたいな話になっとる。

 1話まるまる茜先生のターン。なるほど、前回までで花火周りの雑事は片付いたから、今度は麦の周りの処理。そして、そこにはいつも通りのラスボスが控えていたわけで。

 茜は麦のことを「自分と似ている」と言っていた。かつて花火にも同じようなことを言ったことがあったはずだが、一言でまとめれば「クズ」という属性という類似点も、こうして突き詰めてみると大きな差異はあるものだ。花火が「クズ」であるということは何度か語られてきたが、ひどく利己的で、他者を省みない性質以外には、実は茜との類似点は多くなかったかもしれない。しかし、男女の関係という側面において、茜と麦は確かに「似ている」。他者から向けられる好意に育まれた自意識と、優越感からくる冷淡な行為。「持つ者」特有の傲慢さは2人の共通点と言えるだろう。ただ、2人の間にある大きな隔たりは無視出来ず、それはおそらく思い人の有無であろう。麦は中学生時代に自分の上位種とも言える茜に出会い、彼女に恋をした。他者からの好意をどれだけ受けようとも、茜という本命からは決して好意が返ってこないことが分かってしまい、優越感と劣等感の間で奇妙な「クズ」である麦が醸成される(モカは完全に被害者である)。

 それに対し、どうやら茜は向けられる好意にはどっぷりと首まで浸かりながら、自らが向ける好意というものを認識したことが無い。高校時代の初体験について語られていたが、モノローグから感じ取れるのは、彼女がその行為に対して作業としての必要性以外を感じていなかったということ。相手との関係性ではなく、そこから構築される周囲の視線、羨望・嫉妬などに意識を向けていたこと。彼女にとって、男女関係とは一種のステータスでしかなく、そこに2者の関係としての重要性を見出せなかったのであろう。

 こうして出来上がった皆川茜という化け物に対し、麦は太刀打ちする術が無い。「自分と同じ生き物」だと思っていたら、そもそも攻略の糸口すら掴めないのだ。彼女にとって、男女関係・肉体関係・恋愛感情と言ったものが自分とはまったく違う概念だったことを知る必要があったのだ。まぁ、普通に考えたら、2人の立場を考えればそこまで茜に踏み込むことは出来なかったのだろうが……ここでイレギュラーが現れる。キングオブ朴念仁、鐘井の存在だ。

 茜は鐘井を評して「つまらない」と断じる。まぁ、典型的な草食系、害も無ければ益もない、面白味に欠けた対象なのは間違いない。彼女がこれまで付き合ってきた男に「こういうタイプ」はいたというし、麦さん曰く「男の性欲に感情を求めるな」なわけで、茜が一定以上のアプローチを見せれば、それに対する男のレスポンスなんて決まっているのだ。誰だってそーする、俺だってそーする。つまり、茜が「男はつまらない」と断じるのは、そこに必ず茜のルーティーンとしてのアプローチが存在し、男という生き物はそれに対する応え方が一種類しか存在しないためだ。しょうがないじゃん、そうするしかないんだから。

 しかし、そんな茜の必殺のショットに対し、鐘井は想定外の反撃を行った。否、反撃をしなかった。「一回寝たからあとはOK」とか、「恋人どうしになったんだからあとはいいよね」とか、そういう不文律すら、彼の中には存在しなかったようなのだ。まぁ、そこだって個人レベルの問題だから違うパターンもあるのだろうが、茜側から送っているサインは間違いなく「そういう」関係。しかし、鐘井は想定通りのレスポンスを送らない。茜のマニュアルにこんな事例は無い。まぁ、マニュアルに載ってないようなイレギュラーなんてポイと捨てて別なのに乗り換えればそれで終わりのはずなのだが、おそらく茜の人生には今までそうしたイレギュラーは存在せず、想定外の事態に対応が遅れてしまったのだろう。すんでのところで「これ、いらないヤツじゃん」と決断し、切って捨てようとしたところに現れるクソ男。毎度のことながらいいところでいい仕事をしてくれるヤツだが、今回は鐘井を切る決意をした茜さんを外から援護射撃する形。多少乱暴にはなったが、想定外の方向から切り口を入れてくれたのだから、あとはそこからビリビリと引き裂いてやればいい。ヒト目ヒト科クソビッチという生き物は、鐘井の想像の埒外にありますよ、というなかなかキレのある別れの文句だ。

 しかし、ヒト目ヒト科朴念仁も、茜の想像の埒外だった様子。好意を向ける対象が、他人に奪われても構わない。クソビッチだろうが何のその。鐘井のパワーは、意外なところで発揮された。はたしてNTR属性なのか、それともおおらかすぎる性観念の持ち主なのか。その底は茜には計り知れないが、想定外に更に想定外を重ねられ、茜マニュアルはフリーズ&エラーを吐き出す。順風満帆のビッチ人生は、初めて暗礁に乗り上げたのである。まさかの打撃、貪欲を打ち崩す無欲。次元が違う生命の交差は、あり得ない科学融合を引き起こすのかもしれない。

 困っちゃう茜先生。「男が分からない」という状況は生まれて初めてのことで、腰さえ振ってればいいと思っていた猿が自分の思惑の外から手を掴んできた。何とか鐘井の行動に理由をつけ、自分に都合のいい解決を思いつかねばならない。手っ取り早い相談相手は当然麦で、彼の口からの返答はちゃんと彼女のマニュアルに載ってるヤツだ。当たり前だ。「似ている」のだから。しかし、こうして困惑する茜を見て、察しの良い麦も彼女の攻略ルートに当たりをつけてきた。神に正攻法は効かない。それなら、こちらもチェーンソーで突っ込むだけ。麦の無謀とも言える攻めに頬を赤らめ困惑する茜だったが、果たして彼女に見えている「イレギュラー」は麦その人なのか、それとも、自分の人生を狂わせる鐘井の幻影なのか。

 煮詰まって参りました。頑張れ茜先生、ここが勝負の分かれ目だ。

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