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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 決意が集う、第23話。水は低いところに流れるとはいうが、まるで神の手のなせる業のように、3つの戸惑いは決意に変わり、気付けば一所に収束している。迷いに迷った水の行く先は、「ブルースクウェア」という名の青い決戦場である。

 端的に言ってしまえば、次回の最終回のために助走を付けるエピソード。これまで散々迷い、謀られていた3人の「首領」たちは、法螺田という名の大きな悪意を前にその全てを捨て去り、自らの信じる道を歩むこととになる。

 まずは帝人。他の2人が激動の世界に身を委ねている中、彼だけは自宅の布団で耳を塞いでいた。前回行った「ダラーズの解散」という判断は彼なりに真剣に考えた結果のようであるが、やはり「色の無いダラーズは、こうしてまた色を失っていくべき」という彼の言い分は詭弁に聞こえてしまう。結成された状態、つまり前回の園原を逃がすパートのような状態でも、ダラーズは色を持たないままであったはず。それを、ここで改めて「色を無くすために解散する」というのはいささか都合が良すぎる。確かに、解散宣言を出したことはおそらく黄巾族には伝わるだろう(ダラーズとの掛け持ちメンバーはいるだろう)が、それは消極的な対策を講じることで完全に暴力に屈してしまったことになり、あれだけダラーズを守ろうとしていた帝人の行動としては情けない。

 ただ、あの判断は彼が「何も知らなかった」が故のものであることは考慮しなければならなかった。「自分が作ったダラーズなんてお遊びのせいで園原や街の人間が傷ついている」という大きすぎる問題を抱えた時、帝人は正直何もできやしない。せめてもの抵抗として、「解散」という選択肢を選ばざるを得なかったのは確かであり、そうできたのは、彼の勇気の表れである。

 そして、今回そんな彼にもたらされたのは、セルティの持ち込んだ「全ての真実」。園原のこと、そして紀田のこと。ダラーズを解散した今、帝人に出来ることは何も無い。力も、数も、今まで使えたものは全て捨てたのだ。それでも彼は、悩むそぶりすら見せず、セルティに従って走り出した。「自分の問題」と思っていた悩みは、紀田や園原といった「他人」も全く同じように抱えていたことを知ったのだ。これは既に、ダラーズが自分だけの問題じゃないのと同じように、池袋の全てが、園原の問題でも、紀田の問題でもなくなったということ。全ては、3人の問題になった。「どんなに嫌なものでも見る覚悟がある」との返事は、何も出来なかった不甲斐ない自分に、ようやく何か出来るかもしれないという、かすかな望みだ。

 静雄の来訪によって、黄巾族が遂に一線を越えてしまったことを知った園原も、これまでのような「額縁」を生み出すことなく、いつの間にやら走り出していた。彼女の頭にあったのは、紀田への絶望感のみ。自分のこれまでの行いで、紀田は遂に行くところまで行ってしまった。こうなっては、今更罪歌の子供のこと、自分のことを気にしている余裕は無い。「自分の問題」の枠を飛び越えてしまった紀田を何とかせんと、園原も単身、「罪歌」としての使命を果たしに向かう。すんでの所で紀田の命を引き留めた「罪歌の命令」は、園原の信念が通じた起死回生の一手。

 そして、法螺田の反逆ののろしに、「過去の追従」を決心した紀田正臣。サイモンには今生の別れを告げ、彼は歩き出す。あの日、三ヶ島沙樹を目の前にしながら動けなかった自分、そんな過去から逃げだそうと背中を向けていた自分。過去に押しつぶされぬよう、真っ二つに引き裂いたブルーの波の中を、一歩一歩踏みしめるように歩いていく。あの日は歩けなかった。それでも、今は真っ直ぐに歩くことが出来る。

 法螺田を殺す決意、つまりブルースクウェアを殺す決意というのは、自分が死ぬ覚悟をするとともに、あの日果たせなかった沙樹への贖罪と、過去の自分をも殺さんとする、二重の死の決意。一度は頭に一撃を食らった彼が一瞬のこととは言え立ち上がれたのは、その決意に、後ろを向くという選択肢を与えられなかったため。自分が死ぬとしても、守るべきは今の仲間たち。貫くべきは、過去に朽ちた勇気。紀田の決意は、最も確実に、たった1点の突破口を見据えている。

 結局、全ての決意はこの場所に集まった。紀田を止めようと駆けつけた園原が見たものは、血に伏した彼の姿。その一瞬で、彼女も全てを悟っただろう。そして、最後に登場したのは帝人。彼の思い、紀田への友情と園原への愛情。この2つだけは、何が起ころうとも変わらぬものであり、絶望にうちひしがれた2人を救うことが出来る唯一のものであろう。また学校に戻って、あの日常を送れるようにするために。

 もう、野暮なことは言わずに次回を待ちたいですね。今回強いて面白かった点をピックアップするなら、例えば撃たれても元気な静ちゃんの姿。気付け気付け。そして、セルティに電話をする新羅、というのも地味に面白い。完全に一方通行の通話って、ものすごくストレスが溜まりそう。セルティもメット被ったまま携帯持ってて伝わるものなんでしょうかね。また、これまでしつこすぎるくらいに気にしてきた「色の問題」も、今回は収束の様相を見せた。3人が集まったブルースクェアの集会場は、黄巾族の黄色を基調としつつも、法螺田の後ろの照明などは、黄緑色に発色している。黄色が緑に変わるということは、当然そこに「青」が混色されていることを表している。

 残されたファクターは、臨也の野望と、それに呼応したセルティの首の問題。来週で解決出来るのかどうかは分からないが、とにかくおさめるべきは現在の動乱だ。さぁ、最終回は何を見せてくれるのか! 刮目して待て!! 

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