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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「セントールの悩み」 5→5

 モンスター娘のいる日常でしたね。なんとも不可思議なこの世界、見た目は異質なのにやってることは極めて「日常」。こういうファンタジーってのもありなのかな。

 映像作品として考えた場合のクオリティは正直そんなに高くない。今作は中国関連の制作スタジオが自社のPR作品として大々的に宣伝を打ちながら攻めてきた記念碑的な作品なのだが、残念ながら黒船来航という感じでもなく、「だいぶ日本のアニメーションに近いテイストも出せるんだな」という程度のもの。おそらく国内スタジオで本気のどこかが担当すれば、もっとクオリティの高い作画は実現したのだろうが……、ただ、ぶっちゃけ今作はそこまでの超絶作画が求められるような性格の作品ではないんだよね。動きも少ないし、ドラマティックな演出が求められているわけでもない、ひどい言い方をするなら、原作漫画のコマを描き起こし、間を埋める動画を繋ぐといった趣の作業だけでも割と成立する。別にそれだけの作業だったというつもりはないが、肩肘張らずに素直に原作の良さだけを引っ張り出す作業に従事してくれていたと考えれば、アニメ化の成果はそれなりのものだったと思う。実際、姫君は割と可愛いと思えたしね。

 そして、そんな最低限の動画部分から繰り出されるストーリーが……なんとも不思議なんですよね。1話時点で大体説明が終わってしまった「亜人種に溢れる世界」設定は、そこに「特別」が存在しないというならばもう1話目のビジュアルだけで終わってしまうはず。究極の出オチ作品だ。あとは角や羽を持った女の子たちが学校でだべっているだけなら、それは本当に「日常系作品」でしかなくなる。しかし実際には、今作の場合はちゃんと「違い」の部分が掘り下げられ、「かつて人類種が多様に分裂し、異なるものが共存する世界が生まれた」という設定によってこの世界に何が起きているのか、ユルい雰囲気を維持しながらもきちんと考えさせられるように作られている。南極蛇人の設計なんかはちょっと極端すぎる例かもしれないが、例えば「じゃぁこの世界におけるお化けってどうなるんだろう?」とか、「芸術作品の理解は種族を超えるものか?」とか、そして突き詰めた問題として「これだけの種がある中で恋愛感情はどうなるんだろう?」なんて問題も。本当にどうでもいい問題だとも言えるし、この世界を作ったからには突き詰めたい世界の不思議とも言える。そうした「日常だけど非日常」な要素を、哲学のような、倫理学のような、道徳の授業のような、ふわっとした視点から掘り下げるというのは、特別な求心力があるというわけでもなかろうが、どこか気になる、不思議な心地のテーマ設定であった。

 アニメ業界では「日常系」ブームも一段落した感があり、今は日常をそのまま異世界に移して「異世界もの」が人気。しかし、「異世界が来い」とばかりに逆輸入してくる設計だけでもこれだけ新鮮な感覚が味わえる。まだまだ色んな鉱脈はあるんだろうなぁ。

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