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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 オムニバスがオムニバス、第9話。もう、なんでもありやんけ。

 まさかの短編集構成。そしてアニメ独自のよくわからない演出という大サービス(?)まで。いやぁ、確かに「わざわざ他の媒体をアニメ化する意義」というのはちょいちょい出てくる議題ではあるのだが……多分そういうことじゃないな。いや、笑ったけども。

 1本目「山賊達の話」。英語タイトルは「Can You Imagine!」。イメージするのだ! と言いながらなんとなくいつもの愉快な御一行を外部から観察する超短いお話。人を襲撃する前提の山賊さんを主軸に据えてる時点でちょっと面白いが、結論として「旅人って大体おかしい」っていう話になっているので、果たしてあの山賊さん達は今後ターゲットを襲うことができるのかどうか……。「幼女と犬ととっぽい男、チョロいですね!」→「いや、よく見ろ」→「ゲェー、幼女に手榴弾!」っていう流れはちょっと笑った。じいちゃん、ちゃんとよく見てるやんけ。ゲェー、幼女に手榴弾!

 2本目、今回一番寓話的な色彩が強いメイン(?)コンテンツ、「徳を積む国」。英語タイトルは「Serious Killer」。当然「シリアルキラー」のもじりだろうが、今回のお話の場合、むしろ実際には「Killer」になれなかったという問題の方が深刻(Serious)である。「善行をポイント制にしよう」という、いかにもディストピア的な発想が生み出された街。これだけでもSF短編が書けるし、実際にそういう設定のお話も多い気がするが、今回の肝はこのポイントのおかげで、「ポイントで!」という気軽な人殺しができるようになってしまった、というどこかねじれた倫理観を皮肉るお話になっている。もともとこの国だって「善い行いを励行しよう」という目的でこのシステムが設定されたはずなのだが、外部から「数字」として規定されてしまった時点でそれが本当の意味で人の心に寄り添えなくなってしまうというのはよくあるお話。もちろん、そうそう簡単に人殺しなど容認されるはずもないのだが、今回はただそのためだけに人生を費やし、ついに「人殺しポイント」まで貯めてしまったという不幸な男にスポットが当たっている。「徳を積めばなんでもできるのだ」ということを物心ついてすぐに理解した男は、必死に徳を積み、ポイントを重ね、あらゆることを可能にする力を手に入れた。しかし、手段は目的に先行してはならない。特に使い道のないポイントは、ただ男に名誉を与えたのみで、実質的な得など何もない。今までの自分の人生は一体なんだったのか、この手元のポイントになんの意味があるのか。手段を手に入れてしまった男は、なんとか自分の目的を探そうと躍起になり、「人を殺しても良い」を「人を殺さなければ」に転化してしまうのである。

 まぁ、ことの大小に差はあれど、こういうのってよくあることよね。「ポイントがつきます」って言われてなんとなくポイントカードに貯める。日常的にちょいちょい使っていけばいいものを、なんか特別な感じがしてポイントを貯めてしまい、結局よくわからない目的に使うことになる。大抵期限切れになったり、店が潰れたりして損することの方が多いんだけどね。なんか、そういう貧乏性というか、ポイント制度の特別感みたいなものって、不思議な力があるんだ。そして、それが国民全員に見える形で明示されるとしたらなおさら。ポイント制度に加えてソシャゲのランキング制度みたいな影響力もありそう。別に1位になったからって生活が潤うわけでもないのに、なんとなく見えてるからには上に行きたいという不可解な自己顕示欲。そういう「形のないもの」に囚われてしまった哀れな男の末路。赤ん坊に対して「俺のようになるな」という悲痛な彼の叫びは、全国のソシャゲに色々注ぎ込み過ぎたおじさん達には寂しく響くのではなかろうか。

 意味不明度合いではなかなかの3本目「料理の国」。英語タイトルは「Original」。これは「外から来たわけのわからないものをありがたがるのは滑稽だ」という寓話……でもねぇなぁ。単にキノが圧倒的メシマズであるというのを国家規模で見せつける話? 結局あの後でシズたちはオリジナルとマイルドのどっちを頼んだんでしょうね。こんだけ色んなところを渡り歩いているはずなのになぜかそこかしこでまじわるキノとシズ達のルートどりがよくわからんよな。

 そしてそんなシズさん達御一行の旅の姿を垣間見せる4本目「ティーの願い」。英語タイトルは「Get Real!」。いい子に育ってるんじゃないでしょうか。手榴弾さえ持ってなければ。

 なんとでもなるやろ、という投げやりな5本目「美しい記憶の国」。英語タイトルはなんとも皮肉な「Beautiful Memories」。本当にこの世界の科学技術の水準がよくわからないのだが、まぁ、以前の「迷惑な国」がOKならピンポイントで3日分の記憶だけをかき消す薬だって問題なく存在するのです。「何故この国はよそ者の記憶を消そうとするのか」とか、「それだけ徹底してる割にエルメスが記憶を持ち出すのを許したのは何故か」とか疑問はあるのだが、そこを深掘りしてもしょうがない話。「旅というのは旅先での思い出を得るための行為なのに、それ無しでただ時間だけが経過したキノは旅をしたと言えるのか?」というなんともメタなレベルでの「旅」の意義を問うお話ともいえるかもしれない。ちなみに、エルメスは「分解されても喋らない」と言っていることから、やっぱりモトラドって人工物には違いないんだよな。でも、「タイヤも新品」ってことはタイヤは付属品なんだよ(少なくとも「宝石の国」のフォスみたいに体の一部を失ったからって記憶がなくなるわけではない)……一体どんな生命なのだろう……。

 そしてラスト、ある意味今回のメインコンテンツ、「アニメなあとがきの国」。なんやそれ。今作の原作者ってこういうことやる人だったのか……。マジであとがきってこういうノリだよなぁ……。これが許される世の中になったのだから、野崎まどあたりはもっと斜め上の「アニメでしかできないこと」をやってくれそう。そういや「グッドルーザー球磨川」もアニメオリジナルのネタを仕込んでくれてたしなぁ。アニメ媒体も気づけばラノベ作家の遊び場になってますね。面白いからどんどんやれ。

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コメント
無題
無類のあとがき作家として名を馳せた方でありますれば…。
あとがきをアニメ化するくらいのことは十分にやってくれましょう。
【2017/12/09 00:49】 NAME[NONAME] WEBLINK[] EDIT[]
Re:無題
そんな無体な肩書きがあるとは……

いや、あとがきをアニメ化って、そういうことじゃないねん。
いや、これでいいのか?(錯乱)
【2017/12/09 23:03】


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