ガルパンはいいぞ。いや、良くないぞ。なんだよ、50分ちょいの第1話って。なめてんのかこの野郎。6話構成でこの尺なら普通に地上波で1クールやんけ。もっといろんなところが見たいんだからテレビシリーズでやれや! 劇場版で味しめてんじゃねぇぞこの野郎!(以上、視聴前)
(視聴後↓)
ガルパンはいいぞ。
(以下、ネタバレなどあるかもしれないので未視聴注意)
我ながら面倒な身体に調教されてしまったものだと嘆息する作品。そりゃなぁ、前作の劇場版は人生で最大回数の5回通った作品だもんなぁ(1回は4DX)。その後も元気が無くてくじけそうな時にはBDを引っ張り出して「学園十色」を聞いては元気を出すという日々であった。そんな人間が、どれだけ阿漕な商売だと言っても、劇場に行って新しいガルパンの映像を見せられて感極まらずにいられるものか。もう、オープニングから感涙にむせび泣いておりました。っていうか、多分オープニングが一番感動した。ガルパンの要素が一番詰め込まれている映像があそこだからな。最終的に西住家の犬が主役っぽくなっていたのは笑ったけども。
さておき、新シーズンの幕開け。前回の劇場版で既に最大のピンチは乗り越えており、今更劇場作品にして盛り上がる設定などなかろうと訝しんでいたのだが……斜め上の設定できましたな……まぁ、「冬季大会がある」くらいなら予想できる展開だったわけだが、廃校の心配は無くなったけど、留年の心配はあるんだ……。そう、ついにやってきた、我らが桃ちゃんが主役(?!)の時代が!! もう、どう考えても神輿の中心は不相応なポジション。本人だってそれくらいのことはわかっているからどうしようもないくらいに挙動不審。何故なの桃ちゃん!? あなた、メガネの参謀役のくせしてなんで成績悪いの!? いやー、まさかこんな方法で新たな盛り上がりを生み出すことになろうとは……やっぱり大洗は桃ちゃんがいないと何もできませんね! 泣いて喚いて暴れまわる彼女の姿が見られるだけでも眼福ですわ。その分(元)会長の影はだいぶ薄くなってしまったけども……さりげなく柚ちゃんが「会長」じゃなくて「杏」って呼んでたのが個人的には超ツボでした。ところで……すみません、「ホワイトナットウ」って何さ?(今作はやたらと茨城名産の納豆推しのアニメになってたよな)
そうして再び始動する大洗戦車道チーム一同。とはいえ、彼女たちはもう既に弱小の寄せ集めチームではなく、優勝経験あり、さらに大学生を打ち破った経験ありの超エリート。しっかりとこれまでの対戦の経験はストックされているようで、例えばアリクイさんチームの筋力は劇場版から維持されているし、レオポンさんチームはポルシェティーガーのエンジンの扱いに慣れていたり、ウサギさんチームも自然に連携が取れていたりと、とにかく安定感抜群の「最強軍団」になっている。もう、ここから新たに盛り上がりを作るなんて無理じゃん!?
ってことで、今回テコ入れのために投入されたのがサメさんチームである。もう、今回の第1話は彼女たちの導入に全てを費やした感がありますな。徹底してシリアスの連続でアツかった劇場版と比べて、今回は地上波並みに尺に余裕がある(?)のでギャグ部分もやりたい放題。これぞ水島努の真骨頂である。そういえば、初めてガルパンを見た時には「戦車道ってなんやねんwww」みたいなツッコミができてたんだよなぁ。今となってはなんの違和感もなくあらゆる設定が飲み込めるけども……大洗のヨハネスブルグってなんやねんwwww。もうね、そど子の声(CVしーたむ)で「下の階層に下りるにつれて治安も悪くなって危険も増す」とか言われると「上昇負荷は大丈夫?」とか「んなぁ〜〜」って声が聞こえてきそうでね。そして、ヨハネスブルグの描写に至っては、もう一歩間違えばガルパンの世界観をぶっ壊しかねない、完全な水島ギャグの世界である。どっちかっていうと「アザゼルさん」とかに近いレベル。本当にひどい……ひどい世界だ。
あらゆる部分に突っ込んだら負けなんだけども、何が腹立つって、そんな無茶苦茶な世界に乗り込んで戦車を手に入れるくだりが、ちゃんと新生生徒会(つまりみほと仲間たち)の成長を示すためのエピソードとして機能している点。秋山殿が強いのは今まで通りだが、ちゃんと女子力と通信士としてのスキルを上げていることがわかるゼクシィ武部。「ずっと運転してたから」という謎の理由で指の力だけでトランプ引きちぎれそうなれま子。「いつも弾を避けているから」とかいうわけのわからない理由でスウェーの達人になっている西住流最強の血を引くみほ。そして、振るう鋏は鉄線をも砕き、ハバネロ直飲みでも荒くれ者をねじ伏せる、最強生徒会長・五十鈴華。こいつら、マジでヤベェ。まー、アンコウさんチームって何気に元から最強設定だったからあんまり変わってないといえばそうなんだけどね。
こうして、訳のわからない海賊5人組を仲間にして新たな大洗がスタートする。彼女たちは右も左も戦車も船もわからない素人なので、劇場版における知波単学園みたいに、今作における成長要素を担ってくれるんでしょうね。そして、もう1つの新登場キャラといえば、何と言っても今作の対戦相手となったBC自由学園。アニメ本編以外の作品(「リボンの武者」)では登場済みの学校で、そちらでも「BC側と自由側で喧嘩が絶えない学校」という描写がなされていたが、今作でもその設定が活かされている。「あれ? 和平が結ばれたのではなかったのか? 時系列が違うのかな?」と思って見ていたら……なるほどそういう作戦。キャラは基本的に新規で描き起こされているが、どことなく優雅な佇まいは統制されている。CVがはらみー・ちかぺ・津田ネキとかいう綺麗どころ揃い踏みなのも注目ポイントだ。作戦立案もなかなか堂に入っているし、実は案外強豪校なのでは? まぁ、残念ながら大洗側をあれだけ足止め出来たにも関わらず1両も仕留められなかった時点で勝ちはないけどさ。リーダーのロリっ子は作戦決行時に素早く戦車に乗り込む所作なんかもむやみに格好いいので、実はカチューシャ並みの才媛の可能性もあるな。
あとはまぁ、その他の学校の連中が何をしているか、っていうところですかね。もう、とりあえずファンのみんなが見たいものを徹底的に詰め込んでいるだけなので本当にお腹いっぱい。わたしゃドゥーチェの可愛い決めポーズが見られただけでも昇天しますので。もう、あそこのワンカット見るためだけにもう一回課金したい。他にも、出演カットはたかが知れているのにバッシャバッシャお茶をこぼしまくるローズヒップ、ようやくちゃんとイギリスに行けることになった田尻さんの聖グロ。北欧式にがっつりサウナでサービスシーン(?)を演出してくれる我らが継続高校の面々。突撃を用いたことわざだったらいくらでもそらんじられる最強集団知波単と、そんな様子に注意を配る名将・福田。みんな、なんでこんなに短い登場シーンで存在感があるのだろう。そして、何と言っても憂いを帯びた表情が素敵な我らが逸見。逸見エリカ。なんとまほさんは一足お先にドイツの方に旅立っているらしく、現在の黒森峰は種々のスピンオフ作品の設定を踏襲するかのようにエリカ隊長の下での活動を行なっているらしい。おそらくプレッシャーは尋常ではないだろうが、かつてのようなトゲトゲした表情ではなくなっていることから、今後の展開はもしかしたら逸見エリカの成長物語としても見ることができるんじゃないか、なんて期待もあったり。なんにせよ、西住みほという名の怪物がすでに確固たる存在として定義されてしまっているのだから、それを迎え撃つ面々の方に注目が集まるのは当然のことだろう。さぁ、あの猛々しい大洗を打ち取るのはどこの学校だ!?
もう、1時間にも満たない作品のくせにこれだけ山盛りの内容が……。次だ次! 早く次持ってこいよ!
PR