最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
第3位 ‘05「かみちゅ!」 ’06「BLACK LAGOON」 ‘07「sola」 ’08「喰霊-零-」 ‘09「ささめきこと」 ’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16「RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 最後の最後までベスト3の選出で悩んだのがこちらの作品。理由は多分に私的なもので、「去年も選出してしまったタイトルを重ねて選ぶのはどうなの?」という多様性の問題で悩んだためである。こうして複数シリーズに及ぶ作品というのは最近では本当に数が多く、それぞれを分けて評価するべきか、まとめるべきかは意見の分かれるところだろう。「しっかり別枠で作品として成立してるんだから分けて考えればいいだろ」ってのも事実だし、「1期目がなければ2期目もないんだから、続き物と考えたら一緒じゃね」ってのもまた事実。そして1期の時点でグランプリに名を挙げているとどうしても「またかよ」って感じになって悩んでしまうわけだ。まぁ、去年のグランプリなんて完全に無視して重複受賞からの第1位だったわけだが。 そんなわけで昨年度放送された1期は技術賞だったが、今期は文句なしでベスト3入り。しょうがない。それだけ素晴らしい作品だったのだから。2期に入って描かれるべき対象がさらに広がり、本当に魅力的なエピソードが目白押しだった。そして、それらを支えたのは原作の力強さだけでなく、間違いなくシャフトという制作スタジオが生み出した「新しいアニメーションの形」があったのだ。「無いものを描けることこそがアニメーションという表現技法の最大の強みである」ということは再三繰り返している話ではあるが、今作では、そうしてアニメだからこそ描くことが出来る要素というものを厳格に絞り込み、ドラマの中で浮き彫りにすることに全精力を注いでいる。それは視聴者にはわかりにくい将棋という真剣勝負であるかもしれないし、いじめ問題に直面して戦う中学生の心情や、現代の希薄な人間関係に取り残され、自分がいじめという大きな問題を生み出していることにすら気づいていない子供の危うさかもしれない。 普通に考えれば、それらは我々の生活とは何の関係もない対岸の出来事。本当にあるかどうかも分からない、おぼろげな存在。しかし、確かにそれがこの世界にはあるんだという圧倒的な実存性を持って描ききっているのが、もともと抽象化を武器としていたシャフトというスタジオだったというのは本当に興味深い事象である。おそらく、シャフトはまだまだ変わっていくことだろう。アニメで描きたいこと、描くべきことだって、時代とともに変わっていくのだろうから、それは必然である。まだまだ知らない未来の作品が作り続けられている。そう思えるだけでも、今作はとんでもない偉業を成し遂げたと言えるのではなかろうか。
準グランプリ ‘05「魔法少女リリカルなのはA’s」 ’06「コードギアス〜反逆のルルーシュ〜」 ‘07「CLANNAD」 ’08「コードギアス 反逆のルルーシュR2」 ‘09「獣の奏者エリン」 ’10「STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」 上述した「新たな時代のアニメーション」というトピックについて、例えばシャフトはその制作理念の段階で挑戦を続けているスタジオだ。また、次のトピックで触れるように、全く新しい「技術」を用いてアニメーションを次の世代へ運ぼうという動きも間違いなく存在している。こうして見たこともないものが出てくることは、変な言い方だが「予想できる」進化である。PCの処理能力が上がればCGは精緻になる。描けないものがあるなら、それを描くために新しい技法が開発される。それは具体的にイメージできないとしても、正しい未来予想図の中にある。しかし、「今まで当たり前に使ってきた道具立てに、実は全く違う見え方もあるんですよ」と、くるりと視点を捻ることで新しいものが見えたら? そんな驚きを与えてくれたのが、今作「よりもい」である。 上下の2作品で挟んで見れば、この作品は驚くほどに平易である。テーマ設定は高校生の青春と冒険、マッドハウスのつくる映像には何一つ珍奇な新技術など使われていないし、起承転結をつないだドラマの仕立て方だって、「次はきっとこうなるだろうな」という要素をなぞっただけとも言える。このアニメは、普通である。 しかし、そんな普通のアニメに、ひょいと投げ出された「見たこともないもの」。それが新しい時代の青春像。個人的にはブレイクスルーを起こしためぐっちゃん物語が特に顕著であったが(詳細は該当記事や後述のサブタイトル賞参照)、誰もがわかっていて、心のどこかに抱えていた苦しみ、悲しみ、そして喜びを、「そこから掘り出してくるの?」という意外な方向から持ち出してくるのがこの作品だった。主人公のキマリを押し出すだけかと思われた出発の朝に、本当に旅立ったのはめぐっちゃんの方だった。コミュ力の塊だと思っていた日向が、「気遣い」を一番忌み嫌っているコミュニケーションの被害者だった。目標を達成した報瀬をいちばんねぎらってくれたのは、誰よりもその努力を知っている自分自身だった。個々のエピソードを見るにつけ、どれもこれもありきたりではない、「よりもい」ならではの意味づけを行って物語が構築されていく。どこまでも普通で、限りなく斬新な物語だ。 こうして作られた完成形が脚本家一人の力によるものだなどとは思わない。もちろん花田十輝の功績は最大限に認められるべきものだが、こうした脚本の要点を全て理解し、持ちうる表現の全てを使ってアニメシリーズを作り上げたいしづかあつこ監督の手腕はただただ見事。13本の物語に一切歪みなく、全てが極太の芯で貫かれたような印象を受けるのは、監督が今作の辿り着くべき場所を完璧に理解し、それをスタッフ全員に余すことなく伝えきったおかげなのだろう。わずか1クールのアニメ作品で、ここまで大きなエネルギーを生み出すことが出来るという事実は、これだけ大量のアニメを消費し続けてなお(いや、消費しているからこそ)驚きとともに迎え入れるものである。 「アニメは次の段階へ進む」のは間違いないだろうが、まだまだ掘り尽くしていない可能性は山ほど残されている。人が作る創作物の面白さってものは、そういう可能性にこそ潜んでいるに違いない。
グランプリ ‘05「ぱにぽにだっしゅ」 ’06「うたわれるもの」 ‘07「電脳コイル」 ’08「SOUL EATER」 ‘09「空中ブランコ」 ’10「けいおん!!」 ‘11「へうげもの」 ’12「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 ’13「凪のあすから」 ’14「ユリ熊嵐」 ‘15「響け!ユーフォニアム」 ‘16「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 ‘17「宝石の国」 今年度のグランプリはもうここで動かないだろう。それくらいに圧倒的に、観たいものを全て叩きつけてくれた作品だった。こうした作品が出てくるのなら、日本のアニメ業界もまだまだ大丈夫だ。 最終評価の欄で総括したので今更ここで語るべきこともほとんどないのだが、とにかくあらゆる要素が新しく、魅力的だった。アニメーションを評するときには「シナリオ・映像・音声」という3つの軸で観ていくことが多いが、そのどれもが一筋縄では行かぬ入念な作り込みが施され、たくさんの「唯一無二」が転がっている作品。 中でも一番目を引くセールスポイントはやはり映像部分か。CG制作会社オレンジが初めて挑んだ自社作品。「CGだからこそできる」「CGでなければできない」という「ならでは」の仕事は、CG制作というツールが決して楽をするための道具ではなく、新たな映像表現を生み出すための素材であることを示してみせた。手描きのアニメでは表現しきれないであろう「宝石たちの生命」の硬質の輝きがアニメーションとして実現したのは、もはや今となってはこの方法しかありえなかったと思わせてくれるものだ。 謎が謎を呼ぶハードなSF設定に、どこか気の抜けた女子(?!)どうしのキャッキャウフフが混じり合ったシナリオ展開も固唾をのんで見守ってしまうし、シャラシャラと鳴り渡る鉱物の音響の世界も幻想的。「生きた宝石」という空前絶後の存在に必死に命を吹き込んだキャスト陣の頑張りは言わずもがなだ。本当にねぇ、見事な仕事師ばかりが集まってくれてねぇ……。今後は「どういう声優が好きなの?」って聞かれたら「宝石の国見て」って言って片付けられるくらい。 今作を作り上げるため、どうやら関係者は相当な時間と労力を費やしてくれたらしい。ということは、このクラスの作品はなかなか世には出てこないということになってしまうのだが……願わくは、こうした野心に溢れた作品が作り続けられる業界でありますように。
<サブタイトル部門> 個々のエピソードに焦点を当てたサブタイトル部門である。一応毎回のことなので断っておくと、ここでは各シリーズの「第1話」と「最終話」は選出から外すように心がけている。一応、「1話目はどのアニメも気合が入ってるし、時折イレギュラーすぎる1話目のアニメ(「喰霊-霊-」みたいな)があるし、最終話はどうしても作品の総評と切っても切れないので単体での評価が難しい」というのが理由。ただまぁ、今回候補を検討する中で、どうしても最終話は外せんよなぁ、みたいな作品もたくさんあったので、来年度以降はこの基準もどうしようかちょっと考えたいところ。まぁ、過去の選出時にも色々とペテンは使ってますけどね……。 さて、1話1話思い出していくのは大変だが、まずは真っ当に「良いお話」として受け入れられるエピソードをあげていくと、今期最初の感動で言えば「有頂天家族2」第7話「金曜倶楽部、再び」。夷川早雲の壮絶な死を描いたエピソードで、作中でも貴重な矢三郎と海星の交流が描かれる。また、金曜倶楽部内での弁天の立ち位置など、人間たちの中に物語が色濃く描かれるのも印象深い。このエピソードでグッと持って行かれたからこそ、最終回のアレにつながるわけで。罪作りなお話である。同様に喪失を描いた話では「サクラクエスト」第18話「ミネルヴァの杯」。教授の死は悲しむべき出来事ではあるが、彼はそれすらも見越した上で、間野山での「実践」を貫き通し、生涯の目標を成し遂げた。「町おこし」という難しい作品テーマの結論を巧みに描いた、本作でも屈指の名エピソードである。「泣かせ」の話で忘れられない作品「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」からは第10話「愛する人はずっと見守っている」。この話数でようやく作品としての土台が完成し、ついに「手紙」というツールが最大限に活かされた素直なお話。「人はなぜ手紙を書くのか」という問いに対して、「そこに想いが残る」というお為ごかしにも聞こえる模範解答が、これ以上ない形で示されている。そして、何度見ても立ち直れなくなる展開といえば「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-」第4話「たましい」。わかってる、わかっちゃいるんだけど、やっぱり重すぎるんだよ……ミノさん……。 人が死んだり、滂沱の涙を流してしまったり、そんな重たい話じゃなくてもじわっといい話はありますよ。例えば「ハクメイとミコチ」第10話「竹の湯と大根とパイプ」。ミコチのおねーさん回なんだけど、わたしゃ何故かそれまで少しずつ浸透してるな、と思っていた本作がズドンとこのお話でハマった感触があったんですよ。多分、第3者の目からミコチたちの関係性にかなり切り込んだお話だったからだと思うんだけど。こういう不思議なブレイクスルーみたいな現象は、稀に発生します。ふわっと作品の方向性を決定づけたエピソードとしては「干物妹!うまるちゃんR」第5話「お兄ちゃんの出張」。2人してちょっとしたデートみたいな展開になる浜松旅行なのだが、このお話での「お互い大好きだけど恋愛とは違うよ」みたいな感情がはっきりと出たことで、2期目の明確なテーマが確立した気がしますね。 ズバッと見せたいものを見せてくれるお話ってのも小気味好い。アクションで忘れられないのは「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第6話「決死圏からの浮上」。無茶苦茶なギアによる戦闘シーンの連発と、飽きさせないための多種多様なバリエーション。4期を経てもまだまだ飽きさせない画面を提供し続けるそのサービス精神には感服するばかり。見たいといえば見たかったものがひたすら垂れ流しになったのは「正解するカド」第6話「テトロク」。本当に延々立方体がゴロゴロするだけのお話なのだが、なんだか「シンゴジラ」の会議シーンのオマージュのようだし、「非現実が現実に覆い被さる様子」がたっぷり堪能できるのは、ある意味一番この作品らしいお話と言えるのかもしれない。斜め上の「見たいもの」が繰り出された話数というと、「キノの旅」第6話「雲の中で/雲の前で/あの日から」。不穏すぎる寓話なのはいつものことだが、突然キノの手を離れた不可思議な世界で描かれる、理不尽と道理の物語。この短い時間の中で考えさせられる切れ味鋭い皮肉が効いているのはいかにも本作らしい。 個人的な嗜好で外せない「女の子が可愛いエピソード」群もピックアップさせてもらうと、「アクションヒロインチアフルーツ」からは第3話「大暇人カノン」。ムラムラちゃんの登場エピソードにして、ロコ先輩ががっつり会長スキスキオーラを放ち始める記念すべき話数。遠慮のない女の子の絡みは良いね。それをいうなら「citrus」からだってピックアップしなきゃダメかな。選ぶとしたら多分第9話「live is」。まつり編決着エピソードで、芽衣さんが明確にデレちゃった回である。デレ方間違えてそのあとでこじらせるんだけどさ。まぁ、百合の至高の話数って言ったらやっぱり「ボールルームへようこそ」第19話「敵」ですよ。渾身のダンス作画のために用いられるはずのリソースを、怒涛の百合嫉妬怨念のために費やされるこの贅沢。たまりませんな。あとはこれよりも個人的な 多少技巧的な部分にも目をやっておこう。構成そのものでの工夫が活きるのは、例えば「少女終末旅行」第5話「雨音」。本当にこの回のエンディングは神がかっており、それまでジリジリと引っ張ってきたこの世界の「音」の景色がガラリと入れ替わる瞬間が鮮烈。鮮烈っていう意味ではやっぱり「ポプテピピック」第7話「ヘルシェイク矢野」がすごかったことは認める。「アニメじゃないやんけ」って言われたらそれまでだが……まぁ、一応連続した絵を動かしてるって意味ではアニメーション……とか言い出したらきりがないな。そうそう、試みとしては間違いなく先駆的だったのは「つうかあ」第10話「Replay Log Date」。なんと、1話目と同じ映像でそのままもう1話作ってしまうという……これ、多分もっとインパクトを与える未来もあったと思うのだけど、作品自体が全体的に低調だったのでこのくらいで終わってしまった。実験作としてはもったいない話である。そういえば省エネ+とんでもないネタといえば「Re:CREATORS」第13話「いつものより道もどり道」ってのもあるな。やっぱりギャグに突き抜けた方が結果出せた作品だったんじゃねぇかな。 さて、残りは本当にベスト入りを最後まで検討したお話たち。まずは名作、名勝負が数多く繰り広げられた「3月のライオン」からは「第9話」。零が怒りで我を忘れそうになった時に脳裏にフラッシュバックする二階堂の声。その友情の実り方が、本当に熱くて篤くて。そうして最高の心友を持った零が、京都のひなちゃんのところに駆けつける展開もまたアツい。「3月のライオン」は他にもひなちゃんのいじめ問題が佳境を迎える12話、宗谷という天上の存在を描いた15話、柳原さんの激闘を描いた18話、いじめ問題の決着を執拗に描いた19話と、あまりにも名作エピソードが多すぎる。結局一本に絞りきれずにあえて選出から外すことにしました(作品賞の方で代用する)。 同様に、エピソードの選出に悩んだ作品には「クラシカロイド2」があり、強いて選ぶならドヴォちゃん回の第20話「ドボちゃんの憂鬱」になるのかな。素っ頓狂な画面演出の数々も見どころになっており、ギャグ作品としての面目躍如である。他にも海月大暴走の第3話「一目会ったその日から」や、リッちゃんやりたい放題の第17話「荒野のウエスタンロイド」など、とにかく愉快でお子さんと一緒にも楽しめるエピソードがたくさん。やっぱりNHKなんだよなぁ。あと、これも個人的な嗜好になってしまうので評価が難しかったのだが、「地獄少女宵伽」第2話「あなたしかいない」も最後の最後まで候補に残ったエピソード。やや切れ味の鈍かった4期の中で、この一本だけはしっかりと「後味の悪さ」を意識しながら革新的な地獄流しの構造をとっており、考えさせられるドラマ作りなど見るべき点が多かった。4期を見る場合、とりあえずここだけ押さえておけばいいかと。 そして最後は、冒頭にも書いた通りに「最終話としての扱いをどうしたらいいか」っていう部分で泣く泣く候補から外したお話を2本。1つは「ヘボット!」第49話「さよならヘボット」。いやまぁ、最終回じゃないけど最終回だよな。もう、今作の狂気を全て収束させるなんて絶対無理な話だったのに、それがなんとなくまとまっちゃったという奇跡の1本。もう、何が何だかわからないけどそれでもイインダヨー。そしてこちらは間違いなく最終話ですが、「メイドインアビス」第13話「挑む者たち」。最終話だし1時間スペシャルだし色々ずるいのだが、こんな最高のラストを見せられたら、そりゃ泣くしかねぇもん。番外からでも1位でいいですよ。 さて、残り3本、これも色々悩んだんですがね。
第3位 ‘05 「魔法少女リリカルなのはA’s」第4話「新たなる力、起動なの!」 ‘06 「×××HOLiC」 17話「ジショウ」 ‘07 「ARIA The ORIGINATION」 第9話「そのオレンジの風につつまれて…」 ‘08 「かんなぎ」 第七幕「キューティー大ピンチ! 激辛ひつまぶしの逆襲(後篇)」 ‘09 「獣の奏者エリン」 第48話「リョザの夜明け」 ‘10 「侵略!イカ娘」 第5話Cパート「飼わなイカ?」 ‘11 「ベン・トー」 #10「それは昔祖母の家で食べた温かで優しい味わい。心にも体にも優しい和の料理。梅とちりめんじゃこご飯と季節の野菜たっぷりの煮物弁当 480kcal」 ’12 「戦国コレクション」 COLLECTION-19 「Vengeful Fang-IS」 ’13 「ワルキューレロマンツェ」 第7話 「風車の下で」 ’14 「ユリ熊嵐」 第9話 「あの娘たちの未来」 ’15 「OVERLORD」第9話「漆黒の剣士」 ’16 「ふらいんぐうぃっち」第5話「使い魔の活用法」 ‘17「18if」#8「THRESHOLD」 やっぱり一本くらい挑戦的なタイトルをぶっこんでいきたい派。「18if」はどの回を取ってもすごいんですが(すごく悪い意味と、やや良い意味で)、この8話は明確に挑戦的な要素が表に出たお話だったので、最終回前のカオスを除けば、一番端的に今作を象徴しているエピソードになると思って選んでみた。 何しろアニメーション作品の中でいかにして「聾」を描くかという挑戦である。デリケートな問題でもあるが、様々な悩みを抱えた魔女の夢を1つずつ渡り歩き、彼女たちがみていた世界を解きほぐしていくというこの作品のテーマ設定にはしっかり適うものになっているし、1話完結のオムニバスを基調とした今作だからこそできる、やりたい放題の数々のチャレンジは、とにかく出来ることを全部詰め込んでやろうという野心に満ち溢れている。既存のアニメーションの技術も、元をたどれば音など一切存在しない世界だったのだから、原点回帰して単なるサイレントにしてしまうという手もあったかもしれないが、それでは「魔女の世界」にはならない。あくまで「彼女の世界」を作るためには「耳が聞こえずとも問題なく、音を受容できる世界」を作らなければならないのだ。そんなことできるのか? というとんでもない挑戦を、今作は(それが正解かどうかは分からないが)とにかくクリアしているのである。果たして誰に向けたメッセージなのか。今作の努力が一体どこに実るというのか。そんなことはさっぱり分からない。もしかしたら別に将来のことなどなにも考えていないかもしれない(多分そうだろうよ)。しかし、そこに生まれたいびつな「新しさ」は、間違いなくみたことのないアニメーションだったのだ。年に一本ぐらい、こういう破天荒な作品があってもいいじゃない。
第2位 ‘05 「かみちゅ!」 第11回「夢色のメッセージ」 ‘06 「BLACK LAGOON」 #15「Swan Song at Dawn」 ‘07 「らき☆すた」 22話「ここにある彼方」 ‘08 「とらドラ!」 16話「踏み出す一歩」 ‘09 「とある科学の超電磁砲」23話「いま、あなたの目には何が見えていますか?」 ’10 「けいおん!!」 #20「またまた学園祭!」 ’11 「BLOOD-C」 第11話「たれをかも」 ’12 「中二病でも恋がしたい!」 EpisodeXI 「片翼の堕天使」 ’13 「げんしけん二代目」 第11話 「いい最終回だった」 ’14 「少年ハリウッド HOLLY STAGE FOR 49」 第5話 「エアボーイズ」 ’15 「ハイキュー!! セカンドシーズン」第24話「極限スイッチ」 ’16 「響け!ユーフォニアム2」第9話「ひびけ!ユーフォニアム」 ‘17「プリンセス・プリンシパル」#11「case22 Comfort Comrade」 さぁ、ようやくこの作品の出番だ。プリプリは、最終回でいまひとつ盛り上がらなかったせいで全体としてはそこまで高評価には至らなかったのだが、単体のエピソードの切れ味は鋭く、話数シャッフルとの相乗効果もあり、単品で楽しめる部分が多くなっている作品だ。けれん味溢れるアクション・百合・スパイというごった煮要素のバランスも悪くない。そして、そんな作品の中でも一番好みの要素が詰め込まれていたのがこのお話だった。すでに感想の記事で書いてしまっているが、「堕ちる女」のフェティシズムである。 このグランプリ記事の総体を見直せばさらに顕著であるが、私は基本的に「スカッと爽快! ヒーロー大活躍!」というお話よりも、「なんでこんなに情けないんだろう。弱くて辛くて、でも、そこが一番わかる」という「弱いもの」を描いて共感を呼ぶ方向性のお話が大好きなのである。もちろん、「こんなに弱かったのに精一杯頑張って最後には!」みたいな展開もOKだが、このお話に登場した委員長のように、弱くて敗れて、どうしようもないというお話だってそこにはたっぷりのドラマがある。身につまされる共感は、やるせないほどに近くて、苦しいのである。 そして、このお話ではそうした委員長の「弱さ」の物語に、二重スパイ疑惑という「スパイもの」のエッセンスと、ドロシー・アンジェの関係性に言及した百合的な友情物語のエッセンスが濃密に絡み合う。彼女が二重スパイなのかどうかは正直謎としては大きなものではないのだが、そんな隠れ蓑の中には、「本当に委員長が憧れていたのは誰?」という真の謎が隠されていた。この堂々たるミスリードが実に巧妙で、どんでん返しとしても綺麗に機能しているし、そこが伝わることでなんとも言えない悲哀がさらに際立つことになる。わずか30分の物語ながら、綺麗な「堕ちもの」を余すことなく堪能できるのだ。これこそが、この作品独自の持ち味だったのではなかろうか。さて、2期はまだかなぁ。
第1位 ‘05 「フタコイオルタナティブ」1話「コロッケとヘリと地下ボクシングと私」 ‘06 「涼宮ハルヒの憂鬱」 12話「ライブアライブ」 ‘07 「CLANNAD」 第9回「夢の最後まで」 ‘08 「喰霊-零-」 第9話「罪螺旋-つみのらせん-」 ‘09 「CANAAN」 第11話 「彼女添」 ‘10 「探偵オペラミルキィホームズ」 第4話「バリツの秘密」 ‘11 「花咲くいろは」 第十七話「プール・オン・ザ・ヒル」 ’12 「スマイルプリキュア!」 第23話「ピエーロ復活! プリキュア絶対絶命!!」 ’13 「有頂天家族」 第六話 「紅葉狩り」 ’14 「四月は君の嘘」 第6話 「帰り道」 ’15 「響け!ユーフォニアム」第8話「おまつりトライアングル」 ’16 「RE:ゼロから始める異世界生活」第18話「ゼロから」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」第5話「Dear my friend」 「弱いもの」が大好きなんだ。そう、それはやはり、そのあとに待ち構えるカタルシスの大きさがあってこそ。というわけで、今期ナンバー1の称号は、めぐっちゃんに捧げたいと思う。 正直、「よりもい」も「3月のライオン」同様に毎度毎度素晴らしいエピソードばかりで1本選ぶことなどできないというのが本音。単体での完成度を見るなら12話を選ばなければいけないだろうし、切れ味の鋭さなら6話だって9話だって負けてはいない。このアニメを語る上で、なぜわざわざ南極に出発してもいない5話を選ぶのか、という話だ。しかし、わざわざこうして(2位のところで)伏線を張ってまで選ばせてもらったのだからお分かりだろう。キマリの物語よりも、報瀬の物語よりも、私はめぐっちゃんを選ぶ。 実際、このエピソードでの「友情」の扱いを見て、「あ、このアニメはヤバいやつだ」っていう確信を得ることができた、っていうのが大きなポイントなんだよね。それまでの時点でもいしづか監督の巧みな演出には感心させられていたわけだが、この5話でのやり取りがあって、ようやく脚本が本気で描こうとしているものが見えた。普通ならわざわざ引っ張り出さないめぐっちゃんのお話。彼女はこの世界の「成長」「青春」などの要素の全てを抱え込んで、我が身を犠牲にしてスタートラインを引いてくれたのである。キマリは確かに格好いい主人公になったが、「なぜ彼女は格好いいのか」「どれくらい格好良くなったのか」という全ての指標をめぐっちゃんが務め上げている。彼女がいなければ、キマリたちの南極旅行も、「アニメの中のホラ話」で終わっていた可能性がある。めぐっちゃんが日本で手綱を引いたからこそ、「あれ、キマリたちってやばいことやってるの?」という事実が浮き彫りになった。そんな作品全体の命運を握っていた女、めぐっちゃん。彼女のなけなしの勇気が、この世界を作ったのだ。 「青春」という言葉が抱え込む痛みと喜び。めぐっちゃんを見て、その全てにどっぷりと浸かろうではないか。「残念だったな」。その一言のために。あぁめぐっちゃん。あなたは本当に輝いている。
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Thraxi
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子 ーーーーーーーーーー ↑越えられない壁 沢城みゆき 斎藤千和 中原麻衣 田中理恵 渡辺明乃 能登麻美子 佐藤利奈 佐藤聡美 高垣彩陽 悠木碧
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