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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 映画の日、2本目の作品は当然これだ! やったぜサイコパス。劇場版を最後に、実に4年ぶりの新作エピソードである。そんだけ時間が経つと例によってディティールで忘れている部分も多々あるはずなのだが、なんだろ、不思議なことにこの作品についてはあの当時の記憶も色あせていないし、これだけ間が空いてしまっても別に「もういいかなぁ」という惰性が無い。やっぱり、僕はこの作品が好きなんだと思います。単発のエピソードとしてでなく、世界設定など全てをひっくるめたSFシリーズとして。理想のディストピアの1つなんですよね(変な言い方だな)。毎回、物語に決着はつけているものの、常に次作以降への課題を残しているので、どれだけブランクがあっても「まだ終わっていない物語なのだ」って思うと続きは気になるし。まー、今作に「終わり」を作るのは無理でしょうけどねぇ。「シビュラの完成」がある意味最終目標ではあるのだが、少なくとも朱ちゃん1人ではなし得ないだろうしね。とにかく、シビュラの見守るこの世界で、新しい物語が始まったことを素直に喜ぼうではないか。

 

 

 

<以下、一応ネタバレを含む可能性があるので未視聴注意>

 

 




 

 やっぱり、僕はこの作品が好きなんだと思います(2回目)。いやー、いいね、もう、ドミネーター振りかざしてるの観てるだけでもちょっとアガるしね。もう、エリミネーターでもパラライザーでもトリガーロックでもなんでもこいですよ。もともと未来感のあるデザイン性も売りだったので、そこまで突出した作画の見栄えがあるわけではなくても、劇場視聴に耐えるだけの作品になっているのもありがたい。まぁ、正直言うとたっぷりの物語をテレビシリーズで思う存分見せて欲しいという欲求はあるのだが……劇場公開の方が色々と予算に都合がつけやすいらしいので……下手にシリーズにしてグダるよりは、見せたいエピソードだけをスパッと切り出せるこういう公開方法もありだと思いますよ。願わくは、2部、3部もきっちりクオリティを維持して展開して欲しいところですね。

 さて、そんなわけで期待と贔屓目たっぷりの本作ですが、何が素晴らしいって、今回の主人公は霜月美佳さん!!! もう、彼女の雄姿が見られるというだけでもご飯のおかわり待った無しですね。かつてはアニメグランプリで1位に選出したこともあるくらいに大好きなんですよ、霜月さんが。彼女がどれほど素晴らしい人物なのかは、アニメ2期最終話の感想で振り返ってもらうとして、とにかく僕は彼女の生き様が本当に好きなんだ。誤解を恐れぬ言い方をすれば、「格好いい」と思っている。それまでのサイコパスワールドは狡噛・常守・槙島といった高潔で強い人間ばかりだったところに、まさかこんなにも浅はかで弱い人間が出てきて、なおかつ活躍できるとは思っていなかったのだもの。ただでさえシビュラの統治するこの世界では「何が正しいか」という倫理的な議論は必要なのだが、そんな中、一見してわかる「強さ」とはまた違った方向からこの世界に風穴を開けられる彼女の強さは、歴代アニメヒロインの中でも屈指のものだと思っています。

 そして、そんな霜月さんが…………今作では…………成長しとる……。うわー、なんだこのアクティブ系女子めー。いや、どうなんだろ。「成長」って言葉にもいろんな意味があるからな。パンフを見ると、中の人である佐倉さんが「成長してるかどうかもよくわからん」ってコメントしてるんだけど、まさにそんな感じ。佐倉さんはそこまでキャラの立ち位置をロジカルに見るタイプの役者では無いと思うのだが(悪い意味ではなくてね)、その佐倉さんが「成長……なのか?」と疑問視しているあたり、やっぱり彼女のセンスが表れてる感じがしますね。一応、同様にパンフの中では監督自ら「霜月さんの成長を描かないと」みたいなコメントも書いているのだが、おそらく、ここで言う「成長」ってのは一係という組織の中での立ち位置を見たときの融和性の向上を意味している。すげぇ雑多な言い方をすれば、「慣れ」だ。監視官としてどんな志を持っているかの問題ではなく、おそらく霜月さんは、少しずつ仕事を続けていく上で、この仕事に「慣れて」きただけの話。それは先輩である朱ちゃんとの距離感にも表れているだろうし、直属の上司であるシビュラ(局長)との接し方にも表れている。彼女は精神的に何かが向上したというよりも、より生きやすい彼女なりの「ベターなポジション」を見つけている。それが2期から変わらない彼女なりの人生哲学なのである。

 もちろん、変わっている部分もあるだろう。慣れが出てきたことで、単に巨大なもの、理外のものへ怯えるだけだったペーペー時代とは事情が変わり、いくらか我を通せるようにもなってきた。最初に事件の取り扱いを議論して朱に任された時のガッツポーズなんてのは、かつての霜月だったら絶対に出なかったものだ。彼女の中で、朱との立場の違いを測る1つの材料が実際の職務なわけで、仕事ができると朱に認められることは、彼女の承認欲求をストレートに満たすものであったと推察できる。自分は矢面に立ちたくないし、面倒なことを進んでやりたいとも思っていない。それでも、他者から認められれば嬉しいだろうし、「上の世界」が見えるならそれに越したことはない。彼女なりにシビュラとの付き合い方を考え続けた結果、今の霜月美佳が自然に構成されていったのだろう。個人的に、冒頭の所長室で霜月・常守・所長の三人が対峙してるシーンの距離感がすごく好きで、互いにどんな風に睥睨しているんだろうなぁ、なんてことを想像するだけで吹き出しそうになる。同じように敬礼する2人でも、シビュラに対する姿勢は全く違っているというのが実にシニカルである。

 そんな霜月さんが挑む今回のミッションは、「隔離された世界でのシビュラ的統治の理不尽さ」との対決。まぁ、これまでのシリーズでも似たようなテーマのエピソードはあったし、これまでの大事件に比べれば「シビュラの闇・入門編」くらいの内容だろうか。「隔離された空間と色相」という問題で言えば1期のいじめ問題の時にも扱われているし、今回は規模が大きいので問題の提示・解決がいちいち大味で、そこまでヒネた印象もない。嫌な言い方をすれば、「手頃な劇場版ように拵えられたトラブル」っぽさはある。

 ただ、シナリオを執筆した人がどこまでを狙って書いたものかは定かでないのだが、実はこの設定、かなり「サイコパス」ワールドの本質的な部分に食い込んでいるお話でもある。今回美佳ちゃんがぶっ壊した「サンクチュアリ(聖域)」は、「1人の人間が大衆を洗脳することによって生まれたエデンであり、反発する分子が現れた時に過度の排外機能が発動するのがちょっとした問題」という世界。これって実は、規模を大きくすればこの世界を統治するシビュラそのものの姿に重なるのである。洗脳ではなくて統制、排除と言う名の色相区別である。シビュラがサンクチュアリと異なるのは、1つはトップに君臨するのが「人」ではなく「総体」たるシビュラであるという点、そして何より、完全に「システム」として認識されているという点。薬での洗脳は明らかに問題があるだろうが、シビュラは法治の名の下に、一応は支配下の臣民たちから了承を得た「合理」であり「合法」であるのだ。

 ただ、これも突き詰めて考えれば程度問題でもあるわけで。大量の脳髄が導き出した最適解だからシビュラが正しいのかといえば、そんなものは多数決の原理でしかない。それが解決でないことは槙島なり鹿矛囲なりが散々示してきた事実である。そしてシステムとしての認識にしたって、サンクチュアリの人間たちが自分たちの色相変化を恐れて暴れる様子は、すでに何度も作中では繰り返し現れている「潜在犯」そのものなのだ。つまり、どれほど大義名分としての説得力を持つかという歴史の重み以外で、シビュラとサンクチュアリを分けるものは無いのである。そして、だからこそそれを断罪するシビュラというシステムの矛盾がここで滲み出る。

 もちろん、物語の都合上サンクチュアリの管理人のおばちゃんは分かりやすい悪役として描かれているが、彼女の謳う「ゴミはいくら磨いてもゴミ、変わりなどいくらでもいるのだから使い捨ててしまえばいい」という論理と、そんな彼女に犯罪係数というレッテルを貼り付け、エリミネーターで削除するシビュラに何の違いがあるだろうか。いつだって、この作品はシビュラの正しさを見せつけながら、その背後にある影を意識させるのである。もちろん、そんなことは一切考えず、「裁くのはシビュラである」と悠々とドミネーターを構える霜月美佳さんの勇姿は、何とも頼もしく映るのである。彼女は、自分が振りかざす「法」の強さをどこまで考えて現場に臨んでいるだろうか。今回彼女は主義信条に反してシビュラの示した「潜在犯」の肩を持つことになったわけだが、そこに抱えた矛盾に、彼女は気づいているのだろうか。

 改めて、今回も霜月さんは霜月さんである。それでも彼女がいくらか「成長」して格好良く見えるというなら、彼女はおそらくシビュラとの付き合い方に「慣れて」、考える必要がなくなったということなのだろう。彼女が殊更に繰り返していた「正義の味方」というフレーズ。狡噛や常守さんがこの言葉を口にしたなら、それは全く違うものを意味するのだろう。無垢な少年に対して、あれだけの惨劇の後でも気楽に「正義の味方だから」と言える。それが、霜月美佳の強さであり、生きる証なのだ。彼女の目指す「正義」が最終的に朱ちゃんにとってプラスになるものか、それともシビュラを支えるものになるのか。それはまだ誰にもわからない。

 もう、霜月さんを讃える歌だけで終わってしまいそうなテキストになってしまったが、今回もう1人の主人公として活躍したギノさんにも触れないわけにはいかないだろう。正直、今回の映画は美佳さんにキュンキュンしたのが5割、ギノさんにきゅんきゅんするのが4割といったバランスですね(残り1割は常にベッドで攻められる側の六合塚さんに対してのものです)。もう、2期以降のギノさんは本当に素敵。あの1期のカリカリしてた頃を知っているからこその憧れではあるが、着実に「渋格好いいデカ」の姿になってるんですよね。しかも今回は若いお母さん(仮)と男の子の世話がメインだったもんだから、絶妙に「父親像」が透けて見えるようになっているのがあまりに阿漕で憎らしい。ギノさんにもし子供が生まれたら、彼はどんな風に育てるのでしょう。「俺みたいになるな」って絶対に言うんだろうなぁ……。血は争えないからなぁ。ギノさんの素晴らしいところは、自分の中で完成した「理想の刑事」を全うしながら、ちょっと暴走しそうな霜月さんをしっかり立ててバランス調整してるところね。思い返してみれば、初期の常守・狡噛間の関係にしても、「子守りしてるあんちゃん」っぽさがあったけど不思議と嫌味はなかった。ギノさんは親父さんと狡噛のいいところを自分なりに再解釈して、今後もブレない刑事人生を歩んでいくんだろう。強いて問題をあげるなら、ギノさんの志にブレがなさすぎて今回出てきた敵キャラの立つ瀬がなかったことくらい。あの程度の悪党相手には微動だにしないもんな。いいよいいよ、今作はいろんな「格好いい」が詰まってるからそれでいいんだよ。

 エンディングが「Fallen」のリミックスバージョンってのも嬉しいサービスで、やっぱり今作はEGOISTの楽曲で終わるのが一番良い。隅から隅まで堪能させていただきました。ところで、次回第2部の内容を見ると、次はなんと親父さんのお話なのね。今回は本当にいろんなところを掘り下げてこの世界を見ていく構成なんだな。これ、アニメシリーズ3期につながるって期待していいんでしょうかね?

 

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