「無職転生〜異世界行ったら本気だす〜」 5→6
まだまだ続くシリーズのようなのであくまでも現時点での様子見ってことになるけど、多分、今作はこのままのクオリティで続いていくんでしょうな。
加点要素はとにかく純粋に映像部分のクオリティ。事前に「アニメ1本作るためにスタジオ作ったらしいで」という話は聞いていたわけだが、非常にわかりやすい形で結果が伴っている。毎回丁寧な作画、きっちりメリハリをつけた動画。基本点が高いことに加えて、なろう世界ではなおざりになりがちな背景のデザイン性や色彩・エフェクトまで含めた世界設計、それらは事前にクリエイター陣の中で練りこみ、意識を共有していなければ実現不可能なものだっただろう。どうしても視聴者サイドからすると(というか私からすると)「なろうアニメに気合入れてもなぁ……」みたいな予断が発生してしまうが、そこで妥協せずに成しうる最大級の成果を狙う製作姿勢は素直に評価するべき部分だろう。
あとはまぁ、お話の中身がどうだったのかって話になるが、こちらは可もなく不可もなくか。後続のなろうに比べれば鼻につく部分はそこまで多くない純正の「ファンタジー冒険アニメ」にもなっているし、いわゆるオレツエー系の匂いもそこまでキツくないので飲み込みやすい。過剰なエロ方面への意識など、やっぱり気になる部分はあるにはあるのだが、そのくらいは「作風」ってことで受け入れられる範疇だろう。少なくともドラマ……というか物語を描く上でのいろはを守ったシナリオラインは形成できているし、映像の良さとも相まって緊張感のある展開も持続している。まぁ、これでシナリオラインがもっと鮮烈なものだったら最高級の作品にもなり得るだろうな、という気もするのだが、そこまで求めるのは贅沢ってもんだろう。トータルで見れば、なるほど頑張ってほしいと思える作品であった。
あとはまぁ、間に休憩クールが入っちゃうとどうしてもお話を忘れて思い入れが薄くなるという懸念があるのだが……戻ってきた時に「やったぜ」と思えたら良いね。
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