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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「裏世界ピクニック」 5→4

 なんだかとても惜しい作品。色々といい部分は見え隠れしたのだが、残念ながらそれが作品総体としての魅力にまとめきれなかったかな、という印象。

 すでに個別感想でも述べていた通りに、まずもって描こうとしているメインテーマが難しい。今作のメインになっているのは「ネットロア」らしいのだが、そうした「なんか分からないけど気味が悪いもの」ってのは、往々にしてはっきりした姿を持たないが故に怖いということが多い。そもそも妖怪って存在が怪異への「名付け」であるわけで、アニメーションにするにあたり、「名をつけ」「形を与えた」時点で存在感は別方向へと転じてしまう。これが文字媒体の小説であるなら、ネット上に流布している状態とほぼ同じものを取り扱うことが出来たのだが、アニメーションにするにあたり、文字媒体を映像媒体に転じて「オリジナルの旨味」を生成しなければいけない。残念ながら、今作にはそこまでの力は感じられなかった。

 怪異自体が「なんかよく分かんないけど生理的嫌悪感を抱くようなものだったらよくね?」と言うデザインになるところまでは致し方ないのだが、ネットロアにはさらに「脈絡をぶった切るような不条理」という要素も存在し、これがまた30分で1本のシリーズアニメに向いていない。普段我々は時間の流れの中に整合性を持つ物語の流れを読み取るわけで、それが意図的に捻じ曲げられてしまえば、それはお話そのものの不条理というよりも、「アニメ表現の不条理」であるように感じられてしまう。よく、シリーズ構成やアニメ脚本のお仕事で「時系列の描写が下手かよ」みたいな感想が出てくる通り、漫画や文字と違って強い不可逆性を持つアニメーションの場合、与えられた流れがスムーズに受け入れられないと、視聴者はそれをストレスに感じてしまう。時間転換にしても、場面転換にしても、キャラの性質の変化にしても、どうしてもそこに条理を求めてしまうだけに、このデザインは枷になるのだ。

 そこまで分かっているので、ある程度のビハインドについては情状酌量の余地はあると思うのだが、やはりそこにも「だったらわざわざアニメ化せんでも」という評価は必要になる。アニメにするに際し、「空魚と鳥子の百合要素」というキャッチーな要素もあるからなんとかなるだろ、という判断も頷けるもので、そこだけ拾って「味がする、美味しい」と思える部分もあるのだが、やはり理解の及ばないシチュエーションが連発されるので、そこで暴れる2人の心情も追いきれない部分は出てきてしまう。「世界が不条理だけど、キャラの動きだけは普通」ではお話が成立しないのである。どっちか片方に寄せて思いっきり不条理な関係性にすれば勢いでごまかせたかもしれないのだが、多分そういう狙いの作品でもないだろうし。うーむ、やはり何かが口惜しい。

 でもまぁ、空魚と鳥子がそれぞれ可愛かったのは事実だと思いますよ。あと小桜が可愛かった。うん、特に小桜が可愛かったな。小桜が。以上だ。

 

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