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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 なんという幕切れ、最終話。結局我々が「ヒト」である限り、この物語に真の理解は及ばないのか。

 少年漫画的に言えば「バトルの決着」ではあるはずなのだが、単に戦闘力がどうこういう話ではない。この世界における抗争は、どこまでいっても魂の座の奪い合いだ。リズとレゴシ、2人の肉食獣の決闘は、お互いの主張のどちらに正当性があるかというイデオロギーをぶつけ合い、魂を折った方が勝ちになった。

 その立役者となったのは、作中でも唯一と言っていい、肉食獣と対等に渡り合えるだけの信念を持つルイである。しかし、どれだけ高潔な志を持っていたとしても、やはりこの世界では肉食と草食の間には圧倒的な壁がある。そのジレンマをルイに叩きつけ、身の程を知らせる役目を担ったのがイブキであった。彼は命を賭して、ルイの「足抜け」をサポートすることになった。シシ組の未来だってもちろん大事だったはずだが、それよりも何よりも、自分が憧れ、認めた男の未来のために命を費やした。本来の食物連鎖は、草食の命を食って肉食が生きることを意味する。しかし、イブキの捧げた命はまるで逆のものである。最強の肉食獣の命でもって、ルイはこの世界へと「生還」を果たす。

 そうして駆けつけたルイは、改めてレゴシという男の異常性を確認しつつ、彼に未来を託す。自分1人の力では世界はどうにもならないという残酷な現実を理解し、自分を、未来を変えるための一助として、レゴシへと助けを求めたのだ。レゴシさえいてくれれば、この世界の草食と肉食の関係性は変わりうる。だからこそルイは、改めて自分を「捧げる」ことによってレゴシの信念を支援する。この世の条理を受け入れ、その上でレゴシが信念を曲げないことを信じた。そして、そんな2人の関係こそが、リズの呪いを打ち破る最後の武器であったのだ。

 別にヒグマの力が狼の牙に負けたわけではない。折れたのは牙でも爪でもなく、心だ。リズが必死に抱え続けたテムとの虚飾の関係は、レゴシとルイの関係を見せつけられることで崩壊する。美しかった友情は、歪みきったエゴであったと知る。必死に自分の中の「肉食」と戦い続けた男が、ついに自分の負けを認めた。戦い終わった後にも、レゴシとの友情は変わらないままで。

 当然、レゴシは食殺犯の烙印を押されている。「ルイを食った」という事実は曲げられないが、その事実を伝えた上で、ハルがレゴシとどんな関係を続けるのかは気になるところ。物語はきっとまだ終わらない。この後のレゴシの人生は、どんなものになるのだろう。

 

 

 

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