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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「聖女の魔力は万能です」 4

 汲めども尽きぬなろうの泉。その滴りは甘露のごとく。ただ、この場合の「甘い」は「設定が甘い」とか「作り込みが甘い」の「甘い」。

 分かりやすいナロウスタートなので全部右から左に受け流せばそれでおしまいの作品。映像部分は嫌いじゃないんだ。キャラデザがなろう作品の中ではやや頭身高めというか、全体的にシュッとしてる(関西弁)感じがあって、どこぞのエヴァヒロインみたいな顔の主人公も可愛いといえば可愛い。1話目なのだから作画崩れなんかがあっちゃ困るのだが、少なくともマイナス点はないんじゃなかろうか。

 ただ、親の顔より見たなろう展開の第1話なのだが、なんか、いろんなところが欠けてるというか、いちいち筆が足らずにちぐはぐな印象を受ける。「親の顔より見てるんだったら細かい説明なんてもういらねぇだろ?」と言われたらそれまでなのかもしれないが、「え、そこ説明しないの?」というスルーっぷりが、あまりお上手ではない組み立てになってる気がするんだ。

 本当に細かい部分なので重箱の隅でしかないのかもしれないが、例えば最初の社畜設定の部分、本当に「現世では会社員でした」ということがわかるだけの描写で、おそらく「深夜残業続き」の描写は社畜生活が長くて現世では嫌々だったというなろう主人公お約束のポジションを表しているのだろうが、「会社で残業してる描写」→「突然立ち上がる」→「帰宅後の描写」と時間が飛び、その間、彼女が残業で嫌になったのか、単に仕事が終わったのか、疲れているのか、仕事が楽しいから遅くまでやっていたのか、それが分からない。転生後、「2人の女性がまとめて呼び出された」というのは面白い展開のはずなのに、貴族っぽいやつが片方だけ回収して主人公をほったらかしにした理由が分からない。なんで一目でそっちを聖女だと認定したのか。そして、認定されなかった側も盾の勇者みたいにお払い箱にされるでもなく、特に理由もなく飼い殺しになる。主人公は、突然の召喚で右も左も分からず誰彼構わずすがりたいような状況だろうに、じいさんの説明の途中で何のあてもなく「出て行きます」とか言い始める。カッとなった意味がわからないし、その後すぐに引っ込める感情も理解が及ばない。

 彼女が何故ポーション作成の開発局に興味を示したのかが分からない。何度か通ってる描写があるのに、あとで付け足された「実験所まで遠いでしょ」という設定が全く描かれない意味が分からない。「魔力使ったことないんですか?」と驚かれたのに、そのあとでこの世界と魔力の関係性(おそらく一般市民が普通に使えるものなのだろう)の説明もなく、いきなり「やってみろ」と言われて出来たらすごく褒められる意味が分からない。ポーションの役割は外傷の治癒なのだと推察できるが、何を基準に「1.5倍」などという具体的な数値設定が出てくるのか分からない。最後のシーン、単にポーションを飲ませただけなのに、彼女が手柄を立てたように絶賛された意味が分からない(あの場にいる負傷兵は、ポーションの作者が彼女であることを知らないのではないか?)。

 どれもこれも、「いや、そこは別にええやん」「見てたら何となく分かるとこやん」と言われたらそうかもしれないのだが、「え? なんでそこ言わないの?」という部分が気になりだすとどうしようもない。お約束を履き違えて単なる不親切になっているような、そんな気がするのだ。まー、なろう系もこれだけ溢れてしまうと、もうそういう細かい部分で差を比較するしかないのでね……。こうして細かい進行部分に拙さを感じてしまうと今後の視聴モチベーションに大きく影響するのだが……大丈夫かなぁ。

 

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