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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「フルーツバスケットThe Final」 ー→7

 とにもかくにもお疲れ様。まずはそれを。

 全5クールという長尺でのリメイク。そして足掛け2年の長期戦。こうしてたっぷり時間を使ってくれたことにまずは感謝せねばなるまい。ご存知の通り、昨今のアニメはとにかくリメイクラッシュで、そのほとんどが新規の客層を広げるでもなく、オールドファンには見放され、ただ無為に消えていくばかりである。時代に即した映像化ってのはやはりあるものかと、うまくいかないこの業界の常に寂しさを覚える。そんなことばかりである。

 しかし今作は違った。20年越しのリメイクということで様々な意見が出たのは間違いなかろうが、「前作は前作、今作は今作」という区別を明確にし、その上で、きちんと「1から」アニメを作ろうとしてくれた作品だった。よくあるカットカットでの尺調整などもほとんど無く、多少の調整についてもきちんと意義の伺えるものなので納得できた。そして、1作目では成し得なかった結末までの完走。これだけでも充分に価値のある作品だったと思う。

 前作との大きな区別として、はっきり最終回を見据えた舞台構築があった。前作の大地版は原作もまだまだ完結には程遠い状態からスタートしたため、どうしたってアニメスタッフが考えるオリジナルの要素でまとめ上げるしかなかった。まぁ、それがむしろ功を奏してあのような独自のワールドを展開できたのだからラッキーとすら言えるのだが、やはり原作ファンからしたら慊人の存在などは気になった部分だろう。今回は、そうしたオリジナル要素を入れ込む余地が無い代わりに、全体像を把握した上での作劇を1話目から落とし込むことが可能だった。これはもしかしたら原作者ですら叶わなかったかもしれないアドバンテージである。個人的には紅葉のキャスティングなんかに「あぁ、それでかぁ」という納得感があったのが面白かった。

 そうして最後まで見えている状態で作られた「新生フルバ」は、前作に比べて圧倒的に「少女漫画」になっていたんじゃなかろうか。前作はイメージとしては「童話」とか「おとぎ話」に近いイメージだった作品なのだが、今回はキャラクターデザインなんかも合わせて中心に「少女漫画」を置けていたように思うのだ。まぁ、久しぶりに見るとやっぱり後半の展開はエグい部分が多いのだが、そういうドロドロを描いてこそだと思うし、必要以上にドロドロしすぎないように配慮しつつ、しっかり中心人物たちの内面まで抉っていく作劇になっている。個人的には、今作を観たおかげで原作読了時よりも慊人のことがずっと好きになった気がする。改めて、彼女が主人公だったんじゃないかと思えるくらいに。

 そうした際どいバランスを成立させるのは多数登場するキャラクターがちゃんと「個」として成立した上で物語に絡めていたおかげだと思うのだが、やはりその中でも透くんの善性ってのは異常だなぁ、というのも感じた部分。こんなキャラクター、どう考えてもあり得ないので下手したら浮きまくるはずなのに、周りのキャラクターが一丸となって「本田透」を作りに来ているので、彼女を中心としてフルバワールドが広がっているのがよく分かる。その上で、「透くんを通した世界」からそれぞれのキャラクターに善性が還元されていく配置も見事である。みんなが苦しんで、みんなが戦って、みんなで幸せになる。そんな虫の良すぎるお話が、こんなにも綺麗に見えてしまうだなんて。

 改めて、スタッフのみなさまには本当に感謝したい。今後も、名作のリメイクに挑もうという業界関係者には本作を参考にしてもらえばいいと思う。

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