送りつけられたたほいや譜（21／10／21）

　先日、突然私のDiscordにＤＭが届いた。そこにはただ、たほいやをやったノートの画像だけが貼られていた。「いや、そんなん送られても……」というのが正直なところで、その時はそれで終わりだった。ここ最近は、私は「自分が参加してないたほいやの記録には関与しない」というスタンスである。基本的にたほいやはライブイベントだと思っているので、その時にその会場にいない人間が後からなんやかんや書く意味は乏しいと考えているためだ。あと、純粋に面倒クセェからだ。手書きのノートの写真なんて文字起こしから入らにゃならんし、まっぴらごめんである。

　しかし、今日のたほいやにて、「若者たちがこんなことをやったらしくてのぉ」と送られてきた画像をお歴々に共有したところ、おじいちゃん軍団はたいそう満足げであった。「若いもんがたほいやをやっているというのはそれだけで素晴らしいことである。若い才能が伸びていて、将来も安泰だ」と太鼓判。なるほどやはり最近は面子も固定化しており、新鮮な空気が入ってくることを喜ぶ気持ちは強いようだ。

　そんなわけで今回に限り、文字起こし＆雑感の付記を試みた。色々とハードルは高く、ことに手書きのログは書記の際にスピードが求められるせいで字が荒くなって判読が困難な箇所が多かったりするし、細かいニュアンスを再現できなくなってしまうのは致し方ない。ただ、私がまだ顔も名前も知らぬ若い才能の溌剌としたたほいやを記録するもまた良しというのは作業をしていて思ったことではある。以下の初々しい答えを新鮮な気持ちで味わっていただきたい。

　ちなみに、少ない情報をかき集めたところ、以下の試合の面子はこの世界に若者を招き入れた我々サイド（？）の主犯格が２名参加しているが、他はおそらくビギナーだと思われる。中でも、そんな主犯格の１名の「弟」という参加者がいるのが斬新。我々のコミュニティにおいて、兄弟が揃って何かに取り組むというのは史上初のことである。兄の方はすでに問題児として名を馳せた名（迷）手であるが、さて、その血は弟にも引き継がれているのか。史上初、血脈対決が幕を開けた。

 

 

 

Round１・「じいじいもんもん」

１、アブラゼミの異名。主に沖縄地方で用いられる。

２、リョコウバトの鳴き声を表す語。

３、（幼児語）文字と絵。

４、小説『ぼくは、全てを欲す』の主人公、秀夫の口ぐせ。「じいじい、ほしいんだもん、ほしいんだもん！」が略されたもの。

５、老人が寺の門にいる状況におけるその門。

６、ＧＧ佐藤のハンドルネーム。北京五輪で戦犯とされ野球を引退後、エッセイストに転向。

７、伊持長政が所有していた槍にあしらわれた紋のこと。

　「じいじいもんもん」はかつて出題されようとして事前に潰されたお題なので、答えが並ぶのは初めてのことですね。　①普通、初めてたほいやする時は大体こんな感じの答えになりますよ。俺だって最初の最初は「アルゼンチンの政治家」とかだもん。　②これの時点で少し助走ついてますよ、もう。　④これがくだんの弟の最初の作品のようです。……え？　大丈夫？　こいつ大丈夫？　たほいや初参加者、オリジナル小説つくりがち（誰かの「いもごみ」という過去を掘り返しながら）。　⑤こちらが兄の作品。「爺・寺・門・門」って文面にはならんでるけど冷静に考えると門は１つだけだな？　騙されるな！　⑥ねぇ、辞書って知ってる？（俺らが言えることではないが）　「北京でやらかしたから引退」みたいに書かれてるけどそんなことねぇからな！　⑦これも書記が読み取れないので人名のところは違うかもしれん。あと槍も違うかもしれん。何もかも違うかも知れん（手書きたほいやはこれが怖いのよね）。

 

 

Round２・「あゆちあ」

１、古代ギリシアの都市の名前。前1600年頃に栄えた。

２、タイ国バンコク北方の都市。日本町の遺跡がある。

３、東ヨーロッパにまたがる山脈。最高峰は2655メートル。

４、南アフリカの郷土料理。

５、→アユタヤ。

６、鮎を愛するあまり鮎を釣る者を過度に攻撃する人々。

７、→織田無道。

　割と普通の答えが並ぶ中……⑥これ、「弟」の答えなんですよ。……絶対にここにくる前に兄から英才教育受けてる気がするんだよなぁ……もしくはbotで予習してたとか……。これ、初見では「鮎cheer」かと思ったけど、もしかしたら「鮎・治安」かもしれん。どっちにしろ頭はだいぶおかしい。　⑦これもおかしいけどな。「存命の日本人は基本的に掲載されない」というのが広辞苑のルールなので、第８版にならいるかもしれん（突然ガチアドバイス）。

 

 

Round３・「おばがさけ」

１、兵庫県尼崎市の蔑称。

２、狂言。男が鬼の面を被って酒屋の伯母によって眠り見破られる。

３、女房言葉。おひつのこと。

４、古酒。飲めばたちまちたたらを踏む。

５、ささくれがむけたあと。

６、和歌山県岬。おばがみさきが転じたと考えらえる。

７、いとも容易く釣れる鮭。

　①「あまがさき」の訛りみたいなことなんだろうか。なんで蔑称？　③広辞苑表記だと「女房詞」ですね。　⑤こういうさりげないのが案外票を取れたりする。　⑥これ「の」が抜けてる？　⑦「Salmon_ fished_ dirt_ cheap」、ＳＦＤＣだ（なんもかかってないな）。多分「お馬鹿鮭」。

 

 

Round４・「せみごろも」

１、ウクライナの小説家。小説『かの日のキエフ』『夢の中』など。

２、（枕詞）野や声にかかる。

３、ｎ度揚げする時のｎー１度目（ｎは任意の自然数）。

４、夏向きに薄くすけるように織った布で作った着物。

５、黒小豆で作るぼた餅。

６、ポルトガルの宣教師。肉欲神父。

７、スペインカタルーニャ州サンパ道出身のサッカー選手ＭＦ。1978年アルゼンチンワールドカップ得点王。

　①頑張って著作名とか考えて書いて票をもらえないとなんか恥ずかしいよね。　③これは兄の作。ふざけ方がこなれている。これ、ｎ＝１だとどうなるんだ？　⑥そして弟の作。「国名」の「職業名」というのは人名のテンプレートなのだが、まさかそこから何の予兆もなしにいきなり転調するのが怖すぎる。この兄弟、野に放って大丈夫？　⑦表記上読み取れなかったのでそのまま記載したが、多分句読点が足りてないな。

 

 

Round５・「あさもよし」

１、バラ科の多年草。初夏に白色の花が咲く。

２、さも良いかのように取りつくろうこと。

３、（枕）地名。『紀』『城上』にかかる。

４、アングロサクソン大堕落。

５、アーサー王祭り。

６、同人誌。さいとうもきちトリビュートのタイトル。

７、一晩おいたカレーの意。

　①ビギナーの作なのだが、初戦にして多年草覚えちゃダメよ。それはとても悪いことなの。もうやっちゃダメよ。お姉さんとの約束よ。　④⑤これ、多分どっちもアーサー王だと思うのだが、何故我々は「あさ」の２文字から必ずこいつにたどり着くのか（「あさぶさ」「あさひこ」など）。当然⑤は「アーサー催し」であろう。　⑥これは書記が手を抜いたからひらがな表記なのかな？　「茂吉トリビュート」の時点で聞いたことがない文字列だが。　⑦こういう初期のゴールドエクスペリエンスみたいにゆっくり痛みが襲ってくる系好き。

 

 

 

　そうそう、こういうのがたほいやだったんだよな……（いうほど無邪気か？）