最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
○「明日ちゃんのセーラー服」 6 母親が花澤香菜で妹が久野ちゃんという謎の大沢一家。主人公は関係ない事務所だが、どこかサラブレッドの匂いがする。 なんとも珍妙な作品である。第一印象は「このキャラデザは受け付けね〜〜〜」というもので、目がぐりんと大きな顔の造形は、どこか生理的な恐怖感を伴う。おかげで冒頭からしばらくは「CloverWorksお手製の背景美術は見事だけど……このキャラが動く限りはちょっと苦手な作品だ……」と思いながら見ていたのだが、途中からそんな恐怖を上書きしていく何かを見たような気がする。とにかく、1枚1枚の画のフェティシズムで勝負しようとする、そんな作品だ。 視聴後にググって原作の概要を見てなんとなく得心がいく。なるほど、もともと絵で勝負するタイプの漫画が原作の様子。そして、原作絵はアニメ以上にもっと怖い。この絵をアニメに落とし込んだ結果があのデザインだと言われたら納得せざるを得まい。なるほど奇異な部分を残しながらのギリギリの作画。これはこれでむしろ努力の結果なのだろう。顔の造形に目をつむれば、細やかな仕草、狙いすましたウェットな映像表現は、それだけで看板たりうる唯一無二のものに仕上がっているように見える。 日常系の範疇に収まりながらもどこか違和感を持たせるテーマ設定も気になる要素は多く、「母親お手製のセーラー服」というだけでもちょっとびっくりだったのに、Aパートで大団円を迎えたかのようなどでかいハピネスを感じさせながら、Bパートでそれが逆転する掴みはかなり強い。「いや、そんなことあるわけないやろ」とか「流石に面接した先生たちが悪いやろ」とかツッコミは数かぎりないが、とにかくそうして「セーラー服」をオンリーワンの個性として獲得したヒロインが、その「衣装」を武器にして新しい世界へと飛び込んでいく様子は実に晴れがましい。普通だったら「個の埋没」の象徴となるはずの「制服」というツールが最大の個性を発揮するという発想はどこから出てきたものだろうか。 今後は学校内での友達の交流をメインに話が進んでいくのだと思われるが、突飛すぎるキャラや設定に頼らずに一歩ずつ積み重ねる青春模様が描かれたら、それはそれで面白いものになるんじゃなかろうか。「古味さん」みたいな振り切れ方で引っ張るんじゃなくて、1話目で見せつけた徹底的に描き込みを増やした画面構成で攻める作品になってほしい。そして、それを成立させるためには、ここから1クールを走り抜けるだけのスタミナが必要になる。……頑張れCloverWorks。
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