さ、なにやら極々一部の人に待たれてる感もあるので、今年もちゃんとやるよ、差分チェックだ! 知ってる人は知ってると思うが、私は1度やり始めたことは、なかなかやめられない面倒な質なんだ……。おかげで新しいものに手を出すと純粋に処理が増えるのが恐ろしく、なかなか新しいものに手を出せないという救いのない性格なんだがね。
思えば十数年前、ふと思いつきで始めた作業だったのだが、今やこの「声優名鑑」は「今年の掲載数が何人増えた」だの、「ついに掲載数が1000人を超えた」だのがネットニュースになるくらいに、妙なところで話題になる存在だ。往々にして「声優の裾野が広がりすぎて、もう誰でも声優って名乗っちゃってるよね!」という揶揄のために扱われることが多いのだが(そして、もちろん私にもそうして呆れる部分はあるのだが)、冷静に考えてみて、定年の無い職業で「名鑑」を作ったとして、ほとんどの場合は声優名鑑と同じ道をたどることになるんじゃないのかしら? だって、ある職業を名乗る人って、基本的に自分から「もう引退します」ってなかなか言わないじゃん。そんで若い人が入ってきたら、そりゃ増えるに決まってるじゃん。例としては「全日本・普通免許持ってる人名鑑」を考えてみたらわかりやすいよ。そりゃ正式に返納する人もいるだろうが、ふつーは使わなくなっても持ってるもんだしね。私は「そういうもんだ」と思って諦めたというか、別にいいんでない、と思うようになってきた。まぁ、ノイズが多すぎるから検索性が著しく低下しているのは事実なのだが……情報量は純粋に増加しているのだから、歴史資料としての価値は保持されているよ。
というわけで、ニュースにもなっていた数字の部分をまとめておくと、今年は史上最多となった昨年からさらに69名が追加され、総勢1003人という呂布でも倒しきれないくらいの人数になった。いやー、やっぱ桁が変わると圧巻だね。名鑑のページ数は4ページ増。このままのペースでいくと3年後には100ページを超えることになる。ちょっとした辞書だ。もう、ここまで来ると編纂してる人も適当になってくるんじゃなかろうか。多分、データ提出してる事務所も声優個人も適当な奴はいると思うぞ。ちなみに、2019→2020の時の60人増が史上最多だったが、この後に及んで増加幅も記録を更新。多分、編集が開き直っている。一応去年分から転載して数字を付け加えておくと、2010年以降の数字の変遷はこんな感じ。536→ 536→ 548→ 596→ 644→ 680→
703→ 751→ 800→ 847→ 907→ 955→ 1003。12年でほぼ倍かぁ……。
しかし、今回の名鑑は、史上初の記念すべき事件が起こっている。加入分のチェックの前に先に触れてしまうが、今年収録された「朝ノ瑠璃」という新人が……なんとVの者である。そう、名鑑に、写真じゃなくて「絵」が載っている!!!! 流石にこれは度肝を抜かれたので、興味がある人は是非確認してみてほしい。何故Vの者が名鑑に載ったかというと、この子は「邪神ちゃんドロップキック」できちんとオーディションの上で役を勝ち取った正規のキャスト扱いだから。一部作品のようにゲスト出演とかじゃないので「声優」として載る権利があるわけだ(いや、掲載される条件が具体的に何なのかは知らんが)。なお、今年の名鑑の裏表紙に載っている広告が「大人気VTuber事務所ホロライブプロダクション」であることが関係あるかどうかは触れないでおく。おもしれぇ時代になったもんだなぁ……。
他にも熟読すればまだネタはありそうだが、とりあえず急ぎさらった時に印象的だったのはそれくらい。あと、しょっちゅう書いてるけど未だ「真田アサミ」と「沢城みゆき」の間には誰も挟まらずに隣同士で並んでいるのはとても良い。多分「潘恵子」と「潘めぐみ」は何があっても隣同士だろう。「井上喜久子」と「井上ほの花」は、すでに「井ノ上奈々」が挟まった状態だったが、今年さらに1人増えて母娘の距離が離れていっている。これも前書いたけど、「いとうみか」→「いとうみき」→「いとうみく」の並びほんと好き。あとラ行に入って「Liyuu」から「劉セイラ」「Lynn」と繋いで「レニーハート」で締めるインターナショナルな並びも好き(間に「力丸乃りこ」が挟まってる)。そうそう、今年初めて気づいたんだけど、ずっと「水樹奈々」→「水沢史絵」っていう並びだから、キュアブロッサムとマリンも隣同士だった。
ま、こんな感じでダラダラと眺めてるだけでもネタは色々拾えますよ。さて、そろそろ去年との変化をみていきましょうか。一気に増えた追加分からどのような状態かを簡単に確認していこう。
IN(69名)
藍原ことみ 秋月美穂 朝ノ瑠璃 浅見春那 安達忍
天希かのん 雨宮夕夏 石井萌々果 井上遥乃 岩倉あずさ
大西綺華 荻野葉月 河井晴菜 河内美里 川口莉奈
希水しお 北原知奈 北守さいか 久住琳 久保田ひかり
久保田梨沙 倉持若菜 香坂さき 後藤彩佐 佐久間紅美
桜川めぐ 咲々木瞳 佐々木李子 紫月杏朱彩 島田愛野
十二稜子 白砂沙帆 杉浦しおり 高瀬くるみ 玉城仁菜
天麻ゆうき 戸田梨杏 中村桜 那谷柊優 夏生
南條ひかる 土師亜文 橋本和 長谷川里桃 原えりこ
日向未南 日向未来 日原あゆみ 広瀬世華 廣瀬千夏
福原遥 藤寺美徳 藤野彩水 法元明菜 星谷美緒
星ノ谷しずく 堀内まり菜 本郷里実 増田里紅 水瀬郁
嶺内ともみ 向井莉生 森千早都 森山由梨佳 矢野優美華
結木ゆな 吉武千颯 依田菜津 若山詩音
こんだけ並ばれると「知らんがな」としか言いようがないわね。さすがに私もほぼ認識できてないし、全部調べるのもキツいので、知らんところについては各々で気になったら自学自習しておくように。ただ、当たり前のことだが割と真っ当に「事務所が新人を追加したよー」っていう枠が多い気がするので、そこまでいじる要素は多くないかな? 最近多い「ソシャゲで声がついたキャラのおかげで仕事もらえた新人」みたいな人がちょいちょい。去年までは大体アイマスだったが、今年はそこに「ウマ娘」という新たな鉱脈が追加されている。一応ちょっとは認識できてる若手の名前を上げておくと、例えば天希かのんは「サクガン」のメメンプー。玉城仁菜は、同じ名前で「BLUE REFLECTION/零」の山田仁菜役だったので印象に残ってるかな。「かげきしょうじょ!」で山田役を務めたのはもともと歌手としても活躍していた佐々木李子。依田菜津はキュアフォンテーヌ役だったが、1年遅れでの収録。過去の例を見ると、何故かプリキュアでデビューすると掲載が遅い気がする。
転じて、「何で今!?」枠をみていくと、例えば大ベテランでは安達忍の名前が目に付く。過去には2016年に何故か外され、またしれっと戻ってきた。相変わらず謎の現象。他にも私の世代だと佐久間紅美は「そういやいたなぁ」という名前で、確認したら2011年に掲載が途切れている。実際あまり活動はしてなかったみたいだが何故か10年越しの再登場。理由は不明なのだが……1つ見つけた可能性は、彼女の代表作が「東京ミュウミュウ」だってことなんですよ。そう、すでに発表されている「東京ミュウミュウ」の新作アニメの話、実際、今回新人として登録された名前の中にも、キャストとして発表された若手が多数登録されている。もしかしたら、その辺が関係してるのかもしれません。同様の可能性としては、私は世代が合わずに知らなかった名前に原えりこさんっていう名前があるんですが(この人は過去未掲載)、調べてみたら代表作の1つに「SLAM DUNK」があるんですよね……そういうことなのかしら?
その他、この1年で一気に飛び出してきた子役あがりの若山詩音、ついに正々堂々と「声優」としても登録した福原遥(今まで載せてなかったんやね)なども目を引くし、私は個人的に何といっても櫻川めぐの名前がようやく載ったってのが……。これも勝手な推測だが、彼女の場合はデビュー後の出始めた時に一旦事務所離れて、その後所属したSが割と小さいところだったんで、なかなか掲載にいたらなかったんじゃないか、と勝手に思ってます。無事にメンバーが揃って一安心ですわ。
OUT(21名)
石川桃子 岩渕桃音 海乃るり 金子彩花 岸本萌佳
倉岡水巴 鈴木毬花 高辻麗 武田愛奈 たけだまりこ
立花芽恵夢 鉄砲ゆりの 巴奎依 長嶋はるか 長弘翔子
名波翼 成海瑠奈 葉月杏奈 ボンジュール鈴木 槙乃萌美
夜道雪
改名(1名)
帆風千春 → 千春
さて、入ってくるものがあれば、出たり、ややこしかったりするものもある。引退や病気療養、それに逝去などの理由で無くなってしまった名前がいくつかあるのは毎年辛いところではあるが致し方ない。石川桃子あたりは「たまに、なんか、見た気がする」くらいの名前だったのだが正式に去年引退したらしい。
逆にちょっと面白いところでは槙乃萌美という人もいくつか外画系で仕事をした後に引退しているらしいのだが、調べてみたら「島根県で元気に会社員やってます」という本人のTwitterがヒットして「そういう人生もあるものだなぁ」としみじみした。ボンジュール鈴木とか、むしろ何で去年載ってたんだよっていう人もいるし、せっかく「スーパーカブ」でそれっぽいポジションになったと思った夜道雪は事務所を退所してるっぽいな。
よくわからなかった枠としては金子彩花・鈴木毬花という2つの名前はまだ若いし、特に仕事を離れてもいないようなのだが今年から名前がなくなっている。2人の共通点が「大沢事務所所属」なんだけど、なんか理由があるんだろうか。あと、個人的に毎年毎年すげぇ気になっていた鉄砲ゆりの。名前も写真もインパクトがある人だったのだが、ついにその掲載が途絶えた。結局どこの誰だかよく分からんかったのだが、面白いのは、彼女が所属しているという「ラベリテ・プロ」という事務所、HPはあるんだが、所属してるタレントの情報が一切なく、本人のWikiから飛ぼうとしてもデッドリンクになっているという。ただ、代わりに今年新たに掲載された「秋月美穂」という人の所属がこの「ラベリテ・プロ」なのだ。……もしかして1枠入れ替え制とかなんすかね?
もう1つ笑ったのは葉月杏奈という名前で、なんとこの人、去年「声優名鑑2021広告モデルオーディション」というよく分からん企画でグランプリを取り、去年の名鑑の裏表紙を飾っていた。いや、そんな扱いで取り上げたなら、せめて今年は載せといたれよ。さすがにかわいそうやろがい。
とまぁ色々あるわけだが……ちなみに、今年のOUT枠の21名というのはここ数年ではやや多い数で、その理由になっているのが、「22/7」のメンバーがごっそりと抜けているからである。具体的には海野るり、高辻麗、倉岡水巴、武田愛奈、帆風千春の5名。大々的に新人発掘プロジェクトとして拾っておいて、この扱いはさすがに…………。あまり知らなかったので確認したのだが、ナナニジ、もうメンバーの大半が「卒業」とかいう扱いになってるのかよ。どうにもお粗末なプロジェクトだったなぁ……そして、そんな中で1人「掲載無し」ではなく「改名」という方法で乗り切ってるのが帆風千春で、わたしゃ全然知らんかったのだが、この子って愛美の妹だったのかよ。そんで沈みかけた舟から避難するかのように、綺麗におねーちゃんの事務所(響)に移籍している。そして姉と同様に名字を削除している。この渡り歩き方は……たくましいな。愛美も過去には歌い手として生き残れるかどうかってところでの一発逆転に成功しており、相当なタフネスなのは間違いない。姉妹でがっつりと生き残れるそのスピリッツは見習っていきたい。
あと、どことは言わないけど「今年なくなるかもしれない名前」の話で言ってた名前も……うん、まぁ、そうなるか。「事務所からの削除以来が間に合うくらいの時期だったんだなぁ」って思いました。まる。
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