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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 そうなれば、そうなるやろ、第6話。粛々と描かれるべき物語が描かれている印象だが……。

 当方、「恋愛リアリティショー」に類する番組なんかは1回も見たことがないので虚実の割合は何とも言い難いが、とりあえず作者がやりたいことが「恋愛リアリティショーリアリティショー」なのは分かるので、扱い方はなかなかに上手いな、と思わせるものになっている。虚実入り混じり、演者も視聴者もある程度は「嘘がある」ことが分かっている「リアリティショー」。それ自体に別に善いも悪いも無いわけだが、何年か前にそこから自殺者を出し、大きな問題になったことは未だ記憶に新しい。今回はそんな生傷も癒えぬメディアを扱い、そのショーを舞台にした「リアリティショー」を入れ子構造で行っていくのがこの作品である。視聴者側は「虚実入り混じっているものを演じているというこの子たちのドラマにも、当然作者が意図した物語を描きたいという虚実が入り混じっている」という二重のフィルターを意識する必要があり、どのように受け止めるかは人によってかなりの差が生まれるのではなかろうか。

 まずもって、作中でアクアが言っていた「思ってたよりも誠実な構成になっているよ」という「一般論」の虚実はどうしても頭にチラつく。おそらくそうした作品を作っている業界の人たちへの気遣いというか、最低限の防御策なのだろうが、今回のお話を見て分かる通り、あくまで作者が描きたい最大の対象は「衆愚」であって、恋愛リアリティショーというジャンルそのものの功罪ではない。そこに視聴者の余計なヘイトが向かないよう、今作における番組自体は「案外悪くない、真っ当な精神で作られた番組だ」という設定にしている。そして、今作の視聴者は当然「そういうものだ」と一旦受け止めて話を見ていく必要がある。その部分に「ほんとかぁ? いやいや、もっとヤラセとか多いでしょ。何を当たり障りのない描き方してんのよ」みたいなツッコミを入れる意味はない。この世界での番組はあくまでこういうもの。そこに疑義を挟む余地は無い。

 なんでこんなことにわざわざ言及しているかというと、こういう作品を見ていると、本当に「衆愚」というものの恐ろしさがジワジワと染み込んでくるから。まさかとは思うが、このアニメを通して何か「本当のこと」が分かったような気になっちゃうような層も出てくるんじゃないかと、そんな恐怖感すら刺激するのである。そして、そんな「愚」の中に自分自身も入ってしまうのではないかという恐怖感も。結局、主観視点で自分が「聡くあるか」を判断する方法などないわけで、知ったかぶりをすればするほどに馬脚を表すことになる。その被害を最小限に抑えるためにも、「全てはフィクション」という当たり前すぎる条項を、何度も何度も読み返して肝に銘じておく必要があるのだ。

 いやまぁ、そんなこと気にして観るような作品でもないのだろうが……もちろん作者はそれなりに取材や分析を行った上で描いているのだろうから、一抹の真実だってあるのかもしれない。個人的に面白いと思った言葉は「メディアと視聴者の相互監視時代」というフレーズで、なるほど現代のネット使用法の心得としてこれは実に的を射た言葉であるように思える。エゴサが怖いのはほんとによく知っている。私も自身がエゴサで潰れてしまう人間なのはすごく良く知っているので、なるべく見ないようにしたい……けどエゴサは止められぬ。「する」「しない」の2択ではなく、最大限自分にプラスになるようなエゴサ・ネットの使い方を考えましょうというお話。そしてちょっぴり、「みんな、バカにならないでね」という切実な願いのお話。

 「思っていたより誠実な作りだった」と語られた番組自体の存在も含め、どうやら今回番組に関わっている演者たちも、別に悪人としては描かれないようである。強いて悪い奴をあげるとするならあかねの事務所の社長なんかはクソっぽいが、あれくらいは業界では(というかどんなジャンルでも)普通にいる程度の経営者だろう。まだ裏を残してそうなのは演者の1人、鷲見ゆきくらいだが、アクアが本腰入れて何か対策をしなきゃいけないような巨悪になりそうな感じもない。あくまで、被害にあったあかねを中心としてネットの「衆愚」といかに向き合うかというテーマであるように思われる。

 そうしたテーマ設定のため、渦中のあかねは徹底して努力家・善人として描かれ、彼女がネットの理不尽に潰されていく様子が実に分かりやすく展開される。そこは特にひねりがあるわけじゃないが、どこかで見たことがある構図なだけに分かりやすく、その深刻さも切実だ。正直、アクア1人の力でここからの巻き返しが出来たとするならかなり都合のいい展開にしなきゃいけない気もするが、こんだけの「善い子」を生み出したのだから、そんな姫を守りながらのアクアの王子様ムーブも気合いが入るというものだろう。是非、もやもやがたまった今回のお話の鬱憤を晴らすような展開に期待したい。

 関係者のキャラが固まってくると、個人的にはやっぱり中の人たちの頑張りに目(耳)が行きますね。るみるみ大好き人間からしたら謎の存在感を発揮するMEMちょも気にはなるが、今回の話だけで言ったらやっぱりあかね役の石見舞菜香がMVPかな。彼女の堰が切れてこぼれ出た「疲れた」の一言、マジで「ひっ」って声が出るくらいに怖かった。悲しいとか辛いとか悔しいとかじゃない、ただ「疲れた」。この台詞を発した時に彼女が泣いていないというのも怖い要因の1つか。ご丁寧に涙は雨で演出され、彼女の精神の擦り切れぶりと感情の乖離が滲み出てるカット。いいお仕事。

 

 

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