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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ZETMAN」 5→5

 始まりはゼロ、よろしかったんじゃないでしょうか。いかにも読売系、っていうまとまり方だったと思う。なかなか他の局だとこういう作品のアニメ化ってしてくれないしね。

 振り返ってみると、話の筋立ては本当にシンプルで、「正義とは何か」という永遠の命題を、黒と白の2人のヒーローの正義感、生き様を対比させ、そこに絶対悪を紛れ込ませることで問うていく形。結局どちらが正義か、とか、どちらが勝つのか、といった終わり方にはなっていなかったが、そりゃまぁ、たかだか13話であっさり理解されても困るしね。1クールで終わってしまうのは意外だったのだが、この尺にしては案外内容も豊富だったし、原作ファンからもそこそこ満足してもらえるくらいの出来にはなっていたんじゃなかろうか。いや、実際には原作が続いてるみたいなので、どの程度の「未完」っぷりなのかはよく分からないけども。

 基本的に主人公2人の「正義」が揺れ動くものとして描かれているおかげで、この作品は「悪」の方が際だった存在になっている。2人のヒーローを形成しようと躍起になるおっさんどもがこれでもかと素敵な不幸を提供し続けてくれるため、どこまで言っても胸くそ悪い展開しか待ち構えていない。あっさりと人が死ぬし、あっさりと仲間には裏切られる。生真面目に生きようと高雅がもがけばもがくほど、その先には絶望しか待ち受けていない。何となく予想をつけながら見ていても、なかなかやるせない気持ちになれるお話である。ただまぁ、視聴者視点からすると高雅の幼稚な「正義」感にも同調できるわけでもないし、当然無頼を気取ったジンに感情移入するでもない。2人があーでもないこーでもないと大人に振り回されてどんどん追い込まれていくのを見ていると、「悲惨だなー」という気持ちはありつつも「そうなれば、そうなるやろ」という、なんだか腑に落ちる部分も多かったりするのである。なんだろうね、この微妙な歯がゆさが気持ちよくなる感覚は。

 あとはまぁ、このどうにもならないお話をそこそこ楽しみつつ、存外出来の良かった映像面でのまとまりと、おっさんフェスティバルな中の人祭りを楽しむだけ。やっぱりね、おっさんが活躍出来るアニメって素敵だと思うんですよ。最近だと「Fate/Zero」もおっさん声優が贅沢に共演していて話題になったが、実はおっさん濃度で言ったらこちらの方が圧倒的に上。個人的に「親父にしてみたい声優」第1位(?)の菅生さんが活躍してるだけでもたまらんし、奇人変人おっさんパワーでは右に出るものの無い堀勝之祐氏も大大大好き。飯塚昭三氏がいて、広瀬正志氏がいて、石井康詞がいる。もう、アフレコ現場の加齢臭がすごそう。たまりません。千和を放り込んだら発狂するレベル。

 終わりならゼッ。

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「ヨルムンガンド」 5→5

 最終話がちょっとナニだったのでややとっ散らかった感はあるものの、シリーズを通じての評価で言えば充分今期では上位に入る出来の作品。今から秋が楽しみではある。

 本当に、惜しいとしたらシナリオの詰め込み具合だけ。話の筋はシンプルな作品だから、これにプラスアルファでアニメならではの良さを出すとしたら、独特の「悪漢たちの社会」を描くすれっからした感じを引き出す方向になると思うのだけど、急いてしまうとどうしてもそうした「おおごと感」が薄れてしまって、本当に武器商人が淡々と武器を売って回るだけの進行になりかねない。もちろん、ほとんどの話数ではそんなことは無くて、きちんとココたちの個性を押し出しながら、ピカレスクならではの爽快感もあったし、ココのふざけたキャラクターもいい味になっていた。最初は「尖ってるな!」と思ったキャラクターデザインも、ココがよくやる百面相を見ているうちにどんどん馴染んできて、独特な「隈取り」フェイスも面白味になっていたと思う。考えてみりゃ、あんだけ大胆に顔が変わるシーンはアニメにするとなかなか見せ方が難しい要素だったんじゃなかろうか。

 あとはいつかも書いたことだが、この作品独自の長所は「武器商人」という立ち位置がそのまま見せ場に出来ること。「この武器ならこう使え」といった見せ方もそうだし、バトル要素も「多分みんな色んなことに精通しているからこんな風になるんだろうな」というよく分からない説得力の持たせ方でオリジナリティが出る。今時のアニメだったら、刀だろうが銃だろうがバズーカだろうがミサイルだろうが、扱うのが華奢な女の子だったりするんだが、この作品は基本的におっさんとムキムキだけだから安心だ。カレンさんがちょっと細身だったくらいだろうか。そうなると、自然に最萌えキャラがヨナ坊になるというのが恐ろしい。別にショタの気はないのだが、屈託無く笑えるようになったヨナは本当に「普通に利口な男の子」だよね。ラストエピソードでのバルメを通じたココとの関係性は良かったと思う。メインヒロインのココがあまりにも完成された人格なもんだから、回りにいるヨナやバルメの精神性を成長させることで物語としての進展を生み出す流れなのでね。次のシリーズではヨナが何をやらかしてくれるんでしょうか。

 その他、レーム、ルツなどのメインスタッフ、スケアクロウやショコラーデなどの賑やかしも短いスパンできちっとキャラを出してくれていたし、どこまでギャグになっても一線は越えずにきちんと「命の取り合い」という路線をキープしている舵取りのバランスもよい(考えてみりゃ、阿澄ボイスが聞こえてきたのに殺し合いの現場、っていうのはすごい設定だと思うよ)。このあたりは流石の元永さん、といったところか。個人的には、「刀語」の時にも面白い起用のされ方をしていた音楽担当の岩崎琢氏の仕事も大きかったんじゃないかって気もする。これ書いてる今日この日、丁度サントラが発売されたらしい。…久しぶりにサントラ欲しいなぁ。

 そして音響といえば中の人ですよ。最初は当然バルメの中の人目当てで見ていた部分が大きかったんですが、最終的にはきちんとメインヒロインであるココがお気に入りになってました。御前は良いお仕事をしてくれる。デビュー当時は割とお堅い役や包容力を求められる役が多かった気がするけど、最近は(本人のキャラのおかげか)こういう飄々とした得体の知れない役も増えたね。本当に、いい歳の取り方をしていると思う。

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「緋色の欠片」 4→4

 いやぁ、2期目、おめでとうございます。良かったね、ほら、何がアレで、そんな感じだからさ。…………いや、見てたよ。うん、ちゃんと……いや、ばっか! 違うって、そんな、適当にアニメ見るなんて申し訳ないこと出来るわけないって…………

 スミマセン、あんまり本気で見てませんでした。流石にシナリオがフラット過ぎて、割とあっさり飽きました。いや、でも毎週ちゃんと流し見程度はしてたんですよ。「杉田とか浪川が相変わらず楽しそうに仕事してるなー」とか。……映像もろくすっぽ見てなかった可能性もあります。だからあんまり評点する権利はないんです。ファンの方々には申し訳ないです。

 やっぱりこういうのは向き不向きなんだよなぁ。実にストレートな逆ハーレムものなので、なびく要素が何1つないのが辛いとこ。この手の作品で一番真面目に見られたのは多分「薄桜鬼」だと思うんだけど、アレはメインヒロインの中の人のパワーが大きかったから。そう考えると途中で脱落した「歌プリ」がフォロー出来なかったのは、まだ私に中の人への愛が足りなかったからなんだろうか。沢城先生、すみません。

 というわけで、完全に水があわず、モチベーションが上がる要素が特に無かったので書けることが無いです。ただ、ちらちら見ていた感じだと、やっぱり「人気タイトル」なんだろうな、というのが感じられるくらいの品質ではあったと思う。能力バトルも含めて作画は綺麗だった。並べてみたら今千秋や福田道生、川瀬敏文といったディーンでは重鎮と呼ばれるポジションの人たちが参加していたし、プロップ作監でずっと岡真里子がついていたので、割と全体的なイラストレーションは嫌いじゃないのよ。元々ディーン好きなんだけども、今期はこっちよりも「さんかれあ」の方を優先してしまったものでね。

 というわけで、最後まで一応見通したのは中の人パワーがあったおかげで。具体的にはフィーアさんの中の人ですよね。もう金髪巨乳美人声優を名乗ってもいい頃合いだと思う。途中から緑髪だったけど。あと、メインヒロインを演じた三宅麻理恵も充分頑張ってくれてたと思いますよ。

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「アクエリオンEVOL」 6→6

 はい、終わりましたよー、半年、長いようであっという間ダッタナー。

 ……この作品、基本的に感想で触れてはいなかったんだけど、毎週、結構な楽しみ方してました。正直、配点をもう1点上げるかどうか考えるレベルでは。ただまぁ、前作を飛び越えたかと言われりゃそうでもないだろうし、ある意味「予定通りの」楽しみ方が出来たという見方もあるので、一応優良可で言うところの「良」くらいにしておきたいと思います。でも、全部終わった今、またちゃんと1から見直したら評価も変わるかもしれない。あまりにも多忙過ぎる月曜・火曜の時間枠にいなくてゆっくり腰を据えて見られてたら、多分加点出来てたと思う。それくらいの作品。

 終わってみると、例によって何が起こったのかよく分からんような終わり方である。ただ、この作品の場合、「シナリオがなってない!」なんて叩くのも無駄な話で、1期の頃からさっぱり分からんレベルでとにかく好き放題やっていた。ただ、前作は脚本段階で割と河森さんがガッツリ絡んでいたおかげで彼独特の「地球感」とか言ったものがギャグとして昇華されるという、本当に捉えどころのないスピリチュアルな笑いがあまりに新機軸だったが、今作のメインライターは変態淑女でお馴染みの岡田麿里。彼女の投げる球も魔球以外のなにものでもないが、河森監督の変態さよりはよっぽど俗っぽい部分で荒ぶってくれるので、シナリオを追うのにさほどの疲れは無かった。

 もちろん、だからといってつまらんとはこれっぽちも思わない。確かに投げ捨てるような無茶苦茶なお話だらけだったのだが、毎回毎回ここまでの純度でギャグが突き抜けるというのも、生半可な変態性で出来るもんではない。2期目ということは、我々はある程度「慣れて」しまっているわけで、そんな視聴者達を相手に、「お約束」以外の要素でもきちんと「どないやねん!」と突っ込ませることが出来たら、それは脚本家の勝ちと言ってしまっていいのではなかろうか。ホントに、毎回的確にイカれたところがあるってのはすごいと思う。最終回に向けての盛り上がりも見事だったが、今思い返してみると、毎回同じぐらい盛り上がっていた気もする。個人的には、最近だと1人で変形しただけのくせに合体って言い張る無茶苦茶さが好き。「お前に出来たんだから俺に出来ないわけがねぇ!」って、そもそもまずお前が出来てない。

 そして、投げっぱなしな不条理ギャグばかりに目を奪われて忘れがちだが、今作が地味にすごいのは、あれだけ無茶なキャラクターたちが大挙していたというのに、いつの間にかそれぞれのキャラが個々に描き込まれており、いわば全員が「おいしい」状態まで成長していた部分。初期にスポットが当たったユノハやらシュレードといったメインポジションのキャラもそうだけど、最終回を見たら本部にいる全員がちゃんと最終回には自己主張が出来ているのである。1人1能力の設定のおかげもあったろうが、これだけ不条理が蔓延している世界で、誰一人として埋没せずにどこかしら「笑わせる」要員として機能していたのはすごいと思う。まぁ、結局一番美味しくなかったのがアマタとミコノのカップルだったっていう話もあるんだけども……ゼシカはどう考えてもカグラとくっつく理由はないよなぁ。

 今更感はあるが、サテライトの作る映像の安定感も見事、一時は「AKB」と同時制作ってことで人手がそっちに割かれるんじゃないかと不安になったときもあったんだけど、なんのなんの、最終回を見ても分かる通り、相変わらずの大迫力CGパート。元々アクエリオンは無茶苦茶な合体シークエンスの面白さから始まった作品だし、「不条理ギャグをくそ真面目な作画でやる」面白さは健在だった。個人的には、夢に出そうだった「ずっとそこにいる不動」の映像がトラウマ。こえぇよ。

 脚本は(どうでも)良い、そしてキャラは軒並みおいしい、映像にも文句がない。そして、この作品の特徴、最大の武器の楽曲面は今期もぶっ飛んでいる。相変わらず楽しそうだよ菅野よう子。そして今をときめくキャスト陣が大活躍の中の人ブーストも充分。個人的には、最終的に中村悠一と融合して見せ場が一気に増えたゼシカの中の人、花澤香菜が実は一番楽しんでたんじゃないか、という気がする。意外と珍しいんだ、ゼシカみたいな役回りは。後はMIXとアンディのカップルも楽しそうで良かった。相変わらず藤村ボイスというと「固っ苦しい委員長タイプ」なわけだが、MIXの場合はMIXYっていうオプションがあったり、エロネタの恰好の餌食にされたり、中盤戦はどう考えてもメインヒロインだったり、いいところ取りすぎた感がある。最終的にビッグバンが戻ってきてて本当に良かった。

 さて、「2期目」でここまで外さずに良作になったオリジナルアニメってのも本当に珍しい存在だと思うのだが、今作でもってひとまず「アクエリオン」の世界は収束、ということになるんだろうか。それとも、また7年後に戻ってきたりするのか。また1万2千年経過した世界をやればいんだから、何とかなる気もする。ミカゲさん、もう一回嫉妬に駆られて目覚めてくれませんかね。

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おうん? なんか終わっちゃったぞ? 最終話。うーむ、ここまで非常にテンポ良く楽しませてもらっていただけに、今回はなんだか色々と想定外。うーむ。

 はっきり言ってしまおう。今回はあまり面白くない。出来が悪い。一応分割2クールと分かっちゃいたとしても、流石に構成がうまくない。色々な箇所がちぐはぐで、この1話だけを見たらかなりお粗末な結果と言わざるを得ない。確かにこれまでの話数でもキツキツで明らかに急いでる部分はあったけども、ここまであからさまなことはなかった。サブタイトルもあんまり最終回っぽく無いので本当に「あくまで小休止」程度の「ラスト」だったと考えることも出来るけど、やっぱり節目の1話になる部分なんだから、もうちょっとどうにかしてくれなかったものかなぁ。

 一番まずいのは当然シナリオ構成。原作がどうなっているのかは知らないけど、何もかもが駆け足で、説明のための説明だらけだ。前回登場した殺し屋3人組があまりにもあっさりと退場してしまうし、その際にココたちがどう機転を利かせて危機を乗り越えたのかが分かりにくい。今回最大の見せ場が作れたウゴの激走シーン、アスミスをぶっ飛ばしたココのドアタックルなど、1つ1つのシーンは面白かったのに、全体として「見せる」意識が薄く、オーケストラの時のようなけれん味がない。結局あの3人組はどこでどう余生を送っているやらなぁ。

 そして、ある意味最大のクライマックスとなるはずだったバルメの復讐劇。こちらも1つ1つのアクションは悪くない。一瞬で見張り2人を切って捨てるバルメのナイフアクションなど、いつも通り見せてくれている部分もあったとは思うが、肝心のクライマックスがなんだか印象の薄い描写になっており、こちらも駆け足だった上にカレンのアイデンティティの問題と同時並行で描かれてしまったために、バルメの物語としてのカタルシスが弱い。ほんと、もっと尺があれば「バルメの因縁」「カレンの生き様」、そして「ココの部下との接し方」など色々と美味しそうなテーマが転がっていた部分なのだが、全て一緒くたで流れてしまった。せめて「こんな世界なんて」のところはもう少し溜めを作って欲しかったもんだが。

 そして、それ以降の流れも全てテロップで「数日後」などと説明を加えることで最低限の処理をし、2期へ繋げるであろう、謎の男の素行を追ったところで終わった。いっそのこと、最後のくだりはまるまる切って、バルメとココのイチャラブで1期目をめでたしめでたしにすることは出来んかったもんだろうか。それならもう少し締まったと思うし、時間を割ける分だけ個々のエピソードが彫り込めたと思うのだが。うーむ、何か原作未読者には分からない事情があるのかなぁ。それにしたって不親切じゃないか?

 あと、今回はコンテを監督自ら処理しているわけだが、なんだかカットつなぎが妙なところが多かった。最初はバルメの回想あたりから気になったので何らかの演出意図があるのかと思ってみていたんだけど、後半の病院のシーンあたりで「ひょっとして単に時間が無くて演出の帳尻あわせが出来てないんじゃなかろうか」と思えてきた。いきなり何の前触れもなくカットが飛んだり、音響演出もブツッと切れたり。作画面ではバルメの腹筋運動のところが明らかにおかしかったし。あれは流石にギャグとしての演出ではないよなぁ。画と台詞のつなぎがちぐはぐで、せっかくココがバルメに対して良いこと言ってくれたのに、あんまり頭に入ってこなかった。WHITE FOXの制作でこんな状態は初めて見たぞ。

 うーむ、本当に勿体ないラスト1話である。まぁ、これを見たからといって今まで築き上げてきたものがなくなるってわけでもないのだが、最後の最後でこれだと、2期目の尺が大丈夫なのかと、余計な不安も出てくる。この3ヶ月できちんと準備して欲しいもんだけどなぁ。

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 まややん、どっとあいのパーソナリティ決定おめでとうございます、第11話。流石にのりにのってるなー。本人がどういう方向性で行くのかまだ決めかねている感はあるけど……アイムだから正統派路線なのかなー。

 さておき、存外あっさり決着してしまった、親父さんVS千紘の直接対決。ハーフゾンビ化した人間相手に「武力」で挑もうとした親父さんの運が悪かったとも言えるのだが、それにしたっていくら何でも折れるのが早すぎる気がしないでもない。先週展開したあの重々しい過去話は一体何だったんだ。こんなに早く団一郎から憑き物が落ちてしまっちゃ、一人取り残された亜里亜さんが可哀想過ぎる気がする。

 まぁ、元々団一郎の方が確実に「間違った」存在なわけで、それを打破するのは正攻法ならば無理な話ではない。千紘は一貫して「礼弥の意志を尊重せよ」と言っていただけだし、団一郎側のメンタルを考えれば、あの場に礼弥本人が現れてしまったことも敗因だったかもしれない。結局、今まで誰一人としてやってこなかった「面と向かって正論を吐く」というのが、一番簡単な打開策だったってことなんだろう。また、礼弥がこれまでになかったとんでもない状態になってしまっているというイレギュラーも、十数年間凝り固まってきた団一郎の妄執を解き放つのには一役買っていて、「死してなお逃げ出したかったもの」であるという事実を突きつけられたら、さしもの団一郎も折れるしかなかったと。……うーん、やっぱりそれならもう少し早くに気付いても良かったと思うし、そこまでこだわったなら、もう少し折れずに狂乱しそうな気もするんだがなぁ。

 敢えて千紘のオリジナルの強さをあげるとしたら、多分、あの信じられないような緊張感の無さこそが最大の武器なのかもしれない。普通に考えたら、突然見ず知らずのおっさんに拉致られてサーベル突きつけられたら、そりゃぁ萎縮するでしょう。あの時点ではハーフゾンビの毒については一切自覚症状が無かったわけだし、礼弥から団一郎の狂気については漏れ聞いている。何故ああもあっけらかんとおちょくることが出来たのかはよく分からない。この世界で一番強いのは千紘のゾンビなみに鈍感な図太い神経だったってことなのかしら。ある意味、器のでかい男ではあるよね。だからこそ団一郎も愛娘を任せる決心がついたのかもしれないけれども。「死姦だけはするなよ」って、親父さんも悩ましい忠告をしていったもんである。ラストで飛行機に乗って団一郎が飛び立つシーンの映像がやたらと美しかったのに感じ入りましたわ。

 というわけで、一応本編は決着がついた。次週は後日談ってことで諸々の後片付けになるんだろうか。片付いてない問題といえば、今回ラストでなんか不穏な空気になったわんこと礼弥のライバル関係とかか。いや、あと1話2話で解決する問題じゃないけど。わんこの思い切りの良い行動は見てて気持ちが良いですよね(あとエロいよね)。個人的には、礼弥には適度に天寿を全うして幸せな末期を迎えてもらい、最終的には千紘がわんことくっつけばそれでいいと思ってるんだけど。あんまり千紘は乗り気じゃないのかなぁ。ゾンビバニーであそこまでテンション上げる奴だからなぁ。

 ゾンビバニーといえば、今回前半で無駄にテンション高めでお送りした礼弥のコスプレショーはメイドコンビのテンションも相まってなかなか楽しいシーンだった。桑島メイドは加虐が似合う、ってね。しかし、地下牢まで用意されているとは、おそろしい家だぜ散華家……。

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これは来た、第10話。だから、この作品は視聴が遅れてるからあんまり感想書いてもしょうがないんだけど……今回はすごかった。

 夕子さんの過去に肉薄する決定的な1話。全編過去エピソードであるのだが、最初は夕子さんに憑依(?)した貞一視点でエロハプニングなどを描き、なおかつ過去編にのみ登場する女性キャラ2人も追加。一気にハーレム展開かと思われたが、そんなこたぁない。この作品、エロ有り萌え有りながら、きちんとホラーとして、サスペンスとしての作劇もやるのである。過去の夕子を襲ったあまりに悲劇的な事件を、真正面から目を背けること無しに語り尽くしている。クライマックスでの夕子さんの感情の発露が凄まじく、映像の切実さも相まって、非常に印象深い一本となった。基本的には動きではなくてカットつなぎのメリハリで勝負するスタイルの作劇が主な作品。トリッキーな演出による見せ場はこれまでも多かったが、今回は貞一の感覚共有の使い方が見事で、夕子の感じた痛みを貞一が伝え、夕子の孤独と慚愧の念を、見ていることしか出来ない貞一視点のみで切り取ることで、より切迫感が募る。

 そして、これまでは夕子と闇夕子という2つの感情を切り離していたわけだが、今回は闇夕子の「誕生秘話」ということになるので、その根本には「2人の夕子」が融合した姿が描かれている。つまり、分化前の「本当の夕子」が現れている。この「2つの夕子」の融和点を見事に作り上げたのが、夕子さんの中の人、原由実である。元々、割と達者な子やとは思っていたけど、今回の大役を果たしたことでますます気に入った。今作は本当の当たり役だと思う。是非今後ともこの勢いで仕事をもぎ取って欲しい。

 そして、そんな夕子の悲劇を過去と現代に渡って見守ってきたのが、夕子の実の妹、紫子であるのだが、なんと、中の人が佐藤聡美である。すごいなぁ、「村の危機を救うために無理矢理集団で村人に拉致られ、そのまま人柱にされた不幸な運命のセーラー服少女」を一番身近で見守る、これまたセーラー服の少女役、なんてものを、何故人生で2回も演じることになるのか。庚夕子と閻魔あいではちょっと格が違いすぎるけど、御景ゆずきと夕子さんくらいなら、案外良いバランスの妖力対決が出来るのかもしれない。そんなことを考える今日この頃。7月からAT−Xで「三鼎」が始まるよー、ひゃっほう!

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一護の中の人が「なん……だって……」って言ってたよ、第4話。やっぱりもりたせいいちさんは「なん……だと……」が似合うなぁ。

 4話までダラダラと見てきたんですが、新番チェックの時に割とひどい書き方をしたので、フォローのための追記のつもりで一回だけ記事立て。ストーリー展開のせいもあるかもしれないけど、1話で辟易した映像面での不満がかなり低減されており、きちんと「描かれた」表情なんかでは割と面白いシーンもあったので、実は案外悪いアニメじゃないかもしれません。シナリオについてはどうなるのかしらないけど、こういう軍記物ってそこまでひどいことにはならないと思うし、表情豊かなキャラクターで盛り上げてくれるなら、ここから苦労せずに見られるかもしれません。まぁ、所々で相変わらず「楽してますよ」っていうシーンがあって苦笑いが出るのは愛嬌ですよ。今回も、相談してる敵兵士の後ろで延々雑魚が量産されるカットがあまりにも淡々としててひどかったな。

 そして、この作品の最大の見どころは、なんと言っても「実は今期屈指の釘作品」という部分である。非常に濃密なショタ釘宮が堪能出来るのは良い。実に良い。結論・それが言いたかっただけ。

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「Fate/Zero」 6→7

 真正面から攻め込んでくるタイプのアニメ作品。終わってみれば2クールなんだからそこまでの「大作」ってこともないのだろうが、やはりその圧倒的なボリュームは、なかなか他の作品では味わえないものだったんじゃないかと思う。

 基本的に、視聴後の感想は1期を見終わった時のものと大差なく、「すごい映像」が「丁寧な演出」と「ぜいたくなキャスト」で作られたという、ただそれだけの話なのだが、やはり完結した後ということで、「きっちり終わらせた満足感」を含めてこの点数ということにしておく。少なくとも1期が終わってから下げる理由は無いだろうから。

 いや、実は点数を下げる要因も無いではない。あんまり他人の感想は気にしないようにしているつもりなのだが、どうも原作視聴者からすると、「アニメはシナリオ配分がまずくて削った部分が多すぎる」という意見が目に入ってくる時があるのだ。なるほど、原作を知らないから想像もつかないが、原作ではもっと丁寧に描写がなされていたシーンがあるらしい。そりゃまぁ、枠に制限がない小説媒体の方が、1話1話で時間制限のあるアニメよりも描き込めるのは当たり前のことなのだが。それを踏まえるとあくまで「原作を知らない人間の感想」であるが、個人的に、アニメの描写だけを見て「なんだかよく分からんな」と思ったことはあまり無い。気になった部分といえば、たとえば切嗣の起源弾ってのがどんな代物なのか分かりにくい、とか、そういう設定レベルの話でいくつか存在しているが、アニメスタッフはそうした「描写が欠けるであろう部分」もちゃんと把握した上で画作りをしている。「それが理解出来なくても差し支えない」進行を考えたり、本当に微細な作画演出でもってキャラクターたちの心情をフォローしたり。特にこの作品の場合には切嗣、綺礼などの心情理解がやっかいな連中が多いのであるが、そうした複雑怪奇なキャラクターについても、「画で見て」ある程度何が起こったのかを理解出来るように心を砕いている。もちろん、画で表される「描写」は100%の絶対的な伝達ではなく、視聴者の受け止め方に依存する部分はあるだろうが、そうした揺らぎも含めて、多くの想像の余地を残し、いくつもの「fate/zero」が作れるのだとしたら、それは難点というよりもアニメ独自の広がりととることもできるだろう。

 こうした受けの広い作品作りが出来るというのは、やはりメインスタッフの力量、そしてスタジオの力量が素直に出た結果だろう。ufotableとあおきえいという、脳汁が止まらない取り合わせは、見事に期待に応える結果を残してくれた。本当に恵まれた作品だったと思う。世間的にもかなり盛り上がった作品になったみたいなので、おそらく商業的にはこれからもしばらくは取りざたされることが多くなるとは思うのだが、これはこれで完全にシナリオが閉じてしまっているのが悩ましいところではあるな。聖杯戦争って第3次以前はほとんど描かれてないらしいし、稼ぐとしたらそっち方面に下ることになるのかしらね。

 最後に中の人の話だが……この作品で誰か1人を取り上げたり、ってのは無理な話。もう、とにかく全員すごい。全てのマスター、サーヴァントがあり得ない充実ぶりだもの。強いてあげるとするなら、他のキャストに比べて圧倒的に知名度が低いキャスター役の鶴岡聡氏だろうか。今までの活動履歴を見てもあんまりぴんと来なかったわけだが、今作での大活躍は語るに及ばず。今後はこの勢いに乗ってちょくちょく見る名前になるのかもしれない。男性声優って、どれだけ実力があろうとも、本当に砂粒みたいなチャンスをつかめるかどうかの勝負だからねぇ。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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